大問1
(1) 次の ➀~➂ の計算をしなさい。
➀ \( 6 \div (-2)-4 \)
【解説】
\( =-3-4 \)
\( =-7 \)
➁ \( a+b+\dfrac{1}{4}(a-8b) \)
【解答】
\( \dfrac{5}{4}a-b \)
【解説】
\( =a+b+\dfrac{1}{4}a-2b \)
\( =\dfrac{5}{4}a-b \)
➂ \( (x-2)^2+3(x-1) \)
【解説】
\( =x^2-4x+4+3x-3 \)
\( =x^2-x+1 \)
(2) 次の ➀,➁ の問いに答えなさい。
➀ \( 5x^2-5y^2 \) を因数分解しなさい。
【解説】
\( =5(x^2-y^2) \)
\( =5(x+y)(x-y) \)
➁ \( x=\sqrt{3}+2,y=\sqrt{3}-2 \) のとき,\( 5x^2-5y^2 \) の値を求めなさい。
【解説】
➀ より,
\( 5x^2-5y^2=5(x+y)(x-y) \)
\( =5\{(\sqrt{3}+2)+(\sqrt{3}-2)\}\{(\sqrt{3}+2)-(\sqrt{3}-2)\} \)
\( =5 \times 2\sqrt{3} \times 4 \)
\( =40\sqrt{3} \)
(3) 下の資料は,ある中学校の生徒 \( 240 \) 人のスポーツテストにおけるシャトルランの結果を表した度数分布表と箱ひげ図である。
このとき,次の ➀,➁ の問いに答えなさい。

➀ \( 90 \) 回以上 \( 110 \) 回未満の階級の相対度数を求めなさい。
ただし,小数第 \( 3 \) 位を四捨五入して,小数第 \( 2 \) 位まで求めること。
【解説】
相対度数は「その階級の度数 \( \div \) データの総数」で求めることができます。
よって,\( 40 \div 240=0.166・・・ \) より,小数第 \( 3 \) 位を四捨五入すると,\( 0.17 \)
➁ 資料から読みとれることとして正しいものを,次の ア~エ のうちから1つ選び,符号で答えなさい。
ア 範囲は \( 100 \) 回である。
イ \( 70 \) 回以上 \( 90 \) 回未満の階級の累積度数は \( 102 \) 人である。
ウ 度数が最も少ない階級の階級値は \( 120 \) 回である。
エ 第 \( 3 \) 四分位数は \( 50 \) 回である。
【解説】
ア ・・・ 範囲は「最大値 \( – \) 最小値」で求められるので,\( 125-30=95 \)(回)
イ ・・・ 累積度数はその階級以下の度数の和になるので,\( 59+79+37=175 \)(人)
エ ・・・ 第 \( 3 \) 四分位数は \( 95 \) 回。\( 50 \) 回なのは,第 \( 1 \) 四分位数。
(4) 右の図のように,点 \( A,B,C,D,E,F \) を頂点とする1辺の長さが \( 1 \; cm \) の正八面体がある。
このとき,次の ➀,➁ の問いに答えなさい。
➀ 線分 \( BD \) の長さを求めなさい。
【解答】
\( \sqrt{2} \; cm \)
【解説】
正八面体は,すべての辺の長さが等しいので,
四角形 \( BCDE \) は,1辺 \( 1 \; cm \) の正方形になっています。
線分 \( BD \) は,正方形 \( BCDE \) の対角線なので,
\( BD=\sqrt{2} \; cm \) になります。
➁ 正八面体の体積を求めなさい。
【解答】
\( \sqrt{2}}{3} \; cm^3 \)
【解説】
この正八面体を面 \( BCDE \) で切断すると,四角すい \( A-BCDE \) と四角すい \( F-BCDE \) は合同であり,四角すい \( A-BCDE \) を2つくっつけた形になっています。
四角すい \( A-BCDE \) において,面 \( ABD \) に注目すると,
\( AB:AD:BD=1:1:\sqrt{2} \) より,
\( △ABD \) は直角二等辺三角形,\( ∠ABD=45° \) になっています。
点 \( A \) から線分 \( BD \) に垂線をひき,交点を点 \( O \) とすると,
\( △ABO \) は \( BO=AO \) の直角二等辺三角形になります。
点 \( O \) は線分 \( BD \) の中点になるので,
\( BO=AO=\dfrac{\sqrt{2}}{2} \; cm \) になります。
以上より,四角すい \( A-BCDE \) は,
底面が1辺 \( 1 \; cm \) の正方形,高さ \( \dfrac{\sqrt{2}}{2} \; cm \) なので,
四角すい \( A-BCDE=1 \times 1 \times \dfrac{\sqrt{2}}{2} \times \dfrac{1}{3} \)
\( =\dfrac{\sqrt{2}}{6} \; (cm^3) \)
正八面体の体積は,この四角すい2つ分なので,
正八面体 \( =2 \times \dfrac{\sqrt{2}}{6}=\dfrac{\sqrt{2}}{3} \; (cm^3) \)
(5) 下の図のように,\( 1,3,4,6,8,9 \) の数字が1つずつ書かれた6枚のカードがある。この6枚のカードをよくきって,同時に2枚ひく。
このとき,次の ➀,➁ の問いに答えなさい。
ただし,どのカードをひくことも同様に確からしいものとする。

➀ ひいた2枚のカードに書かれた数が,どちらも3の倍数である場合は何通りあるか求めなさい。
【解説】
6枚のカードのうち,3の倍数は \( 3,6,9 \) の3枚なので,
あてはまる組み合わせは,\( (3,6),(3,9),(6,9) \) の3通りになります。
この問題では,「同時に」2枚ひくので,\( 3,6 \) と \( 6,3 \) は1通りとして数えます。
➁ ひいた2枚のカードに書かれた数の積が,3の倍数である確率を求めなさい。
【解説】
ひいたカードの組み合わせとその積を樹形図として書き出してみます。
積が,3の倍数になる組み合わせは12通り,すべての組み合わせは15通りなので,
求める確率は,\( \dfrac{12}{15}=\dfrac{4}{5} \)
(6) 下の図のように,関数 \( y=\dfrac{1}{3}x^2 \) のグラフ上に点 \( A \) があり,点 \( A \) の \( x \) 座標は \( -3 \) である。
このとき,次の ➀,➁ の問いに答えなさい。
➀ 点 \( A \) の \( y \) 座標を求めなさい。
【解説】
点 \( A \) は \( y=\dfrac{1}{3}x^2 \) 上の点で,\( x \) 座標は \( -3 \) なので,
\( y=\dfrac{1}{3} \times 3^2=3 \)
➁ 関数 \( y=\dfrac{1}{3}x^2 \) について,\( x \) の変域が \( -3≦x≦a \) のとき,\( y \) の変域が \( 0≦y≦3 \) となるような整数 \( a \) の値をすべて求めなさい。
【解説】
二次関数 \( y=mx^2 \;\; (m>0) \) において,
\( x \) の変域が \( 0 \) を含むとき,\( y \) の最小値は \( 0 \) になります。
ここから,「整数 \( a \) は \( 0 \) 以上の値」になります。
また,\( x>0 \) の範囲で,\( y \) の最大値 \( y=3 \) になるのは,
\( y=\dfrac{1}{3}x^2 \)
\( 3=\dfrac{1}{3}x^2 \)
\( x^2=9 \)
\( x=3 \) (\( x>0 \) より)
のときなので,「整数 \( a \) は \( 3 \) 以下の値」になります。
以上より,あてはまる整数 \( a \) の値は,\( 0,1,2,3 \) になります。
(7) 下の図のように,円 \( O \) の円周上に点 \( A \) があり,円 \( O \) の外部に点 \( B \) がある。点 \( A \) を接点とする円 \( O \) の接線と,点 \( B \) から円 \( O \) にひいた2本の接線との交点 \( P,Q \) を作図によって求めなさい。なお,\( AP>AQ \) であるとし,点 \( P \) と点 \( Q \) の位置を示す文字 \( P \) と \( Q \) も書きなさい。
ただし,三角定規の角を利用して直線をひくことはしないものとし,作図に用いた線は消さずに残しておくこと。
【解答】
手順1 2点 \( O,A \) を通る直線を描く。
手順2 点 \( A \) を中心に円弧を描く。
(直線 \( OA \) との交点を点 \( C,D \) とします)
手順3 点 \( C,D \) を中心に円弧を描く。
(交点を点 \( E \) とします)
手順4 2点 \( A,E \) を通る直線を描く。
手順5 2点 \( B,O \) を結ぶ線分を描く。
手順6 点 \( B,O \) を中心に円弧を描く。
(交点を点 \( F,G \) とします)
手順7 2点 \( F,G \) を通る直線を描く。
(線分 \( BO \) との交点を点 \( H \) とします)
手順8 点 \( H \) を中心に点 \( O \) を通る円弧を描く。
(円 \( O \) との交点を点 \( I,J \) とします)
手順9 2点 \( B,I \) を通る直線を描く。
手順10 2点 \( B,J \) を通る直線を描く。
手順4の直線と手順9の直線の交点が点 \( P \),手順4の直線と手順10の直線の交点が点 \( Q \) になります。
【解説】
点 \( A \) を接点とする円 \( O \) の接線は,点 \( A \) において直線 \( OA \) と垂直に交わるので,
点 \( A \) を通り,直線 \( OA \) と垂直な直線を描けばいいです。
\( B \) から円 \( O \) にひいた2本の接線と円 \( O \) の交点,つまり接点は,
線分 \( BO \) の中点を中心に,点 \( O \) を通る円弧を書いたときの円 \( O \) との交点になります。
なぜ,線分BOの中点を中心にしたらいいの?
線分 \( BO \) の中点を点 \( H \) とし,点 \( H \) を中心,
線分 \( OH \) を半径とする円を円 \( H \) とします。
\( BH=OH \) より,線分 \( BO \) は円 \( H \) の直径になるので,
円 \( H \) と円 \( O \) との交点を \( X,Y \) とすると,
\( ∠BXO,∠BYO \) は直径 \( BO \) の円周角で,
\( ∠BXO=∠BYO=90° \) になります。
よって,直線 \( BX,BY \) は,点 \( X,Y \) を接点とする円 \( O \) の接線になります。
大問2
下の図のように,直線 \( y=4x \) 上の点 \( A \) と直線 \( y=\dfrac{1}{2}x \) 上の点 \( C \) を頂点にもつ正方形 \( ABCD \) がある。点 \( A \) と点 \( C \) の \( x \) 座標は正で,辺 \( AB \) が \( y \) 軸と平行であるとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。
(1) 点 \( A \) の \( y \) 座標が \( 8 \) であるとき,次の ➀,➁ の問いに答えなさい。
➀ 点 \( A \) の \( x \) 座標を求めなさい。
【解説】
点 \( A \) は \( y=4x \) 上の点で,\( y \) 座標が \( 8 \) なので,
\( 8=4x \)
\( x=2 \)
➁ 2点 \( A,C \) を通る直線の式を求めなさい。
【解説】
正方形のすべての辺の長さは等しいので,\( AB=BC \) であり,
直線 \( AC \) の傾きは \( -1 \) になります。
直線 \( AC \) の式を \( y=-x+b \) とすると,\( x=2,y=8 \) を通るので,
\( 8=-2+b \)
\( b=10 \)
よって,直線 \( AC \) の式は,\( y=-x+10 \)
(2) 正方形 \( ABCD \) の対角線 \( AC \) と対角線 \( BD \) の交点を \( E \) とする。点 \( E \) の \( x \) 座標が \( 13 \) であるとき,点 \( D \) の座標を求めなさい。
【解説】
正方形の対角線はそれぞれの中点で交わるので,
点 \( A \) の \( x \) 座標を \( 13-t \),
点 \( C \) の \( x \) 座標を \( 13+t \) とすると,
点 \( A \) は \( y=4x \) 上の点なので,
\( y \) 座標の値は,\( y=4(13-t) \)
点 \( C \) は \( y=\dfrac{1}{2}x \) 上の点なので,
\( y \) 座標の値は,\( y=\dfrac{1}{2}(13+t) \)
と表すことができます。
ここで,\( AB=BC \) より,
\( AB=BC \)
\( \{ 4(13-t)-\dfrac{1}{2}(13+t) \}=\{ (13+t)-(13-t) \} \)
\( 8(13-t)-(13+t)=4t \)
\( -9t+91=4t \)
\( 13t=91 \)
\( t=7 \)
よって,
点 \( A \) の \( x \) 座標は \( 13-t=13-7=6 \),\( y \) 座標は \( y=4x=4 \times 6=24 \)
点 \( C \) の \( x \) 座標は \( 13+t=13+7=20 \)
点 \( D \) の \( x \) 座標は点 \( C \) の \( x \) 座標と等しく,\( y \) 座標は点 \( A \) の \( y \) 座標と等しいので,
点 \( D \) の座標は,\( D(20,24) \)
大問3
下の図のように,点 \( O \) を中心とする円 \( O \) とその外部の点 \( A \) がある。直線 \( AO \) と円 \( O \) との交点のうち,点 \( A \) に近い方を点 \( B \),もう一方を点 \( C \) とする。円 \( O \) の円周上に,2点 \( B,C \) と異なる点 \( D \) を,線分 \( AD \) と円 \( O \) が点 \( D \) 以外の点でも交わるようにとり,その交点を点 \( E \) とする。また,点 \( B \) と点 \( D \),点 \( B \) と点 \( E \),点 \( C \) と点 \( D \),点 \( C \) と点 \( E \) をそれぞれ結ぶ。
このとき,次の(1)~(3)の問いに答えなさい。
(1) 次の (a) , (b) に入る最も適当なものを選択肢の ア~エ のうちからそれぞれ1つずつ選び,符号で答えなさい。また, (c) に入る最も適当な数を書きなさい。
(a) と (b) は半円の弧に対する円周角だから,いずれも (c) 度である。
選択肢
ア \( ∠EBC \) イ \( ∠BEC \) ウ \( ∠DCB \) エ \( ∠BDC \)
【解答】
(a) ・・・ イ
(b) ・・・ エ
(c) ・・・ \( 90 \)
(2) \( △ABE \) ∽ \( △ADC \) となることを証明しなさい。
ただし,(1)の のことがらについては,用いてもかまわないものとする。
【解答】
\( △ABE \) と \( △ADC \) において,
\( △BEC \) の外角なので,
\( ∠ABE=∠BEC+∠BCE \)
\( =90°+∠BCE \) ・・・ ➀
また,
\( ∠ADC=∠BDC+∠EDB \)
\( =90°+∠EDB \) ・・・ ➁
弧 \( BE \) に対する円周角なので,
\( ∠BCE=∠EDB \) ・・・ ➂
➀➁➂より,\( ∠ABE=∠ADC \) ・・・ ➃
\( ∠A \) は共通 ・・・ ➄
➃➄より,2組の角がそれぞれ等しいので,
\( △ABE \) ∽ \( △ADC \)
(3) 点 \( E \) を通る線分 \( AD \) の垂線と線分 \( AC \) との交点を点 \( F \) とし,線分 \( EF \) と線分 \( BD \) の交点を点 \( G \) とする。 \( EG=1 \; cm,GF=2 \; cm,∠A=30° \) であるとき,線分 \( AB \) の長さを求めなさい。
【解答】
\( 6-\sqrt{6} \; cm \)
【解説】
仮定より,\( ∠AEF=90° \) なので,
\( ∠BEF=∠AEF-∠AEB \)
\( =90°-∠AEB \) ・・・ ➀
\( △BDC \) において,\( ∠BDC=90° \) なので,
\( ∠GBF=180°-∠BDC-∠BCD \)
\( =90°-∠BCD \) ・・・ ➁
(2)より,\( △ABE \) ∽ \( △ADC \) なので,
\( ∠AEB=∠BCD \) ・・・ ➂
①➁➂より,\( ∠BEF=∠GBF \)
\( ∠BEF=∠GBF,∠BFE \) は共通 より,
2組の角がそれぞれ等しいので,
\( △BEF \) ∽ \( △FBG \)
対応する辺の比は等しいので,
\( EF:BF=BF:GF \)
\( (2+1):BF=BF:2 \)
\( BF^2=6 \)
\( BF=\sqrt{6} \; (cm) \)
\( △AEF \) は \( 30°,60°,90° \) の直角三角形なので,
\( AF=2EF=6 \; (cm) \)
よって,\( AB=AF-BF=6-\sqrt{6} \; (cm) \)
大問4
2人でじゃんけんをして,次のルールにしたがって点数を競うゲームがある。このゲームについて,下の会話文を読み,あとの(1),(2)の問いに答えなさい。
ルール
・じゃんけんを1回するごとに,勝った人は出した手に応じて加点され,負けた人は出した手に応じて
減点される。
・グーで勝つと \( 1 \) 点,チョキで勝つと \( 2 \) 点,パーで勝つと \( 5 \) 点が加点される。
・グーで負けると \( 1 \) 点,チョキで負けると \( 2 \) 点,パーで負けると \( 5 \) 点が減点される。
・あいこの場合は1回と数えない。
・最初の持ち点は,どちらも \( 0 \) 点とする。
会話文
生徒X:例えば,AさんとBさんが1回じゃんけんをして,Aさんがチョキ,Bさんがパーを出したとき,
それぞれの持ち点は,Aさんが \( 2 \) 点,Bさんが \( -5 \) 点になるということでしょうか。
教師T:そうですね。では,AさんとBさんが3回じゃんけんをして,次のような手を出した結果,Aさんの
持ち点は何点になるでしょうか。

生徒X: (a) 点です。
教師T:そのとおりです。それでは,2人がどのような手を出したのかがわからない場合を考えてみましょう。
AさんとBさんが3回じゃんけんをして,Aさんが2回勝ち,Bさんが1回勝った結果,Aさんの
持ち点が \( 9 \) 点だったとき,Bさんの持ち点を求めてみましょう。
生徒X:まず,Aさんが勝った2回の加点の合計を考えます。例えば,2回ともグーで勝った場合は加点の
合計が \( 2 \) 点となり,グーとチョキで勝った場合は加点の合計が \( 3 \) 点となります。このように
考えていくと,勝った2回の加点の合計は全部で (b) 通り考えることができます。
このうち,Aさんが負けた1回の減点を考えた上で,3回じゃんけんをした結果,Aさんの持ち点が
9点となりうる場合は1通りのみです。このことから,3回じゃんけんをした結果,Bさんの
持ち点が (c) 点となることがわかります。
教師T:そうですね。じゃんけんの回数が少なけれ
ば,1つずつ考えることができますね。
では,回数が多くなった場合について考えて
みましょう。
右の表は,じゃんけんを1回だけしたときの
AさんとBさんの手の出し方と,持ち点を
まとめたものです。この表を見て気がつく
ことはありますか。
生徒X:2人の手の出し方は3通りずつありますが,あいこの場合は1回と数えないため,2人の手の出し方の
組み合わせは,全部で6通り考えればよいということになります。
また,じゃんけんを1回だけした結果,AさんとBさんの持ち点の合計は,どちらかがゲーで勝った
場合は \( -1 \) 点,どちらかがチョキで勝った場合は \( -3 \) 点,どちらかがパーで勝った場合は \( 4 \) 点と
なっています。
教師T:そうですね。2人の持ち点の合計で考えると,3通りになりますね。
では,AさんとBさんが10回じゃんけんをしたとき,どちらかがグーで勝った回数を \( a \) 回,
どちらかがチョキで勝った回数を \( b \) 回,どちらかがパーで勝った回数を \( c \) 回とすると,\( c \) は \( a \) と
\( b \) を使ってどのように表すことができるでしょうか。また,10回じゃんけんをした結果の,2人の
持ち点の合計をM点としたとき,Mを \( a \) と \( b \) を使って表すとどのようになりますか。
生徒X:\( c= \) (d) ,M \( = \) (e) と表すことができます。
教師T:そのとおりです。2人の持ち点の合計について,この式を用いると,\( a \) と \( b \) と \( c \) の組み合わせが
どのようになるのかが考えやすくなりますね。
(1) 会話文中の (a) ~ (e) について,次の ➀,➁ の問いに答えなさい。
➀ (a) , (b) , (c) にあてはまる数をそれぞれ書きなさい。
【解答】
(a) ・・・ \( 2 \)
(b) ・・・ \( 6 \)
(c) ・・・ \( 3 \)
【解説】
(a) ・・・ 1回目: \( -1 \) 点(グーで負け)
2回目: \( 2 \) 点(チョキで勝ち)
3回目: \( 1 \) 点(グーで勝ち)
で,合計 \( 2 \) 点
(b) ・・・ 考えられる合計得点は6通り

(c) ・・・ 残り1回について,\( -1 \) 点になるのは,Aさんがグーで負けるときなので,
Bさんはパーで勝ったとわかります。
ここから,Bさんは
グーで負けが2回で \( -2 \) 点,パーで勝ちが1回で \( 5 \) 点で
合計 \( 3 \) 点になります。
➁ (d) , (e) にあてはまる式をそれぞれ書きなさい。
ただし, (e) については \( c \) を使わずに表すこと。
【解答】
(d) ・・・ \( 10-a-b \)
(e) ・・・ \( -5a-7b+40 \)
【解説】
(d) ・・・ 1回じゃんけんしたとき,
どちらかがグーで勝つ, どちらかがチョキで勝つ,どちらかがパーで勝つ
のどれかになるので,
10回じゃんけんをしたとき,\( a+b+c=10 \) と表すことができます。
よって,\( c=10-a-b \)
(e) ・・・ どちらかがグーで勝ったとき,2人の合計点は \( -1 \) 点なので,\( a \) 回では,\( -a \) 点
どちらかがチョキで勝ったとき,2人の合計点は \( -3 \) 点なので,\( b \) 回では,\( -3b \) 点
どちらかがパーで勝ったとき,2人の合計点は \( 4 \) 点なので,\( c \) 回では,\( 4c \) 点
よって,10回の合計点は,\( M=-a-3b+4c \) 点
これに \( c=10-a-b \) を代入すると,
\( M=-a-3b+4c \)
\( =-a-3b+4(10-a-b) \)
\( =-a-3b+40-4a-4b \)
\( =-5a-7b+40 \)
(2) 2人の持ち点の合計が \( 0 \) 点となるときの \( a,b,c \) の組み合わせをすべて求めなさい。
ただし,答えを求める過程がわかるように,式やことばを使って説明しなさい。
【解答】
2人の持ち点の合計が \( 0 \) 点となるとき,\( M=0 \) なので,
\( -5a-7b+40=0 \)
\( a=8-\dfrac{7}{5}b \)
\( a,b \) はともに,\( 0 \) 以上 \( 10 \) 以下の整数なので,
\( a \) が整数になるとき,取り得る \( b \) の値は5の倍数,\( b=0,5,10 \) である。
\( b=0 \) のとき,\( a=8 \) となり,\( 0 \) 以上の整数であり適している。
このとき,\( c=10-8-0=2 \)
\( b=5 \) のとき,\( a=1 \) となり,\( 0 \) 以上の整数であり適している。
このとき,\( c=10-1-5=4 \)
\( b=10 \) のとき,\( a=-6 \) となり,\( 0 \) 以上の整数ではないので不適。
よって,あてはまる \( a,b,c \) の組み合わせは,
\( (a,b,c)=(8,0,2),(1,5,4) \)