福岡県公立高校入試 令和6(2024)年度 解答&解説

大問1

(1) \( 7+3 \times (-4) \) を計算せよ。

【解答】
\( -5 \)
【解説】
\( =7-12 \)
\( =-5 \)

 

(2) \( 5(2a+b)-(3a-b) \) を計算せよ。

【解答】
\( 7a+6b \)
【解説】
\( =10a+5b-3a+b \)
\( =7a+6b \)

 

(3) \( \sqrt{18}+\dfrac{14}{\sqrt{2}} \) を計算せよ。

【解答】
\( 10\sqrt{2} \)
【解説】
\( =3\sqrt{2}+\dfrac{14 \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}} \)
\( =3\sqrt{2}+7\sqrt{2} \)
\( =10\sqrt{2} \)

 

(4) \( y \) は \( x \) に反比例し,\( x=-4 \) のとき \( y=3 \) である。\( x=6 \) のときの \( y \) の値を求めよ。

【解答】
\( y=-2 \)
【解説】
反比例を表す式は \( y=\dfrac{a}{x} \) なので,
\( x=-4,y=3 \) を代入すると,
 \( 3=\dfrac{a}{-4} \)
 \( a=-12 \)
よって,この式は \( y=-\dfrac{12}{x} \)
\( x=6 \) を代入すると,
 \( y=-\dfrac{12}{6}=-2 \)

 

(5) 2次方程式 \( x(x+7)=8(x+9) \) を解け。

【解答】
\( x=-8,9 \)
【解説】
    \( x^2+7x=8x+72 \)
  \( x^2-x-72=0 \)
\( (x+8)(x-9)=0 \)
       \( x=-8,9 \)

 

(6) 右の表は,A中学校の1年生 \( 65 \) 人を対象に通学時間を調査し,その結果を度数分布表に整理したものである。
この表をもとに,通学時間が \( 5 \) 分以上 \( 10 \) 分未満の階級の相対度数を四捨五入して小数第2位まで求めよ。

【解答】
\( 0.35 \)

【解説】
相対度数は,「その階級の度数 \(  \div  \) すべての階級の度数の合計」で求めることができます。

通学時間が \( 5 \) 分以上 \( 10 \) 分未満の階級の度数は \( 23 \) 人,
すべての階級の度数の合計は \( 65 \) 人なので,
相対度数は,\( 23 \div 65=0.353・・・ \;\; → \;\; 0.35 \)

 

(7) 関数 \( y=-\dfrac{1}{2}x^2 \) のグラフをかけ。

【解答】

【解説】
\( y=-\dfrac{1}{2}x^2 \) において,
 \( x=0 \) のとき, \( y=-\dfrac{1}{2} \times 0^2=0 \)
 \( x=1 \) のとき, \( y=-\dfrac{1}{2} \times 1^2=-\dfrac{1}{2} \)
 \( x=2 \) のとき, \( y=-\dfrac{1}{2} \times 2^2=-2 \)
 \( x=-1 \) のとき, \( y=-\dfrac{1}{2} \times (-1)^2=-\dfrac{1}{2} \)
 \( x=-2 \) のとき, \( y=-\dfrac{1}{2} \times (-2)^2=-2 \)
なので,これらを曲線で結んだものが求めるグラフになります。

 

(8) 下のデータは,ある学級の生徒 \( 13 \) 人について,反復横とびを \( 20 \) 秒間行ったときの記録を,回数の少ない方から順に並べたものである。
                            (単位: 回)
     \( \fbox{35 41 41 45 47 48 49 51 52 53 56 56 57} \)
このデータの第3四分位数を求めよ。

【解答】
\( 54.5 \) 回
【解説】
全部で \( 13 \) 人分のデータなので,第3四分位数になるのは
値の小さい方から \( 10 \) 番目と \( 11 \) 番目の値の平均値になります。

\( 10 \) 番目は \( 53 \) 回,\( 11 \) 番目は \( 56 \) 回なので,
第3四分位数は,
 \( \dfrac{53+56}{2}=54.5 \)(回)

 

(9) B中学校の全校生徒 \( 560 \) 人の中から無作為に抽出した \( 60 \) 人に対してアンケートを行ったところ,外国の文化について興味があると回答した生徒は \( 45 \) 人であった。
B中学校の全校生徒のうち,外国の文化について興味がある生徒の人数は,およそ何人と推定できるか答えよ。

【解答】
およそ \( 420 \) 人
【解説】
標本調査では,母集団に含まれる調査対象の割合(比率)と
標本に含まれる調査対象の割合(比率)は等しくなります。
 母集団 ・・・ 全校生徒 \( 560 \) 人
 標本 ・・・ 無作為に抽出した \( 60 \) 人
 標本に含まれる調査対象 ・・・ 外国の文化について興味があると回答した生徒 \( 45 \) 人
なので,全校生徒のうち,外国の文化について興味がある生徒の人数を \( x \) 人とすると,
 \( 560:x=60:45 \)
   \( 60x=560 \times 45 \)
    \( x=420 \)(人)

 

大問2

袋の中に,赤玉1個と白玉3個が入っており,この袋から玉を取り出す。
ただし,どの玉を取り出すことも同様に確からしいとする。
次の(1),(2)に答えよ。

(1) 玉を1個取り出し,取り出した玉を袋にもどし,もう一度,玉を1個取り出す。取り出した2個の玉のうち,少なくとも1個は白玉が出る確率を求めよ。

【解答】
\( \dfrac{15}{16} \)
【解説】
少なくとも1個は白玉が出る確率は「 \( 1- \) 白玉を取り出さない確率」で求めることができます。

1個目の玉の取り出し方は4通り,取り出した玉は戻すので,2個目の玉の取り出し方も4通りとなり,
すべての場合の数は \( 4 \times 4=16 \) 通りになります。
2回とも白玉を取り出さない組み合わせは「赤-赤」の1通りだけなので,その確率は \( \dfrac{1}{16} \)

よって,少なくとも1個は白玉が出る確率は
 \( 1-\dfrac{1}{16}=\dfrac{15}{16} \)

 

(2) Aさんが玉を1個取り出し,取り出した玉を袋にもどさず,続けてBさんが玉を1個取り出す。
このとき,Aさんの白玉の出やすさとBさんの白玉の出やすさに違いがあるかを説明せよ。
説明する際は,樹形図または表を示すこと。

【解答】
白玉3個に「白1」,「白2」,「白3」と名前をつけて
Aさん,Bさんの玉の取り出し方を樹形図に書き出すと,
 Aさんが白玉を取り出す確率は \( \dfrac{3}{4} \)
 Bさんが白玉を取り出す確率は \( \dfrac{9}{12}=\dfrac{3}{4} \)
なので,Aさんの白玉の出やすさとBさんの白玉の出やすさに違いはない。

 

大問3

光さんと明さんは,文字を用いて,整数の性質を調べている。下の会話文は,その内容の一部である。


光さん:連続する3つの整数は,文字を用いて,どのように表したらいいかな。

明さん:連続する3つの整数は,最も小さい数を \( n \) とすると,\( n,n+1,n+2 \) と表されるね。
    これらを使って計算すると,連続する3つの整数の和は,いつでも  P  の倍数になることが
    わかるよ。

光さん:本当だね。計算した式から,連続する3つの整数の和は,真ん中の数の  P  倍になる
    こともわかるね。

明さん:そうだね。連続する3つの整数について,ほかにわかることはないかな。

光さん:例えば,最も小さい数を \( n \) として,真ん中の数と最も大きい数の積から,最も小さい数と
    真ん中の数の積をひいた差は,\( \boxed{\phantom{**} \large{A} \phantom{**} } \) と表されるから,真ん中の数の倍数になるよ。

明さん:確かにそうだね。ほかにも \( \boxed{\phantom{**} \large{A} \phantom{**} } \) の式を別の形に表すと, B  になることがわかるね。


次の(1)~(4)に答えよ。

(1)  P  にあてはまる数をかけ。

【解答】
\( 3 \)
【解説】
連続する3つの整数 \( n,n+1,n+2 \) の和は,
 \( n+(n+1)+(n+2)=3n+3=3(n+1) \)
と表されるので,真ん中の数 \( n+1 \) の3倍になります。

 

(2) \( \boxed{\phantom{**} \large{A} \phantom{**} } \) にあてはまる式をかけ。また, B  にあてはまるものを,次のア~エから1つ選び,記号をかけ。
     ア 真ん中の数と最も小さい数の和
     イ 真ん中の数から最も小さい数をひいた差
     ウ 最も大きい数と最も小さい数の和
     エ 最も大きい数から最も小さい数をひいた差

【解答】
\( \boxed{\phantom{**} \large{A} \phantom{**} } \) ・・・ \( 2(n+1) \)
 B  ・・・ ウ
【解説】
\( \boxed{\phantom{**} \large{A} \phantom{**} } \) ・・・ \( (n+1)(n+2)-n(n+1)=(n+1)\{(n+2)-n\} \)
                     \( =2(n+1) \)
 B  ・・・ \( 2(n+1)=2n+2 \)
           \( =n+(n+2) \)

 

(3) 光さんと明さんは,次のことを予想した。

予想
連続する3つの整数のうち,真ん中の数の2乗から \( 1 \) をひいた差は,最も小さい数と最も大きい数の
積になる。
予想がいつでも成り立つことの証明を,整数 \( m \) を用いて完成させよ。
証明
\( \boxed{\phantom{++++++++++++++++++++++++++++++++++++\\+\\+\\+\\+\\}} \)
したがって,連続する3つの整数のうち,真ん中の数の2乗から \( 1 \) をひいた差は,最も小さい数と
最も大きい数の積になる。
【解答】
連続する3つの整数を \( m-1,m,m+1 \) とすると,
真ん中の数の2乗から \( 1 \) をひいた差は,\( m^2-1 \) と表すことができるので,
 \( m^2-1=(m+1)(m-1) \)

 

(4) 光さんと明さんは,連続する4つの整数について調べたことを,次のようにまとめた。

まとめ
連続する4つの整数のうち,最も小さい数と2番目に小さい数の和をX,2番目に大きい数と最も大きい数の和をYとするとき,XとYの積に,正の整数  Q  を加えた数は, C  の積の4倍になる。
上のまとめはいつでも成り立つ。 Q  にあてはまる数をかけ。また, C  にあてはまるものを,次のア~エから1つ選び,記号をかけ。
  ア 最も小さい数と2番目に大きい数
  イ 最も小さい数と最も大きい数
  ウ 2番目に小さい数と2番目に大きい数
  エ 2番目に小さい数と最も大きい数

【解答】
 Q  ・・・ \( 3 \)
 B  ・・・ ウ
【解説】
連続する4つの整数を \( k,k+1,k+2,k+3 \) とすると,
 \( X=k+(k+1)=2k+1 \)
 \( Y=(k+2)+(k+3)=2k+5 \)
と表すことができるので,
 \( XY=(2k+1)(2k+5) \)
    \( =4k^2+12k+5 \)

 C  の積の4倍になるということは,この式を \( 4 \) でくくれるようにしたいので,
\( XY \) に \( 3 \) を足すと,\( 4k^2+12k+8 \) となり, \( 4 \) でくくれるようになります。
 \( 4k^2+12k+8=4(k^2+3k+2) \)
         \( =4(k+1)(k+2) \)
よって,「2番目に小さい数と2番目に大きい数」の積の4倍になります。

 

大問4

3つの電力会社A社,B社,C社がある。どの電力会社を利用するときも,1か月の電気料金は,基本料金と電気の使用量に応じた料金の合計である。
は,3つの電力会社の電気料金のプランを示したものである。

電気の使用量が \( x \; kWh \) のときの1か月の電気料金を \( y \) 円とするとき,は,A社を利用する場合について,電気の使用量が \( 0 \; kWh \) から \( 350 \; kWh \) までの \( x \) と \( y \) の関係をグラフに表したものである。
次の(1)~(3)に答えよ。

(1) A社を利用する場合,電気の使用量が \( 80 \; kWh \) のときの1か月の電気料金を求めよ。

【解答】
\( 2320 \) 円

【解説】

において,
\( x \) は電気の使用量,\( y \) は電気料金を表すので,
直線の傾きが \( 1 \; kWh \) あたりの電気料金になります。

ここから,\( 0≦x≦200 \) の部分の直線の式は \( y=24x+400 \) となるので,
\( x=80 \) を代入すると,
 \( y=24 \times 80+400=2320 \)(円)

 

(2) B社を利用する場合,の \( a,b,c \) について,\( a>400,b<24,c>20 \) である。
このとき,電気の使用量が \( 0 \; kWh \) から \( 350 \; kWh \) までの \( x \) と \( y \) の関係を表したグラフを,図にかき入れたものが次のア~エの中に1つある。それを選び,記号をかけ。

【解答】

【解説】
\( a \) は,切片の値を表しているので,切片が \( 400 \) より小さくなっている「ア」はあてはまりません。

\( b \) は,\( 0≦x≦120 \) における直線の傾きを表しています。
\( 0≦x≦200 \) におけるA社の直線の傾きが \( 24 \) なので,
A社の直線より傾きが大きくなっている「ウ」はあてはまりません。

\( c \) は,\( 120<x \) における直線の傾きを表しています。
より,\( 200<x \) におけるA社の直線の傾きが \( 20 \) なので,
\( 200<x \) において,A社の直線より傾きが小さくなっている「エ」はあてはまりません。

 

(3) C社を利用する場合,電気の使用量が \( 350 \; kWh \) のときの1か月の電気料金は,\( 8400 \) 円である。
1か月の電気料金について,C社を利用する方がA社を利用するよりも安くなる場合を,次のように説明した。

説明
C社を利用する方がA社を利用するよりも安くなるのは,電気の使用量が \( 150 \; kWh \) をこえて  R  \( kWh \) よりも少ないときである。
説明の  R  にあてはまる数を求めよ。

【解答】
\( 340 \)
【解説】
にC社の使用量と電気料金を表す直線を書き加えると右の図のようになります。
直線がより下にある方が安くなるので,青の部分がC社の方が安くなる範囲になります。
つまり, R  の値はA社とC社の直線の交点の \( x \) 座標になります。

C社の直線の \( 240≦x≦350 \) の部分の式を \( y=mx+n \) とすると,
この直線は \( (240,4000),(350,8400) \) を
通るので,
 傾き \( m=\dfrac{8400-4000}{350-240}=40 \)
\( y=40x+n \) に \( x=240,y=4000 \) を代入すると,
 \( 4000=40 \times 240+n \)
   \( n=-5600 \)
となる、この直線の式は,\( y=40x-5600 \) ・・・ ➀

A社の直線の \( 200<x \) の部分の式を \( y=20x+k \) とすると,
この直線は \( (200,5200) \) を通るので,
 \( 5200=20 \times 200+k \)
   \( k=1200 \)
となる、この直線の式は,\( y=20x+1200 \) ・・・ ➁

A社とC社の直線の交点の座標は,➀➁を連立方程式にして解いた解になるので,
 \( 40x-5600=20x+1200 \)
     \( 20x=6800 \)
      \( x=340 \)

 

大問5

図1のように,\( AB>AC \) の鋭角三角形 \( ABC \) がある。
次の(1)~(4)に答えよ。

(1) 図1において,点 \( A \) から辺 \( BC \) への垂線を作図する。図2は,点 \( A \) を中心として, \( △ABC \) と4点で交わるように円をかき,その交点をあ,い,う,えとしたものである。
図2のあ〜えの点の中からどれか2点を \( P,Q \) とすることで,次の手順によって,点 \( A \) から辺 \( BC \) への垂線を作図することができる。

手順
① 点 \( P,Q \) をそれぞれ中心として,互いに交わるように等しい半径の円をかく。
➁ ①でかいた2つの円の交点の1つを \( R \) とする。ただし,点 \( R \) は点 \( A \) とは異なる点とする。
③ 直線 \( AR \) をひく。

このとき,点 \( P,Q \) とする2点を,図2のあ〜えから2つ選び,記号をかけ。
また, 手順によって,点 \( A \) から辺 \( BC \) への垂線を作図することができるのは,点 \( A \) と点 \( P \),点 \( P \) と点 \( R \),点 \( R \) と点 \( Q \),点 \( Q \) と点 \( A \) をそれぞれ結んでできる図形が,ある性質をもつ図形だからである。その図形を次のア~エから1つ選び,記号をかけ。

 ア 直線 \( AR \) を対称の軸とする線対称な図形
 イ \( ∠BAC \) の二等分線を対称の軸とする線対称な図形
 ウ 点 \( A \) を対称の中心とする点対称な図形
 エ 点 \( R \) を対称の中心とする点対称な図形

【解答】
点 \( P,Q \) とする2点 ・・・ い,う
図形の性質 ・・・ ア
【解説】

\( △APR \) と \( △AQR \) において,
 \( AP=AQ,PR=QR,AR \) は共通
より,3組の辺がそれぞれ等しいので
 \( △APR≡△AQR \)
対応する角は等しいので,
 \( ∠PAR=∠QAR \)

\( AR \) を延長し,\( PQ \) との交点を \( S \) とすると,
\( △APS \) と \( △AQS \) において,
 \( AP=AQ,∠PAR=∠QAR,AR \) は共通
より,2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので
 \( △APS≡△AQS \)
対応する角は等しいので,
 \( ∠ASP=∠ASQ \)
\( S \) は \( PQ \) 上の点なので,
 \( ∠ASP=∠ASQ=90° \)

以上より,「い,う」はどちらも辺 \( BC \) 上の点であることから,
「い,う」を2点 \( P,Q \) とすることで辺 \( BC \) の垂線を作図することができます。

また,上の図から,\( △APR \) と \( △AQR \),\( △APS \) と \( △AQS \) は
直線 \( AR \) を対称の軸とする線対称な図形になっています。

 

(2) 図3は,図1において,点 \( A \) から辺 \( BC \) に垂線をひき,辺 \( BC \) との交点を \( D \),点 \( B \) から辺 \( CA \) に垂線をひき,辺 \( CA \) との交点を \( E \),線分 \( AD \) と線分 \( BE \) との交点を \( F \) としたものである。
図3において,\( △AFE \) ∽ \( △BCE \) であることを証明せよ。

【解答】

\( △AFE \) と \( △BCE \) において,
\( △AFE \) は直角三角形なので,
 \( ∠FAE=90°-∠AFE \) ・・・ ➀
\( △BFD \) は直角三角形なので,
 \( ∠CBE=90°-∠BFD \) ・・・ ➁
対頂角は等しいので,
 \( ∠AFE=∠BFD \) ・・・ ➂
➀➁➂より,
 \( ∠FAE=∠CBE \) ・・・ ➃
仮定より,
 \( ∠FEA=∠CEB \) ・・・ ➄
➃➄より,2組の角がそれぞれ等しいので,
 \( △AFE \) ∽ \( △BCE \)

 

(3) 図3において,次のことが成り立つ。

成り立つこと
点 \( A,B,C,D,E,F \) のうち,4点(ア,イ,ウ,エ)は,1つの円周上にある。

成り立つことの,ア~エにあてはまる4点の組が2組ある。ア~エにあてはまる4点を,図3の点 \( A,B,C,D,E,F \) から選んで2組かけ。

【解答】
\( (A,B,D,E) \)
\( (C,D,E,F) \)
【解説】
【4点 \( A,B,D,E \)】
\( ∠AEB=∠ADB=90° \) なので,
4点 \( A,B,D,E \) は \( AB \) を直径とする円周上の点になっています。

【4点 \( C,D,E,F \)】
\( ∠CDF=∠CEF=90° \) なので,
4点 \( C,D,E,F \) は \( CF \) を直径とする円周上の点になっています。

 

(4) 図4は,図3において,\( BD=11 \; cm,CD=5 \; cm,∠BCA=60° \) となる場合に,点 \( A \) を通り辺 \( BC \) に平行な直線をひき,直線 \( BE \) との交点を \( G \) とし,点 \( C \) と点 \( G \) を結んだものである。
このとき,\( △ABE \) の面積は,四角形 \( ABCG \) の面積の何倍か求めよ。

【解答】
\( \dfrac{4}{25} \) 倍
【解説】
\( AG//BC \) より,\( △EAG \) ∽ \( △ECB \) であることに注目すると,相似比がわかれば,
いずれも高さが等しいので,
 \( △EAG \) と \( △ABE \)
 \( △EAG \) と \( △ABG \)
の面積比が求められます。

また,四角形 \( ABCG=△ABG+△BCG \) であることに注目すると,
\( △ABG \) と \( △BCG \) は高さが等しいので,面積比は底辺の比 \( AG:CB \) と等しくなります。

これらのことから,
\( △ABE \) の面積,四角形 \( ABCG \) の面積は,\( △EAG \) の面積の何倍になるか
を求めて比較していきます。

【\( △EAG \) と \( △ECB \) の相似比】
仮定より,\( AC⊥BG \) なので,
\( △ACD,△BCE \) はどちらも
\( 30°,60°,90° \) の直角三角形になっています。
ここから,
 \( AC=2CD=10 \; cm \)
 \( EC=\dfrac{1}{2}BC=8 \; cm \)
 \( EA=AC-CE=2 \; cm \)
なので,相似比は,
 \( EA:EC=2:8=1:4 \)

【\( △EAG \) と \( △ABE \),\( △ABG \) の面積比】
対応する辺の比は等しいので,
\( EG:EB=1:4 \) であり,
\( △EAG \) と \( △ABE \) は高さが等しいので,
 \( △EAG:△ABE=EG:EB=1:4 \)
\( △EAG \) と \( △ABG \) も同様に
 \( △EAG:△ABG=EG:BG=1:5 \)

【\( △ABG \) と \( △BCG \) の面積比】
\( △ABG \) と \( △BCG \) は高さが等しいので,
 \( △ABG:△BCG=AG:CB=5:20 \)

【\( △ABE \) と四角形 \( ABCG \) の面積比】
四角形 \( ABCG=△ABG+△BCG \) なので,
 \( △ABE: \) 四角形 \( ABCG=△ABE:(△ABG+△BCG) \)
              \( =4:(5+20) \)
              \( =4:25 \)

よって,\( △ABE \) の面積は,四角形 \( ABCG \) の面積の \( \dfrac{4}{25} \) 倍

 

大問6

図1は, \( AB=8 \; cm,BC=4 \; cm,AE=4 \; cm \) の直方体 \( ABCDEFGH \) を表している。
次の(1)~(3)に答えよ。

(1) 図1に示す直方体において,辺 \( AD \) とねじれの位置にあり,面 \( EFGH \) に垂直な辺を全てかけ。

【解答】
辺 \( BF \),辺 \( CG \)
【解説】
ねじれの位置にある辺とは,
どこまで伸ばしても交わらない2辺のうち,平行ではない辺のことです。

辺 \( AD \) とねじれの位置にある辺は,
 辺 \( BF \),辺 \( CG \),辺 \( EF \),辺 \( HG \)
の4つで,
この中で,面 \( EFGH \) と垂直になっているのは,
 辺 \( BF \),辺 \( CG \)
の2つになります。

 

(2) 図1に示す直方体において,辺 \( EF \) 上に点 \( P \),辺 \( FG \) 上に点 \( Q \) を,\( AP+PQ+QC \) の長さが最も短くなるようにとる。
このとき,線分 \( PQ \) の長さを求めよ。

【解答】
\( \dfrac{2\sqrt{13}}{3} \; cm \)
【解説】
この直方体を展開すると,\( AP+PQ+QC \) の長さが最も短くなるとき,
4点 \( A,P,Q,C \) は一直線上に並びます。

辺 \( AB,BC \) を延長したときの交点を \( R \) とすると,
\( EF//AB,AE//BF \) より,\( BR=BF=4 \; cm \) なので,
\( △ACR \) において,三平方の定理より
 \( AC^2=AR^2+CR^2=208 \)
  \( AC=4\sqrt{13} \; (cm) \)

また,\( △PCB \) と \( △ACR \) は相似で,
点 \( B \) は \( CR \) の中点なので,相似比は \( 1:2 \)
対応する辺の比は等しいので,
 \( PC=\dfrac{1}{2}AC=2\sqrt{13} \; (cm) \)
 \( PB=\dfrac{1}{2}AB=6 \; (cm) \)
 \( PF=PB-FB=2 \; (cm) \)

\( △PQF \) と \( △PCB \) も相似なので,
  \( PQ:PC=PF:PB \)
 \( PQ:2\sqrt{13}=2:6 \)
     \( PQ=\dfrac{2\sqrt{13}}{3} \; (cm) \)

 

(3) 図2は,図1に示す直方体において,辺 \( AB \) の中点を \( I \),辺 \( HG \) の中点を \( J \) とし,四角形 \( EICJ \) をつくったものである。
図2に示す直方体において,辺 \( EF \) 上に点 \( K \) を,\( EK=KC \) となるようにとるとき,四角すい \( KEICJ \) の体積を求めよ。

【解答】
\( 32 \; cm^3 \)

【解説】
四角すい \( KEICJ \) は傾いていて,計算が難しそうですが,
面 \( EKJ \) を底面と考えると計算しやすそうであることに注目します。

まず,底面を四角形 \( EICJ \) として,この四角すいを面 \( KIJ \) で切ると,底面は二等分されます。
このとき,三角すい \( KEIJ \) の体積は,四角すい \( KEICJ \) の体積の半分になります。

三角すい \( KEIJ \) において,底面を \( △EKJ \) と考えると,高さは \( AE \) と等しいので,
\( EK \) の長さがわかれば,三角すい \( KEIJ \) の体積を求めることができます。

\( EK=KC=x \; cm \) とすると,
\( FK=8-x \; cm \) と表すことができます。

点 \( K \) から辺 \( AB \) に垂線をひき,
交点を \( L \) とすると,
\( BL=FK=8-x \; cm \) となるので,
\( △CLB \) において,三平方の定理より,
 \( CL^2=BL^2+BC^2 \)
    \( =(8-x)^2+4^2 \)
    \( =x^2-16x+80 \)
\( △KCL \) において,三平方の定理より,
 \( KC^2=CL^2+KL^2 \)
   \( x^2=(x^2-16x+80)+4^2 \)
   \( x^2=x^2-16x+96 \)
  \( 16x=96 \)
   \( x=6 \; (cm) \)

三角すい \( KEIJ \) の体積は,四角すい \( KEICJ \) の体積の半分なので,
四角すい \( KEICJ \) の体積は,
 \( \left\{ \left(6 \times 4 \times \dfrac{1}{2} \right) \times 4 \times \dfrac{1}{3} \right\} \times 2=32 \; (cm^3) \)

 

三角すいKEIJの体積が四角すいKEICJの体積の半分になるのはなぜか?

点 \( I,J \) はそれぞれ辺 \( AB,GH \) の中点なので,
四角形 \( EICJ \) の4辺 \( EI,IC,CJ,JE \) は
すべて2辺の長さが \( 4 \; cm \) の直角二等辺三角形の
斜辺であり,ひし形になっています。

四角すい \( KEICJ \) を面 \( KIJ \) で切るとき,
\( IJ \) は,ひし形 \( EICJ \) の対角線になっています。
ひし形を対角線でわけた三角形は合同なので,
 \( △EIJ=\dfrac{1}{2} \) ひし形 \( EICJ \)
になります。

三角すい \( KEIJ \) と四角すい \( KEICJ \) は高さが共通であることから,
体積比は,底面の面積比と等しくなるので,
三角すい \( KEIJ \) の体積は,四角すい \( KEICJ \) の体積の半分になります。