栃木県公立高校入試 令和6(2024)年度 解答&解説

大問1

 \( (-4) \times (-3) \) を計算しなさい。

【解答】
\( 12 \)

 

 \( \sqrt{28}+\sqrt{7} \) を計算しなさい。

【解答】
\( 3\sqrt{7} \)
【解説】
\( =2\sqrt{7}+\sqrt{7} \)
\( =3\sqrt{7} \)

 

 絶対値が \( 3 \) より小さい整数は全部で何個か。

【解答】
5個
【解説】
絶対値が \( 3 \) である数は \( 3 \) と \( -3 \) なので,
絶対値が \( 3 \) より小さい整数は,\( -2,-1,0,1,2 \) の5個になります。

【参考】
「A より 小さい」というときは \( A \) は含みません。
「A 以下 」というときは \( A \) を含みます。

 

 2次方程式 \( x^2+5x+6=0 \) を解きなさい。

【解答】
\( x=-2,-3 \)
【解説】
 \( (x+2)(x+3)=0 \)
        \( x=-2,-3 \)

 

 右の図は,関数 \( y=\dfrac{a}{x} \) (\( a \) は \( 0 \) でない定数) のグラフである。このグラフが点 \( (2,-3) \) を通るとき,\( a \) の値を求めなさい。

【解答】
\( a=-6 \)
【解説】
\( y=\dfrac{a}{x} \) に \( x=2,y=-3 \) を代入すると,
 \( -3=\dfrac{a}{2} \)
  \( a=-6 \)

 

 右の図は,半径が \( 2 \; cm \),中心角が \( 40° \) のおうぎ形である。このおうぎ形の弧の長さは,半径が \( 2 \; cm \) の円の周の長さの何倍か求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{1}{9} \) 倍
【解説】
おうぎ形の弧の長さの比は中心角の比と等しいので,
 \( \dfrac{40°}{360°}=\dfrac{1}{9} \)(倍)

 

 半径が \( 6 \; cm \) の球の体積を求めなさい。ただし,円周率は \( \pi{} \) とする。

【解答】
\( 288\pi{} \; cm^3 \)
【解説】
\( \dfrac{4}{3} \pi{}  \times 6^3=288\pi{} \; (cm^3) \)

 

 右の度数分布表は,生徒 \( 20 \) 人の \( 20 \; m \) シャトルランの記録をまとめたものである。度数が最も多い階級の相対度数を求めなさい。

【解答】
\( 0.35 \)
【解説】
相対度数は
 その階級の度数 \(  \div  \) すべての階級の度数の合計
で求めることができます。

度数が最も多い階級は \( 85\) 回以上 \( 100\) 回未満の階級で,
その度数は \( 7 \) 人,
すべての階級の度数の合計は \( 20 \) 人なので,
 \( 7 \div 20=0.35 \)

 

大問2

 小数第1位を四捨五入した近似値が表示されるはかりがある。このはかりを用いて,いちご1個の重さを測定したところ,右の図のように \( 29 \; g \) と表示された。このときの真の値を \( a \; g \) としたとき,\( a \) の範囲を不等号を用いて表しなさい。

【解答】
\( 28.5≦a<29.5 \)
【解説】
小数第1位を四捨五入するということは,
\( 29.○△□・・・ \) の の部分の数字が \( 4 \) 以下であれば切り捨て,\( 5 \) 以上であれば切りあげる
ということです。

【\( a \) の値が \( 29 \) より小さい場合】
\( a=28.5 \) のとき,小数第1位が \( 5 \) なので,切り上げになり, \( 29 \) と表示されます。
これよりほんの少しだけ小さい例として
\( a=28.499・・・ \) のときを考えると,小数第1位が \( 4 \) なので,切り捨てになり, \( 28 \) と表示されます。
つまり,\( a \) の値は \( 28.5 \) 以上でなければなりません。
この関係を不等式で表すと,\( 28.5≦a \) ・・・ ① になります。

【\( a \) の値が \( 29 \) より大きい場合】
\( a=29.5 \) のとき,小数第1位が \( 5 \) なので,切り上げになり, \( 30 \) と表示されます。
これよりほんの少しだけ小さい例として
\( a=29.499・・・ \) のときを考えると,小数第1位が \( 4 \) なので,切り捨てになり, \( 29 \) と表示されます。
つまり,\( a \) の値が \( 29.5 \) 未満でなければなりません。
この関係を不等式で表すと,\( a<29.5 \) ・・・ ➁ になります。

①②を組み合わせると,求める \( a \) の範囲は,\( 28.5≦a<29.5 \) になります。

 

 陸上競技場に1周 \( 400 \; m \) のトラックがある。つばささんは,スタート地点からある地点までは,分速 \( 300 \; m \) で走り,その後分速 \( 60 \; m \) で歩き,ちょうど \( 2 \) 分でトラックを1周するトレーニングを計画している。
このとき,走る距離を \( x \; m \),歩く距離を \( y \; m \) として連立方程式をつくり,走る距離と歩く距離をそれぞれ求めなさい。ただし,途中の計算も書くこと。

【解答】
\( \left\{ \begin{array}{}
x+y=400 \;\; ・・・ \;\; ① \\
\dfrac{x}{300}+\dfrac{y}{60}=2 \;\; ・・・ \;\; ➁ \\
\end{array} \right.  \)
➁ \(  \times 300 \)
 \( x+5y=600 \) ・・・ ➁’
➁’ \( – \) ①
 \( 4y=200 \)
  \( y=50 \)
①に代入すると,
 \( x+50=400 \)
    \( x=350 \)

よって,
走る距離は \( 350 \; m \),歩く距離は \( 50 \; m \)

【解説】
移動距離の合計が \( 400 \; m \) であることと,かかった時間の合計が \( 2 \) 分であることがわかっているので,
距離と時間に注目して,連立方程式をたてればいいことになります。

ちょうどトラックを1周してきたときのスタート地点をゴール地点とし,図に書いてみます。
なお,わかりやすくするために直線にして書くことにします。

 

 次の先生と生徒の会話文を読んで,下の \( \boxed{\phantom{   }} \) 内の証明の続きを書きなさい。


先生 「連続する3つの自然数をそれぞれ2乗した数の関係について考えてみましょう。最も小さい数の
    2乗と最も大きい数の2乗の和から,中央の数の2乗の2倍をひくと,いくつになりますか。
    例えば \( 3,4,5 \) のときはどうでしょう。」

生徒 「最も小さい数 \( 3 \) の2乗と最も大きい数 \( 5 \) の2乗の和 \( 9+25=34 \) から,中央の数 \( 4 \) の
    2乗の2倍である \( 16 \times 2=32 \) をひくと,\( 2 \) になりました。」

先生 「それでは \( 6,7,8 \) のときはどうでしょう。」

生徒 「最も小さい数 \( 6 \) の2乗と最も大きい数 \( 8 \) の2乗の和 \( 36+64=100 \) から,中央の数 \( 7 \) の
    2乗の2倍である \( 49 \times 2=98 \) をひくと,また \( 2 \) になりました。」

先生 「実は,連続する3つの自然数では,この関係がつねに成り立ちます。文字を使って証明してみま
    しょう。」


(証明)
連続する3つの自然数のうち,最も小さい数を \( n \) とすると,連続する3つの自然数は \( n,n+1,n+2 \) と表される。
最も小さい数の2乗と最も大きい数の2乗の和から,中央の数の2乗の2倍をひくと
\( \boxed{\phantom{                                                                             \\  \\  \\  \\  \\}} \)
【解答】
\( n^2+(n+2)^2-2(n+1)^2=n^2+(n^2+4n+4)-2(n^2+2n+1) \)
               \( =2n^2+4n+4-(2n^2+4n+2) \)
               \( =2 \)
よって,連続する3つの自然数について,
最も小さい数の2乗と最も大きい数の2乗の和から,中央の数の2乗の2倍をひくと,必ず \( 2 \) になる。

 

大問3

 右の図の \( △ABC \) において,辺 \( AB \) と辺 \( AC \) からの距離が等しくなる点のうち,辺 \( BC \) 上にある点 \( P \) を作図によって求めなさい。ただし,作図には定規とコンパスを使い,また,作図に用いた線は消さないこと。

【解答】

手順1 点 \( A \) を中心に円弧を描く。
(辺 \( AB,AC \) との交点を点 \( D,E \) とします。)
手順2 2点 \( D,E \) を中心に円弧を描く。
(交点を点 \( F \) とします。)
手順3 2点 \( A,F \) を通る直線を描く。

手順3の直線と辺 \( BC \) の交点が,求める点 \( P \) になります。

【解説】
「辺 \( AB \) と辺 \( AC \) からの距離が等しい」ということは,
点 \( P \) から辺 \( AB,AC \) にひいた垂線の長さが等しいということです。

点 \( P \) から辺 \( AB,AC \) に垂線をひき,
交点を \( Q,R \) とすると,
\( △APQ \) と \( △APR \) において,
\( PQ=PR,AP \) は共通,
\( ∠AQP=∠ARP=90° \) であり,
斜辺と他の1辺が等しい直角三角形なので,
 \( △APQ≡△APR \)
対応する角は等しいので
 \( ∠PAQ=∠PAR \)
よって,
直線 \( AP \) は \( ∠BAC \) の二等分線になります。

 

 右の図のような,\( AC=5 \; cm,∠C=90° \) の直角三角形 \( ABC \) がある。辺 \( BC \) 上に \( ∠ADC=45° \) となるように点 \( D \) をとると,\( BD=7 \; cm \) となった。さらに,点 \( D \) から辺 \( AB \) に垂線 \( DE \) をひく。
このとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。

(1) 線分 \( AD \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( 5\sqrt{2} \; cm \)
【解説】

\( ∠C=90°,∠ADC=45° \) より,
\( △ACD \) は直角二等辺三角形なので,
 \( AD=\sqrt{2}AC=5\sqrt{2} \; (cm) \)

 

(2) 線分 \( DE \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( 5\sqrt{2} \; cm \)
【解説】

\( △BDE \) と \( △BAC \) において,
 \( ∠BED=∠BCA,∠B \) は共通
より,2組の角が等しいので
 \( △BDE \) ∽ \( △BAC \)
対応する辺の比は等しいので
 \( DE:AC=DB:AB \)

\( △ACD \) は直角二等辺三角形なので,
 \( CD=AC=5 \; cm \)
\( △ABC \) において,三平方の定理より,
 \( AB^2=5^2+(5+7)^2=169 \)
  \( AB=13 \; (cm) \)

 \( DE:AC=DB:AB \)
   \( DE:5=7:13 \)
    \( DE=\dfrac{35}{13} \; (cm) \)

 

 右の図のように,4点 \( A,B,C,D \) は同じ円周上にあり,\( AD//BC \) である。
このとき,\( △ABC≡△DCB \) であることを証明しなさい。

【解答】

\( △ABC \) と \( △DCB \) において,
\( \stackrel{\huge\frown}{ AB } \) に対する円周角なので,
 \( ∠ACB=∠ADB \) ・・・ ➀
\( AD//BC \) より,錯角は等しいので,
 \( ∠DBC=∠ADB \) ・・・ ➁
➀➁より,
 \( ∠ACB=∠DBC \) ・・・ ③
\( \stackrel{\huge\frown}{ AD } \) に対する円周角なので,
 \( ∠ABD=∠ACD \) ・・・ ➃
 \( ∠ABC=∠ABD+∠DBC \) ・・・ ➄
 \( ∠DCB=∠ACD+∠ACB \) ・・・ ⑥
③➃➄➅より,
 \( ∠ABC=∠DCB \) ・・・ ➆
また,\( BC \) は共通 ・・・ ⑧
③➆⑧より,
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので,
 \( △ABC≡△DCB \)

 

大問4

 下の図は,生徒 \( 35 \) 人の通学時間のデータをヒストグラムに表したものである。このヒストグラムは,例えば, 通学時間が \( 0 \) 分以上 \( 5 \) 分未満である生徒が2人であることを表している。
このとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。

(1) 生徒 \( 35 \) 人の通学時間のデータの最大値が含まれる階級の階級値を求めなさい。

【解答】
\( 27.5 \) 分
【解説】
最大値は,通学時間が最も長い人の値なので,
あてはまる階級は,\( 25 \) 分以上 \( 30 \) 分未満

階級値は,求める階級の真ん中の値(平均値)なので,
\( 25 \) 分以上 \( 30 \) 分未満の階級の階級値は,
 \( \dfrac{25+30}{2}=27.5 \)(分)

 

(2) 生徒 \( 35 \) 人の通学時間のデータを箱ひげ図に表したものとして最も適切なものを,次のア,イ,ウ,エのうちから1つ選んで,記号で答えなさい。

【解答】

【解説】
下の図は,ヒストグラムに累積度数を書き込んだものです。

全部で \( 35 \) 人分のデータを集計したので,
第一四分位数は,時間の短い方から \( 9 \) 番目の値であり,
ヒストグラムから,あてはまる階級は,\( 5 \) 分以上 \( 10 \) 分未満

中央値は,時間の短い方から \( 18 \) 番目の値であり,
ヒストグラムから,あてはまる階級は,\( 10 \) 分以上 \( 15 \) 分未満

第三四分位数は,時間の短い方から \( 27 \) 番目の値であり,
ヒストグラムから,あてはまる階級は,\( 15 \) 分以上 \( 20 \) 分未満

これらがすべてあてはまる箱ひげ図は, になります。

 

 袋の中に,\( 1 \) から \( 5 \) までの数字が1つずつ書かれた5個の玉が入っている。
このとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。

(1) Aさんが玉を1個取り出し,取り出した玉を袋の中に戻さずに,続けてBさんが玉を1個取り出す。2人の玉の取り出し方は全部で何通りか。

【解答】
\( 20 \) 通り
【解説】
Aさんの玉の取り出し方は5個の玉から1個を取り出すので \( 5 \) 通り,
Aさんが取り出した玉は戻さないので,
Bさんの玉の取り出し方は残った4つの玉から1個を取り出すので \( 4 \) 通り,
これらは同時に起こるので,
すべての組み合わせは \( 5 \times 4=20 \)(通り)

樹形図にすると

 

(2) Aさんが玉を1個取り出し,取り出した玉を袋の中に戻した後,Bさんが玉を1個取り出す。2人が取り出した玉に書かれた数字の和が \( 7 \) 以下となる確率を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{19}{25} \)
【解説】

AさんとBさんが取り出した玉の組み合わせと
その和を表に書き出し,
和が \( 7 \) 以下となるところに をつけてみます。

すべての組み合わせは \( 25 \) 通りで,
がついていないのは \( 6 \) 通りなので,
 がついているのは \( 25-6=19 \) 通り。

よって,求める確率は \( \dfrac{19}{25} \)

 

大問5

 右の図のように,2つの関数 \( y=ax^2 \; (a>0) \),
\( y=-x^2 \) のグラフ上で,\( x \) 座標が \( 2 \) である点をそれぞれ \( A,B \) とする。点 \( A \) を通り \( x \) 軸に平行な直線が,関数 \( y=ax^2 \) のグラフと交わる点のうち,\( A \) と異なる点を \( C \) とする。また,点 \( D \) の座標を \( (-3,0) \) とする。
このとき,次の(1),(2),(3)の問いに答えなさい。

(1) 関数 \( y=-x^2 \) について,\( x \) の変域が \( -3≦x≦1 \) のとき,\( y \) の変域を求めなさい。

【解答】
\( -9≦y≦0 \)
【解説】
関数 \( y=mx^2 \; (m<0) \) では,
\( x \) の絶対値が最も大きいときに \( y \) は最小値をとり,
\( x \) の変域が \( 0 \) を含むとき,\( y \) の最大値は \( 0 \) になります。

\( x \) の変域が \( -3≦x≦1 \) のとき,
\( x \) の絶対値が最も大きいのは, \( x=-3 \) のときで,
\( y \) の最小値は \( y=-(-3)^2=-9 \)

\( x \) の変域は \( 0 \) を含んでいるので,\( y \) の最大値は \( 0 \)

よって,\( y \) の変域は,\( -9≦y≦0 \)

 

(2) 次の     内の①,②に当てはまる適切な語句を,下のそれぞれの語群のア,イ,ウのうちから1つずつ選んで,記号で答えなさい。

\( y=ax^2 \) の \( a \) の値を大きくしたとき,直線 \( AD \) の傾きは     
\( y=ax^2 \) の \( a \) の値を大きくしたとき,線分 \( AC \) の長さは      。

【 ① の語群】   大きくなる    小さくなる    変わらない

【 ➁ の語群】   長くなる     短くなる     変わらない

【解答】
【 ① の語群】・・・
【 ➁ の語群】・・・
【解説】

\( y=ax^2 \) の \( a \) の値を大きくしたときの例として,\( y=bx^2 \; (b>a) \) のグラフを考えます。

【直線 \( AD \) の傾き】
\( y=bx^2 \) 上の点で,\( x=2 \) の点を \( A’ \) とすると,
\( A’ \) の \( y \) 座標の値は \( 4b \) であり,
\( A \) の \( y \) 座標の値 \( 4a \) より大きくなります。
つまり,\( AD \) と \( A’D \) では,
\( x \) の増加量は同じで,\( y \) の増加量は大きくなるので
直線 \( A’D \) の傾きは,直線 \( AD \) の傾きより
大きくなります。

【線分 \( AC \) の長さ】
線分 \( AC \) の長さは,2点 \( A,C \) と \( y \) 軸との距離によって決まり,
\( y \) 軸との距離は \( x \) 座標の絶対値と等しくなります。
\( y=ax^2 \) のグラフは,\( y \) 軸について対称なので,2点 \( A,C \) の \( y \) 座標の値は等しく,
\( A \) と \( y \) 軸との距離,\( C \) と \( y \) 軸との距離は等しくなります。
以上より,\( a \) の値を変えても,\( x \) 座標の値が同じであれば,
線分 \( AC \) の長さも同じになります。

 

(3) \( △OAB \) と \( △OCD \) の面積が等しくなるとき,\( a \) の値を求めなさい。ただし,途中の計算も書くこと。

【解答】
\( a=2 \)
【解説】
2点 \( A,B \) の座標は \( A(2,4a),B(2,-4) \) なので,
 \( △OAB=(4a+4) \times 2 \times \dfrac{1}{2}=4a+4 \)
2点 \( C,D \) の座標は \( C(-2,4a),D(-3,0) \) なので,
 \( △OCD=3 \times 4a \times \dfrac{1}{2}=6a \)
よって,
 \( △OAB=△OCD \)
  \( 4a+4=6a \)
    \( a=2 \)

 

 図1のように, \( AB=a \; cm,BC=b \; cm \) の長方形 \( ABCD \) と,1辺の長さが \( 6 \; cm \) の正方形の右上部から1辺の長さが \( 3 \; cm \) の正方形を切り取ったL字型の図形 \( EFGHIJ \) がある。辺 \( BC \) と辺 \( FG \) は直線 \( ℓ \) 上にあり,点 \( C \) と点 \( F \) は同じ位置にある。図形 \( EFGHIJ \) を固定し,長方形 \( ABCD \) を直線 \( ℓ \) に沿って秒速 \( 1 \; cm \) で点 \( B \) が点 \( G \) と同じ位置になるまで移動させる。図2のように,長方形 \( ABCD \) が移動し始めてから \( x \) 秒後の2つの図形が重なった部分の面積を \( y \; cm^2 \) とする。ただし,点 \( C \) と点 \( F \),点 \( B \) と点 \( G \) が同じ位置にあるときは \( y=0 \) とする。
このとき,次の(1),(2),(3)の問いに答えなさい。

(1) \( a=2,b=4 \) とする。下の表は \( x \) と \( y \) の関係をまとめたものである。表の に当てはまる数をそれぞれ求めなさい。

【解答】
① ・・・ \( 8 \)
➁ ・・・ \( 6 \)
【解説】
\( x \) 秒後の 2点\( C,F \) の距離が \( x \; cm \) になるので,
\( x=4 \) のとき,長方形 \( ABCD \) はちょうどすべてが図形 \( EFGHIJ \) と重なります。
よって,重なった部分の面積は \( y=2 \times 4=8 \; (cm^2) \)

\( x=7\) のとき,2点\( C,F \) の距離が \( 7 \; cm \) になるので,
長方形 \( ABCD \) は \( CG=7-6=1 \; cm \) 分だけ図形 \( EFGHIJ \) からはみ出します。
よって,重なった部分の面積は \( y=2 \times 3=6 \; (cm^2) \)

      \( x=4 \) のとき                  \( x=7\) のとき

 

(2) \( a=4,b=2 \) とする。長方形 \( ABCD \) が移動し始めてから移動が終わるまでの \( x \) と \( y \) の関係を表すグラフとして適切なものを,次のア,イ,ウ,エのうちから1つ選んで,記号で答えなさい。

【解答】

【解説】

長方形 \( ABCD \) の縦の辺 \( AB,CD \) と
図形 \( EFGHIJ \) の縦の辺 \( EF,IJ,GH \) が
重なるタイミングで \( y \) の値の変化のしかたが
変わることに注目します。

長方形 \( ABCD \) が動き始めてから,
\( y \) の値がどのように変化するかを表したものが
右の図になります。

\( y \) の値が変わらないところが2か所あることに注目すると,あてはまるグラフは になります。






 

(3) \( a=4,b=4 \) とする。\( x \) と \( y \) の関係を表すグラフは図3のようになった。2つの図形が重なった部分の面積が,長方形 \( ABCD \) が移動し始めてから \( 3 \) 秒後の面積と再び同じ値になるのは,長方形 \( ABCD \) が移動し始めてから何秒後か求めなさい。ただし,途中の計算も書くこと。

【解答】
グラフから,\( x=3 \) のとき,\( y=12 \) なので,\( y=12 \) になる別の点の \( x \) 座標を \( t \) とすると,\( 6≦t≦7 \) になります。

\( 6≦x≦7 \) の直線の式を \( y=ax+b \) とすると,
\( x=6 \) のとき \( y=13 \),\( x=7 \) のとき \( y=9 \) なので,
 \( a=\dfrac{9-13}{7-6}=-4 \)
\( y=-4x+b \) に \( x=6,y=13 \) を代入すると,
 \(13=-4 \times 6+b \)
  \(b=37 \)
となり,
この直線の式は,\( y=-4x+37 \)

\( x=t,y=12 \) を代入すると,
 \( 12=-4t+37 \)
 \( 4t=25 \)
  \( t=\dfrac{25}{4} \)

よって,長方形 \( ABCD \) が移動し始めてから \( 3 \) 秒後の面積と再び同じ値になるのは,\( \dfrac{25}{4} \) 秒後

【解説】

グラフから,\( x=3 \) のとき,\( y=12 \) なので,
\( y=12 \) になる別の点の \( x \) 座標を \( t \) とすると,
\( 6≦t≦7 \) の範囲にあると考えられます。

次に,\( x=6 \) のときと \( x=7 \) のときの \( y \) の値を図を描いて確認すると,
 \( x=6 \) のとき,\( y=4 \times 4-1 \times 3=13 \)
 \( x=7 \) のとき,\( y=3 \times 3=9 \)
なので,\( y=12 \) になる点は \( 6≦x≦7 \) の範囲にあると確認できます。

       \( x=6 \) のとき               \( x=7\) のとき

グラフで,\( 6≦x≦7 \) の直線の式を求めると,
\( (6,13),(7,9) \) を通るので,
傾きは \( -4 \) であり,\( y=-4x+b \) とし,
\( (6,13) \) を代入すると,
 \(13=-4 \times 6+b \)
  \(b=37 \)
となり,
この直線の式は,\( y=-4x+37 \)
\( x=t,y=12 \) を代入すると,
 \( 12=-4t+37 \)
 \( 4t=25 \)
  \( t=\dfrac{25}{4} \)

 

大問6

ある市のA中学校とB中学校は修学旅行でそれぞれX市を訪問する。各中学校とも,横一列に生徒が \( 5 \) 人ずつ座ることができる新幹線でX市へ向かい,到着後,1台に生徒が \( 4 \) 人ずつ乗ることができるタクシーで班別行動を行う。ここでは,修学旅行の生徒の参加人数ごとに,必要な新幹線の座席の列数と必要なタクシーの台数を考えるものとする。例えば,生徒の参加人数が \( 47 \) 人のとき,新幹線では,生徒が \( 5 \) 人ずつ \( 9 \) 列に座り,残りの \( 2 \) 人がもう1列に座るので,必要な新幹線の座席の列数は \( 10 \) 列である。また,タクシーでは,生徒が \( 4 \) 人ずつ \( 11 \) 台に乗り,残りの \( 3 \) 人がもう1台に乗るので,必要なタクシーの台数は \( 12 \) 台である。
このとき,次のの問いに答えなさい。

 A中学校の生徒の参加人数は \( 92 \) 人である。このとき,A中学校の必要な新幹線の座席の列数を求めなさい。

【解答】
\( 19 \) 列
【解説】
\( 92 \div 5=18 \) あまり \( 2 \) なので,
\( 5 \) 人ずつ \( 18 \) 列に座り,残りの \( 2 \) 人がもう1列に座ることになり,
\( 19 \) 列が必要になります。

 

 B中学校の必要な新幹線の座席の列数は \( 24 \) 列であり,必要なタクシーの台数は \( 29 \) 台である。このとき,B中学校の生徒の参加人数を求めなさい。

【解答】
\( 116 \) 人
【解説】
B中学校の生徒の参加人数を \( x \) 人とします。

新幹線の座席に \( 5 \) 人ずつ \( 23 \) 列に空席がないように座るとき,参加人数は \( 115 \) 人,
\( 24 \) 列目にも最低 \( 1 \) 人は座るので,最低の参加人数は \( 116 \) 人,
\( 5 \) 人ずつ \( 24 \) 列に空席がないように座るとき,参加人数は \( 120 \) 人なので,
B中学校の生徒の参加人数の範囲は \( 116≦x≦120 \) ・・・ ①

タクシーに \( 4 \) 人ずつ \( 28 \) 台にあまりがないように乗るとき,参加人数は \( 112 \) 人,
\( 29 \) 台目にも最低 \( 1 \) 人は乗るので,最低の参加人数は \( 113 \) 人,
\( 4 \) 人ずつ \( 29 \) 台にあまりがないように乗るとき,参加人数は \( 116 \) 人なので,
B中学校の生徒の参加人数の範囲は \( 113≦x≦116 \) ・・・ ➁

①②を両方同時に満たしているのが,B中学校の生徒の参加人数なので,
あてはまるのは \( x=116 \) で \( 116 \) 人になります。

 

 次のB中学校の先生と生徒の修学旅行後の会話文を読んで,文中の①,②,③に当てはまる式や数をそれぞれ答えなさい。


先生 「先日の修学旅行では,必要な新幹線の座席の列数は \( 24 \) 列,必要なタクシーの台数は \( 29 \) 台で,
   タクシーの台数の値から新幹線の座席の列数の値をひくと \( 5 \) でした。今日の授業では,台数の値が
   列数の値より \( 10 \) 大きいときの生徒の参加人数について,考えてみましょう。」

生徒 「とりあえず,生徒の参加人数が \( 40 \) 人から \( 47 \) 人までの表を書いてみましたが,具体的に考えて
   いくのは,大変そうです。」

先生 「それでは,式を使って考えてみましょう。例えば,必要な新幹線の座席の列数が \( 9 \) 列のとき,
   考えられる生徒の参加人数は \( 41 \) 人,\( 42 \) 人,\( 43 \) 人,\( 44 \) 人,\( 45 \) 人の5通りです。
   これらは.\( 5 \times 8+1,5 \times 8+2,5 \times 8+3,5 \times 8+4,5 \times 8+5 \) と,すべて \( 5 \times 8 \) を
   含む形で表すことができますね。まずは,この表し方をもとに,必要な新幹線の座席の列数から,
   生徒の参加人数を文字を用いた式で表してみましょう。」

生徒 「必要な新幹線の座席の列数を \( n \) とすると,生徒の参加人数は   ①   \( +a \) と表せます。
   ただし,\( n \) は自然数,\( a \) は \( 1 \) から \( 5 \) までのいずれかの自然数です。」

先生 「そうですね。 次に,必要なタクシーの台数を \( n \) を用いて表してみましょう。」

生徒 「台数の値は,列数の値より \( 10 \) 大きいから,\( n+10 \) と表せます。」

先生 「では,必要なタクシーの台数から,生徒の参加人数を \( n \) と \( 1 \) から \( 4 \) までのいずれかの
   自然数 \( b \) を用いて表すこともできますね。これらの2つの式を使うと,考えられる生徒の
   参加人数のうち,最も少ない生徒の参加人数は何人ですか。」

生徒 「必要な新幹線の座席の列数は \( n= \)   ②   と表すことができるので,\( a \) と \( b \) の値を
   考えると,最も少ない生徒の参加人数は   ③   人です。」

先生 「正解です。文字を用いた式を使って生徒の参加人数を考えることができましたね。」


【解答】
  ①   ・・・ \( 5(n-1) \)
  ②   ・・・ \( 41+b-a \)
  ③   ・・・ \( 185 \)
【解説】
  ①  
\( n \) 列目に最低 \( 1 \) 人は座るということは,
\( n-1 \) 列目までは5人ずつ空席なく座るので,ここまでの人数は \( 5(n-1) \) 人です。
これに,\( n \) 列目に座る \( a \) 人を加えた人数 \( 5(n-1)+a \) が参加人数になります。

  ②  
新幹線の座席の列数から考えた生徒の参加人数は,\( 5(n-1)+a \)
タクシーの台数から考えた生徒の参加人数は,\( 4(n+9)+b \)
であり,これらは等しいので,
 \( 5(n-1)+a=4(n+9)+b \)
  \( 5n-5+a=4n+36+b \)
       \( n=41+b-a \)

  ③  
\( n=41+b-a \) において,\( 1≦a≦5,1≦b≦4 \) なので,
\( b-a \) が最小になるのは,\( a=5,b=1 \) のときで,\( b-a=-4 \)
このとき,
 \( n=41+b-a=41+(-4)=37 \)
\( 5(n-1)+a \) に \( n=37,a=5 \) を代入すると,
 \( 5(n-1)+a=5 \times 36+5=185 \)