奈良県公立高校入試 令和6(2024)年度(一般) 解答&解説

大問1

(1) 次のを計算せよ。

 \( -3-(-7) \)

【解答】
\( 4 \)
【解説】
\( =-3+7 \)
\( =4 \)

 

 \( 3(2x-1)+x-4 \)

【解答】
\( 7x-7 \)
【解説】
\( =6x-3+x-4 \)
\( =7x-7 \)

 

 \( 10xy^2 \div 5y \times 2x \)

【解答】
\( 4x^2y \)
【解説】
\( =\dfrac{10xy^2 \times 2x}{5y} \)
\( =4x^2y \)

 

 \( (x+4)(x-4)-(x-3)^2 \)

【解答】
\( 6x-25 \)
【解説】
\( =x^2-16-(x^2-6x+9) \)
\( =6x-25 \)

 

(2) 2次方程式 \( x^2+x-5=0 \) を解け。

【解答】
\( x=\dfrac{-1±\sqrt{21}}{2} \)
【解説】
解の公式より,
 \( x=\dfrac{-1±\sqrt{1^2-4 \times 1 \times (-5)}}{2 \times 1} \)
  \( =\dfrac{-1±\sqrt{21}}{2} \)

 

(3) 「1本 \( x \) 円の鉛筆 \( 3 \) 本と1冊 \( y \) 円のノート \( 5 \) 冊の代金の合計は,\( 500 \) 円より高い」という数量の関係を不等式で表せ。

【解答】
\( 3x+5y>500 \)
【解説】
1本 \( x \) 円の鉛筆 \( 3 \) 本分の代金は \( 3x \) 円,
1冊 \( y \) 円のノート \( 5 \) 冊分の代金は \( 5y \) 円,
と表すことができ,これらの合計が \( 500 \) 円 より 高いので,
 \( 3x+5y>500 \)

【参考】
AはB より 大きい の場合 → \( A>B \)
AはB 以上 の場合 → \( A≧B \)

 

(4) \( y \) は \( x \) に反比例し,\( x=-6 \) のとき \( y=4 \) である。\( y=3 \) のときの \( x \) の値を求めよ。

【解答】
\( x=-8 \)
【解説】
反比例を表す式は \( y=\dfrac{a}{x} \) なので,\( x=-6,y=4 \) を代入すると,
 \( 4=\dfrac{a}{-6} \)
 \( a=-24 \)
よって,\( y=-\dfrac{24}{x} \) に \( y=3 \) を代入すると,
 \( 3=-\dfrac{24}{x} \)
 \( x=-\dfrac{24}{3}=-8 \)

 

(5) 2つのさいころA,Bを同時に投げるとき,Aのさいころの出る目の数がBのさいころの出る目の数より大きくなる確率を求めよ。

【解答】
\( \dfrac{5}{12} \)
【解説】

Aのさいころの出る目とBのさいころの出る目の
組み合わせを表に書き出し,
Aのさいころの出る目の数の方が大きくなるところに
をつけてみます。

Aの出る目の数の方が大きくなる組み合わせは
\( 15 \) 通り,
すべての組み合わせは \( 36 \) 通りなので,
求める確率は \( \dfrac{15}{36}=\dfrac{5}{12} \)

 

(6) 図1で,\( △ABC \) は \( AB=AC=5 \; cm,BC=6 \; cm \) の二等辺三角形である。この二等辺三角形を,辺 \( BC \) を軸として1回転させてできる立体の体積を求めよ。ただし,円周率は \( \pi{} \) とする。

【解答】
\( 32 \pi{} \; cm^3 \)

【解説】
辺 \( BC \) の中点を \( M \) として,1回転させると右の図のようになります。

\( △ABC \) は二等辺三角形であることから,
\( AM⊥BC \) であり,
 \( AB=5 \; cm,BM=\dfrac{1}{2}BC=3 \; cm \)
であることから,\( △ABM \) は
3辺の長さが \( 3:4:5 \) の直角三角形
であり,\( AM=4 \; cm \)

以上より,1回転させた立体は,
底面の半径が \( 4 \; cm \),高さが \( 3 \; cm \) の円すいを
2つくっつけたものになっています。

よって,求める立体の体積は,
 \( 2 \times ( \pi{} \times 4^2 \times 3 \times \dfrac{1}{3})=32 \pi{} \; (cm^3) \)

 

(7) 図2のように,\( △ABC \) がある。次の条件を満たす点 \( P \) を,定規とコンパスを使って解答欄の枠内に作図せよ。
なお,作図に使った線は消さずに残しておくこと。

【条件】
 \( ∠ABP=∠CBP \) である。
 \( BP⊥CP \) である。

【解答】

手順1 点\( B \) を中心に円弧を描く。
(辺 \( AB,BC \) との交点を \( D,E \) とします。)
手順2 2点\( D,E \) を中心に円弧を描く。
(交点を \( F \) とします。)
手順3 2点\( B,F \) を通る直線を描く。
手順4 点\( C \) を中心に円弧を描く。
(直線 \( BF \) との交点を \( G,H \) とします。)
手順5 2点\( G,H \) を中心に円弧を描く。
(交点を \( I \) とします。)
手順6 2点\( C,I \) を通る直線を描く。

手順3の直線と手順6の直線の交点が求める点 \( P \) になります。

【解説】
条件より,直線 \( BP \) は,\( ∠B \) の二等分線になります。
条件より,直線 \( CP \) は,点 \( C \) を通り,直線 \( BP \) に対する垂線になります。

 

(8) 太郎さんと花子さんは,A中学校の図書委員である。の問いに答えよ。

 太郎さんと花子さんは,3年1組の生徒 \( 36 \) 人と3年2組の生徒 \( 37 \) 人が1学期に読んだ本の冊数を調べた。図3は,その結果をそれぞれ箱ひげ図に表したものである。図3の2つの箱ひげ図から読み取ることができることがらとして適切なものを,後のから全て選び,その記号を書け。

   読んだ本の冊数の範囲は,1組よりも2組の方が大きい。
   1組で,読んだ本の冊数の第1四分位数は,\( 5 \) 冊である。
   2組で読んだ本の冊数が \( 14 \) 冊以上である生徒は,\( 9 \) 人いる。
   1組,2組ともに,読んだ本の冊数が \( 13 \) 冊である生徒は,少なくとも \( 1 \) 人はいる。

【解答】

【解説】

 各組の範囲は,
   1組 ・・・  \( 18-3=15 \)(冊)
   2組 ・・・  \( 17-4=13 \)(冊)
  なので,1組の方が大きくなっています。

 2組は,全部で \( 37 \) 人分のデータを集計しているので,
  第三四分位数の \( 13.5 \) 冊は,冊数の多い方から \( 9 \) 番目と \( 10 \) 番目の平均値になっています。
  冊数は整数なので,平均値が \( 13.5 \) 冊のとき,大きい方(\( 9 \) 番目)の値は \( 14 \) 以上,
  小さい方(\( 10 \) 番目)の値は \( 13 \) 以下になります。
  よって,冊数が \( 14 \) 冊以上である生徒は,\( 9 \) 人いることになります。

 1組は,全部で \( 36 \) 人,2組は,全部で \( 37 \) 人分のデータを集計しているので,
  第三四分位数は,どちらも冊数の多い方から \( 9 \) 番目と \( 10 \) 番目の平均値になっています。
  1組の第三四分位数の \( 13 \) 冊について考えると,
  \( 9 \) 番目の値が \( 14 \) 冊,\( 10 \) 番目の値が \( 12 \) 冊の場合でも平均値は \( 13 \) 冊になるので,
  冊数が \( 13 \) 冊である生徒は,少なくとも \( 1 \) 人はいるとはいえません。

 

 次の     内は,A中学校の全校生徒 \( 240 \) 人が1学期に読んだ本の冊数の平均について考えた,花子さんと太郎さんの会話である。下線部のように言える理由を簡潔に書け。

花子:1学期に読んだ本の冊数の平均を調べるために,全校生徒 \( 240 \) 人を母集団とする標本調査を
   したいね。

太郎:3年1組の生徒を標本として選ぶのはどうかな。3年1組の生徒 \( 36 \) 人が1学期に読んだ本の
   冊数の平均は \( 9.6 \) 冊だったよ。

花子:その標本の取り出し方は適切ではないよ。

【解答】
全校生徒の中から無作為に抽出していないから。

 

大問2

写真1のように,箱詰めされた缶ジュースが \( 40 \) 本ある。太郎さんと花子さんは,写真2のように詰め替えると,缶ジュースが \( 41 \) 本入ったことから,箱の中にどのように缶ジュースを詰めるかで,入る本数が変わることに興味をもった。図1はそれぞれ写真1をもとに,箱を長方形 \( ABCD \),缶を円として表した図である。\( AB=10 \; cm, AD=16 \; cm \),円の半径を \( 1 \; cm \) として,各問いに答えよ。

(1) 次は,図1を見て考えた,花子さんと太郎さんの会話である。の問いに答えよ。


花子:図1では,円は左から縦に \( 5 \) 個ずつ \( 8 \) 列並んでいて,図2
   では,円は左から縦に \( 5 \) 個,縦に \( 4 \) 個,・・・ と交互に \( 9 \)
   列並んでいるね。

太郎:図2の並べ方のほうが円と円のすきまが小さいから \( 1 \) 列多く
   入ったのかな。

花子:図2の一部分を取り出して考えると,隣り合う円は接している
   から,図3で,長さ \( a \) は  あ  \( cm \),図4で,円の左端から
   右端までの長さ \( b \) は (   い  ) \( cm \) だね。

太郎:それじゃあ,全体の長さはどうなるかな。

花子:図5で,左から \( 9 \) 列並べた円の左端から右端までの長さ \( c \) は
   ( う  ) \( cm \) だね。\( \sqrt{3}=1.73 \) として  う  の近似値を
   求めると,図2の並べ方で長方形 \( ABCD \) 内に左から \( 9 \) 列
   並べられることも確かめられたよ。

  あ  い  う  にあてはまる数を,それぞれ書け。

【解答】
 あ  ・・・ \( \sqrt{3} \)
 い  ・・・ \( 2+\sqrt{3} \)
 う  ・・・ \( 2+8\sqrt{3} \)
【解説】

 あ 
右の図のように3つの円の中心 \( A,B,C \) をとり,円 \( B \) と円 \( C \) の接点を \( P \) とすると,
\( △ABC \) の3辺はすべて半径2つ分なので,
\( 2 \; cm \) であり,正三角形になっています。
ここから,\( △ABP \) は \( 30°,60°,90° \) の
直角三角形なので,\( AP=\sqrt{3}BP=\sqrt{3} \; (cm) \)

 い 
点 \( C \) を通り,\( AP \) と平行な直線をひき,
円 \( C \) の交点を \( Q \),
\( AP \) を延長したときの円 \( A \) との交点を
\( R \) とすると,
\( CQ,AR \) はどちらも半径になるので,
\( CQ=AR=1 \; cm \)
よって,
長さ \( b=CQ+AP+AR=2+\sqrt{3} \; (cm) \)

 う 
右の図のように円の中心をつないでいくと,
\( △ABC \) と合同な三角形が \( 8 \) 個できるので,
\( AP=\sqrt{3} \; cm,CQ=1 \; cm \) より,
 長さ \( c=8AP+2CQ=2+8\sqrt{3} \; (cm) \)

 

 

 次の【太郎さんの考え】 が正しいか正しくないかを,根拠を示して説明せよ。ただし,\( \sqrt{3}=1.73 \) とする。


 【太郎さんの考え 】
図2のように並べると,図2のほうが図1より,\( 1 \) 列多く並べられたので,図6のように,上から横に \( 8 \) 個,横に \( 7 \) 個,・・・ と交互に並べると,長方形 \( ABCD \) 内に上から \( 6 \) 列並べられるはずだ。


【解答・解説】

上から \( 6 \) 列並べるときの円の上端から下端までの長さは
 \( 2+5\sqrt{3}=2+5 \times 1.73=10.65 \; (cm) \)
で,\( 10 \; cm \) より長いので,
【太郎さんの考え】は正しくない。

 

(2) 太郎さんと花子さんは,図7のように,円を左から縦に \( 7 \) 個,縦に \( 6 \) 個,・・・ と交互に \( n \) 列目まで並べていくときの,円の個数について考えた。 \( 1 \) 列目から \( n \) 列目まで並べた円の個数を,\( n \) が偶数のときと,\( n \) が奇数のときについて,それぞれ \( n \) を用いた式で表せ。

【解答】
偶数のとき ・・・ \( \dfrac{13}{2}n \) 個
奇数のとき ・・・ \( \dfrac{13n+1}{2} \) 個
【解説】
\( 1 \) 列目から順に,
\( 7 \) 個 → \( 6 \) 個 → \( 7 \) 個 → \( 6 \) 個 → ・・・
と繰り返されるので,
\( 2 \) 列を \( 1 \) セットとして \( 13 \) 個 ずつ並ぶことに注目します。

\( n \) が偶数のとき
\( 13 \) 個 ずつのセットが \( \dfrac{n}{2} \) セットできるので,
円の個数は, \( 13 \times \dfrac{n}{2}=\dfrac{13}{2}n \)(個)

\( n \) が奇数のとき
\( 1 \) 列目から \( n-1 \) 列目までで
\( 13 \) 個 ずつのセットが \( \dfrac{n-1}{2} \) セットでき,
\( n \) 列目の \( 7 \) 個があるので,
円の個数は,\( 13 \times \dfrac{n-1}{2}+7=\dfrac{13n+1}{2} \)(個)

 

大問3

右の図で,放物線は関数 \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) のグラフである。2点 \( A,B \) は放物線上の点であり,その \( x \) 座標はそれぞれ \( -4,6 \) である。点 \( C \) は点 \( B \) を通り \( y \) 軸に平行な直線と \( x \) 軸との交点であり,点 \( P \) は線分 \( AB \) 上を点 \( A \) から点 \( B \) まで動く点である。原点を \( O \) として,各問いに答えよ。

(1) 関数 \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) について,\( x \) の変域が \( -4≦x≦6 \) のとき,\( y \) の変域を求めよ。

【解答】
\( 0≦y≦9 \)

【解説】
\( y=ax^2 \; (a>0,a \) は定数) のグラフにおいて,
\( x \) の変域が \( 0 \) を含むとき,\( y \) の最小値は \( 0 \) になります。
また,\( x \) の絶対値が最も大きくなるとき,\( y \) は 最大値をとります。

\( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) のグラフにおいて,
\( x \) の変域が \( -4≦x≦6 \) のとき,
\( 0 \) を含んでいるので,\( y \) の最小値は \( 0 \)
また,絶対値が最も大きくなるのは
\( x=6 \) のときなので,
\( y \) の最大値は
 \( y=\dfrac{1}{4} \times 6^2=9 \)

よって,\( y \) の変域は \( 0≦y≦9 \)

 

(2) 点 \( P \) が線分 \( AB \) 上を点 \( A \) から点 \( B \) まで動くと, の値はどのように変化するか。正しいものを,それぞれから1つずつ選び,その記号を書け。

 \( ∠OCP \) の大きさ

   大きくなる。           小さくなる。           一定である。
   大きくなってから小さくなる。   小さくなってから大きくなる。

【解答】
 大きくなる。
【解説】

 

 線分 \( OP \) の長さ

   大きくなる。           小さくなる。           一定である。
   大きくなってから小さくなる。   小さくなってから大きくなる。

【解答】
 小さくなってから大きくなる。
【解説】
線分 \( OP \) の長さは,\( ∠OPA=90° \) のときに最も短くなります。

 

(3) \( △BCP \) の面積が \( 21 \) のとき,点 \( P \) の \( x \) 座標を求めよ。

【解答】
\( \dfrac{4}{3} \)
【解説】

求める 点 \( P \) の \( x \) 座標を \( t \) とし,
線分 \( BC \) を \( △BCP \) の底辺とすると,
高さは \( 6-t \) と表すことができるので,
     \( △BCP=21 \)
 \( 9 \times (6-t) \times \dfrac{1}{2}=21 \)
     \( 9(6-t)=42 \)
     \( 3(6-t)=14 \)
        \( 3t=4 \)
         \( t=\dfrac{4}{3} \)

 

(4) 線分 \( OA \) 上に点 \( D \),線分 \( OB \) 上に点 \( E \) を \( AB//DE \) になるようにとる。 \( △ODE \) の面積が \( △OAB \) の面積の \( \dfrac{1}{16} \) であるとき,直線 \( DE \) の式を求めよ。

【解答】
\( y=\dfrac{1}{2}x+\dfrac{3}{2} \)
【解説】

\( AB//DE \) より,\( △ODE \) ∽ \( △OAB \) であり,
相似な三角形の面積比は相似比の2乗の比と等しいので,
\( △ODE:△OAB=1:16=1^2:4^2 \) のとき,
相似比は \( 1:4 \) になっています。

ここから,\( OD:OA=1:4 \)

直線 \( AB \) と \( y \) 軸の交点を \( F \),
直線 \( DE \) と \( y \) 軸の交点を \( G \),
とすると,
\( AB//DE \) より,\( △ODG \) ∽ \( △OAF \) であり,
\( OG:OF=OD:OA=1:4 \)

直線 \( AB \) は \( A(-4,4),B(6,9) \) を通るので,
 傾き \( =\dfrac{9-4}{6-(-4)}=\dfrac{1}{2} \)
直線 \( AB \) の式を \( y=\dfrac{1}{2}x+b \) とすると,
\( B(6,9) \) を通るので,
 \( 9=\dfrac{1}{2} \times 6+b \)
 \( b=6 \)
ここから,\( OF=6 \) であり,
 \( OG:OF=1:4 \)
  \( OG:6=1:4 \)
    \( OG=\dfrac{3}{2} \)

よって,直線 \( DE \) の式は \( y=\dfrac{1}{2}x+\dfrac{3}{2} \)

 

大問4

右の図で,4点 \( A,B,C,D \) は円 \( O \) の周上にあり,\( AB=AC \) である。点 \( E \) は線分 \( BD \) と線分 \( AC \) との交点である。点 \( F \) は線分 \( BD \) 上にあり,\( CD=BF \) である。各問いに答えよ。

(1) \( △ABF≡△ACD \) を証明せよ。

【解答】

\( △ABF \) と \( △ACD \) において,
仮定より,
 \( AB=AC \) ・・・ ➀
 \( BF=CD \) ・・・ ➁
\( \stackrel{\huge\frown}{ AD } \)に対する円周角なので,
 \( ∠ABF=∠ACD \) ・・・ ③
➀➁③より,
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので,
 \( △ABF≡△ACD \)

 

(2) \( ∠BAC=a° \) とするとき,\( ∠ACB \) の大きさを \( a \) を用いて表せ。

【解答】
\( ∠ACB=\dfrac{180°-a°}{2} \)
【解説】
\( △ABF≡△ACD \) より,\( AB=AC \) であり,
\( △ABC \) は二等辺三角形なので,
 \( ∠ACB=\dfrac{180°-a°}{2} \)

 

(3) \( AB=5 \; cm,BD = 6 \; cm,CD=2 \; cm \) のとき,の問いに答えよ。

 線分 \( AD \) の長さを求めよ。

【解答】
\( AD=\sqrt{13} \; cm \)
【解説】

(1)より,\( △ABF≡△ACD \) なので,
\( AF=AD \) であり,\( △AFD \) は二等辺三角形に
なっています。

点 \( A \) から線分 \( BD \) に垂線をひき,
交点を \( G \) とすると,
\( △AFD \) が二等辺三角形であることから,
点 \( G \) は線分 \( FD \) の中点になっています。

\( BD = 6 \; cm,BF=CD=2 \; cm \) より,
\( FD=4 \; cm \) なので, \( FG=2 \; cm \)

\( △ABG \) に注目すると,
\( AB=5 \; cm,BG=4 \; cm,∠AGB=90° \)
より,
3辺の長さの比が \( 3:4:5 \) の直角三角形なので,
\( AG=3 \; cm \)

\( △ADG \) において,三平方の定理より,
 \( AD^2=3^2+2^2=13 \)
  \( AD=\sqrt{13} \; (cm) \) ( \( AD>0 \) より)

 

 \( △ABF \) の面積は \( △AED \) の面積の何倍か。

【解答】
\( \dfrac{21}{13} \) 倍
【解説】
\( △ABF \) と \( △AED \) は高さが共通なので,底辺 \( BF \) と \( DE \) の比と面積比が等しくなります。

\( △ABE \) と \( △DCE \) は
\( ∠ABE=∠DCE,∠BAE=∠CDE \) なので,
\( △ABE \) ∽ \( △DCE \) であり,
相似比は,\( AB:DC=5:2 \) になっています。

\( DE=x \; cm \) とすると,
\( BD=6 \; cm \) より,\( BE=6-x \; cm \) なので,
\( AE=\dfrac{5}{2}x \; cm,CE=\dfrac{2}{5}(6-x) \; cm \)
と表すことができます。

\( △ABF≡△ACD \) より,\( AC=AB=5 \; cm \) なので,
 \( \dfrac{5}{2}x+\dfrac{2}{5}(6-x)=5 \)
 \( 25x+4(6-x)=50 \)
       \( 21x=26 \)
        \( x=\dfrac{26}{21} \; (cm) \)

よって,
 \( BF:DE=2:\dfrac{26}{21}=42:26=21:13 \)
なので,\( △ABF \) の面積は \( △AED \) の面積の \( \dfrac{21}{13} \) 倍