大問1
(1) \( 6-2 \times (-5^2) \) を計算せよ。
【解説】
\( =6-2 \times (-25) \)
\( =6+50 \)
\( =56 \)
(2) \( \dfrac{2}{3}(6x+3y)-\dfrac{1}{4}(8x-2y) \) を計算せよ。
【解答】
\( 2x+\dfrac{5}{2}y \)
【解説】
\( =4x+2y-2x+\dfrac{1}{2}y \)
\( =2x+\dfrac{5}{2}y \)
(3) \( \sqrt{32}-\dfrac{16}{\sqrt{2}}+\sqrt{18} \) を計算せよ。
【解説】
\( =4\sqrt{2}-\dfrac{16 \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}}+3\sqrt{2} \)
\( =4\sqrt{2}-8\sqrt{2}+3\sqrt{2} \)
\( =-\sqrt{2} \)
(4) \( x=7,y=-6 \) のとき,\( (x-y)^2-10(x-y)+25 \) の値を求めよ。
【解説】
\( A=x-y \) とすると,\( A=x-y=7-(-6)=13 \) であり,
与式 \( =A^2-10A+25 \)
\( =(A-5)^2 \)
\( A=13 \) を代入すると,
\( (A-5)^2=(13-5)^2=8^2=64 \)
(5) 2次方程式 \( 8x^2=22x \) を解け。
【解答】
\( x=0,\dfrac{11}{4} \)
【解説】
\( 4x^2=11x \)
\( 4x^2-11x=0 \)
\( x(4x-11)=0 \)
\( x=0,\dfrac{11}{4} \)
【注意】
数学の世界では \( 0 \) で割ることはできないので,
両辺を \( 2x \) で割って
\( 4x=11 \)
\( x=\dfrac{11}{4} \)
としてはいけません。
ただし,問題の条件等によって,\( x≠0 \) であることが明らかな場合は
両辺を \( x \) で割っての構いません。
(6) \( y \) は \( x \) の2乗に比例し,\( x=3 \) のとき \( y=-54 \) である。このとき \( y \) を \( x \) の式で表せ。
【解説】
\( y \) が \( x \) の2乗に比例するとき,
\( y=ax^2 \) ( \( a \) は定数) の式で表すことができます。
\( y=ax^2 \) に \( x=3,y=-54 \) を代入すると,
\( -54=a \times 3^2 \)
\( 9a=-54 \)
\( a=-6 \)
よって,求める式は \( y=-6x^2 \)
(7) 右の図のように,方眼紙上に \( △ABC \) と点 \( O \) があり,4点 \( A,B,C,O \) は方眼紙の縦線と横線の交点上にある。\( △ABC \) を,点 \( O \) を回転の中心として,時計回りに \( 270° \) だけ回転移動させた図形を,答案用紙の方眼紙上にかけ。
【解説】
時計回りに \( 270° \) だけ回転移動させるということは,
反時計回りに \( 90° \) だけ回転移動させるのと同じことです。
点 \( A \) の位置は,点 \( O \) から見て
上に4マス,左に3マスの場所なので,
移動先は,点 \( O \) から見て
左に4マス,下に3マスの場所になります。
点 \( B \) の位置は,点 \( O \) から見て
左に4マス,下に2マスの場所なので,
移動先は,点 \( O \) から見て
下に4マス,右に2マスの場所になります。
点 \( C \) の位置は,点 \( O \) から見て
左に1マスの場所なので,
移動先は,点 \( O \) から見て
下に1マスの場所になります。
(8) 赤玉が2個,白玉が2個,黒玉が1個の合計5個の玉が入っている袋がある。この袋から玉を1個取り出し,取り出した玉を袋にもどさずに,玉をもう1個取り出す。このとき,取り出した2個の玉の色が異なる確率を求めよ。 ただし,袋に入っているどの玉が取り出されることも同様に確からしいものとする。
【解説】
2個の赤玉に「赤1」,「赤2」,2個の白玉に「白1」,「白2」と名前をつけ,
取り出した2個の玉の色の組み合わせを樹形図に書き出し,
2個の玉の色が異なるところに ○ をつけてみます。
(1個ずつ2回に分けて取り出しているので,(赤1,赤2)と(赤2,赤1)はわけて考えます。)
2個の玉の色が異なる組み合わせは \( 16 \) 通り,すべての組み合わせは \( 20 \) 通りなので,
求める確率は \( \dfrac{16}{20}=\dfrac{4}{5} \)
【別解】
まず,取り出した2個の玉の色が同じになる確率を考えると,
2個の玉の色が同じになる組み合わせは
(赤1,赤2),(赤2,赤1),(白1,白2),(白2,白1)
の \( 4 \) 通り,すべての組み合わせは \( 20 \) 通りなので,
その確率は \( \dfrac{4}{20}=\dfrac{1}{5} \)
よって,取り出した2個の玉の色が異なる確率は
\( 1-\dfrac{1}{5}=\dfrac{4}{5} \)
大問2
ある中学校の2年生は,A組,B組,C組,D組の4学級で編制されており,各学級の人数は \( 30 \) 人である。この中学校では,家庭でのタブレット端末を活用した学習時間を調査しており,その結果から得られた学習時間のデータをさまざまな方法で分析している。右のⅠ図は,2年生の \( 120 \) 人全員のある日の学習時間を調査した結果を,ヒストグラムに表したものである。たとえば,Ⅰ図から,2年生の \( 120 \) 人のうち,学習時間が \( 0 \) 分以上 \( 10 \) 分未満の生徒は \( 7 \) 人いることがわかる。
このとき,次の問い(1)・(2)に答えよ。
(1) Ⅰ図において,学習時間が \( 30 \) 分以上 \( 90 \) 分未満の生徒は何人いるか求めよ。また,右の(ア)~(エ)の箱ひげ図のいずれかは,Ⅰ図のヒストグラムに対応している。 Ⅰ図のヒストグラムに対応している箱ひげ図を,(ア)~(エ)から1つ選べ。
【解答】
\( 30 \) 分以上 \( 90 \) 分未満の生徒数 ・・・ \( 52 \) 人
箱ひげ図 ・・・ (ア)
【解説】
【\( 30 \) 分以上 \( 90 \) 分未満の生徒数】
各階級の度数を合計すると,\( 8+8+9+8+9+10=52 \)(人)
【Ⅰ図に対応している箱ひげ図】
ヒストグラムから,最大値は \( 110 \) 分以上 \( 120 \) 分未満の階級に含まれているので,
あてはまるのは,(ア)と(エ)です。
全部で \( 120 \) 人分のデータを集計しているので,
第三四分位数は,学習時間が長い方から \( 30 \) 番目と \( 31 \) 番目の値の平均値になります。
ヒストグラムから,
学習時間が \( 90 \) 分以上の生徒は \( 35 \) 人,\( 100 \) 分以上の生徒は \( 25 \) 人いるので,
学習時間が長い方から \( 30 \) 番目と \( 31 \) 番目の値は \( 90 \) 分以上 \( 100 \) 分未満の階級に含まれています。
よって,あてはまるのは,(ア)になります。
(2) 右のⅡ図は,Ⅰ図のもととなった学習時間の調査結果を,学級ごとに箱ひげ図に表したものである。Ⅱ図から必ずいえるものを,次の(ア)~(オ)から2つ選べ。
(ア) A組は,学習時間が \( 60 \) 分以上 \( 70 \) 分未満の生徒が \( 1 \) 人以上いる。
(イ) B組は,学習時間が \( 80 \) 分以上の生徒が \( 8 \) 人以上いる。
(ウ) C組は,学習時間が \( 115 \) 分の生徒が \( 1 \) 人だけいる。
(エ) 4学級のうち,D組は,学習時間が \( 0 \) 分以上 \( 40 \) 分未満の生徒の人数が最も多い。
(オ) 4学級のうち,学習時間のデータの四分位範囲が最も大きい学級は,学習時間のデータの範囲が
最も小さい。
【解説】
(ア) ・・・ A組の人数は \( 30 \) 人なので,
中央値は,学習時間が短い方から \( 15 \) 番目と \( 16 \) 番目の値の平均値になります。
箱ひげ図から中央値は約 \( 68 \) 分になっていますが,
\( 15 \) 番目の値が \( 56 \) 分,\( 16 \) 番目の値が \( 80 \) 分の場合でも
平均値は \( \dfrac{56+80}{2}=68 \)(分)になるので,
「学習時間が \( 60 \) 分以上 \( 70 \) 分未満の生徒が \( 1 \) 人以上いる」とは限りません,
(イ) ・・・ B組の箱ひげ図から,第三四分位数は \( 80 \) 分以上になっています。
B組の人数は \( 30 \) 人なので,第三四分位数は,学習時間が長い方から \( 8 \) 番目の値です。
よって,学習時間が \( 80 \) 分以上の生徒が \( 8 \) 人以上いることになります。
(ウ) ・・・ C組の箱ひげ図から,最大値が \( 115 \) 分になっていますが,「\( 1 \) 人だけ」とはいえません。
(エ) ・・・ 4つの箱ひげ図から,D組だけが第一四分位数が,\( 40 \) 分以上になっています。
第一四分位数は,学習時間が短い方から \( 8 \) 番目の値になるので,
D組にいる学習時間が \( 0 \) 分以上 \( 40 \) 分未満の生徒数は,\( 7 \) 人以下です。
対して,A~C組は,第一四分位数が,\( 40 \) 分未満であることから,
学習時間が \( 0 \) 分以上 \( 40 \) 分未満の生徒数は,\( 8 \) 人以上です。
よって,D組が最も多いというのは正しくありません。
(オ) ・・・ 四分位範囲の大きさは,箱の長さで比較することができます。
また,範囲の大きさは,箱ひげ図全体の長さで比較することができます。
箱の長さが最も長いのはA組,箱ひげ図全体の長さが最も短いのもA組になっています。
大問3
AさんとBさんは,水泳,自転車,長距離走の3種目を,この順に連続して行うトライアスロンの大会に参加した。スタート地点から地点Pまでが水泳,地点Pから地点Qまでが自転車,地点Qからゴール地点までが長距離走で,スタート地点からゴール地点までの道のりは \( 14300 \; m \) であった。
AさんとBさんは同時にスタートし,どちらも同じ速さで泳ぎ,\( 6 \) 分後に地点Pに到着した。地点Pから地点Qまで,Aさんは分速 \( 600 \; m \),Bさんは分速 \( 500 \; m \) でそれぞれ走り,AさんはBさんより早く地点Qに到着した。Aさんは,地点Qからゴール地点まで走っている途中で,Bさんに追いつかれ,その後,Bさんより遅れてゴールした。地点Qからゴール地点までにおいて,Aさんが走る速さは,Bさんが走る速さの \( \dfrac{4}{5} \) 倍であった。右の図は,Aさんがスタートしてから \( x \) 分後のAさんがスタート地点から進んだ道のりを \( y \; m \) として,\( x \) と \( y \) の関係をグラフに表したものである。ただし,Aさん,Bさんともに,各種目で進む速さはそれぞれ一定であり,種目の切り替えにかかる時間は考えないものとする。
このとき,次の問い(1)・(2)に答えよ。
(1) 地点Pから地点Qまでの道のりは何 \( m \) か求めよ。また,\( 21≦x≦46 \) のときの \( y \) を \( x \) の式で表せ。
【解答】
地点Pから地点Qまでの道のり ・・・ \( 9000 \; m \)
\( 21≦x≦46 \) のときの式 ・・・ \( y=200x+5100 \)
【解説】
問題の条件とグラフから,Aさんが地点Qに到着したのは,スタートから \( 21 \) 分後です。
【地点Pから地点Qまでの道のり】
Aさんが
地点Pを出発したのは,スタートから \( 6 \) 分後,
地点Qに到着したのは,スタートから \( 21 \) 分後
なので,かかった時間は \( 15 \) 分です。
Aさんはこの \( 15 \) 分間を分速 \( 600 \; m \) で走ったので,
走った道のりは,
\( 600 \times 15=9000 \; (m) \)
【\( 21≦x≦46 \) のときの式】
スタート地点から地点Pまでの道のりが \( 300 \; m \)
地点Pから地点Qまでの道のりが \( 9000 \; m \)
なので,
スタート地点から地点Qまでの道のりは \( 9300 \; m \)
です。
地点Qを表す座標は \( (21,9300) \),
ゴール地点を表す座標は \( (46,14300) \) なので,
求める式を \( y=ax+b \) とすると,
\( a=\dfrac{14300-9300}{46-21}=200 \)
\( y=200x+b \) に \( x=21,y=9300 \) を代入すると,
\( 9300=200 \times 21+b \)
\( b=9300-4200=5100 \)
よって,求める式は \( y=200x+5100 \)
(2) 地点Qからゴール地点までにおいて,Aさんが走っている途中で,Bさんに追いつかれたときの,Aさんがスタート地点から進んだ道のりは何 \( m \) か求めよ。
【解説】
Bさんは,地点Pから地点Qまでの \( 9000 \; m \) を分速 \( 500 \; m \) で走ったので,
かかった時間は \( \dfrac{9000}{500}=18 \)(分)であり,
Bさんが地点Qに到着したのは,スタートから \( 28+6=24 \)(分後)になります。
ここから,Bさんが地点Qに到着した時点を表す座標は \( (24,9300) \) になります。
(2)より,Aさんは地点Qからゴール地点まで
分速 \( 200 \; m \) で走ったので,
Bさんが地点Qからゴール地点まで走った速さを
分速 \( v \; m \) とすると,
\( \dfrac{4}{5}v=200 \)
\( 4v=1000 \)
\( v=250 \; (m) \)
Bさんが地点Qからゴール地点まで走った状態を
表す式を \( y=250x+c \) として,
\( x=24,y=9300 \) を代入すると,
\( 9300=250 \times 24+c \)
\( c=9300-6000=3300 \)
よって,求める式は \( y=250x+3300 \)
AさんがBさんに追いつかれた時間と場所は,2本の直線の交点,
つまり,2本の直線の式を連立方程式としたときの解として表れるので,
\( 200x+5100=250x+3300 \)
\( 50x=1800 \)
\( x=36 \)
\( y=200x+5100 \) に代入すると,
\( y=200 \times 36+5100 \)
\( =12300 \; (m) \)
大問4
右の図のような,頂点を \( A \),線分 \( BC \) を直径とする円を底面とする円錐があり,高さは \( 4\sqrt{6} \; cm,AB:BC=3:2 \) である。線分 \( AB \) を3等分する点を点 \( A \) に近い方から順に \( D,E \) とする。また,この円錐の側面に,点 \( E \) から線分 \( AC \) を通り,点 \( D \) まで,ひもをゆるまないようにかける。
このとき,次の問い(1)・(2)に答えよ。
(1) この円錐の底面の半径を求めよ。また,線分 \( AE \) の長さを求めよ。
【解答】
底面の半径 \( =2\sqrt{3} \; cm \)
\( AE=4\sqrt{3} \; cm \)
【解説】
【底面の半径】
円錐の底面の半径を \( r \; cm \) とすると,直径 \( BC=2r \; cm \)
\( AB:BC=3:2 \) より,\( AB=\dfrac{3}{2}BC=3r \; cm \)
底面の円の中心を \( O \) とすると,
\( △ABO \) において,三平方の定理より,
\( (3r)^2=r^2+(4\sqrt{6})^2 \)
\( 8r^2=96 \)
\( r^2=12 \)
\( r=2\sqrt{3} \; (cm) \) (\( r>0 \) より)
【線分 \( AE \) の長さ】
仮定より,\( AB:AE=3:2 \) なので,
\( AE=\dfrac{2}{3}AB \)
\( =2r \)
\( =4\sqrt{3} \; (cm) \)
(2) かけたひもの長さが最短となるときの,ひもの長さを求めよ。ただし,ひもの太さは考えないものとする。
【解答】
\( 2\sqrt{21} \; cm \)
【解説】
この円すいを線分 \( AB \) で切って展開すると,
側面は半径 \( AB=3r=6\sqrt{3} \; (cm) \) のおうぎ形になります。
おうぎ形の弧 \( BB’ \) と底面の円周の長さは等しく,
底面の円周 \( =2 \times \pi{} \times 2\sqrt{3}=4\sqrt{3}\pi{} \; (cm) \)
なので,
おうぎ形の中心角を \( ∠BAB’=x° \) とすると,
\( 2 \times \pi{} \times 6\sqrt{3} \times \dfrac{x}{360°}=4\sqrt{3}\pi{} \)
\( 12\sqrt{3}\pi{} \times \dfrac{x°}{360°}=4\sqrt{3}\pi{} \)
\( \dfrac{x}{360°}=\dfrac{1}{3} \)
\( x°=120° \)
線分 \( B’D \) を延長し,点 \( E \) から垂線をひいた
交点を \( F \) とすると,
\( ∠EAF=180°-∠BAB’=60°,∠EFA=90° \) なので,
\( △EAF \) は \( 30°,60°,90° \) の直角三角形であり,
\( FA=\dfrac{1}{2}AE=2\sqrt{3} \; (cm) \)
\( EF=\dfrac{\sqrt{3}}{2}AE=6 \; (cm) \)
\( △EDF \) において,
\( FD=FA+AD \)
\( =FA+\dfrac{1}{2}AE \)
\( =2\sqrt{3}+2\sqrt{3} \; (cm) \)
\( =4\sqrt{3} \; (cm) \)
なので,三平方の定理より,
\( DE^2=EF^2+FD^2 \)
\( =6^2+(4\sqrt{3})^2 \)
\( =84 \)
\( DE=2\sqrt{21} \; (cm) \)
大問5
右の図のような,\( AB=8 \; cm,AD=6 \; cm \) の長方形 \( ABCD \) がある。点 \( E \) を,辺 \( AB \) 上に \( AE=2 \; cm \) となるようにとり,線分 \( CE \) の垂直二等分線と辺 \( CD \),線分 \( CE \) との交点をそれぞれ \( F,G \) とする。また,\( DH=4 \; cm \) となるような点 \( H \) を,辺 \( AD \) を延長した直線上にとり,2点 \( B,H \) を通る直線と辺 \( CD \),線分 \( CE \) との交点をそれぞれ \( I,J \) とする。
このとき,次の問い(1)~(3)に答えよ。
(1) \( △CFG \) の面積を求めよ。
【解説】
\( △EBC \) に注目すると,
\( AB=8 \; cm,AE=2 \; cm \) より,
\( BE=6 \; cm \)
長方形の向かい合う辺は等しいので,
\( BC=AD=6 \; cm \)
長方形 \( ABCD \) の内角なので,
\( ∠EBC=90° \)
以上より,\( △EBC \) は直角二等辺三角形です。
\( △CFG \) に注目すると,
\( △EBC \) は直角二等辺三角形なので,
\( ∠ECB=45° \) であり,
\( ∠GCF=90°-∠ECB=45° \)
線分 \( FG \) は線分 \( CE \) の垂直二等分線なので,
\( ∠FGC=90° \)
以上より,\( △CFG \) も直角二等辺三角形です。
\( △EBC \) は直角二等辺三角形なので,
\( CE=\sqrt{2}BE=6\sqrt{2} \; (cm) \)
線分 \( FG \) は線分 \( CE \) の垂直二等分線なので,
\( CG=\dfrac{1}{2}CE=3\sqrt{2} \; (cm) \)
\( △CFG \) は直角二等辺三角形なので,
\( FG=CG=3\sqrt{2} \; (cm) \)
よって,\( △CFG \) の面積は,
\( △CFG=3\sqrt{2} \times 3\sqrt{2} \times \dfrac{1}{2}=9 \; (cm^2) \)
(2) 線分 \( CI \) の長さを求めよ。
【解答】
\( CI=\dfrac{24}{5} \; cm \)
【解説】
\( △ABH \) と \( △CIB \) において,
長方形の内角なので,
\( ∠BAH=∠ICB=90° \) ・・・ ➀
長方形の向かい合う辺は平行なので,
錯角は等しく,
\( ∠AHB=∠CBI \) ・・・ ➁
①②より,2組の角がそれぞれ等しいので,
\( △ABH \) ∽ \( △CIB \)
対応する辺の比は等しいので,
\( AB:CI=AH:CB \)
\( 8:CI=10:6 \)
\( 10CI=48 \)
\( CI=\dfrac{24}{5} \; (cm) \)
(3) 四角形 \( FGJI \) の面積を求めよ。
【解答】
\( \dfrac{13}{5} \; cm^2 \)
【解説】
四角形 \( FGJI \) の面積を直接求めるのは難しいので,
(1)で求めた \( △CFG \) の面積から \( △CIJ \) の面積をひく方法で考えます。
\( ∠ECB=∠JCI=45° \) より,
線分 \( CJ \) は \( ∠BCI \) の二等分線なので,
\( BJ:IJ=CB:CI \)
\( =6:\dfrac{24}{5} \)
\( =5:4 \)
\( △BCG \) と \( △CIJ \) は高さが共通なので,
面積比は底辺の長さの比と等しくなります。
ここから,
\( △BCG:△CIJ=BJ:IJ=5:4 \)
であり,
\( △CIJ=\dfrac{4}{9}△BCI \)
となります。
\( △BCI \) の面積は,
\( △BCI=6 \times \dfrac{24}{5} \times \dfrac{1}{2}=\dfrac{72}{5} \; (cm^2) \)
なので,\( △CIJ \) の面積は,
\( △CIJ=\dfrac{4}{9}△BCI \)
\( =\dfrac{4}{9} \times \dfrac{72}{5} \)
\( =\dfrac{32}{5} \; (cm^2) \)
よって,四角形 \( FGJI \) の面積は,
四角形 \( FGJI=△CFG-△CIJ \)
\( =9-\dfrac{32}{5} \)
\( =\dfrac{13}{5} \; (cm^2) \)
大問6
円の周上に,\( n \) 個の点をそれぞれ異なる位置にとり,これらのすべての点を互いに結ぶ線分をひき,弦の本数を考える。
次の表は,\( n=2,3,4 \) のときの,図と弦の本数をまとめたものである。

このとき,次の問い(1)~(3)に答えよ。ただし,\( n \) は \( 2 \) 以上の自然数とする。
(1) \( n=5 \) のとき,弦の本数を求めよ。
【解説】
\( 5 \) 個の点に \( A,B,C,D,E \) と名前をつけると,
点 \( A \) から引くことができる弦は \( 4 \) 本
点 \( B \) から引くことができる弦は \( 3 \) 本
( 弦 \( AB \) は重複になるので数えません)
点 \( C \) から引くことができる弦は \( 2 \) 本
点 \( D \) から引くことができる弦は \( 1 \) 本
なので,弦の本数は,
\( 4+3+2+1=10 \)(本)
(2) \( n=41 \) のとき,弦の本数を求めよ。
【解説】
\( 41 \) 個の点に \( A,B,C,・・・ ,Z,AA,・・・,AN,AO \) と名前をつけると,
点 \( A \) から引くことができる弦は \( 40 \) 本
点 \( B \) から引くことができる弦は \( 39 \) 本
点 \( C \) から引くことができる弦は \( 38 \) 本
・・・
点 \( AN \) から引くことができる弦は \( 1 \) 本
なので,弦の本数は,
\( 40+39+38+ \; ・・・ \; +3+2+1=41 \times 20=820 \)(本)
40+39+38+ ・・・ +3+2+1=41×20って何?
\( \color{red}{40}+\color{blue}{39}+\color{purple}{38}+ \; ・・・ \; +\color{purple}{3}+\color{blue}{2}+\color{red}{1} \) は \( 1 \) から \( 40 \) までの \( 40 \) 個の数の和なので,
\( \color{red}{40+1},\color{blue}{39+2},\color{purple}{38+3}, \; ・・・ \; ,22+19.21+20 \)
と,和が \( 41 \) になる組み合わせが \( 20 \) 個できます。
よって,\( 40+39+38+ \; ・・・ \; +3+2+1=41 \times 20=820 \) となります。
(3) 弦の本数が \( 1953 \) 本であるときの \( n \) の値を求めよ。
【解説】
(1),(2)より,
弦の本数が \( 1953 \) 本であるときの点の個数を \( n \) 個とすると,
\( 1953 \) は \( 1 \) から \( n-1 \) までの和になります。
\( 1 \) から \( m \) までの和は,
\( 1+2+3+ \; ・・・ \; +m-1+m=\dfrac{m(m+1)}{2} \)
の形で表すことができるので,\( m=n-1 \) を代入すると,
\( 1 \) から \( n-1 \) までの和は,
\( 1+2+3+ \; ・・・ \; +(n-2)+(n-1)=\dfrac{n(n-1)}{2} \)
と表すことができます。
よって,
\( (n-1)+(n-2)+(n-3)+ \; ・・・ \; +3+2+1=1953 \)
\( \dfrac{n(n-1)}{2}=1953 \)
\( n(n-1)=3906 \)
\( n^2-n-3906=0 \)
\( (n+62)(n-63)=0 \)
\( n=63 \) (\( n≧2 \) より)
1からmまでの和が m(m+1)/2で表せる理由
\( 1 \) から \( m \) までの和を
○ をピラミッド形に \( 1 \) 個 → \( 2 \) 個→ ・・・ → \( m \) 個と並べたときの
○ の個数
として考えます。
同じピラミッド形のものを上下逆にして横に並べると,\( m+1 \) 個の ○ が \( m \) 段並ぶので,
ピラミッド形2つ分の ○ の個数は \( m(m+1) \) 個と表すことができます。
よって,ピラミッド形1つ分の ○ の個数は \( \dfrac{m(m+1)}{2} \) 個と表すことができます。
