大問1
(1) \( (-1)^2-2 \times 3 \)
【解説】
\( =1-6 \)
\( =-5 \)
(2) \( 3(x-9y)+4(x+7y) \)
【解説】
\( =3x-27y+4x+28y \)
\( =7x+y \)
(3) \( 2b \times 6a^2 \div (-4a) \)
【解説】
\( =-\dfrac{2b \times 6a^2}{4a} \)
\( =-3ab \)
(4) \( (x+3)(x-3)-x(x-2) \)
【解説】
\( =x^2-9-x^2+2x \)
\( =2x-9 \)
(5) \( (\sqrt{7}+2\sqrt{2})^2 \)
【解説】
\( =(\sqrt{7})^2+2 \times \sqrt{7} \times 2\sqrt{2}+(2\sqrt{2})^2 \)
\( =7+4\sqrt{14}+8 \)
\( =15+4\sqrt{14} \)
大問2
(1) \( a=-3,b=4 \)のとき,\( 8a+b^2 \) の値を求めなさい。
【解説】
\( 8a+b^2=8 \times (-3)+4^2 \)
\( =-24+16 \)
\( =-8 \)
(2) \( a \) を負の数とし,\( b \) を正の数とする。次のア~エの式のうち,その値がつねに正になるものはどれですか。一つ選びなさい。
ア \( ab \) イ \( a+b \) ウ \( -a+b \) エ \( a-b \)
【解説】
ア ・・・ 負の数 \( \times \) 正の数の結果は,つねに負の数になります。
イ ・・・ \( a=-5,b=2 \) のとき,\( a+b=-5+2=-3 \) で,負の数になります。
ウ ・・・ \( a \) が負の数のとき,\( -a \) は正の数になります。
正の数 \( + \) 正の数の結果は,つねに正の数になります。
エ ・・・ 負の数 \( – \) 正の数の結果は,つねに負の数になります。
(3) 二次方程式 \( x^2-7x+5=0 \) を解きなさい。
【解答】
\( x=\dfrac{7±\sqrt{29}}{2} \)
【解説】
解の公式より,
\( x=\dfrac{-(-7)±\sqrt{(-7)^2-4 \times 1 \times 5}}{2 \times 1} \)
\( =\dfrac{7±\sqrt{29}}{2} \)
(4) \( n \) を自然数とする。\( \sqrt{44n} \) の値が自然数となる最も小さい \( n \) の値を求めなさい。
【解説】
\( \sqrt{44n} \) の値が自然数となるのは,\( 44n \) が平方数(ある整数を2乗した値)になるときです。
また,平方数を素因数分解すると \( a^2 \times b^2 \times \;\; ・・・ \) (\( a,b \;\; ・・・ \) は素数) の形になります。
\( 44n \) を素因数分解すると,\( 2^2 \times 11 \times n \) となるので,
\( n=11 \) のとき,\( 2^2 \times 11 \times n=2^2 \times 11^2 \) で平方数になります。
よって,\( \sqrt{44n} \) の値が自然数となる最も小さい \( n \) の値は,\( n=11 \) になります。
(5) \( 2 \) から \( 6 \) までの自然数が書いてある5枚のカード \( \boxed{2},\boxed{3},\boxed{4},\boxed{5},\boxed{6} \) が箱に入っている。この箱から2枚のカードを同時に取り出し,取り出した2枚のカードに書いてある数の和を \( a \),積を \( b \) とするとき,\( b-a \) の値が偶数である確率はいくらですか。どのカードが取り出されることも同様に確からしいものとして答えなさい。
【解説】
2枚のカードの数の組み合わせと,そのときの \( b,a,b-a \) の値を樹形図に書き出してみます。
\( b-a \) の値が偶数になる組み合わせは \( 3 \) 通り,すべての組み合わせは \( 10 \) 通りなので,
求める確率は \( \dfrac{3}{10} \)
【別解】
\( b-a \) の値が偶数になるのは,\( b \) と \( a \) がどちらも偶数またはどちらも奇数のときです。
2枚の取り出し方は
2枚とも偶数,偶数と奇数が1枚ずつ,2枚とも奇数
のどれかになることに注目し,
それぞれの場合における \( b,a,b-a \) の値が,偶数・奇数どちらになるかをまとめると,
下の表のようになります。

\( b-a \) の値が偶数になるのは,2枚とも偶数のカードを取り出したときであり,
偶数のカードは \( 2,4,6 \) の3枚なので,その組み合わせは \( (2,4),(2,6),(4,6) \) の \( 3 \) 通り,
すべての組み合わせは \( 4+3+2+1=10 \) 通りなので,
求める確率は \( \dfrac{3}{10} \)
(6) 右の図において,\( A,B,C,D,E \) は円 \( O \) の周上の異なる5点であり,この順に左回りに並んでいる。線分 \( AC \) は,円 \( O \) の直径である。\( A \) と \( E \), \( B \) と \( E \),\( B \) と \( D \),\( C \) と \( D \) とをそれぞれ結ぶ。鋭角 \( ∠AEB \) の大きさを \( a° \) とするとき,鋭角 \( ∠BDC \) の大きさを \( a \) を用いて表しなさい。
【解説】
補助線 \( EC \) をひくと,
\( ∠AEC \) は,直径に対する円周角なので,
\( ∠AEC=90° \) であり,\( ∠BEC=(90-a)° \)
\( ∠BEC,∠BDC \) は
どちらも \( \stackrel{\huge\frown}{ BC } \) に対する円周角なので,
\( ∠BDC=∠BEC=(90-a)° \)
(7) 袋の中に赤色のビー玉だけがたくさん入っている。この袋に青色のビー玉を \( 80 \) 個加えてよくかき混ぜた後,\( 30 \) 個のビー玉を無作為に抽出したところ,\( 4 \) 個が青色のビー玉であった。標本調査の考え方を用いると,袋の中には初めおよそ何個の赤色のビー玉が入っていたと推定できますか。
【解説】
標本調査では,
母集団に含まれる青色のビー玉の割合(比率)と標本に含まれる青色のビー玉の割合(比率)は等しい
と考えることができます。
袋の中に初めに入っていた赤色のビー玉をおよそ \( x \) 個とすると,
母集団となるビー玉の数は \( x+80 \) 個と表すことができるので,
\( x+80:80=30:4 \)
\( 4(x+80)=2400 \)
\( x+80=600 \)
\( x=520 \)(個)
(8) 右の図において,\( m \) は関数 \( y=\dfrac{7}{4}x^2 \) のグラフを表し,ℓは関数 \( y=-2x-1 \) のグラフを表す。\( A \) は \( m \) 上の点であり,その \( x \) 座標は正である。\( A \) の \( x \) 座標を \( t \) とし,\( t>0 \) とする。B は,\( A \) を通り \( y \) 軸に平行な直線と \( x \) 軸との交点である。 \( C \) は,直線 \( AB \) と ℓ との交点である。線分 \( BC \) の長さが線分 \( AB \) の長さより \( 1 \; cm \) 長いときの \( t \) の値を求めなさい。答えを求める過程がわかるように、途中の式を含めた求め方も説明すること。ただし,原点 \( O \) から点 \( (1,0) \) までの距離,原点 \( O \) から点 \( (0,1) \) までの距離はそれぞれ \( 1 \; cm \) であるとする。
【解答】
\( t=\dfrac{8}{7} \)
【解答・解説】
3点 \( A,B,C \) の座標は,
\( A \left( t,\dfrac{7}{4}t^2 \right),B(t,0),C(t,-2t-1) \)
と表すことができるので,
線分 \( BC \) の長さは,\( BC=2t+1 \; cm \),
線分 \( AB \) の長さは,\( AB=\dfrac{7}{4}t^2 \; cm \)
と表すことができる。
よって,
\( 2t+1=\dfrac{7}{4}t^2+1 \)
\( \dfrac{7}{4}t^2-2t=0 \)
\( 7t^2-8t=0 \)
\( t(7t-8)=0 \)
\( t=\dfrac{8}{7} \) (\( t>0 \) より)
大問3
Uさんの学校の文化祭では,各クラスの企画を紹介する垂れ幕を作って体育館に飾ることになった。生徒会の委員であるUさんは,垂れ幕の枚数と垂れ幕の列の長さとの関係について考えてみた。下の図は,同じ幅の垂れ幕を等間隔で飾ったときのようすを表す模式図である。垂れ幕1枚の幅はすべて \( 90 \; cm \) であり,垂れ幕どうしの間隔はすべて \( a \; cm \) である。「垂れ幕の枚数」が \( x \) 枚のときの「垂れ幕の列の長さ」を \( y \; cm \) とする。\( x=1 \) のとき \( y=90 \) であるとし,\( x \) の値が \( 1 \) 増えるごとに \( y \) の値は \( (a+90) \) ずつ増えるものとする。
次の問いに答えなさい。

(1) Uさんは,\( a=15 \) である場合について考えた。
1 次の表は,\( x \) と \( y \) との関係を示した表の一部である。表中の(ア),(イ)に当てはまる数をそれぞれ書きなさい。

【解答】
(ア)・・・ \( 405 \)
(イ)・・・ \( 720 \)
【解説】
\( x \) の値が \( 1 \) 増えるごとに \( y \) の値は \( 105 \) ずつ増えます。
2 \( x \) を自然数として,\( y \) を \( x \) の式で表しなさい。
【解説】
\( x=1 \) のとき,\( y=90=90+105 \times 0 \)
\( x=2 \) のとき,\( y=195=90+105 \times 1 \)
\( x=3 \) のとき,\( y=300=90+105 \times 2 \)
\( x=4 \) のとき,\( y=405=90+105 \times 3 \)
・・・・・
なので,\( y=90+105(x-1)=105x-15 \)
3 \( y=2085 \) となるときの \( x \) の値を求めなさい。
【解説】
\( y=105x-15 \) に \( y=2085 \) を代入すると,
\( 2085=105x-15 \)
\( 105x=2100 \)
\( x=20 \)
(2) Uさんは,\( 21 \) 枚の垂れ幕を等間隔で飾ったときに,垂れ幕の列の長さが \( 2130 \; cm \) になるようにしようと考えた。\( x=21 \) のとき \( y=2130 \) となる \( a \) の値を求めなさい。
【解説】
垂れ幕どうしの間隔が \( a \; cm \) であるとき,
\( y \) を \( x \) の式で表すと,
\( x=1 \) のとき,\( y=90=90+(a+90) \times 0 \)
\( x=2 \) のとき,\( y=195=90+(a+90) \times 1 \)
\( x=3 \) のとき,\( y=300=90+(a+90) \times 2 \)
\( x=4 \) のとき,\( y=405=90+(a+90) \times 3 \)
・・・・・
なので,\( y=90+(a+90)(x-1)=(a+90)x-a \) となります。
\( x=21,y=2130 \) を代入すると,
\( 2130=(a+90) \times 21-a \)
\( 2130=20a+1890 \)
\( 20a=240 \)
\( a=12 \)
大問4
[Ⅰ] 図Ⅰにおいて,四角形 \( ABCD \) は1辺の長さが \( 9 \; cm \) の正方形である。\( △EFC \) は \( ∠EFC=90° \) の直角三角形であり,\( EF>FC \) である。\( F \) は,辺 \( AB \) 上にあって \( A,B \) と異なる。\( G \) は,辺 \( EF \) と辺 \( AD \) との交点である。辺 \( EC \) は,辺 \( AD \) と交わっている。\( H \) は,\( G \) を通り辺 \( FC \) に平行な直線と辺 \( EC \) との交点である。\( I \) は,直線 \( GH \) と辺 \( DC \) との交点である。
次の問いに答えなさい。
(1) \( △GAF \) ∽ \( △FBC \) であることを証明しなさい。
【解答】
\( △GAF \) と \( △FBC \) において,
正方形の内角なので,
\( ∠GAF=∠FBC=90° \) ・・・ ➀
三角形の内角は \( 180° \) なので,
\( ∠AGF=90°-∠AFG \) ・・・ ②
\( F \) は,辺 \( AB \) 上の点で,
\( ∠GFC=90° \) なので,
\( ∠BFC=90°-∠AFG \) ・・・ ➂
②③より,
\( ∠AGF=∠BFC \) ・・・ ➃
➀➃より,2組の角がそれぞれ等しいので,
\( △GAF \) ∽ \( △FBC \)
(2) \( FB=3 \; cm,EF:FC=5:3 \) であるとき、
1 線分 \( GF \) の長さを求めなさい。
【解答】
\( GF=2\sqrt{10} \; cm \)
【解説】
(1)より,\( △GAF \) ∽ \( △FBC \) であり,
\( AB=9 \; cm,FB=3 \; cm \) より,
\( AF=6 \; cm \) なので,
\( GA:FB=AF:BC \)
\( GA:3=6:9 \)
\( 9GA=18 \)
\( GA=2 \; (cm) \)
\( △GAF \) において,三平方の定理より,
\( GF^2=6^2+2^2=40 \)
\( GF=2\sqrt{10} \; (cm) \)
2 線分 \( HI \) の長さを求めなさい。
【解答】
\( HI=\dfrac{8\sqrt{10}}{15} \; cm \)
【解説】
【\( GH \) の長さを求める】
\( △GAF \) ∽ \( △FBC \) より,
\( GF:FC=AF:BC \)
\( 2\sqrt{10}:FC=6:9 \)
\( FC=3\sqrt{10} \; (cm) \)
\( EF:FC=5:3 \) なので,
\( EF:3\sqrt{10}=5:3 \)
\( EF=5\sqrt{10} \; (cm) \)
であり,
\( EG=EF-GF=3\sqrt{10} \; (cm) \)
\( GI//FC \) より,\( △EGH \) ∽ \( △EFC \) であり,
対応する辺の比は等しいので,
\( GH:FC=EG:EF \)
\( GH:3\sqrt{10}=3\sqrt{10}:5\sqrt{10} \)
\( GH:3\sqrt{10}=3:5 \)
\( GH=\dfrac{9\sqrt{10}}{5} \; (cm) \)
【\( GI \) の長さを求める】
\( GI//FC \) より,\( ∠FGI=90° \) であり,
\( ∠AGF=90°-∠DGI \)
(1)より,
\( ∠AGF=90°-∠AFG \)
でもあるので,
\( ∠DGI=∠AFG \)
正方形の内角なので,
\( ∠IDG=∠GAF=90° \)
よって,2組の角がそれぞれ等しいので,
\( △IDG \) ∽ \( △GAF \)
対応する辺の比は等しいので,
\( GI:FG=DG:AF \)
\( GI:2\sqrt{10}=7:6 \)
\( GI=\dfrac{7\sqrt{10}}{3} \; (cm) \)
以上より,
\( HI=GI-GH \)
\( =\dfrac{7\sqrt{10}}{3}-\dfrac{9\sqrt{10}}{5} \)
\( =\dfrac{8\sqrt{10}}{15} \; (cm) \)
[Ⅱ] 図Ⅱにおいて,立体 \( ABC-DEF \) は三角柱である。\( △ABC \) は,\( AB=AC=5 \; cm \) の二等辺三角形である。\( △DEF≡△ABC \) である。四角形 \( DEBA,FEBC,DFCA \) は長方形であり,\( AD=6 \; cm \) である。\( D \) と \( B \),\( D \) と \( C \) とをそれぞれ結ぶ。\( G \) は,線分 \( DB \) 上の点である。\( H \) は,\( G \) を通り辺 \( BC \) に平行な直線と線分 \( DC \) との交点である。\( A \) と \( G \),\( A \) と \( H \) とをそれぞれ結ぶ。
次の問いに答えなさい。
(3) 次のア~オのうち,辺 \( AB \) とねじれの位置にある辺はどれですか。すべて選びなさい。
ア 辺 \( AD \) イ 辺 \( DE \) ウ 辺 \( EF \)
エ 辺 \( CF \) オ 辺 \( AC \)
【解答】
ウ 辺 \( EF \)
エ 辺 \( CF \)
【解説】
ねじれの位置にある辺(直線)とは,
どこまでいっても交わらない直線のうち,平行ではないもののことをいいます。
ア 辺 \( AD \) と オ 辺 \( AC \)
点 \( A \) で辺 \( AB \) と交わるので,
ねじれの位置ではありません。
イ 辺 \( DE \)
辺 \( AB \) と平行なので,
ねじれの位置ではありません。
(4) \( BC=4 \; cm,GH=3 \; cm \) であるとき,
1 \( △ABC \) の面積を求めなさい。
【解答】
\( 2\sqrt{21} \; cm^2 \)
【解説】
点 \( A \) から辺 \( BC \) に垂線をひき,
交点を \( M \) とすると,
辺 \( BC \) の中点になるので,
\( AM=\dfrac{1}{2}BC=2 \; (cm) \)
三平方の定理より,
\( AM^2=5^2-2^2=21 \)
\( AM=\sqrt{21} \; (cm) \)
よって,\( △ABC \) の面積は,
\( △ABC=4 \times \sqrt{21} \times \dfrac{1}{2}=2\sqrt{21} \; (cm^2) \)
2 立体 \( ADGH \) の体積を求めなさい。
【解答】
\( \dfrac{9\sqrt{21}}{4} \; cm^3 \)
【解説】
立体 \( ADGH \) と立体 \( ADBC \) は高さが共通であることに注目すると,
2つの立体の体積比は底面の面積比と等しくなります。
\( GI//FC \) より,\( △DGH \) ∽ \( △DBC \) であり,
相似比は \( GH:BC=3:4 \)
相似な三角形の面積比は
相似比の2乗の比と等しいので,
\( △DGH:△DBC=3^2:4^2=9:16 \)
立体 \( ADGH \) と立体 \( ADBC \) は高さが共通なので,体積比は底面の面積比と等しく,
立体 \( ADGH: \)立体 \( ADBC=9:16 \)
立体 \( ADGH=\dfrac{9}{16} \; \)立体 \( ADBC \)
立体 \( ADBC \) の体積は,
立体 \( ADBC=△ABC \times AD \times \dfrac{1}{3} \)
\( =2\sqrt{21} \times 6 \times \dfrac{1}{3} \)
\( =4\sqrt{21} \; (cm^3) \)
なので,
立体 \( ADGH=\dfrac{9}{16} \times 4\sqrt{21} \)
\( =\dfrac{9\sqrt{21}}{4} \; (cm^3) \)