三角形の合同条件は平面図形の問題の中でも最も重要な性質です。
ど忘れした場合でも自分で導き出せるぐらいにしっかり理解しておきましょう。
三角形の合同条件
三角形の合同条件は次のとおりです。
- 3組の辺の長さがすべて等しい
- 2組の辺の長さとその間の角の大きさが等しい
- 1組の辺の長さとその両端の角の大きさが等しい
合同条件が成り立つということは,条件に従って△ABCを描くとき,線分ABに対するCの場所が1点に決められるということです。
ここでは,実際に△ABCを描いて合同条件が成り立つことを証明してみましょう。
3組の辺の長さがすべて等しい
点Bを中心にして半径\(b\)の弧を描きます。
点Aを中心にして半径\(c\)の弧を描きます。
2辺の長さがAC=\(c\)・BC=\(b\) の両方を満たす点Cは2つの弧の交点だけです。
(下側は線分ABを軸として△ABCと線対称になりますので,ここでは省略します。)
線分ABに対して点Cは1つになるので,3組の辺の長さがすべて等しい等しい三角形は合同であるといえます。
2組の辺の長さとその間の角の大きさが等しい
点Aを中心にして半径\(c\) の弧を描きます。
2辺の長さ\(a,c\)が決まるだけでは,点Cの場所は1つに決まりませんが,
∠\(x\)を決めることで,
2辺の長さAB=\(a\)・AC=\(c\)
2辺の間の角の大きさ∠\(x\)
をすべて満たす点Cの場所が1点に決まります。
以上より,2組の辺の長さとその間の角の大きさが等しい三角形は合同であるといえます。
1組の辺の長さとその両端の角の大きさが等しい
点Aから線分ABとの角度が\(x\)となる直線をひきます。
1辺の長さ\(a\)と1つの角∠\(x\)が決まるだけでは,点Cの場所は1つに決まりませんが,
∠\(y\)を決めることで,
1辺の長さAB=\(a\)
2つの間の角の大きさ∠\(x\),∠\(y\)
をすべて満たす点Cの場所が1点に決まります。
以上より,1組の辺の長さとその両端の角の大きさが等しい三角形は合同であるといえます。
まとめ
以上、三角形の合同条件
- 3組の辺の長さがすべて等しい
- 2組の辺の長さとその間の角の大きさが等しい
- 1組の辺の長さとその両端の角の大きさが等しい
を「ただ1つの三角形を描くために必要な条件」という視点から
実際に三角形を描くことで証明しました。
公式や定理はただ覚えているだけだと、ド忘れしたときに行き詰ってしまいます。
「なぜ成り立つのか」を理解できていれば、試験中でも思い出すことができます。
覚えることは増えますが,公式や定理を確実に理解できますので、
ぜひ「なぜ」を理解するクセをつけていきましょう。