問題
1.ある家庭の先月の食費は,収入から家賃8万円を引いた額の28%だった。今月は,先月に比べて
収入は2割増え,食費は7千円増えた。そのため,今月の食費は収入から家賃8万円を引いた額の
25%であった。今月の収入と食費を求めなさい。
2.ある学校の昨年の生徒数は,男女合わせて600人であった。今年は男子生徒が10%減り,
女子生徒が20%増えたため,全体としては4%増えた。今年の男子生徒と女子生徒の生徒数を求めなさい。
3.あるコーヒーショップのコーヒー1杯の価格は,消費税抜きで200円であり,持ち帰り用には8%の
消費税が,店内で飲む場合には10%の消費税が価格に加算されることになっている。
ある1日において,このコーヒーが300杯売れ,その売上金額の合計は消費税を含めて65180円
であった。この日,持ち帰り用として販売されたコーヒーは何杯であったか求めなさい。
4.A中学校の生徒数は,B中学校の生徒数の2倍より80人少ない。 またそれぞれの中学校の3年生の割合は
30%と35%で,その合計の人数は223人である。
このとき,それぞれの中学校の3年生の人数を求めなさい。
解説
今月の収入と食費を求めなさい。
問題からわかる関係を数式化する
まず,問題文からわかる先月の収入と食費,今月の収入と食費の関係性を数式の形で表してみます。
なお、収入と食費の単位は゛万円”とします。
先月の食費は,収入から家賃8万円を引いた額の28%だった。 先月の食費 =(先月の収入-8万円)✕0.28 ・・・ (1)
今月は,先月に比べて収入は2割増え,食費は7千円増えた。 今月の収入 = 先月の収入 ✕ 1.2 ・・・ (2) 今月の食費 = 先月の食費 + 7千円 ・・・ (3)
今月の食費は収入から家賃8万円を引いた額の25%であった。 今月の食費 =(今月の収入-8万円)✕ 0.25 ・・・ (4)
先月の食費を \(x\) , \(y\) を使って表す
ここで、先月の収入を \(x\) 万円,先月の食費を \(y\) 万円とし,
先月の食費と今月の食費を \(x\) , \(y\) を使って表してみます。
先月の食費は、(1)より
\(y=(x-8)\;✕\;0.28\) ・・・ (1A)
今月の食費を \(x\) , \(y\) を使って表す
今月の収入は、(2)より \( 1.2x \)と表すことができます。
ここで,今月の食費は,(3)(4)より
\(y+0.7=(1.2x-8)\;✕\;0.25\) ・・・ (4A)
連立方程式を解き,先月の収入と食費を求める
\(\left\{
\begin{array}{}
\;y=(x-8)\;✕\;0.28 ・・・ (1A)\\
\;y+0.7=(1,2x-8)\;✕\;0.25 ・・・ (4A)\\
\end{array}
\right.\)
これを解くと,\(\:x=23,y=4.2\)となり,
先月の収入は23万円,先月の食費は4.2万円
であったことがわかります。
(1A)を100倍すると,
\(100y=(x-8)\;✕\;28\) ・・・ (1B)
(4A)を100倍すると,
\(100y+70=(1,2x-8)\;✕\;25\) ・・・ (4B)
(4B)に(1B)を代入すると,
\((x-8)\;✕\;28+70=(1,2x-8)\;✕\;25\)
\(\,28x-224+70=30x-200\)
\(2x=46\)
\(\,x=23\)
(1A)に代入すると,
\(y=(23-8)\;✕\;0.28\)
\(y=4.2\)
今月の収入と食費を求める
(2)より,今月の収入は
\(1.2x = 1.2\;✕\;23 = 27.6\)
(3)より,今月の食費は,
\(y+0.7=4.2+0.7=4.9\)
となり、今月の収入は27万6千円,今月の食費は4万9千円になります。
今年の男子生徒と女子生徒の生徒数を求めなさい
問題からわかる関係を数式化する
まず,問題文からわかる昨年の男女の生徒数と今年の男女の生徒数の関係性を数式の形で表してみます。
昨年の生徒数は,男女合わせて600人であった。 昨年の男子生徒の数 + 昨年の女子生徒の数 = 600 ・・・ (1)
今年は男子生徒が10%減り,女子生徒が20%増えたため,全体としては4%増えた。 今年減った男子生徒の数 = 昨年の男子生徒の数 ✕ 0.1 ・・・ (2) 今年増えた女子生徒の数 = 昨年の女子生徒の数 ✕ 0.2 ・・・ (3) 今年増えた男女合計の生徒の数 = 昨年の生徒数 ✕ 0.04 ・・・(4)
昨年の男女合計の生徒数を \(x\),\(y\) を使って表す
昨年の男子生徒の生徒数を \(x\) 人,昨年の女子生徒の生徒数を \(y\) 人とすると、
(1)より,昨年の男女合計の生徒数は,
\(x + y = 600\) ・・・ (1A)
今年の男子生徒数と女子生徒数の増減を \(x\),\(y\) を使って表す
(2)より,今年減った男子生徒の数は, \( 0.1x \) ・・・ (2A)
(3)より,今年増えた女子生徒の数は, \( 0.2y \) ・・・ (3A)
(4)より,今年増えた男女合計の生徒の数は, \( 600\,✕\,0.04 = 24 \) ・・・ (4A)
また,今年増えた男女合計の生徒の数 = 今年減った男子生徒の数 + 今年増えた女子生徒の数 なので,
(2A)~(4A)より,
\(24\)=\(-0.1x + 0.2y\) ・・・ (4B)
連立方程式を解き,昨年の男子生徒数と昨年の女子生徒数を求める
\(\left\{
\begin{array}{}
x+y = 600 ・・・ (1A)\\
24 = -0.1x + 0.2y ・・・ (4B)\\
\end{array}
\right.\)
これを解くと,\(x=320,y=280\)となります。
(4B)を10倍すると
\(-x +2y = 240\) ・・・ (4C)
(1A)+(4C)すると,
\(3y=840\)
\(\:y=280\)
\(y = 280\) を(5)に代入すると,
\(x+280=600\)
\(y=320\)
今年の男子生徒数と昨年の女子生徒数を求める
(2A)より,
今年減った男子生徒の数=0.1✕320=32
なので、
今年の男子生徒の数=320-32=288
(3A)より,
今年増えた女子生徒の数=0.2✕280=56
なので、
今年の女子生徒の数=280+56=336
となり、今年の男子生徒の数は288人,今年の女子生徒の数は336人になります。
販売されたコーヒーは何杯であったか求めなさい
問題からわかる関係を数式化する
まず,問題文からわかるコーヒーの販売数と販売価格と売上金額の関係性を数式の形で表してみます。
コーヒー1杯の価格は,消費税抜きで200円であり,持ち帰り用には8%の消費税が, 店内で飲む場合には10%の消費税が価格に加算される 持ち帰り用のコーヒーの税込販売価格 = 200 ✕ (1+0.08) ・・・ (1) 店内用のコーヒーの税込販売価格 = 200 ✕ (1++0.1) ・・・ (2)
ある1日において,このコーヒーが300杯売れ 持ち帰り用のコーヒーの販売数 + 店内用のコーヒーの販売数 = 300 ・・・ (3)
売上金額の合計は消費税を含めて65180円であった。 売上金額 = 販売価格 ✕ 販売数 ・・・ (4) 持ち帰り用のコーヒーの売上金額 + 店内用のコーヒーの売上金額 = 65180 ・・・ (5)
コーヒーの販売数を \(x\),\(y\) を使った式で表す
持ち帰り用のコーヒーの販売数を \(x\) 杯,店内用のコーヒーの販売数を \(y\) 杯とすると,
(3)より,
\(x\) + \(y\) = 300 ・・・ (3A)
と表すことができます。
持ち帰り用のコーヒーと店内用のコーヒーの税込の販売価格を求める。
持ち帰り用のコーヒーには8%の消費税が加算されるのだから,(1)より,
税込販売価格 = 200 ✕ (1+0.08)=216
持ち帰り用のコーヒーには10%の消費税が加算されるのだから,(2)より,
税込販売価格 = 200 ✕ (1+0.1)=220
となります。
1日のコーヒーの売上金額を \(x\),\(y\) を使った式で表す
売上金額は,(4)のように,売上金額 = 販売価格 ✕ 販売数 で表すことができるので,
持ち帰り用と店内用のそれぞれのコーヒーの売上金額は,
持ち帰り用のコーヒーの売上金額 = 税込販売価格 ✕ 販売数
= 216 ✕ \(x\)
= 216\(x\)
店内用のコーヒーの売上金額 = 税込販売価格 ✕ 販売数
= 220 ✕ \(y\)
= 220\(y\)
また、それぞれの売上金額の合計が65180円なので,1日の売上金額の合計は,
(5)より,
216\(x\) + 220\(y\) =65180 ・・・ (5A)
と表すことができます。
連立方程式として解く
\(\left\{
\begin{array}{}
x+y=300 ・・・ (1A)\\
216x+220y=65180 ・・・ (5A)\\
\end{array}
\right.\)
これを解くと、\(x=205,y=95\) となります。
(1A)を216倍すると,
\(216x+216y=64800\) ・・・ (8)
(5A)-(1A)すると,
\(4y=380\)
\(y=95\)
(1A)に代入すると,
\(x+95=300\)
\(x=205\)
よって,持ち帰り用のコーヒーとして販売されたのは 205 杯になります。
それぞれの中学校の3年生の人数を求めなさい
まず,問題文からわかるA中学校の生徒数とB中学校の生徒数の関係性を数式の形で表してみます。
問題からわかる関係を数式化する
A中学校の生徒数は,B中学校の生徒数の2倍より80人少ない A中学校の生徒数 = B中学校の生徒数 ✕ 2 - 80 ・・・ (1)
それぞれの中学校の3年生の割合は30%と35%で,その合計の人数は223人である。 A中学校の3年生の数 = A中学校の生徒数 ✕ 0.3 ・・・ (2) B中学校の3年生の数 = B中学校の生徒数 ✕ 0.35 ・・・ (3) A中学校の3年生の数 + B中学校の3年生の数 = 223 ・・・ (4)
A中学校とB中学校の生徒数の関係を方程式で表す
A中学校の生徒数を \(x\) 人,B中学校の生徒数 \(y\) 人とすると,
(1)より,
\(x\)=2\(y\)-80 ・・・ (1A)
と表すことができます。
A中学校とB中学校の3年生の数の関係を方程式で表す
(2)より,A中学校の3年生の数 = 0.3\(x\) ・・・ (2A)
(3)より,B中学校の3年生の数 = 0.35\(y\) ・・・ (3A)
となるので、(4)より,A中学校とB中学校の3年生の数の関係は、
0.3\(x\) + 0.35\(y\) = 223 ・・・ (4A)
連立方程式を解き、A中学校の生徒数とB中学校の生徒数を求める
\(\left\{
\begin{array}{}
x=2y-80 ・・・ (1A)\\
0.3x+0.35y=223 ・・・ (4A)\\
\end{array}
\right.\)
これを解くと,\(x=440,y=260\)となり、
A中学校の生徒数は 440人
B中学校の生徒数は 260人
です。
(1A)を3倍すると,
\(3x=6y-240\) ・・・ (1B)
(4A)を10倍すると,
\(3x+3.5y=2230\) ・・・ (4B)
(4B)に(1B)を代入すると,
\((6y-240)+3.5y=2230\)
\(9.5y=2470\)
\(y=260\)
(1A)に代入すると,
\(x=2✕260-80\)
\(x=440\)
A中学校の3年生の数とB中学校の3年生の数を求める
(2A)より,
A中学校の3年生の数 = 0.3\(x\) =440 ✕ 0.3=132
(3A)より,
B中学校の3年生の数 = 0.35\(y\) =260 ✕ 0.35=91
となり、A中学校の3年生の数は132人,B中学校の3年生の数は91人となります。