問題
1.\(2<\sqrt{n}<4\) を満たす整数 \(n\) は全部でいくつあるか求めなさい。
2.\(8<\sqrt{3n}<9\) を満たす整数 \(n\) は全部でいくつあるか求めなさい。
3 \(\sqrt{60n}\) が最も小さい自然数になる自然数 \(n\) の値を求めなさい。
4.\(\sqrt{252n}\) の値が整数となる 最小の自然数 \(n\) を求めなさい。
5.\(a,b\) を自然数とする。\(a\) を \(13\) で割ると商が \(b\) で余りが \(10\) である。
また,\(b\) を \(11\) で割ると,余りが \(7\) である。\(a\) を \(11\) で割ったときの余りを求めなさい。
6.2つの数 \(A,B\) があります。\(a\) を \(4\) で割ると \(2\) 余り,\(B\) は \(4\) で割ると \(3\) 余ります。\(5A+3B\) を \(4\) で割ったときの余りを求めなさい。
7.\(\frac{60}{n+2}\) が整数となるような素数 \(n\) の値をすべて求めなさい。
解説
\(2<\sqrt{n}<4\) を満たす整数 \(n\) は全部でいくつある?
\(2\) と \(4\) を\(\sqrt{x}\) の形で表す
中央だけ \(\sqrt{n}\) になっていると比較しにくいので、
\(2\) と \(4\) も \(\sqrt{x}\) の形で表します。
\(\sqrt{n}\) は,2乗すると \(n\) になる数を表しています。
同様に,\(2\) と \(4\) は、それぞれ
\(2\) は,2乗すると \(4\) になる数
\(4\) は,2乗すると \(16\) になる数
と表すことができます。
\(A\,<\,B\) のとき,
\(\sqrt{A}\,<\,\sqrt{B}\)
となります。
不等式を置き換える
これを問題の不等式に置き換えると,
\(2\,<\,\sqrt{n}\,<\,4\)
\(\sqrt{4}<\sqrt{n}<\sqrt{16}\)
となります。
\(4\,<\,n\,<\,16\) を満たす整数 \(n\) の数を数える
以上より,\(2<\sqrt{n}<4\) を満たす \(n\) は,
\(5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15\)
の11個になります
\(8<\sqrt{3n}<9\) を満たす整数 \(n\) は全部でいくつある
\(8\) と \(9\) を\(\sqrt{x}\) の形で表す
中央だけ \(\sqrt{3n}\) になっていると比較しにくいので、
\(8\) と \(9\) も \(\sqrt{x}\) の形で表します。
\(\sqrt{3n}\) は,2乗すると \(3n\) になる数を表しています。
同様に,\(8\) と \(9\) は、それぞれ
\(8\) は,2乗すると \(64\) になる数なので,\(8\,=\sqrt{64}\)
\(9\) は,2乗すると \(81\) になる数なので,\(9\,=\sqrt{81}\)
と表すことができます。
不等式を書き換える
これを問題の不等式にあてはめると,
\(8\,<\,\sqrt{3n}\,<\,9\)
\(\sqrt{64}\,<\,\sqrt{3n}\,<\,\sqrt{81}\)
また,\(\sqrt{A}\,<\,\sqrt{B}\) のとき \(A\,<\,B\) なので,
\(\sqrt{64}\,<\,\sqrt{3n}\,<\,\sqrt{81}\)
\(64\,<\,3n\,<\,81\)
となります。
不等式を解く
この不等式を解くと,
\(64\,<\,3n\,<\,81\)
\(\cfrac{64}{3}<\,n\,<27\)
\(\,21\cfrac{1}{3}<\,n\,<27\)
以上より,\(8<\sqrt{3n}<9\) を満たす整数 \(n\) は,
\(21\cfrac{1}{3}\)より大きく,\(27\)より小さい整数なので,
\(22,23,24,25,26\)
の5個になります。
2つの整数\(A\),\(B\) において,
A<B:AよりBが大きい または AはBより小さい
(A=B は含まない)
A≦B:BはA以上 または AはB以下
(A=B も含む)
\(\sqrt{60n}\) が最も小さい自然数になる自然数 \(n\) の値は?
\(\sqrt{a}\) が自然数になる条件は?
\(\sqrt{a}\)とは,2乗すると \(a\) になる数を表しています。
具体例としていくつか数字を代入してみます。
2乗すると1になる数字は \(\sqrt{1}=\sqrt{1^1}=1\)
2乗すると2になる数字は \(\sqrt{2}\)
2乗すると3になる数字は \(\sqrt{3}\)
2乗すると4になる数字は \(\sqrt{4}=\sqrt{2^2}=2\)
2乗すると3になる数字は \(\sqrt{5}\)
となり,\(a=x^2\) と表せるときに \(\sqrt{a}\) が自然数になることがわかります。
\(\sqrt{60n}\) を素因数分解する
つまり,この問題では,\(60n=x^2\) と表すことができるときに
\(\sqrt{60n}\)が自然数になります。
ここで,\(60\) を素因数分解すると,
\(60 = 2^2\,✕\,3\,✕\,5\)
になります。
\(2^2\,✕\,3\,✕\,5\) に何をかけると \(x^2\) の形になる?
まず,\(x^2\) の形で表すことができる整数 \(36=6^2\),\(64=8^2\) を
実際に素因数分解してみます。
\(36=2^2\,✕\,3^2\) ・・・ 2を2回,3を2回かけたもの
\(64=2^6=(2^3)^2\) ・・・ 2を6回(2の3乗を2回)かけたもの
となり,〇を2回,△を2回かけたものと表すことができます。
これを \(60\) にあてはめると,
\(60 = 2^2\,✕\,3\,✕\,5\) ・・・ 2を2回,3を1回,5を1回かけたもの
なので,\(60\) に3を1回,5を1回かけると,
2を2回,3を2回,5を2回かけたもの
つまり,
\(2^2\,✕\,3\,^2✕\,5^2= 30^2\)
となります。
\(n\) の値を求める
以上より,
\(60n= 2^2\,✕\,3\,✕\,5\)
\(n= \,3\,✕\,5\)
\(n= 15\)
となり、
\(\sqrt{60n}\) が最も小さい自然数になる自然数 \(n\) の値は
15となります。
\(\sqrt{252n}\) の値が整数となる 最小の自然数 \(n\) は?
\(\sqrt{a}\) が自然数になる条件は?
\(\sqrt{a}\)とは,2乗すると \(a\) になる数を表しています。
具体例としていくつか数字を代入してみます。
2乗すると1になる数字は \(\sqrt{1}=\sqrt{1^1}=1\)
2乗すると2になる数字は \(\sqrt{2}\)
2乗すると3になる数字は \(\sqrt{3}\)
2乗すると4になる数字は \(\sqrt{4}=\sqrt{2^2}=2\)
2乗すると5になる数字は \(\sqrt{5}\)
となり,\(a=x^2\) と表せるときに \(\sqrt{a}\) が自然数になることがわかります。
\(\sqrt{252n}\) を素因数分解する
つまり,この問題では,\(252n=x^2\) と表すことができるときに
\(\sqrt{252n}\)が自然数になります。
ここで,\(252\) を素因数分解すると,
\(252 = 2^2\,✕\,3^2\,✕\,7\)
になります。
\(2^2\,✕\,3^2\,✕\,7\) に何をかけると \(x^2\) の形になる?
まず,\(x^2\) の形で表すことができる整数 \(36=6^2\),\(64=8^2\) を
実際に素因数分解してみます。
\(36=2^2\,✕\,3^2\) ・・・ 2を2回,3を2回かけたもの
\(64=2^6=(2^3)^2\) ・・・ 2を6回(2の3乗を2回)かけたもの
となり,〇を2回,△を2回かけたものと表すことができます。
これを \(252\) にあてはめると,
\(252 = 2^2\,✕\,3^2\,✕\,7\) ・・・ 2を2回,3を2回,7を1回かけたもの
なので,\(252\) に7を1回かけると,
2を2回,3を2回,7を2回かけたもの
つまり,
\(2^2\,✕\,3\,^2✕\,7^2= 42^2\)
となります。
\(n\) の値を求める
以上より,
\(252n= 2^2\,✕\,3^2\,✕\,7\)
\(n=\,7\)
となり、
\(\sqrt{252n}\) が最も小さい自然数になる自然数 \(n\) の値は
7となります。
\(a\) を \(11\) で割ったときの余りは?
\(a\) と \(b\) の関係を文字式で表す
"a を 13 で割ると商が b で余りが \(10\) である。”ということは,
\(a\div13=b…10\)
\(\;a=13b+10\) ・・・ (1)
"\(b\) を \(11\) で割ると,余りが \(7\) である。”ということは,
商を \(x\) とすると,
\(b\div11=x…7\)
\(b=11x+7\) ・・・ (2)
と表すことができます。
\(a\) を \(x\) について解く
(2)を(1)に代入すると,
\(a=13✕(11x+7)+10\)
\(=(13✕11x+13✕7)+10\)
\(=13✕11x+101\) ・・・ (3)
\(a=11✕c+d\)の形にまとめる
\(a\) を \(11\) で割るということを文字式で表すと,
\(a=11✕c+d\)と表すことができるので,(3)より,
\(a=13✕11x+101\)
\(=11✕13x+101\) ・・・ (4)
\(101\) は \(11\) で割れるので,これを計算すると、
\(101=11✕9+2\) ・・・ (5)
(5) を (4) に代入すると,
\(a=11✕13x+101\)
\(=11✕13x+11✕9+2\)
\(=11✕(13x+9)+2\)
となり,\(a\) を \(11\) で割ったときの余りは2になります。
\(5A+3B\) を \(4\) で割ったときの余りは?
\(A\) を \(x\) を使った文字式で表す
"\(A\) を \(4\) で割ると \(2\) 余り,・・・” を商を \(x\) として文字式で表すと,
\(A\div4=x…2\)
\(\;A=4x+2\) ・・・ (1)
\(B\) を \(y\) を使った文字式で表す
"\(B\) を \(4\) で割ると \(3\) 余ります。” を商を \(y\) として文字式で表すと,
\(B\div4=y…3\)
\(\;B=4y+3\) ・・・ (2)
\(5A+3B\) を\(x\),\(y\) を使った文字式で表す
(1)(2)より,
\(5A+3B=5✕(4x+2)+3✕(4y+3)\)
\(=5✕4x+10+3✕4y+9)\)
\(=5✕4x+3✕4y+19\) ・・・ (3)
\(5A+3B=4✕C+D\) を\)の形にまとめる
\(5A+3B\) を \(4\) で割るということを文字式で表すと,
\(5A+3B=4✕C+D\)と表すことができるので,(3)より,
\(5A+3B=5✕4x+3✕4y+19\)
\(=4✕5x+4✕3y+19\)
\(=4✕(5x+3y)+19\) ・・・ (4)
また,\(19\) は \(4\) で割れるので,これを計算すると、
\(19=4✕4+3\) ・・・ (5)
(5) を (4) に代入すると,
\(5A+3B=4✕(5x+3y)+19\)
\(=4✕(5x+3y)+(4✕4+3)\)
\(=4✕(5x+3y+4)+3\)
となり,\(5A+3B\) を \(4\) で割ったときの余りは3になります。
\(\frac{60}{n+2}\) が整数となる素数 \(n\) の値を求めなさい。
\(n+2\) の値を求める
"\(\frac{60}{n+2}\) が整数になる”を言い換えると,
"\(60\) が \(n+2\) で割り切れる”となります。
このとき,\(n+2\) は \(60\) の約数になっています。
また, \(60\) の約数は,
\(1,2,3,4,5,6,10,12,15,20,30,60\)
の12個です。
よって,素数 \(n\) の候補は,
\(n+2=1,n+2=2,n+2=3,
n+2=4,n+2=5,n+2=6,
n+2=10,n+2=12,n+2=15,
n+2=20,n+2=30,n+2=60\)
と表すことができます。
素数は次の特徴を持っています
素数はすべて正の整数である
素数はすべて2または3以上の奇数である
これらより,\(n+2\) の値を"3以上の奇数”に限定することもできます。
\(n\) が素数になる場合を求める
\(n+2=1 → \(n=-1\) \(n+2=10 → \(n=8\)
\(n+2=2 → \(n=0\) \(n+2=12 → \(n=10\)
\(n+2=3 → \(n=1\) \(n+2=15 → \(n=13\)
\(n+2=4 → \(n=2\) \(n+2=20 → \(n=18\)
\(n+2=5 → \(n=3\) \(n+2=30 → \(n=28\)
\(n+2=6 → \(n=4\) \(n+2=60 → \(n=58\)
この中で, \(n\) が素数になっているのは,
\(n=2,3,13\)
の3つになります。
素数は1とその数自身の2つで割り切れる数のことです。
よって,1は素数には含まれません。