【関数】関数のグラフを使って面積を求める応用問題(応用2)

問題

曲線 \(y=\cfrac{3}{x}\) と2直線 \(y=3x\) ,\(y=\cfrac{1}{12}x\) がある。
図のように \(x≧0\) において、それぞれの直線と曲線の交わる点をP、Qとする。
このとき、次の問いに答えなさい。

1.点Pと点Qの座標を求めなさい。

2.点Pと点Qを通る直線の式を求めなさい。

3.△OPQの面積を求めなさい。

4.点Qを通り,△OPQの面積を二等分する直線の式を求めなさい。

解説

点Pと点Qの座標を求めなさい。

点Pの座標を求める

点Pは \(y=\cfrac{3}{x}\) と \(y=3x\) の交点なので、
この2つの式を連立方程式にして解くことで、点Pの座標を求めることができます。

\(\left\{
\begin{array}{}
y=\cfrac{3}{x} ・・・ (1)\\
y=3x ・・・ (2)\\
\end{array}
\right.\)

点Pでは,\((1)=(2)\)なので、
  \(\cfrac{3}{x}=3x\)
  \(3=3x^2\)
  \(x^2=1\)
  \(x=±1\)

これを解くと、\(x=±1\) となりますが、問題に \(x≧0\) という条件があるので、
\(x=1\)となります。

これを \(y=3x\) に代入すると, \(y=3\) となり、点Pの座標は(\( 1\;,\;3 \) )になります。

点Qの座標を求める

同様に、点Qは \(y=\cfrac{3}{x}\) と \(y=\cfrac{1}{12}x\) の交点なので、
この2つの式を連立方程式にして解くことで、点Qの座標を求めることができます。

\(\left\{
\begin{array}{}
y=\cfrac{3}{x} ・・・ (1)\\
y=\cfrac{1}{12}x ・・・ (3)\\
\end{array}
\right.\)

点Qでは,\((1)=(2)\)なので、
  \(\cfrac{3}{x}=\cfrac{1}{12}x\)
  \(36=x^2\)
  \(x=±6\)

これを解くと、\(x=±6\) となりますが、問題に \(x≧0\) という条件があるので、
\(x=6\)となります。

これを \(y=\cfrac{3}{x}\) に代入すると, \(y=\cfrac{1}{2}\) となり、点Qの座標は(\(6\;,\; \cfrac{1}{2}\))になります。

点Pと点Qを通る直線の式を求めなさい

点Pと点Qを通る直線の式を \(y=ax+b\) とします。

傾き \(a\) を求める

傾き \(a\) = \(\dfrac{yの増加量}{xの増加量}\)  で表されるので、

\(a\) = \((\cfrac{1}{2}-3)÷(6-1)\)
 =\(-\cfrac{5}{2}÷5\)
 =\(-\cfrac{1}{2}\)

これを代入すると、\(y=-\cfrac{1}{2}x+b\) となります。
また、ここに点Pの座標 (\( 1\;,\;3 \) )を代入すると、

\(y=-\cfrac{1}{2}x+b\)
\(3=-\cfrac{1}{2}\;✕\;1+b\)
\(3=-\cfrac{1}{2}+b\)
\(b=\cfrac{7}{2}\)

よって、求める直線の式は \(y=-\cfrac{1}{2}x+\cfrac{7}{2}\) になります。

△OPQの面積を求めなさい。

△OPQの面積は普通に求めると,とても時間がかかります。

そこで、点Pを通り,\(y\) 軸に平行な直線を引き,
直線 \(y=\cfrac{1}{12}x\) との交点をRとします。

すると,△OPQは△OPRと△PQRに分かれます。

このとき,線分QRを底辺と考えると,それぞれの三角形の高さを点Pと点Qの \(x\) 座標
から求めることができます。

△OPRの高さ=点Pの \(x\) 座標-原点Oの \(x\) 座標=1
△PQRの高さ=点Qの \(x\) 座標-点Pの \(x\) 座標=5

同様に,底辺PRの長さは,点Pの \(y\) 座標と点Rの\(y\) 座標から求められます。

これを求めるために、まず点Rの座標を求めます。
点Rは, \(y=\cfrac{1}{12}x\) 上の点で,\(x=1\) の点なので、

\(y=\cfrac{1}{12}x\)
\(y=\cfrac{1}{12}✕1\)
\(y=\cfrac{1}{12}\)

 よって、
PRの長さ=点Pの \(y\) 座標-点Rの\(y\) 座標=\(\cfrac{35}{12}\)

以上より△OPQの面積は,

△OPQの面積=(PRの長さ ✕ △OPRの高さ +PRの長さ ✕ △PQRの高さ ) ✕ \(\cfrac{1}{2}\)
       =\((\cfrac{35}{12}\:✕\:1+\cfrac{35}{12}\:✕\:5)\:✕\:\cfrac{1}{2}\)
       =\((\cfrac{35}{12}+\cfrac{175}{12})\:✕\:\cfrac{1}{2}\)
       =\(\cfrac{210}{12}\:✕\:\cfrac{1}{2}\)
       =\(\cfrac{35}{4}\)

となります。

点Qを通り,△OPQの面積を二等分する直線の式を求めなさい。

点O,点P,点Q の位置は変わらないので,
求める直線は線分PQの中点を通ります。
この点をSとすると,Sの座標は,

Sの\(x\)座標=(点Pの\(x\)座標-原点Oの\(x\)座標)÷\(2\)
     =\(\dfrac{1}{2}\)
Sの\(y\)座標=(点Pの\(y\)座標-原点Oの\(y\)座標)÷\(2\)
     =\(\dfrac{3}{2}\)

よって,点S,点Qを通る直線の式 \(y=ax+b\) は,

傾き \(a\) = \(\dfrac{yの増加量}{xの増加量}\)  で表されるので、

\(a\) = \((\cfrac{1}{2}-\cfrac{3}{2})÷(6-\cfrac{1}{2})\)
 =\(-1÷\cfrac{11}{2}\)
 =\(-\cfrac{2}{11}\)

これを代入すると、\(y=-\cfrac{2}{11}x+b\) となります。
また、ここに点Pの座標 (\( 6\;,\;\cfrac{1}{2} \) )を代入すると、

\(y=-\cfrac{2}{11}x+b\)
\(\cfrac{1}{2}=-\cfrac{2}{11}\;✕\;6+b\)
\(\cfrac{1}{2}=-\cfrac{12}{11}+b\)
\(b=\cfrac{35}{22}\)

よって、求める直線の式は \(y=-\cfrac{2}{11}x+\cfrac{35}{22}\) になります。