けた数が多くても少なくても関係なく共通している数字の特徴として,
「下2ケタの数字が4の倍数である自然数は必ず4で割り切れる」
というものがあります。
小さい数字であれば,実際に4で割ってみればわかりますが,本当に大きい数字でも成り立つかはわかりません。
ここでは、特定の数字だけではなく,文字式として一般化した形の証明を紹介します。
4ケタの場合の例を確認する
例えば、4ケタの数字 \(M\) を0から9までの整数を使って \(abcd\) と書くとき,
これを式に表すと、
\(M=1000a+100b+10c+d\) ・・・ (1)
例) \(1234\) の場合: \(1000 \times 1+100 \times 2+10 \times 3+4\)
となります。
下2けたの数字 \(10c+d\) が4の倍数であることを
整数 \(n\) を使って \(10c+d=4n\) とすると,
式 (1)は
\(M=1000a+100b+10c+d\)
\(=1000a+100b+4n\)
\(=4(250a+25b+n)\)
\(a,b,n\) は整数なので、 \(250a+25b+n\)も整数になります。
よって、4ケタの数字 \(M\) は4の整数倍であることから、4で割り切れると言えます。
ケタ数が増えても同様であることを示す
次に、3ケタ以上の整数 \(N\) についても同様であることを確認します。
1の位、10の位、100の位 ・・・ というのは、10の●乗を利用して、
\(\;\;\,1\) の位 = \(10^0\) の位
\(\:10\) の位 = \(10^1\) の位
\(\:\;100\) の位 = \(10^2\) の位
\(\vdots\) \(\vdots\)
\(100・・・00\) の位 = \(10^m\) の位(\(m\)は任意の整数)
と表すことができます。
このとき、\(1\) の位、\(10\) の位、\(100\) の位 ・・・ \(10^{m-1}\) の位,\(10^m\) の位の数を
それぞれ、
\(S_0\),\(S_1\),\(S_2\) ・・・ \(S_{m-1}\),\(S_m\) (\(S_1~S_m\) は0~9の任意の整数)
とするとき,整数Nは,
\(N=10^m\:✕\:S_m+10^{(m-1)}\;✕\:S_{m-1}+ ・・・ +10^2\:✕\:S_2+10^1\:✕\:S_1+S_0\)
と表すことができます。
また,下2けたの数字 \(10^1\:✕\:S_1+S_0\) が4の倍数であることを
整数 \(n\) を使って \(10^1\:✕\:S_1+S_0=4n\) とすると,
\(N=10^m\:✕\:S_m+10^{(m-1)}\;✕\:S_{m-1}+ ・・・ +10^2\:✕\:S_2+\)\(10^1\:✕\:S_1+S_0\)
=\(10^m\:✕\:S_m+10^{(m-1)}\;✕\:S_{m-1}+ ・・・ +10^2\:✕\:S_2\)+\(4n\)
さらに, \(+4n\) 以外の項 \(100\) でくくると,
=\(100(10^{m-2}\:✕\:S_m+10^{(m-3)}\;✕\:S_{m-1}+ ・・・ +S_2)\)\(+4n\)
=\(4\{25(10^{m-2}\:✕\:S_m+10^{(m-3)}\;✕\:S_{m-1}+ ・・・ +S_2)+n\}\)
\(m,n,S_2~S_m\) はいずれも整数なので,
\(25(10^{m-2}\:✕\:S_m+10^{(m-3)}\;✕\:S_{m-1}+ ・・・ +S_2)+n\)
も整数になります。
以上より, 3ケタ以上の整数 \(N\) は4の整数倍であることから、4で割り切れると言えます。