2枚のカードをひく確率の問題の解き方(基本)

確率の問題の中でカードを2枚同時にひく問題は比較的よく出題されますが,さいころの場合と違って問題の出され方によって場合の数の求め方が異なり,間違えてしまうことが多い問題です。
ここでは,基本編として2枚のカードを同時にひく問題1枚のカードを続けて2回ひく問題に分けて解説していきます。

2枚のカードを同時にひく問題

カードの数の和が3の倍数になる確率を求める

ここでは,1,2,3,4,5のカードから同時に2枚のカードをひいたとき,その2枚のカードに書かれている数字の和が3の倍数になる確率を求めます。

すべての場合の数を求める

2枚のうち1枚は1のカードをひく場合を考えると,
もう1枚は1以外のカード,2,3,4,5のカードの中から選ばれることになるので,樹形図として表すと,右の図のようになります。

次に,2枚のうち1枚は2のカードをひく場合を考えます。
ここで注意が必要なのは,1と2のカードをひくこと2と1のカードをひくことというのは同じことを表しているということです。

もう1枚のカードが1のカードになる場合は,”2枚のうち1枚は1のカードをひく場合”の中に含まれているので,もう1枚のカードの選び方は,3,4,5のカードだけを考ればよいことになります。同様に,3を固定する場合,4を固定する場合,5を固定する場合も考えると樹形図は下の図のようになり,重複するものを除くと全部で10通りになります。

重複する部分を除くと

 

和が3の倍数になる場合の数を求める

カードの和はもっとも小さい場合は3,もっとも大きい場合は9なので,3以上9以下の自然数のうち3の倍数は3,6,9なので,あてはまるのは次の4通りです。

よって,求める確率は \( 4/36=1/9 \) になります。

 

1枚のカードを続けて2回ひく問題

2けたの整数が6の倍数になる確率を求める

ここでは,1,2,3,4,5のカードから1枚ずつ続けて2回ひき,ひいた順に左から並べて2けたの整数をつくるとき,6の倍数になる確率を求めます。

すべての場合の数を求める

1枚目に1のカードをひく場合を考えます。このとき,2枚目のカードは2,3,4,5のカードの中から選ばれることになるので,樹形図として表すと,右の図のようになり,2けたの整数は12,13,14,15になります。

次に,1枚目に2のカードをひく場合を考えます。同時に2枚のカードをひく場合と違うのは,同じように1と2のカードをひく場合でも1と2をこの順に並べて12にすること2と1のカードをこの順に並べて21にすることは,できる整数が異なるので分けて考えるということです。

このとき,すべての場合の数を樹形図に表すと,次のようになり,20通りあります。

 

2けたの整数が6の倍数になる場合の数を求める

2けたの整数はもっとも小さい場合は12,もっとも大きい場合は54なので,12以上54以下の自然数のうち6の倍数は12,18,24,30,36,42,48,54なので,あてはまるのは次の4通りです。

よって,求める確率は \( 4/36=1/9 \) になります。