縦,横,斜めのどの列を合計しても同じ数になるように、異なる数を並べたものを魔方陣といいます。
ここでは,1から9までのすべての自然数を1回ずつ使って9マスの魔方陣をつくっていきます。
縦,横,斜めの3つの数字の合計の値を求める
それぞれのマスに右の図のようにAからIの名前をつけます。
1から9の合計は45なので,次の式が成り立ちます。
A+B+C+D+E+F+G+H+I=45 ・・・ (1)
また,縦,横,斜めの3つの数字の和はどこでも等しいので,
A+B+C = D+E+F = G+H+I ・・・ (2)
(1)に(2)を代入すると,
A+B+C+D+E+F+G+H+I=45
(A+B+C)+(A+B+C)+(A+B+C)=45
3(A+B+C)=45
A+B+C=15
よって,縦,横,斜めの3つの数字の合計は15になります。
中央の数字を求める
次に右の図のように,縦,横,斜めの3つの数字をすべて足すと,
縦1列,横1列,斜め2列の合計4列分の和で60になります。
(B+E+H)+(D+E+F)+(A+E+I)+(C+E+G)=60
(A+B+C+D+E+F+G+H+I)+3E=60
45+3E=60
3E=15
E=5
よって,中央の数字は5になります。
残りの8マスを埋めていく
ここまでで
・縦,横,斜めの3つの数字の和は15
・中央の数字は5
であることがわかったので,
A+I = B+H = C+G = D+F =10
となります。
1,2,3,4,6,7,8,9 の数字の中で,和が10となるような2つの数字の組み合わせは,
(1,9),(2,8),(3,7),(4,6) となります。
ここまでできれば,4つの組み合わせを順番にあてはめていけば魔方陣を完成させることができます。
A=1,I=9の場合を試してみる
A=1,I=9となるとき,C+F+9=15,G+H+9=15 と
なります。FとHには2以上の自然数が入るので,CとGはどちらも4以下でなければなりません。しかし,先程の組み合わせの中にどちらも5以下になる組み合わせはありません。
よって,A=1,I=9は成立しません。
A=2,I=8の場合を試してみる
A=2,I=8となるとき,C+F+8=15,G+H+8=15 と
なります。FとHには1以上の自然数が入るので,CとGはどちらも6以下でなければなりません。先程の組み合わせの中でどちらも6以下になる組み合わせは (4,6) になります。
C=4,G=6となるとき,4+F+8=15,6+H+8=15 なので,F=3,H=1となります。
F=3,H=1となるとき,B+5+1=15,D+5+3=15 なので,B=9,D=7となります。
これで,魔方陣が完成しました。
一応,A=3,I=7の場合を試してみる
A=3,I=7となるとき,C+F+7=15,G+H+7=15 と
なります。FとHには1以上の自然数が入るので,CとGはどちらも7以下でなければなりません。先程の組み合わせの中でどちらも7以下になる組み合わせは (4,6) になります。
C=4,G=6となるとき,3+D+6=15 となるので,D=6となり,6を2回使うことになり,1から9までのすべての自然数を1回ずつ使うという条件を満たしません。
よって,A=3,I=7は成立しません。
このようにすることで,条件の絞り込みをして効率よく魔方陣を完成させることができます。