発想の転換が必要な平面図形の応用問題(1)

問題

右の図のような,AD=3cm,BC= \(2\sqrt{2}\)cm,CD=\(\sqrt{2}\) cm ,∠BCD=90° 四角形ABCDがあり,∠BAC=∠BDCである。また、線分ACと線分BDの交点をEとする。
このとき,次の問いに答えなさい。

(1)△EABと△EDCの面積の比を最も簡単な整数の比で表しなさい。

(2)△EBCと△EADの面積の比を最も簡単な整数の比で表しなさい。

 

解説

△EABと△EDCの面積の比を求めなさい

問題を解くための準備

問題からわかる条件
AD= \(3cm\)
BC=\(2\sqrt{2} cm\) cm
CD= \(\sqrt{2} cm\) cm
∠BCD=90°
∠BAC=∠BDC

求める対象が何かを確認しましょう。
△EABと△EDCの面積の比

四角形ABCDの持つ特徴は?

四角形ABCDにおいて,△ABCと△BCDは,
辺BCが共通,∠BAC=∠BDC
となっているので,∠BACと∠BDCは弦BCに対する円周角であり,四角形ABCDは円に内接することがわかります。

 

また,∠BCD=90°より,
線分BDはこの円の直径になります。

ここから,四角形ABCDが円に内接していることを利用して解いていきます。

線分BDの長さを求める

△BCDは直角三角形なので,三平方の定理より,

BD=BC+CD
= \(2\sqrt{2}\,^2+\sqrt{2}\,^2\)
= \(10\)
BD>0なので,BD=\(\sqrt{10}\)

線分ABの長さを求める

また,線分BDは直径なので,△BADも直角三角形になるので、三平方の定理より,

AB=BDーAD
   = \( \sqrt{10}\,^2- 3\,^2\)
   = \(1\)
AB>0なので、AB= \(1\)

△EABと△EDCの面積の比を求める

△EABと△EDCは,

問題より,∠EAB=∠EDC
対頂角なので,∠AEB=∠DEC

よって,2組の角の大きさが等しいので,

△EABと△EDC

また,AB:DC=1:\(\sqrt{2}\) なので、
△EABと△EDCの面積比は,

△EAB:△EDC=1: \(\sqrt{2}\,^2\)
         =1:2

△EBCと△EADの面積の比を求めなさい

∠BCA=∠ADBを示す

∠BCAと∠ADBは弧ABに対する円周角なので,

∠BCA=∠ADB ・・・(1)

∠CBD=∠DACを示す

∠CBDと∠DACは弧CDに対する円周角なので,

∠CBD=∠DAC ・・・(2)

△EABと△EDCの面積の比を求める

(1)(2)より,2組の角の大きさが等しいので,

△EBC∽△EAD

また,BC:AD=\(2\sqrt{2}\):\(3\)なので、
△EBCと△EADの面積比は,

△EBC:△EAD= \(2\sqrt{2}\,^2\): \(3\,^2\)
         = \(8\):\(9\)