問題
1.△ABCと△DEFは相似であり,その相似比は1:3である。このとき,△DEFの面積は△ABCの何倍か答えなさい。
2.右の図のように2つの直線 \(l\) , \(m\) が,3つの直線 \(p\) ,\(q\) ,\(r\) のと交わるとき, \(x\) の値を求めなさい
3.右の図のような直角三角形ABCがある。△ACDがAC=ADの直角二等辺三角形となるようにDをとる。また,点Dから辺ABに垂線をひき,辺ABとの交点をEとする。
このとき,△ABC∽△ACDを証明しなさい。
解説
相似比が1:3のとき,△DEFの面積は△ABCの何倍?
解答の方針
相似な三角形の対応する辺の長さの比は,相似比と等しくなります。
このことから、△ABCの底辺と高さを文字で表すと,
△DEFの底辺と高さも同じ文字と相似比を使って表すことができます。
これにより,△ABCと△DEFの面積を文字式で表し,比較できるようになります。
△ ABCと△DEFの底辺と高さを文字式で表す
相似な三角形の対応する辺の長さの比は,相似比と等しくなりますので,
△DEFの底辺の長さは△ABCの底辺の長さの3倍になります。
また,辺の長さが3倍になることから△DEFの高さも△ABCの高さの3倍になります。

以上より,
△ABCの底辺を \(a\),高さを \(h\) とするとき,
△DEFの底辺は \(3a\),高さは \(3h\) と表すことができます。
△ ABCと△DEFの面積を文字式で表す
底辺が \(a\),高さが \(h\) の △ABCの面積は,
△ABCの面積= \(a\) ✕ \(h\) ✕ \(\displaystyle\frac{1}{2}\)
=\(\displaystyle\frac{1}{2}ah\) ・・・ (1)
底辺が \(3a\),高さが \(3h\) の △DEFの面積は,
△DEFの面積= \(3a\) ✕ \(3h\) ✕ \(\displaystyle\frac{1}{2}\)
=\(\displaystyle\frac{9}{2}ah\) ・・・ (2)
となります。
△ ABCと△DEFの面積の比を求める
(1)(2)より,
△ABCの面積:△DEFの面積=\(\displaystyle\frac{1}{2}ah\):\(\displaystyle\frac{9}{2}ah\)
=\(1\):\(9\)
となるので,△DEFの面積は△ABCの面積の9倍になります。

面積は9倍になります。 相似比がa:bの三角形の性質
辺の長さの比 ・・・ a:b
面積の比 ・・・ a2:b2
\(x\) の値を求めなさい
右の図のとおり,平行な2直線の錯角は等しいので
2組の角の大きさが等しくなります。
よって,上の三角形と下の三角形は相似です。
相似な三角形の対応する辺の比は等しいので,
2:\(x\)=3:7.5
3\(x\)=15
\(x\)=5(cm)
平行な2直線の錯角は等しい
三角形の相似条件
2組の角の大きさが等しい
相似な三角形の性質
対応する辺の比は等しい
△ABC∽△ACDを証明しなさい。
問題を解くための準備
問題文からわかる前提条件
AC=AD
∠DAC=90°
∠ACB=90°
∠DEA=90°
求める対象
△ABC∽△DAE
解答の方針
△ABC∽△DAEを証明するために,三角形の相似条件の1つを満たしていることを証明します。
この問題では,特徴となる90°が3か所あることに注目します。
90°と∠BACを利用することで∠ABC=∠DAEを説明できます。
∠DAE=90°ー∠BACを示す
問題文より,△ACDはAC=ADの直角二等辺三角形なので,
∠DAC=90°
また,∠DACは∠DAEと∠BACに分けることができるので,
∠DAC=90°
∠DAE+∠BAC=90°
∠DAE=90°ー∠BAC・・・(1)
∠ABC=90°ー∠BACを示す
問題文より,△ABCにおいて∠ACB=90°になっています。
また、三角形の内角の和は180°なので,
∠ABC+∠BAC+∠ACB=180°
∠ABC+∠BAC+90°=180°
∠ABC=90°ー∠BAC ・・・(2)
△ABC∽△ACDを示す
(1)(2)より,∠ABC=∠DAE
また、問題文より,∠ACB=∠DEA
となり,2組の角の大きさが等しいので,
△ABC∽△ACD となります。