2
大問1
(1) 次のア~オを計算しなさい。
ア \( -11+4 \)
イ \( 5 \times \{ 6^2+(1-7) \} \)
【解説】
\( =5 \times \{ 36+(-6) \} \)
\( =5 \times (36-6) \)
\( =5 \times 30 \)
\( =150 \)
ウ \( (5x^2-x+2)-(3x^2+x-5) \)
【解説】
\( =5x^2-x+2-3x^2-x+5 \)
\( =2x^2-2x+7 \)
エ \( 12x^2y \div (-2x) \div 3y \)
【解説】
\( =12x^2y \times \left(-\dfrac{1}{2x} \right) \times \dfrac{1}{3y} \)
\( =-\dfrac{12x^2y}{2x \times 3y} \)
\( =-2x \)
オ \( \dfrac{4}{\sqrt{2}}+3\sqrt{8}-\sqrt{18} \)
【解説】
\( =\dfrac{4 \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}}+3 \times 2\sqrt{2}-3\sqrt{2} \)
\( =2\sqrt{2}+6\sqrt{2}-3\sqrt{2} \)
\( =5\sqrt{2} \)
(2) 画用紙 \( 150 \) 枚を,おとな \( 9 \) 人に \( a \) 枚ずつ,子ども \( 8 \) 人に \( b \) 枚ずつ配ると,画用紙が余った。このときの数量の関係を,不等式で表しなさい。
【解説】
おとな \( 9 \) 人に \( a \) 枚ずつ配るのに必要な画用紙は,\( 9a \) 枚
子ども \( 8 \) 人に \( b \) 枚ずつ配るのに必要な画用紙は,\( 8b \) 枚
で,これらの合計は \( 150 \) 枚より少ないのだから,不等式で表すと,
\( 9a+8b<150 \)
(3) 右の図は,1つのケースに入ったさくらんぼの重さを1個ずつ調べ,その結果をヒストグラムに表したものである。例えば,この図から,重さが \( 3 \; g \) 以上 \( 5 \; g \) 未満のさくらんぼは3個あったことがわかる。\( 7 \; g \) 以上 \( 9 \; g \) 未満の階級の相対度数を求めなさい。
【解説】
ある階級の相対度数は,
その階級の度数 \( \div \) すべての階級の度数の合計
で求めることができます。
\( 7 \; g \) 以上 \( 9 \; g \) 未満の階級の度数は,\( 12 \) 個,
全ての階級の度数の合計は
\( 3+11+12+4=30 \)(個)
なので,\( 7 \; g \) 以上 \( 9 \; g \) 未満の階級の相対度数は,
\( 12 \div 30=0.40 \)
注)赤色の数字は各階級の度数を表しています。
(4) 次の方程式を解きなさい。
\( x^2-3x+1=0 \)
【解答】
\( x=\dfrac{3±\sqrt{5}}{2} \)
【解説】
解の公式より,
\( x=\dfrac{-(-3)±\sqrt{(-3)^2-4 \times 1 \times 1}}{2 \times 1} \)
\( =\dfrac{3±\sqrt{9-4}}{2} \)
\( =\dfrac{3±\sqrt{5}}{2} \)
(5) 5本のうち2本のあたりくじが入っているくじがある。このくじをA,Bの2人がこの順に1本ずつひくとき,2人ともあたりくじをひく確率を求めなさい。ただし,ひいたくじは,もとにもどさないこととする。
【解説】
2本のあたりくじに「あ1」,「あ2」,3本のはずれくじに「は1」,「は2」,「は3」,
と名前をつけてA,Bの2人がひくくじの組み合わせを樹形図に書き出し,
2人ともあたりになるところに ○ をつけます。
2人ともあたりになる組み合わせは \( 2 \) 通り,すべての組み合わせは \( 20 \) 通りなので,
求める確率は \( \dfrac{2}{20}=\dfrac{1}{10} \) になります。

(6) 右の図で,\( BD=BE \) である。このとき,\( ∠x \) の大きさを求めなさい。
【解説】
\( △ABE \) と \( △CBD \) において,
仮定より \( BE=BD \) ・・・ ➀
共通な角なので,\( ∠ABE=∠CBD \) ・・・ ➁
仮定より \( ∠AEB=∠CDB=90° \) ・・・ ➂
➀➁➂より,1組の辺と両端の角が等しいので,
\( △ABE≡△CBD \)
対応する辺は等しいので,\( BA=BC \) であり,
\( △ABC \) は二等辺三角形になっています。
\( △CBD \) において,
\( ∠CBD=180°-(90°+44°)=46° \)
\( △ABC \) は二等辺三角形なので,底角は等しく,
\( ∠BAC=∠BCA=44°+x \)
ここから、
\( 46°+2(44°+x)=180° \)
\( 2x+134°=180° \)
\( x=23° \)
(7) 硬貨を1枚投げるとき,表と裏の出方について述べた文として適切でないものを,次のア~エの中から1つ選び,その記号を書きなさい。ただし,表と裏の出方は同様に確からしいものとする。
ア \( 10 \) 回続けて投げると,表が \( 3 \) 回出る場合がある。
イ \( 20 \) 回続けて投げると,表と裏が \( 10 \) 回ずつ出る。
ウ \( 2000 \) 回続けて投げると,表と裏がおよそ \( 1000 \) 回ずつ出ると予想できる。
エ 投げる回数が多いほど,表の出る相対度数のばらつきは小さくなり,その値は \( 0.5 \) に近づく。
【解説】
硬貨を \( 20 \) 回続けて投げるとき,表が \( 1 \) 回も出ないこともあれば,\( 20 \) 回とも表が出ることもあるので適切ではありません。
(可能性はかなり低いが,おこらないとは言えない)
(8) 家から \( 24 \; km \) 離れた図書館へ,自動車で一定の速さで向かった。右の図は,出発してから \( x \) 分後の家からの道のりを \( y \; km \) として,図書館に着くまでの \( x \) と \( y \) の関係を表したグラフである。家から \( 18 \; km \) の地点を通過したのは,家を出発してから何分何秒後か,求めなさい。
【解答】
\( 22 \) 分 \( 30 \) 秒後
【解説】
グラフの直線は原点 \( (0,0) \) と \( (30,24) \) を通っているので,
傾き \( =\dfrac{24-0}{30-0}=\dfrac{4}{5} \)
であり,この直線の式は \( y=\dfrac{4}{5}x \) と表すことができます。
よって,家から \( 18 \; km \) の地点,つまり,\( y=18 \) の地点を通過したのは,
\( 18=\dfrac{4}{5}x \)
\( x=\dfrac{45}{2} \)(分後)
\( \dfrac{45}{2} \) 分後を \( 22+\dfrac{1}{2} \) 分後と考えると,
\( \dfrac{1}{2} \) 分 \( =60 \) 秒 \( \times \dfrac{1}{2}=30 \) 秒
なので,\( \dfrac{45}{2} \) 分後は,\( 22 \) 分 \( 30 \) 秒後になります。
大問2
(1) 下の図において,直線 ℓ 上に,2点 \( A,B \) を通る円の中心 \( O \) を作図によって求めなさい。ただし,作図に使った線は消さないこと。

【解答】
手順1 2点 \( A,B \) を中心に円弧を描く
(交点を \( C,D \) とします)
手順2 2点 \( C,D \) を通る直線を描く
手順2の直線と直線 ℓ の交点が求める点 \( O \) になります。
【解説】
同一円周上にある2点を結んだ線分を弦といいます。
2点 \( A,B \) を通る円の中心から弦 \( AB \) に垂線をひくと,必ず弦 \( AB \) の中点を通ります。
ここから,弦 \( AB \) の垂直二等分線は必ず円の中心を通ります。
よって,弦 \( AB \) の垂直二等分線と直線 ℓ の交点が求める点 \( O \) になります。
(2) 右の図は,ある月のカレンダーである。このカレンダーで,右のように縦3つ,横2つの数を□で囲んだ。次の文章は,□の中の4すみの数のうち,斜めの関係にある2つの数の積には,どのような性質があるのかを調べているレンさんとメイさんの会話である。 あ ~ え にあてはまる式をそれぞれ書きなさい。
レン:例えば,図1,2で考えると
4すみの数のうち,斜めの関係にある2つの数の積を
それぞれ \( P,Q \) とすると,
\( P=3 \times 16=48 \) と \( Q=2 \times 17=34 \)
\( P=14 \times 27=378 \) と \( Q=13 \times 28=364 \)
となるね。
2つとも,\( P-Q=14 \) になったけど
カレンダーの他の場所を,同じように□で囲んでも
\( P-Q=14 \) になるのかな。
メイ:いつでも成り立つかどうかは,文字を使って説明する必要が
あるね。
レン:4すみの数のうち,一番小さい自然数を \( n \) とすると
残りの3つの自然数は小さい順に あ , い , う と
表すことができるよ。
メイ:そうか。\( n \) を使った式で,\( P-Q \) の値を表してみるよ。
\( ( \) あ \( ) \times ( \) い \( )-n \times ( \) う \( ) \)
\( =( \) え \( +14)-( \) え \( ) \)
\( =14 \)
このことから,カレンダーで,縦3つ,横2つの数を□で囲んだ
4すみの数のうち,斜めの関係にある2つの数の積は,いつでも
\( P-Q=14 \) になるといえるね。
【解答】
あ ・・・ \( n+1 \)
い ・・・ \( n+14 \)
う ・・・ \( n+15 \)
え ・・・ \( n^2+15n \)
【解説】
あ ,
い ,
う
え
\( (n+1) \times (n+14)-n \times (n+15)=(n^2+15n+14)-(n^2+15n) \)
\( =14 \)
大問3
(1) 下の図の \( △ABC \) は \( ∠C=90° \) の直角三角形であり,四角形 \( ACDE \) は辺 \( AC \) を1辺とする正方形である。辺 \( AC \) と線分 \( BE \) との交点を \( F \) とし,辺 \( CD \) 上に \( ∠AEB=∠BEG \) となる点 \( G \) をとる。このとき,次のア,イに答えなさい。
ア \( △AFE \) と \( △DEB \) が相似になることを証明しなさい。
【解答】
\( △AFE \) と \( △DEB \) において,
仮定より,
\( ∠FAE=∠EDB \) ・・・ ➀
\( AE//BD \) より,錯角は等しいので,
\( ∠FEA=∠EBD \) ・・・ ➁
➀➁より,2組の角がそれぞれ等しいので,
\( △AFE \) ∽ \( △DEB \)
イ \( AC=6 \; cm,BD=9 \; cm \) のとき,次の(ア),(イ)に答えなさい。
(ア) 線分 \( AF \) の長さを求めなさい。
【解説】
\( ∠FEA=∠FBC,∠AFE=∠CFB \) より,
\( △AFE \) ∽ \( △CFB \) になっています。
\( AE=AC=6 \; cm \)
\( CB=BD-CD=3 \; cm \)
なので,
\( AF:CF=AE:CB \)
\( =6:3 \)
\( =2:1 \)
であり,
\( AF=\dfrac{2}{3}AC=4 \; (cm) \)
(イ) 線分 \( CG \) の長さを求めなさい。
【解答】
\( CG=\dfrac{7}{2} \; cm \)
【解説】
\( ∠AEB=∠EBG,∠AEB=∠BEG \) より,
\( ∠EBG=∠BEG \) なので,
\( △BEG \) は二等辺三角形であるとわかります。
\( △EGD \) において,\( BG=x \; cm \) とすると,
\( EG=BG=x \; cm,GD=9-x \; cm \) と表すことができるので,三平方の定理より,
\( EG^2=GD^2+ED^2 \)
\( x^2=(9-x)^2+6^2 \)
\( x=\dfrac{13}{2} \; (cm) \)
よって,線分 \( CG \) の長さは,
\( CG=BG-BC \)
\( =\dfrac{13}{2}-3 \)
\( =\dfrac{7}{2} \; (cm) \)
(2) 図1は,三角柱であり,\( ∠ABC=90°,AB=5 \; cm,AD=BC=10 \; cm \) とする。次のア,イに答えなさい。
ア 辺 \( AD \) と垂直な面をすべて書きなさい。
【解答】
面 \( ABC \),面 \( DEF \)
【解説】
線分をペン,面を十分大きい紙と考えると,ある線分と面が垂直な関係にあるとき,
下のイメージ図のように,紙に対してペンがまっすぐに突き刺さっている状態と考えることができます。
垂直な線分と面のイメージ

イ 図2は,図1の三角柱を,面 \( ADFC \) が底面となるように置いたものである。辺 \( BE \) 上に点 \( P \) をとり,3点 \( P,A,F \) を結んでできる \( △PAF \) と
面 \( ADFC \) が垂直になるとき,\( △PAF \) の面積を
求めなさい。
【解答】
\( 15\sqrt{5} \; cm^2 \)
【解説】
この立体が三角柱であることから,
\( △EDF \) と面 \( ADFC \) は垂直、辺 \( BE \) と面 \( ADFC \) は平行になっています。
このとき,2点 \( P,E \) から面 \( ADFC \) に垂線をひいた交点を \( Q,R \) とすると,
\( PQ=ER \) となっています。
\( △EDF \) において,
\( DE=AB=5 \; cm,EF=BC=10 \; cm \)
なので,三平方の定理より,
\( DF^2=DE^2+EF^2=125 \)
\( DF=5\sqrt{5} \; (cm) \)
\( △EDF \) の面積について方程式を立てると,
\( DE \times EF \times \dfrac{1}{2}=DF \times ER \times \dfrac{1}{2} \)
\( 5 \times 10 \times \dfrac{1}{2}=5\sqrt{5} \times ER \times \dfrac{1}{2} \)
\( ER=2\sqrt{5} \; (cm) \)
よって, \( PQ=ER=2\sqrt{5} \; cm \)
\( △ADF \) において,三平方の定理より,
\( AF^2=AD^2+DF^2=225 \)
\( AF=15 \; (cm) \)
よって,\( △ADF \) の面積は,
\( △ADF=AF \times PQ \times \dfrac{1}{2} \)
\( =15 \times 2\sqrt{5} \times \dfrac{1}{2} \)
\( =15\sqrt{5} \; (cm^2) \)
大問4
図1で,➀は関数 \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) のグラフであり,2点 \( A,B \) は①上の点で \( x \) 座標がそれぞれ \( -6,2 \) である。次の(1)~(3)に答えなさい。ただし,座標軸の単位の長さを \( 1 \; cm \) とする。
(1) ①の関数について,\( x \) の変域が \( -6≦x≦2 \) のときの \( y \) の変域を求めなさい。
【解説】
\( y=ax^2 \;\; (a>0) \) のグラフにおいて,
\( x \) の変域が \( 0 \) を含むとき,\( y \) の最小値は必ず \( 0 \) になります。
\( x \) の絶対値が最も大きいとき,\( y \) の値は最大値をとります。
このことから,
\( x \) の変域が \( -6≦x≦2 \) のとき,
\( x \) の変域は \( 0 \) を含んでいるので,
\( y \) の最小値は \( 0 \) です。
\( -6≦x≦2 \) において,
\( x \) の絶対値が最も大きいのは \( x=-6 \) のときで,
\( x=-6 \) のときの \( y \) の値は,
\( y=\dfrac{1}{4} \times (-6)^2=9 \)
なので,\( y \) の最大値は \( 9 \) です。
よって,\( y \) の変域は \( 0≦y≦9 \) になります。
(2) \( △AOB \) の面積を求めなさい。
【解説】
点 \( B \) は \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) 上の点で \( x \) 座標は \( 2 \) なので,
\( y \) 座標は,
\( y=\dfrac{1}{4} \times 2^2=1 \)
直線 \( AB \) の式を \( y=ax+b \) とすると,
傾き \( a=\dfrac{1-9}{2-(-6)}=-1 \)
\( y=-x+b \) に \( x=2,y=1 \) を代入すると,
\( 1=-2+b \)
\( b=3 \)
であり,直線 \( AB \) と \( y \) 軸の交点を \( C \) とすると,\( C \) の座標は \( C(0,3) \) になっています。
\( △AOB=△AOC+△BOC \) と考えると,
\( △AOB=△AOC+△BOC \)
\( =3 \times 6 \times \dfrac{1}{2}+3 \times 2 \times \dfrac{1}{2} \)
\( =9+3 \)
\( =12 \; (cm^2) \)
(3) 図2は,図1に②をかき加えたもので,②は点 \( B \) を通り,傾きが負の直線である。②と➀の交点で,点 \( B \) とは異なる点を \( P \),②と \( x \) 軸との交点を \( Q \) とし,点 \( P \) の \( x \) 座標を \( t \) とする。また,点 \( P \) から \( x \) 軸にひいた垂線と \( x \) 軸との交点を \( H \) とする。このとき,次のア,イに答えなさい。
ア \( t=-4 \) のとき,直線②の傾きを求めなさい。
【解説】
点 \( P \) は \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) 上の点で \( x \) 座標は \( -4 \) なので,\( y \) 座標は,
\( y=\dfrac{1}{4} \times (-4)^2=4 \)
ここから,直線②は \( P(-4,4),B(2,1) \) を通るので,
傾き \( =\dfrac{1-4}{2-(-4)}=-\dfrac{1}{2} \)
イ \( QH=4PH \) のとき,\( t \) の値を求めなさい。
【解説】
点 \( P \) は \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) 上の点なので,
\( x \) 座標を \( t \) とするとき,\( y \) 座標は \( \dfrac{1}{4}t^2 \) と表すことができます。
点 \( B \) から線分 \( PH \) に垂線をひき,
交点を \( D \) とすると,\( △PBD \) ∽ \( △PQH \) で,
\( QH=4PH \) のとき,\( BD=4PD \) になります。
このとき,
\( BD=(2-t) \; cm,PD=\left( \dfrac{1}{4}t^2-1 \right) \; cm \)
と表せるので,
\( BD=4PD \)
\( 2-t=4 \times \left( \dfrac{1}{4}t^2-1 \right) \)
\( 2-t=t^2-4 \)
\( t^2+t-6=0 \)
\( (t-2)(t+3)=0 \)
\( t=2,-3 \)
直線②は傾きが負の直線であることから,\( t<-2 \) なので,
あてはまるのは \( t=-3 \) になります。
大問5
図1は,マユさんのノートの一部である。次の(1),(2)に答えなさい。

(1) 図1で,線分 \( BH \) の長さを求める計算は間違っているところがある。
の部分で,どのような間違いがあるのかを説明しなさい。また,線分 \( AH \) の長さを求めなさい。
【解答】
間違いの説明 ・・・ 下の行の右辺は \( -36+12x \) が正しい
線分 \( AH \) の長さ ・・・ \( AH=2\sqrt{6} \; cm \)
【解説】
【間違いの説明】
該当部分の式を整理すると次のようになります。
\( 5^2-x^2=7^2-(6-x)^2 \)
\( 25-x^2=49-(36-12x+x^2) \)
\( 25-x^2=49-36+12x-x^2 \)
\( 25-49=-36+12x \)
【線分 \( AH \) の長さ】
上の方程式(の続き)を解くと,
\( 25-49=-36+12x \)
\( -24=-36+12x \)
\( 12x=12 \)
\( x=1 \; (cm) \)
➀に代入すると,
\( h^2=5^2-1^2=24 \)
\( h=\sqrt{24}=2\sqrt{6} \; (cm) \) (\( h>0 \) より)
(2) 〔練習〕のあと,先生から「\( △ABC \) の条件を変えて,問題を作成してください」と指示された。図2は,生徒が作成した問題の一部である。作成した【問題】について話している先生と生徒のやりとりを読んで,次のア~エに答えなさい。

先生:リクさんが【問題】 を作る上で,工夫したことを教えてください。
リク:平方根の学習で,正方形の面積から1辺の長さを求め,素因数分解を使って根号の中を簡単な数で
表すことを学んだので,それを活用したいと思いました。
先生:マユさんとヒナさんは,どのように考えて【問題】を作ったのですか。
マユ:\( BH=x \; cm,CH=y \; cm \) とおいて,2つの文字を使って等式を作ることができないかと
考えたところ,\( x+y \) と \( x-y \) の値をそれぞれ求められることに気づきました。
ヒナ:円周角の定理と特別な直角三角形の辺の比を使って,面積を求める問題を作りたいと考えました。
まず,辺 \( BC \) の長さは \( cm \) だとわかります。そして,補助線を1本追加することで,
\( △ABC \) の底辺と高さを見いだし, 面積を求めることができます。
ア リクさんの【問題】で,\( △ABC \) の面積を素因数分解した形で表しなさい。
【解答】
\( △ABC=2^2 \times 3 \times 7 \)
【解説】
\( △ABC=14 \times 12 \times \dfrac{1}{2} \)
\( =14 \times 6 \)
\( =(2 \times 7) \times (2 \times 3) \)
\( =2^2 \times 3 \times 7 \)
イ マユさんの【問題】で,\( x-y \) の値を求めなさい。
【解説】
\( AH=h \; cm \) とすると,三平方の定理より,
\( h^2=13^2-x^2 \) ・・・ ➀
\( h^2=15^2-y^2 \) ・・・ ➁
➀➁より,
\( 13^2-x^2=15^2-y^2 \)
\( x^2-y^2=13^2-15^2 \)
\( (x+y)(x-y)=13^2-15^2 \)
\( x+y=14 \) を代入すると,
\( 14(x-y)=13^2-15^2 \)
\( 14(x-y)=(13+15)(13-15) \)
\( x-y=2 \times (-2)=-4 \)
ウ にあてはまる数を書きなさい。
【解説】
\( △ABC \) において,
\( ∠BAC=180°-(75°+45°)=60° \)
\( ∠BAC \) は,\( \stackrel{\huge\frown}{ BC } \) に対する円周角,\( ∠BOC \) は,\( \stackrel{\huge\frown}{ BC } \) に対する中心角なので,
\( ∠BOC=2∠BAC=120° \)
点 \( O \) から線分 \( BC \) に垂線をひき,
交点を \( P \) とすると,
\( △OBP≡△OCP \) なので,
\( ∠BOP=∠COP=\dfrac{1}{2}∠BOC=60° \)
ここから,\( △OBP \) は \( 30°,60°,90° \) の
直角三角形なので,
\( BP=\dfrac{\sqrt{3}}{2}OB=\sqrt{3} \; (cm) \)
よって,辺 \( BC \) の長さは,
\( BC=2BP=2\sqrt{3} \; (cm) \)

【\( △OBP≡△OCP \) の理由】
\( OB=OC,∠OPB=∠OPC,OP \) は共通
より,斜辺と他の1辺が等しい直角三角形なので,
\( △OBP≡△OCP \)
エ ヒナさんの【問題】を解きなさい。
【解答】
\( 3+\sqrt{3} \; cm^2 \)
【解説】
\( △ABC \) において,点 \( B \) から辺 \( AC \) に垂線をひき,交点を \( Q \) とすると,
\( ∠BAC=60°,∠ACB=45° \) より,
\( △BCQ \) は直角二等辺三角形,\( △ABQ \) は \( 30°,60°,90° \) の直角三角形
になっています。
ウ より,\( BC=2\sqrt{3} \; cm \) なので,
\( △BCQ \) において,
\( BQ=CQ=\dfrac{1}{\sqrt{2}}BC=\sqrt{6} \; (cm) \)
\( △ABQ \) において,
\( AQ=\dfrac{1}{\sqrt{3}}BQ=\sqrt{2} \; (cm) \)
よって,\( △ABC \) の面積は,
\( △ABC=AC \times BQ \times \dfrac{1}{2} \)
\( =(\sqrt{6}+\sqrt{2}) \times \sqrt{6} \times \dfrac{1}{2} \)
\( =(6+2\sqrt{3}) \times \dfrac{1}{2} \)
\( =3+\sqrt{3} \; (cm^2) \)