大問1
(1) 次の➀~➂の計算をしなさい。
➀ \( 7+(-2) \)
➁ \( (3x+7)-(x-1) \)
➂ \( (3a^2b-2ab) \div ab \)
(2) \( x^2-5x-24 \) を因数分解しなさい。
(3) 平方根について述べた次のア~エのうち,正しく述べているものをすべて選び,記号で答えなさい。
ア \( \sqrt{0.001}=0.1 \) である。
イ \( \sqrt{10} \) を2乗すると,\( 10 \) になる。
ウ \( 3 \) の平方根は,\( 9 \) と \( -9 \) である。
エ \( 3\sqrt{11} \) は,\( 10 \) よりも値が小さい。
(4) 右の図の立体は,底面の半径が \( 5 \; cm \),高さが \( 6 \; cm \) の円柱である。この円柱の表面積を求めなさい。
ただし,円周率は \( \pi{} \) とする。
(5) 2次方程式 \( x^2+5x+5=0 \) を解きなさい。
(6) 右の図の三角形 \( ABC \) は,\( CA=CB \) の二等辺三角形である。\( ∠ABC=64° \) のとき,\( ∠ACB \) の大きさを求めなさい。
(7) 右の図の三角形 \( ABC \) は,\( ∠ACB=90° \) の直角三角形である。 \( AB=41 \; cm,BC=40 \; cm \) のとき,\( AC \) の長さを求めなさい。
(8) 大きさの異なる2つのさいころを同時に投げて,大きいさいころの目が \( 3 \) 以下のときは2つのさいころの目の和をXとし,大きいさいころの目が \( 4 \) 以上のときは2つのさいころの目の積をXとする。このとき,Xが \( 5 \) の倍数となる確率を求めなさい。
(9) 走行中の自動車がブレーキをかけたとき,ブレーキがきき始めてから自動車が完全に停止するまでに進んだ距離のことを制動距離という。一般に,秒速 \( x \; m \) で走っている自動車の制動距離を \( y \; m \) とすると,\( y \) は \( x \) の2乗に比例することが知られている。
この関係が成り立つ自動車Aについて調べたところ,秒速 \( 10 \; m \) で走っているときの制動距離が \( 10 \; m \) であった。この自動車Aが,秒速 \( 30 \; m \) で走っているときの制動距離を求めなさい。
大問2
四角型,三角型,丸型,星型の4種類の積み木があり,積み木1個当たりの重さは,種類ごとにそれぞれ同じ重さであるとする。これらの積み木と分銅をてんびんに乗せて,積み木の重さを調べた。次の(1),(2)の問いに答えなさい。
(1) てんびんの左の皿に四角型の積み木1個を乗せ,右の皿に三角型の積み木2個と \( 50 \; g \) の分銅1個を乗せたところ,下の図のようにてんびんが傾いた。四角型の積み木1個の重さを \( a \; g \) ,三角型の積み木1個の重さを \( b \; g \) とするとき,このてんびんの様子から分かる,重さについての大小関係を不等式で表しなさい。
(2) てんびんの左の皿に丸型の積み木3個を乗せ,右の皿に星型の積み木2個を乗せたところ,てんびんがつり合った。また,左の皿に丸型の積み木2個と \( 20 \; g \) の分銅4個を乗せ,右の皿に星型の積み木3個を乗せたときもてんびんがつり合った。このとき,丸型の積み木1個の重さと,星型の積み木1個の重さを,それぞれ求めなさい。
ただし,答えを求める過程を書くこと。
大問3
隆和さんと亜衣さんは,数学の授業で,コンピュータを使いながら図形の性質について考えている。会話文を読んで,後の(1),(2)の問いに答えなさい。
先生:コンピュータを使うと,自分で描いた図形の面積を調べることができますよ。いろいろ試して
みましょう。
隆和さん:2点 \( A,B \) と,直線 \( AB \) に平行な直線 \( l \)
上の点 \( P \) の3点で作る三角形を調べた
ら,【画面Ⅰ】のように,\( l \) 上で点 \( P \) を
動かしても,三角形の面積が変わりません
でした。
先生:いいところに目を付けましたね。他にも気付くことはないですか。
亜衣さん:私は \( l \) 上に点 \( P \) と点 \( Q \) の2点をとって
みました。そして,\( PB \) と \( QA \) の交点を
\( R \) とすると,【画面Ⅱ】のように,
三角形 \( PAR \) と三角形 \( QBR \) の面積が
同じになりました。
先生:では,コンピュータを使って見つけたことがらを,実際に証明して確かめてみましょう。
(1) 【画面Ⅱ】に示された三角形 \( PAR \) と三角形 \( QBR \) の面積が等しいことを,次のように証明した。
X には当てはまる記号を, Y には当てはまることばを入れなさい。また,【 】に証明の続きを書き,この証明を完成させなさい。
なお,三角形の面積を表す際に,例えば,三角形 \( ABC \) の面積の大きさを \( △ABC \) と表したり,三角形 \( ABC \) と三角形 \( DEF \) の面積が等しいことを \( △ABC=△DEF \) と表したりしてよいものとする。
[証明]
三角形 \( PAB \) と三角形 \( QAB \) について,共通する
辺 X を底辺と考えると,\( l//AB \) より Y といえるので,2つの三角形の面積は等しい。
よって,\( △PAB=△QAB \) ・・・ ①
【 】
先生:今度は,角度について調べてみましょう。
亜衣さん:【画面Ⅲ】や【画面Ⅳ】のように,点 \( P \) を \( l \) 上で動かしてみると,点 \( P \) の位置によって,∠APB の大きさが変わることが分かりました。
隆和さん:点 \( P \) をいろいろ動かしてみましたが,∠APBの大きさが最も大きいのは,\( PA=PB \) のときのようです。この点 \( P \) は,コンパスと定規で実際に作図できそうですね。
亜衣さん:そうですね。直線 \( l \) 上には,この点 \( P \) 以外にも,コンパスと定規で作図できる点がありそうですね。
先生:\( PA=PB \) となる点 \( P \) をもとにして考えると,\( ∠ACB=\dfrac{1}{2}∠APB \) となるような直線 \( l \) 上の点 \( C \) も実際に作図できますよ。点 \( P \) や点 \( C \) をどうやって作図すればよいか,みんなで考えてみましょう。
(2) 右の図は,2点 \( A,B \) と,直線 \( AB \) に平行な直線 \( l \) を示したものである。後の①,②の問いに答えなさい。
① 図に,\( PA=PB \) となる直線 \( l \) 上の点 \( P \) と,その点 \( P \) に対して \( ∠ACB=\dfrac{1}{2}∠APB \) となるような直線 \( l \) 上の点 \( C \) を,コンパスと定規を用いて作図しなさい。
ただし,条件を満たす点 \( C \) が2つ以上ある場合はそのすべての点を作図し,作図したすべての点を \( C \) と表すこと。また,作図に用いた線は消さないこと。
② ①のような作図によって点 \( C \) をとったことで,なぜ \( ∠ACB=\dfrac{1}{2}∠APB \) であるといえるのか,その理由を説明しなさい。
大問4
沙知さんは,昨年の夏,自分が住んでいる群馬県桐生市が記録的な暑さだったことから,桐生市のほか,昨年8月に40.0℃ を記録した石川県小松市と,1年中温暖なことで知られる宮崎県宮崎市の3つの市について,令和5年8月の日ごとの最高気温をそれぞれ31日分調べて比較することにした。次の図は,これらのデータを箱ひげ図にまとめたものである。後の(1)~(3)の問いに答えなさい。
(1) 沙知さんがまとめた箱ひげ図をもとに,次のア~ウを,値の小さい順に左から並べて書きなさい。
ア 桐生市のデータの第3四分位数
イ 小松市のデータの第1四分位数
ウ 宮崎市のデータの最大値
(2) 沙知さんは,3つの市のデータの分布の様子を詳しく比較するため,箱ひげ図に加えてヒストグラムも作成することにした。次のア~ウは,令和5年8月の桐生市,小松市,宮崎市の最高気温のデータをもとに,階級の幅を \( 1.0 ^\circ C \) として作成したヒストグラムである。桐生市に当たるものをア〜ウから選び,記号で答えなさい。
(3) 次のア~エは,沙知さんが,桐生市,小松市,宮崎市のデータの箱ひげ図を比較して述べたものである。ア~エのうち,正しく述べているものをすべて選び,記号で答えなさい。
ア 3つの市のうち,データの範囲が最も大きいのは,桐生市であることが分かる。
イ 3つの市のうち,箱ひげ図の箱の部分が最も右側に位置しているのは桐生市であるため,
桐生市のデータの四分位範囲が最も大きいことが分かる。
ウ 桐生市と小松市について,箱ひげ図のひげの部分の長さや位置を比較することで,桐生市
よりも小松市の方が,最高気温が \( 36.0 ^\circ C \) 以上の日が多かったことが分かる。
エ 宮崎市のデータの最大値よりも桐生市のデータの中央値の方が値が大きいため,桐生市の
最高気温が宮崎市の最高気温よりも高かった日が,31日のうち16日以上あったことが
分かる。
大問5
図Ⅰのように,山の麓のある地点にいる人が,別の麓にある目的地まで歩いて移動する場合,山の麓に沿って歩くよりも,山頂の方に少し登ってから目的地を目指して歩いた方が,早くたどり着けることがあるという。
この話を聞いた真一さんは,このことを調べるために,図Ⅱのような四角すいを用いたモデルで考えることにした。この四角すいは,底面が一辺 \( 4000 \; m \) の正方形 \( ABCD \) であり \( OA=OB=OC=OD=3000 \; m \) とする。図Ⅱのように,山の麓に沿って目的地を目指す場合は,\( A→B→C \) という経路で歩くこととし,山頂の方に少し登ってから目的地を目指す場合は,辺 \( OA \),辺 \( OB \),辺 \( OC \) 上に,\( OP=OQ=OR \) となる点 \( P \),点 \( Q \),点 \( R \) をそれぞれとり,\( A→P→Q→R→C \) という経路で歩くこととする。次の(1),(2)の問いに答えなさい。
(1) 次の①~③の問いに答えなさい。
① \( A→P→Q→R→C \) という経路で目的地を目指す場合,最初に登る距離 \( AP \) を \( 1500 \; m \) としたときに歩く距離の合計は何 \( m \) となるか,求めなさい。
➁ 最初に登る距離 \( AP \) を \( x \; m \),\( A→P→Q→R→C \) という経路で歩く距離の合計を \( y \; m \) とする。このとき,\( y \) を \( x \) の式で表しなさい。
ただし,\( 0<x<3000 \) とする。
③ \( A→P→Q→R→C \) という経路で歩く距離の合計が,\( A→B→C \) という経路で歩く距離の合計の \( 90 \% \) となるようにするには,最初に登る距離 \( AP \) を何 \( m \) にすればよいか,求めなさい。
(2) 真一さんは,山を登るときや下るときに歩く速さが変わることを考慮して,このモデルについて考え直すことにした。
\( A→P→Q→R→C \) という経路で歩いて目的地を目指す場合,山を登る \( AP \) の区間では,\( A→B→C \) という経路で歩くときの \( 0.6 \) 倍の速さになり,\( P→Q→R \) の区間では,\( A→B→C \) という経路で歩くときと同じ速さに,また,山を下る \( R→C \) の区間では,\( A→B→C \) という経路で歩くときの \( 1.5 \) 倍の速さになると仮定する。
このとき,\( A→P→Q→R→C \) という経路で歩く場合の移動時間が,\( A→B→C \) という経路で歩く場合の移動時間の \( 90 \% \) となるようにするには,最初に登る距離 \( AP \) を何 \( m \) にすればよいか,求めなさい。
ただし,\( A→B→C \) という経路で歩くときの速さは,一定であるとする。