福井県公立高校入試 令和6(2024)年度 選択問題B 解答&解説

大問1

(1) 次の計算をせよ。

ア \( (-3)^2+(-2) \times 6 \)

【解答】
\( -3 \)
【解説】
\( =9-12 \)
\( =-3 \)

 

イ \( -4a^2b \times 12b \div (-6ab) \)

【解答】
\( 8ab \)
【解説】
\( =\dfrac{-4a^2b \times 12b}{-6ab} \)
\( =8ab \)

 

ウ \( 6 \left( x-\dfrac{3}{2}y \right) +4 \left( \dfrac{x}{2}+3y \right) \)

【解答】
\( 8x+3y \)
【解説】
\( =6x-9y+2x+12y \)
\( =8x+3y \)

 

エ \( \dfrac{\sqrt{48}}{3}+\dfrac{2}{\sqrt{3}} \)

【解答】
\( 2\sqrt{3} \)
【解説】
\( =\dfrac{4\sqrt{3}}{3}+\dfrac{2\sqrt{3}}{3} \)
\( =\dfrac{6\sqrt{3}}{3} \)
\( =2\sqrt{3} \)

 

(2) \( a^2-4 \) を因数分解せよ。

【解答】
\( (a+2)(a-2) \)

 

(3) 次の連立方程式  \( \left\{ \begin{array}{}
x+y=1 \\
2x-7y=11 \\
\end{array} \right.  \) を解け。

【解答】
\( x=2,y=-1 \)
【解説】
\( \left\{ \begin{array}{}
x+y=1 \hspace{10pt} ・・・ \hspace{10pt} ➀ \\
2x-7y=11 \hspace{10pt} ・・・ \hspace{10pt} ➁ \\
\end{array} \right.  \)
➀ \(  \times 2 – \) ➁
 \( 9y=-9 \)
  \( y=-1 \)
➀に代入すると,
 \( x+(-1)=1 \)
    \( x=2 \)

 

(4) \( △ABC \) について,\( ∠ABC=90°,AB=2 \; cm,BC=6 \; cm \) のとき,辺 \( CA \) の長さを求めよ。

【解答】
\( 2\sqrt{10} \; cm \)
【解説】

三平方の定理より,
 \( CA^2=AB^2+BC^2 \)
    \( =2^2+6^2 \)
    \( =40 \)
  \( CA=2\sqrt{10} \; (cm) \) (\( CA>0 \) より)

 

(5) クラス15人の反復横跳びの回数を箱ひげ図で表したところ,右の図のようになった。このとき,次の問いに答えよ。

ア 第1四分位数を求めよ。

【解答】
\( 32 \) 回

 

イ このデータをヒストグラムで表したとき,正しくないのは図1,図2のどちらになるか,次の (   ) 内に書き入れ,その理由を言葉や数, 式などを用いて説明せよ。

正しくないのは (   ) である。
(説明)

 

 

【解答】
図1
箱ひげ図から,中央値は \( 46 \) 回であるが,図1のヒストグラムでは,中央値は \( 50 \) 回以上 \( 55 \) 回未満の階級に含まれているから。

 

(6) 右の図の \( △ABC \) で,辺 \( BC \) 上に点 \( D \) を \( ∠DAB=30° \) となるように作図せよ。ただし,作図に用いた線は消さないこと。

【解答】

手順1 2点 \( A,B \) を中心に辺 \( AB \) を半径とする
    円弧を描く。
    (交点を \( P \) とします。)
手順2 2点 \( A,P \) を通る直線を描く。
手順3 2点 \( B,P \) を中心に円弧を描く。
    (交点を \( Q \) とします。)
手順4 2点 \( A,Q \) を通る直線を描く。

手順4の直線と辺 \( BC \) の交点が求める点 \( D \) になります。

【解説】

\( 60° \) の半分が \( 30° \) であることに注目すると,
正三角形 \( PAB \) を描き,\( ∠PAB \) の二等分線を作図すると,\( ∠DAB=30° \) を作図することができます。

 

大問2

右の図のように \( A,B,C,D,E,F \) のカードが1枚ずつ入っている袋からカードを同時に2枚取り出す。このとき,次の問いに答えよ。ただし,袋からのカードの取り出し方は同様に確からしいとする。

(1) 取り出した2枚のカードが \( A \) と \( B \) である確率を求めよ。

【解答】
\( \dfrac{1}{15} \)

【解説】
同時に2枚を取り出すので,「\( A \) と \( B \) を取り出す」ことと「\( B \) と \( A \) を取り出す」ことは
1通りと考えられるので,すべての組み合わせは下の15通りになります。
そのうち,「\( A \) と \( B \) を取り出す」のは1通りなので,その確率は,\( \dfrac{1}{15} \) になります。

 

(2) 右の図のような立方体 \( ABCD – EFGH \) において,取り出した2枚のカードに書かれた文字の頂点を通る直線を \( l \) とする。直線 \( l \) が直線 \( GH \) とねじれの位置にある確率を求めよ。

【解答】
\( \dfrac{4}{5} \)

【解説】
ねじれの位置にある直線はどこまで行っても交わらない2直線のうち,平行ではないもののことです。

立方体 \( ABCD – EFGH \) において,直線 \( GH \) とねじれの位置にあるのは,
・ 直線 \( l \) が立方体の辺になるとき ・・・  \( AD,AE,BC,BF \)
・ 直線 \( l \) がそれぞれの面の対角線になるとき ・・・  \( AC,AF,BD,BE,CF,DE \)
・ 直線 \( l \) が立方体の対角線になるとき ・・・  \( CE,DF \)
の合計 \( 12 \) 通りなので,その確率は,\( \dfrac{12}{15}=\dfrac{4}{5} \) になります。

 

大問3

毎年,子ども会では祭りを1日開催し,たこ焼きを販売している。たこ焼きは複数のたこ焼き器を使用して作っており,たこ焼き器 \( 1 \) 台につき1日に \( 20 \) パックのたこ焼きを作って販売する。このとき,次の問いに答えよ。ただし, 消費税は考えないものとする。

(1) 昨年はたこ焼き器を \( a \) 台使用し,\( 1 \) パック \( 300 \) 円で販売したところ \( 10 \) パック売れ残った。今年はたこ焼き器を \( a \) 台使用し,\( 1 \) パック \( 250 \) 円で販売したところ,すべて売り切れた。

ア 昨年の売れたたこ焼きは何パックか,\( a \) を用いて表せ。

【解答】
\( 20a-10 \) パック

 

イ 昨年の売り上げと今年の売り上げが同じであった。このときの \( a \) の値を求めよ。

【解答】
\( a=3 \)
【解説】
昨年の売り上げは \( 300 (20a-10)=6000a-3000 \)(円)
今年の売り上げは \( 250 \times 20a=5000a \)(円)
と表すことができるので,
 \( 6000a-3000=5000a \)
     \( 1000a=3000 \)
        \( a=3 \)

 

(2) 来年, 子ども会ではたこ焼き器を \( 6 \) 台使用し,今年の \( 250 \) 円から値上げして販売することを検討している。値上げについては次の【設定】で考えるものとする。

【設定】
・ 値上げする金額は \( 10 \) 円,\( 20 \) 円,・・・ ,\( 100 \) 円,\( 110 \) 円,・・・ など \( 10 \) 円単位とする。
・ 値上げせずに \( 1 \) パックを \( 250 \) 円で販売すると,すべて売り切れる。
・ \( 1 \) パックを \( 250 \) 円から \( 10 \) 円値上げすることに \( 3 \) パックずつ売れ残る。

例えば,\( 1 \) パックを \( 20 \) 円値上げして \( 270 \) 円で販売すると,\( 6 \) パック売れ残る。
\( 1 \) パックを \( 10x \) 円値上げして売り上げを計算したところ,値上げ前より \( 1080 \) 円高くなった。このとき,\( x \) の値をすべて求めよ。ただし,\( x \) は自然数とする。

【解答】
\( x=3,12 \)
【解説】
\( 1 \) パックを \( 250 \) 円で販売するときの売り上げは,
 \( 250 \times 20 \times 6=30000 \)(円)

\( 1 \) パックを \( 10x \) 円値上げし,\( (250+10x) \) 円で販売するとき,
\( 3x \) パック売れ残るので,売れるのは,\( 20 \times 6-3x=(120-3x) \) パックになります。
この場合の売り上げは,\( (250+10x)(120-3x) \)(円)と表すことができるので,
 \( (250+10x)(120-3x)-30000=1080 \)
 \( (30000+450x-30x^2)-30000=1080 \)
       \( 30x^2-450x+1080=0 \)
          \( x^2-15x+36=0 \)
          \( (x-3)(x-12)=0 \)
                 \( x=3,12 \)

 

大問4

右の図のように, 関数 \( y=x^2 \) ・・・ ➀ のグラフがある。① のグラフ上に2点 \( A,B \) を点 \( A \) の \( x \) 座標が \( -3 \) で,線分 \( AB \) が \( x \) 軸と平行となるようにとり,さらに,2点 \( C,D \) を四角形 \( ABCD \) が正方形となるようにとる。また,\( y \) 軸上に点 \( E(0,21) \) をとる。ただし,点 \( D \) の \( y \) 座標は点 \( A \) の \( y \) 座標より大きいものとする。このとき,次の問いに答えよ。

(1) 点 \( A \),点 \( B \),点 \( D \) の座標をそれぞれ求めよ。

【解答】
\( A(-3,9) \)
\( B(3,9) \)
\( D(-3,15) \)

【解説】

点 \( A \) は,\( y=x^2 \) 上の点で,\( x \) 座標が \( -3 \) なので,
\( y \) 座標は,\( y=(-3)^2=9 \)
よって,点 \( A \) の座標は,\( A(-3,9) \)

線分 \( AB \) が \( x \) 軸と平行なので,点 \( B \) は \( y \) 軸について
点 \( A \) と対称な位置にあり,点 \( B \) の座標は,\( B(3,9) \)

ここから,線分 \( AB \) の長さは \( 6 \) なので,
四角形 \( ABCD \) が正方形であることから,線分 \( CD \) の長さも \( 6 \)
よって,点 \( D \) の座標は,\( D(-3,15) \)

 

(2) 直線 \( AE \) の式を求めよ。

【解答】
\( y=4x+21 \)
【解説】

この直線は,\( A(-3,9),E(0,21) \) を通るので,
 傾き \( =\dfrac{21-9}{0-(-3)}=4 \)

切片は点 \( E \) の \( y \) 座標になるので,\( 21 \)

よって,直線 \( AE \) の式は,\( y=4x+21 \)

 

 

(3) また,関数 \( y=ax^2 \) (\( a \) は正の定数) ・・・ ② のグラフがある。② のグラフ上に2点 \( P,Q \) を,点 \( P \) の \( x \) 座標が \( -4 \) で, 線分 \( PQ \) が \( x \) 軸と平行になるようにとる。

ア 点 \( P \) が直線 \( AE \) 上にあるとき,\( a \) の値を求めよ。

【解答】
\( a=\dfrac{5}{16} \)

【解説】

点 \( P \) は,\( y=4x+21 \) 上の点で,
\( x \) 座標が \( -4 \) なので,
\( y \) 座標は,\( y=4 \times (-4)+21=5 \)

点 \( P \) は,\( y=ax^2 \) 上の点でもあるので,
\( y=ax^2 \) に \( x=-4,y=5 \) を代入すると,
 \( 5=a \times (-4)^2 \)
 \( a=\dfrac{5}{16} \)

 

 

イ \( a=\dfrac{3}{4} \) とする。正方形 \( ABCD \) の面積を \( S \),正方形 \( ABCD \) と \( △EPQ \) が重なっている部分の面積を \( T \) とするとき,\( S:T \) を最も簡単な整数の比で表せ。

【解答】
\( S:T=144:71 \)
【解説】

\( a=\dfrac{3}{4} \) のとき,➁のグラフの式は \( y=\dfrac{3}{4}x^2 \) で,
点 \( P \) の \( x \) 座標が \( -4 \) なので,
\( y \) 座標は,\( y=\dfrac{3}{4} \times (-4)^2=12 \)
よって,点 \( P \) の座標は \( P(-4,12) \)
また,点 \( Q \) は \( y \) 軸に対して点 \( P \) と対称な点なので,
点 \( Q \) の座標は \( Q(-4,12) \)

辺 \( PQ \) と 辺 \( AD \) の交点を \( E \),
辺 \( PQ \) と 辺 \( BC \) の交点を \( F \),
辺 \( EP \) と 辺 \( AD \) の交点を \( G \),
辺 \( EP \) と 辺 \( CD \) の交点を \( H \),
辺 \( EQ \) と 辺 \( BC \) の交点を \( I \),
辺 \( EQ \) と 辺 \( CD \) の交点を \( J \),
とすると,
直線 \( EP \) の式は
 傾き \( =\dfrac{21-12}{0-(-4)}=\dfrac{9}{4} \)
より,\( y=\dfrac{9}{4}x+21 \)

点 \( G \) は,\( y=\dfrac{9}{4}x+21 \) 上の点で,
\( x \) 座標が \( -3 \) なので,\( y \) 座標は,
 \( y=\dfrac{9}{4} \times (-3)+21=\dfrac{57}{4} \)

点 \( H \) は,\( y=\dfrac{9}{4}x+21 \) 上の点で,
\( y \) 座標が \( 15 \) なので,\( x \) 座標は,
 \( 15=\dfrac{9}{4}x+21 \)
  \( x=-\dfrac{8}{3} \)

正方形 \( ABCD \) と \( △EPQ \) が重なっている図形
    部分は,
正方形 \( ABCD \) から長方形 \( ABFE \) と
\( △GDH,△ICJ \) をひいたものなので,

 長方形 \( ABFE=3 \times 6=18 \)

 \( △GDH=\dfrac{1}{3} \times \dfrac{3}{4}  \times \dfrac{1}{2}=\dfrac{1}{8} \)

正方形 \( ABCD \) と \( △EPQ \) は,
どちらも \( y \) 軸に対して対称な図形なので,
\( △GDH≡△ICJ \)

正方形 \( ABCD \) の1辺の長さは \( 6 \) なので,
 \( T=36-18-\dfrac{1}{8} \times 2=\dfrac{71}{4} \)

以上より,\( S:T=36:\dfrac{71}{4}=144:71 \)

 

大問5

右の図のように,ひし形 \( ABCD \) があり,\( △ABC \) と \( △ACD \) はともに正三角形である。また,辺 \( BC,CD \) 上にそれぞれ点 \( E,F \) を \( ∠AEF=60° \) となるようにとり,\( △AEF \) をつくる。このとき,次の問いに答えよ。

(1) 4点 \( A,E,C,F \) は同じ円周上にある。その理由を言葉や数,式などを使って説明せよ。

【解答・解説】
仮定より,\( ∠AEF=∠ACF=60° \) であり,どちらも弧 \( AF \) に対する円周角になっているため。


 

(2) \( △ABE≡△ACF \) であることを証明せよ。

【解答・解説】

\( △ABE \) と \( △ACF \) において,
仮定より,
 \( ∠ABE=∠ACF=60° \) ・・・ ➀
 \( AB=AC \) ・・・ ➁
4点 \( A,E,C,F \) は同じ円周上にあることから,
弧 \( AE \) に対する円周角なので,
 \( ∠AFE=∠ACE \)
仮定より,\( ∠ACE=60° \) なので,
 \( ∠AFE=60° \)
\( ∠AEF=∠AFE=60° \) より,
\( △AEF \) は正三角形なので,\( ∠EAF=60° \)
 \( ∠BAE=∠BAC-∠EAC \)
     \( =60°-∠EAC \) ・・・ ➂
 \( ∠CAF=∠EAF-∠EAC \)
     \( =60°-∠EAC \) ・・・ ➃
➂➃より,\( ∠BAE=∠CAF \) ・・・ ➄

➀➁➄より,1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので,
 \( △ABE≡△ACF \)

 

(3) \( BE:EC=3:2 \) のとき,\( △ABC \) と \( △AEF \) の面積の比を,最も簡単な整数の比で表せ。

【解答】
\( 25:19 \)
【解説】
\( △ABC \) と \( △AEF \) はどちらも正三角形で相似なので,相似比( \( AB:AE \) )を求めることができれば面積比を求めることができます。

線分 \( AC \) と線分 \( EF \) の交点を \( G \) とし,
\( △ABC \) と \( △AFG \) に注目すると,
 \( ∠BAE=∠FAG,∠ABE=∠AFG=60° \)
より,\( △ABC \) ∽ \( △AFG \)

\( BE:EC=3:2 \) より,\( BE= \)➂ とすると,
\( EC= \)➁,\( BC= \)➄と表すことができ,
\( △ABC \) は正三角形なので,\( AB=BC= \)➄
\( AE=x \) とすると,
\( △AEF \) は正三角形なので,\( AF=AE=x \)
ここから,
 \( AB:AF=AE:AG \)
    \( 5:x=x:AG \)
    \( x^2=5AG \)
     \( x=\sqrt{5AG} \) ・・・ (ア)
なので,\( AG \) の長さを求めます。

\( △AEC \) と \( △FGC \) に注目すると,
 \( ∠ACE=∠FCG=60°,∠CAE=∠CFG \)
より,\( △ABC \) ∽ \( △AFG \)

\( CF=BE= \)➂,\( CA=BC= \)➄
なので,
 \( CA:CF=EC:GC \)
    \( 5:3=2:GC \)
    \( GC=\dfrac{6}{5} \)
ここから,\( AG=CA-GC=\dfrac{19}{5} \)

(ア) に代入すると,\( x=\sqrt{19} \) なので,
\( △ABC \) と \( △AEF \) の相似比は
 \( AB:AE=5:x=5:\sqrt{19} \)

相似な三角形の面積比は相似比の二乗の比と等しいので,
 \( △ABC:△AEF=5^2:(\sqrt{19})^2=25:19 \)