大問1
(1) 次の計算をしなさい。
➀ \( -5+9 \)
➁ \( \dfrac{2}{5} \div \left( -\dfrac{8}{15} \right) \)
【解説】
\( =\dfrac{2}{5} \times \left( -\dfrac{15}{8} \right) \)
\( =-\dfrac{3}{4} \)
➂ \( 7x-3y+2x+y \)
➃ \( 3\sqrt{6} \times \sqrt{3} \)
【解説】
\( =(3\sqrt{2} \times \sqrt{3}) \times \sqrt{3} \)
\( =3\sqrt{2} \times 3 \)
\( =9\sqrt{2} \)
(2) \( (x+y-1)(x+y+1) \) を展開しなさい。
【解説】
\( x+y=A \) とすると,
与式 \( =(A-1)(A+1) \)
\( =A^2-1 \)
\( =(x+y)^2-1 \)
\( =x^2+2xy+y^2-1 \)
大問2
(1) \( a \) 円の黒ペン \( 5 \) 本と \( b \) 円の赤ペン \( 2 \) 本を買うと,代金は \( 1020 \) 円になる。このときの数量の間の関係を,等式で表しなさい。
【解説】
\( a \) 円の黒ペンを \( 5 \) 本買うときの代金は,\( 5a \)(円)
\( b \) 円の赤ペンを \( 2 \) 本買うときの代金は,\( 2b \)(円)
と表すことができ,これらの合計が \( 1020 \) 円なので,
\( 5a+2b=1020 \)
(2) 1次関数 \( y=5x+2 \) について,\( x \) の値が \( 1 \) から \( 4 \) まで増加するときの \( y \) の増加量を求めなさい。
【解説】
\( y=5x+2 \) について,
\( x=1 \) のときの \( y \) の値は,\( y=5 \times 1+2=7 \)
\( x=4 \) のときの \( y \) の値は,\( y=5 \times 4+2=22 \)
なので,\( y \) の増加量は,\( 22-7=15 \)
(3) 右の図で,3点 \( A,B,C \) は円 \( O \) の周上の点である。このとき,\( ∠x \) の大きさを求めなさい。
【解説】
\( △OBC \) は \( OB=OC \) の二等辺三角形なので,
\( ∠OCB=∠OBC=48° \) であり,
\( ∠BOC=180°-48° \times 2=84° \)
\( ∠BOC \) は \( \stackrel{\huge\frown}{ BC } \) に対する中心角,
\( ∠BAC \) は \( \stackrel{\huge\frown}{ BC } \) に対する円周角
なので,
\( ∠BAC=\dfrac{1}{2}∠BOC=42° \)
(4) 次のデータは,ある店の1日のケーキの販売数を9日間調べ,左から少ない順に整理したものである。このデー夕について,第3四分位数を求めなさい。
\( \fbox{76,85,88,98,102,114,118,122,143} \)(単位:個)
【解説】
全部で9個のデータなので,第3四分位数は値の小さい方から7番目と8番目の値の平均値になるので,
\( \dfrac{118+122}{2}=120 \)(個)
(5) 右の図に,円 \( O \) の周上の点 \( P \) を通る接線を作図しなさい。ただし,作図に用いた線は消さずに残しておきなさい。
【解答】
手順1 2点 \( O,P \) を通る直線を描く。
手順2 点 \( P \) を中心に円弧を描く。
(直線 \( OP \) との交点を \( A,B \) とします。)
手順3 2点 \( A,B \) を中心に円弧を描く。
(交点を \( C \) とします。)
2点 \( C,P \) を通る直線が求める接線になります。
【解説】
円の接線と円の中心を通る直線は,接点において垂直に交わります。
ここから,直線 \( OP \) の垂線を描けばいいことになります。
大問3
(1) 右の図のように,正六角形があり,1つの頂点を \( A \) とする。\( 1 \) から \( 6 \) までの目がある大小2つのさいころを同時に1回投げて,次の <操作> を行う。
ただし,それぞれのさいころについて,どの目が出ることも同様に確からしいものとする。
<操作>
・ \( A \) を出発して,大きいさいころの出た目の数だけ反時計回りに頂点を移動し,とまった位置を \( P \) と
する。
・ \( A \) を出発して,小さいさいころの出た目の数だけ時計回りに頂点を移動し,とまった位置を \( Q \) と
する。
例えば,大きいさいころの出た目の数が \( 2 \) で,小さいさいころの出た目の数が \( 3 \) であるとき,例のようになる。
➀ \( P \) と \( Q \) が同じ位置になる確率を求めなさい。
【解説】
頂点 \( A \) から反時計回りにそれぞれの頂点に \( B,C,D,E,F \) と名前をつけ,
大きいさいころ,小さいさいころの出た目によって,\( P \) と \( Q \) がどの頂点に移動するかを
書き出したものが下の図になります。
この図をもとに,大きいさいころ,小さいさいころの出た目の組み合わせを樹形図に書き出し,
同じ頂点に移動する組み合わせに ○ をつけてみます。
同じ頂点に移動するのは6通り,すべての組み合わせは36通りなので,
求める確率は,\( \dfrac{6}{36}=\dfrac{1}{6} \)

➁ 3点 \( A,P,Q \) を結んだ図形が二等辺三角形になる確率を求めなさい。
【解説】
正六角形 \( ABCDEF \) において,点 \( A \) を固定したときに二等辺三角形ができるのは,
\( △ABC,△ABF,△ACE,△AEF \) の4通りになります。
\( △ABC \) ができるのは,
\( P=B,Q=C \) または \( P=C,Q=B \)
の2通りになります。
\( △ABF,△ACE,△AEF \) ができる場合も,同様に2通りずつあるので,
全部で8通りになります。
よって,求める確率は, \( \dfrac{8}{36}=\dfrac{2}{9} \)
(2) 下の図のように,垂直に交わる半直線 \( OA,OB \) の間に,次の <作業> にしたがい,同じ大きさの正方形のタイルをしく。
<作業>
・ 点 \( O \) と半直線 \( OA,OB \) に辺が重なるように1枚のタイルをしいたものを,1番目の図形とする。
・ 次に,1番目の図形を囲むように新たなタイルをしき,全部で \( 4 \) 枚のタイルをしいたものを2番目の
図形とする。 続けて,2番目の図形を囲むように新たなタイルをしき,全部で \( 9 \) 枚のタイルを
しいたものを3番目の図形とする。
・ 1番目,2番目,3番目 ・・・ のように,規則的にタイルをしいて \( n \) 番目の図形をつくる。
下の図はこの <作業> にしたがい,タイルをしいたときの図である。ただし,タイル1枚を □ で表している。

➀ 23番目の図形は,全部で何枚のタイルがあるか求めなさい。
【解説】
1番目の図形 ・・・ \( 1 \times 1=1 \)(枚)
2番目の図形 ・・・ \( 2 \times 2=4 \)(枚)
3番目の図形 ・・・ \( 3 \times 3=9 \)(枚)
となっているので,
23番目の図形 ・・・ \( 23 \times 23=529 \)(枚)
➁ \( (n-1) \) 番目の図形を囲むように新たなタイルをしき,\( n \) 番目の図形をつくる。このとき,新たに必要なタイルの枚数は奇数である。
この理由を,\( n \) を使った式で表し,説明しなさい。ただし,\( n \) は \( 2 \) 以上の整数とする。
【解答】
\( (n-1) \) 番目の図形で並べられているタイルの枚数は,\( (n-1)^2 \) 枚,
\( n \) 番目の図形で並べられるタイルの枚数は,\( n^2 \) 枚,
と表すことができるので,
\( n \) 番目の図形をつくるために新たに必要なタイルの枚数は
\( n^2-(n-1)^2=n^2-(n^2-2n+1) \)
\( =2n-1 \)
と表すことができる。
\( n \) は \( 2 \) 以上の整数なので,\( 2n-1 \) は奇数である。
よって,新たに必要なタイルの枚数は奇数である。
大問4
3つの容器A,B,Cがある。A,Bには合わせて \( 820 \; mL \) の水が入っており,Cは空である。容器に入っている水の量について,Aの \( \dfrac{1}{4} \) とBの \( \dfrac{1}{3} \) をCに移す。水を移した後のCの水の量は,水を移した後のAの水の量より \( 60 \; mL \) 少なかった。
移した水はすべてCに入るものとし,水を移す前のAとBの水の量をそれぞれ求めなさい。
求める過程も書きなさい。
【解答】
水を移す前のAの水の量を \( x \; mL \),Bの水の量を \( y \; mL \) とし,
3つの容器の水の量の関係を連立方程式として解くと,
\( \left\{ \begin{array}{}
x+y=820 \;\; ・・・ \;\; ➀ \\
\dfrac{x}{4}+\dfrac{y}{3}=\dfrac{3}{4}x-60 \;\; ・・・ \;\; ➁ \\
\end{array} \right. \)
➁ \( \times 12 \) し,整理すると,
\( 3x+4y=9x-720 \)
\( 6x-4y=720 \)
\( 3x-2y=360 \) ・・・ ➁’
➀ \( \times 2 \) すると,
\( 2x+2y=1640 \) ・・・ ➀’
➁’\( + \)➀’
\( 5x=2000 \)
\( x=400 \)
➀に代入すると,
\( 400+y=820 \)
\( y=420 \)
よって,
水を移す前のAの水の量は,\( 400 \; mL \)
水を移す前のBの水の量は,\( 420 \; mL \)
大問5
コンピュータの画面に,画面1のような,2つの合同な長方形 \( ABCD \) と \( EFGH \) があり,点 \( B \) と点 \( E \) が,点 \( C \) と点 \( H \) がそれぞれ重なっている。
画面2は点 \( C(H) \) を固定し,\( H \) を中心として長方形 \( EFGH \) を時計回りに回転させている途中である。また,辺 \( AB \) と辺 \( EF \) との交点を \( I \) とする。
画面3は長方形 \( EFGH \) を回転させ続け,対角線 \( AC \) 上に点 \( E \) が,対角線 \( HF \) 上に点 \( B \) が同時に重なった場面である。
画面3のとき,\( EI=BI \) となることを証明しなさい。

【解答】
補助線 \( CI \) をひくと,
\( △CEI \) と \( △CBI \) において,
\( CI \) は共通 ・・・ ➀
長方形の内角なので,
\( ∠CEI=∠CBI \) ・・・ ➁
合同な長方形の重なり合う辺であったので,
\( EC=BC \) ・・・ ➂
➀➁➂より,
斜辺と他の1組の辺が等しい直角三角形なので,
\( △CEI≡△CBI \)
合同な三角形の対応する辺は等しいので,\( EI=BI \)
大問6
右の図のように,関数 \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) のグラフと直線 \( l \) があり,2点 \( A,B \) で交わっている。\( A,B \) の \( x \) 座標はそれぞれ \( -2,6 \) である。
このとき,次の(1)~(3)の問いに答えなさい。
(1) 点 \( A \) の \( y \) 座標を求めなさい。
【解説】
点 \( A \) は \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) 上の点で,
\( x \) 座標が \( -2 \) なので,
\( y=\dfrac{1}{4} \times (-2)^2=1 \)
(2) 2点 \( A,B \) を通る直線の式を求めなさい。
【解説】
点 \( B \) は \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) 上の点で,
\( x \) 座標が \( 6 \) なので,
\( y=\dfrac{1}{4} \times 6^2=9 \)
直線 \( AB \) は,2点 \( A(-2,1),B(6,9) \) を通るので,
傾き \( =\dfrac{9-1}{6-(-2)}=1 \)
直線 \( AB \) の式を \( y=x+b \) とし,
\( x=6,y=9 \) を代入すると,
\( 9=6+b \)
\( b=3 \)
よって,直線 \( AB \) の式は,\( y=x+3 \)
(3) 関数 \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) のグラフ上に点 \( P \) をとり,\( P \) の \( x \) 座標を \( t \) とする。ただし,\( 0<t<6 \) とする。
また,\( P \) を通り \( y \) 軸に平行な直線を \( m \) とする。\( m \) と \( l \) との交点を \( Q \),\( m \) と \( x \) 軸との交点を \( R \) とする。
\( QP=PR \) となる \( t \) の値を求めなさい。
【解説】
3点 \( P,Q,R \) の座標は,それぞれ
\( P \left( t,\dfrac{1}{4}t^2 \right),Q(t,t+3),R(t,0) \)
と表すことができるので,
\( QP=(t+3)-\dfrac{1}{4}t^2,PR=\dfrac{1}{4}t^2 \)
と表すことができます。
\( QP=PR \) であるとき,
\( (t+3)-\dfrac{1}{4}t^2=\dfrac{1}{4}t^2 \)
\( 4(t+3)-t^2=t^2 \)
\( 2t^2ー4t-12=0 \)
\( t^2ー2t-6=0 \)
\( t=\dfrac{2±\sqrt{4+24}}{2} \)
\( =1+\sqrt{7} \) ( \( 0<t<6 \) より)
大問7
右の図のような,底面が \( AB=DE=10 \; cm,AC=DF=8 \; cm \) の直角三角形で,高さが \( 3\sqrt{2} \; cm \) の三角柱がある。
辺 \( AB \) 上に \( AP:PB=1:2 \) となる点 \( P \) をとり,辺 \( DE \) 上に \( DQ:QE=1:2 \) となる点 \( Q \) をとる。
このとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。
(1) 辺 \( EF \) の長さを求めなさい。
【解説】
\( △DEF \) において,三平方の定理より,
\( EF^2=10^2-8^2=36 \)
\( EF=6 \; (cm) \) (\( EF>0 \) より)
(2) 点 \( P \) を通り辺 \( AC \) に平行な直線と辺 \( BC \) との交点を \( R \),点 \( Q \) を通り辺 \( DF \) に平行な直線と辺 \( EF \) との交点を \( S \) とする。
① 四角形 \( PRSQ \) の面積を求めなさい。
【解答】
\( 16\sqrt{2} \; cm^2 \)
【解説】
\( △QES \) と \( △DEF \) において,\( QS//DF \) より,
\( △QES \) ∽ \( △DEF \) なので,
\( QS:DF=QE:DE \)
\( QS:8=2:(2+1) \)
\( QS=\dfrac{16}{3} \; (cm) \)
\( △QES \) と \( △DEF \) についても同様なので,
\( PR=\dfrac{16}{3} \; (cm) \)
\( AB=DE,AP:PB=1:2,DQ:QE=1:2 \) より,\( AP=DQ \)
さらに,\( AB//DE \) でもあるので,
1組の向かい合う辺が平行で長さが等しいので,
四角形 \( APQD \) は平行四辺形であり。
\( PQ=AD=3\sqrt{2} \; cm \)
四角形 \( PRSQ \) は長方形なので,面積は,
\( \dfrac{16}{3} \times 3\sqrt{2}=16\sqrt{2} \; (cm^2) \)
➁ 線分 \( AS \) と線分 \( CQ \) の交点を \( T \) とするとき,5点 \( T,P,R,S,Q \) を結んでできる四角錐の体積を求めなさい。
【解答】
\( \dfrac{64\sqrt{2}}{15} \; cm^3 \)
【解説】
四角すい \( T-PRSQ \) は,
➀で底面 \( PRSQ \) の面積がわかっているので,
高さがわかれば体積を求めることができます。
\( T \) から面 \( BEFC \) に垂線をひき,
交点を \( U \) とすると,
四角すい \( T-PRSQ \) と四角すい \( U-PRSQ \) の
体積が等しくなります。
\( U \) から面 \( PRSQ \) に垂線をひき,
交点を \( V \) とすると,\( UV \) が高さとなるので,
\( UV \) を求めればいいことになります。
\( T \) は面 \( ACSQ \) 上の点なので,面 \( ACSQ \) に注目すると,
\( AC//QS \) より,\( △TAC \) ∽ \( △TSQ \) であり,
\( TA:TS=AC:SQ=8:\dfrac{16}{3}=3:2 \)
\( T \) から線分 \( CS \) に垂線をひき,交点を \( U \) とすると,
\( CU \) は \( △TAC \) の高さ,\( SU \) は \( △TSQ \) の高さ
と考えることができ.
相似な三角形は高さの比も相似比と等しいので,
\( CU:SU=3:2 \)
次に,\( △CRS \) に注目すると,
\( U \) から線分 \( RS \) に垂線をひき,交点を \( V \) とすると,
\( UV \) は,四角すい \( U-PRSQ \) の高さになります。
\( △SUV \) と \( △SCR \) において,
\( CR//UV \) なので,\( △SUV \) ∽ \( △SCR \) であり,
\( UV:CR=SU:SC \)
\( UV:2=2:(2+3) \)
\( UV=\dfrac{4}{5} \; (cm) \)
四角すい \( T-PRSQ \) と四角すい \( U-PRSQ \) の体積は等しいので,
その体積は,
\( 16\sqrt{2} \times \dfrac{4}{5} \times \dfrac{1}{3}=\dfrac{64\sqrt{2}}{15} \; (cm^3) \)