大問1
1 次の(1)~(5)の問いに答えなさい。
(1) \( 41-7 \times 5 \) を計算しなさい。
【解説】
\( =41-35 \)
\( =6 \)
(2) \( \dfrac{3}{4} \div \dfrac{9}{8}+\dfrac{1}{2} \) を計算しなさい。
【解説】
\( =\dfrac{3}{4} \times \dfrac{8}{9}+\dfrac{1}{2} \)
\( =\dfrac{2}{3}+\dfrac{1}{2} \)
\( =\dfrac{4}{6}+\dfrac{3}{6} \)
\( =\dfrac{7}{6} \)
(3) \( \sqrt{18}-\dfrac{2\sqrt{3}}{\sqrt{6}} \) を計算しなさい。
【解説】
\( =\sqrt{18}-\dfrac{\sqrt{12}}{\sqrt{6}} \)
\( =\sqrt{18}-\sqrt{2} \)
\( =3\sqrt{2}-\sqrt{2} \)
\( =2\sqrt{2} \)
(4) \( 72 \) の約数の中で,\( 8 \) の倍数となるものをすべて答えなさい。
【解説】
\( 72 \) の約数は,\( 1,2,3,4,6,8,9,12,18,24,36,72 \) なので,
この中で \( 8 \) の倍数は,\( 8,24,72 \)
【別解】
\( 72 \) を素因数分解すると,\( 2^3 \times 3^2=8 \times 3^2 \) になります。
\( 8 \) の倍数となる自然数は,\( 8 \times m \) ( \( m \) は自然数)と表せるので,
\( 8 \times 3^2 \) の中で,「3」を何個使うかになります。
「3」を使わないとき,\( 8 \times 3^0=8 \times 1=8 \)
「3」を1個だけ使うとき,\( 8 \times 3^1=8 \times 3=24 \)
「3」を2個とも使うとき,\( 8 \times 3^2=8 \times 9=72 \)
よって,\( 72 \) の約数の中で,\( 8 \) の倍数となるのは,\( 8,24,72 \)
(5) \( n \) がどのような自然数であっても \( 5 \) でわり切れる式を,下のア~エの中からすべて選び,記号で答えなさい。
ア \( n+5 \) イ \( 5n \) ウ \( 5n+1 \) エ \( 5n+10 \)
【解説】
\( n \) を使って表された式 \( A \) が,\( n \) がどのような自然数であっても \( 5 \) でわり切れるとき,
\( A \) は \( 5 \) に自然数をかけた数になっているので,
\( A=5m \) ( \( m \) は自然数)
の形で表すことができます。
イ ・・・ \( 5n \) なので,明確です。
エ ・・・ \( 5n+10=5(n+2) \) で,\( n \) が自然数のとき,\( (n+2) \) も自然数なので,
あてはまります。
【反例】
ア ・・・ \( n=1 \) のとき,\( n+5=1+5=6 \)
ウ ・・・ \( n=1 \) のとき,\( 5n+1=5 \times 1+1=6 \)
となり,どちらも \( 5 \) でわり切れません。
2 \( a(x-y)-bx+by \) を因数分解しなさい。
【解説】
\( =a(x-y)-b(x-y) \)
\( =(a-b)(x-y) \)
3 \( 10 \; \% \) の消費税がかかって \( 176 \) 円のノートがあります。このノートの本体価格 (税抜価格) を求めなさい。
【解説】
ノートの本体価格を \( x \) 円とすると,
\( x \times \left( 1+\dfrac{10}{100} \right)=176 \)
\( \dfrac{11}{10}x=176 \)
\( 11x=1760 \)
\( x=160 \)(円)
4 右の図のように,正三角形 \( ABC \) の辺 \( AB \) 上に点 \( D \) をとり,長方形 \( DCEF \) をつくります。\( ∠x \) の大きさを求めなさい。
【解説】
\( ∠ADC \) は \( △BCD \) の外角になっています。
正三角形の内角なので,\( ∠DBC=60° \) であり,
\( ∠BCD=∠ADC-∠DBC \)
\( =69°-60° \)
\( =9° \)
線分 \( AC \) と \( FE \) の交点を \( G \) とすると,
長方形の向かい合う辺は平行なので,
錯角は等しく,\( ∠GCD=∠EGC=x \)
正三角形の内角なので,\( ∠GCB=60° \) であり,
\( ∠GCD=∠GCB-∠BCD \)
\( x=60°-9° \)
\( =51° \)
5 赤玉がいくつか入っている箱があります。そこに白玉を \( 100 \) 個入れてからよくかき混ぜて,無作為に \( 40 \) 個取り出したところ,白玉が \( 4 \) 個ありました。 このとき,最初に箱の中にあった赤玉の個数を推定しなさい。
【解説】
標本調査では,母集団の中に含まれる調査対象の割合(比率)と標本の中に含まれる調査対象の割合(比率)は等しくなります。
母集団は箱の中に入っている玉の総数,標本は取り出した \( 40 \) 個の玉なので,
箱の中に入っている赤玉と白玉の比率と取り出した \( 40 \) 個の玉の赤玉と白玉の比率は等しくなります。
よって,最初に箱の中にあった赤玉の個数 \( x \) 個とすると,
\( x:100=36:4 \)
\( 4x=3600 \)
\( x=900 \)(個)
大問2
1 右の図のような正八面体があります。正八面体の辺の中から一辺を選び,その辺とねじれの位置にある辺の本数を調べます。このとき,正しいものを下のア~ウの中から1つ選び,記号で答えなさい。
ア どの辺を選んでも4本である。
イ 選ぶ辺によって4本の場合と5本の場合がある。
ウ どの辺を選んでも5本である。
【解説】
図から,一番上と下の点からそれぞれ4本の辺がのびています。
また,垂直方向に \( 90° \) 回転させた場合も,同様に一番上と下の点から4本の辺がのびています。
ここから,1本の辺だけについてねじれの位置にある辺の数を数えればいいことになります。
右の図のオレンジの辺に対してねじれの位置にある辺は
緑の辺の4本になります。
2 \( a<0,b>0 \) であるとき,3つの関数 \( y=ax+b,y=\dfrac{a}{x},y=\dfrac{b}{a}x^2 \) のグラフを同じ座標軸を使って表したものとして最も適当なものを,下のア~エの中から1つ選び,記号で答えなさい。

【解説】
\( a<0,b>0 \) であるとき,関数 \( y=ax+b \) において,傾きが負,\( y \) 切片が正なので,
あてはまるのは「ウ」と「エ」になります。
また,関数 \( y=\dfrac{b}{a}x^2 \) において,\( \dfrac{b}{a}<0 \) なので,上に凸(下に開いた)の放物線になります。
「ウ」と「エ」のうち,これにあてはまるのは「ウ」になります。
3 右の図のように,線分 \( AB \) を直径とする半円の \( \stackrel{\huge\frown}{ AB } \) 上に点 \( P \) があります。この半円の中心を \( O \) とし,\( \stackrel{\huge\frown}{ AP } \) 上の \( ∠POQ=30° \) となる点を \( Q \) とします。このとき,中心 \( O \) と点 \( Q \) を定規とコンパスを用いて作図しなさい。ただし,中心 \( O \) と点 \( Q \) の位置を示す文字 \( O,Q \) も書き入れ,作図に用いた線も残しておきなさい。
【解答】
手順1 2点 \( A,B \) を中心に円弧を描く。
(交点を \( C,D \) とします。)
手順2 2点 \( C,D \) を通る直線を描く。
手順2の直線と線分 \( AB \) との交点が
中心 \( O \) になります。
手順3 点 \( P \) を中心に線分 \( OP \) を半径とする
円弧を描く。
( \( \stackrel{\huge\frown}{ AB } \) との交点を \( E \) とします。)
手順4 2点 \( O,E \) を通る直線を描く。
手順5 点 \( O \) を中心に円弧を描く。
(線分 \( OE,OP \) との交点を \( F,G \) とします。)
手順6 2点 \( F,G \) を中心に円弧を描く。
(交点を \( H \) とします。)
手順7 2点 \( O,H \) を通る直線を描く。
手順7の直線と \( \stackrel{\huge\frown}{ AP } \) との交点が点 \( Q \) になります。
【解説】
【中心 \( O \) 】
中心 \( O \) は,直径 \( AB \) の中点になるので,直径 \( AB \) の垂直二等分線を描けばいいことになります。
【点 \( Q \) 】
\( 30° \) は \( 60° \) の半分であることに注目します。
\( \stackrel{\huge\frown}{ AP } \) 上に \( ∠POR=60° \) となる点 \( R \) をとると,
\( OP,OR \) はともに半径であることから,
\( △OPR \) は,頂角が \( 60° \) の二等辺三角形なので,
正三角形になります。
このとき,\( OP=PR \) なので,点 \( P \) を中心に
線分 \( OP \) を半径とする円弧を描くことで
\( ∠POR=60° \) となる点 \( R \) を求められます。
あとは,\( ∠POR \) の二等分線を描くことで,\( ∠POQ=30° \) となる点 \( Q \) を求めることができます。
4 右の図のように,紙コップAには \( 1,3,7 \) の数字が1つずつ書かれた3本の棒が入っており,紙コップBには \( 2,5,9 \) の数字が1つずつ書かれた3本の棒が入っています。紙コップAから1本,紙コップBから1本の棒を同時に取り出します。このとき,取り出した2本の棒に書いてある数の積が偶数となる確率を求めなさい。ただし,A,Bそれぞれの紙コップにおいて,どの棒を取り出すことも同様に確からしいものとします。
【解説】
紙コップAから選んだ棒に書かれた数と
紙コップBから選んだ棒に書かれた数の組み合わせとその積を表に書き出し,
偶数になるところに ○ をつけてみます。
積が偶数になる組み合わせは3通り,
すべての組み合わせは9通りなので,
求める確率は \( \dfrac{3}{9}=\dfrac{1}{3} \)
5 鹿児島の郷土料理である 「 がね」 (かき揚げ)を,さつまいもとにんじんを材料にしてつくりました。「がね」 をつくるために使ったさつまいもとにんじんの重さの合計は \( 240 \; g \) でした。また,各食品に含まれる食品 \( 100 \; g \) あたりの食物繊維の量は上の表のとおりであり,「がね」 をつくるために使ったさつまいもとにんじんには合わせて \( 5440 \; mg \) の食物繊維が含まれていたとすると,さつまいもとにんじんは,それぞれ何 \( g \) であったか求めなさい。ただし,さつまいもを \( x \; g \),にんじんを \( y \; g \) とおいて,その方程式と計算過程も書きなさい。なお,さつまいもとにんじんは皮がむいてある状態として考えるものとします。
【解答】
さつまいもの重さを \( x \; g \),にんじんの重さを \( y \; g \) として
使ったさつまいもとにんじんの重さ関係を方程式として表すと,
\( x+y=240 \)
使ったさつまいもとにんじんに含まれていた食物繊維の量を方程式として表すと,
\( \dfrac{x}{100} \times 2200+\dfrac{y}{100} \times 2400=5440 \)
これらを連立方程式として解くと,
\( \left\{ \begin{array}{}
x+y=240 \;\; ・・・ \;\; ➀ \\
\dfrac{x}{100} \times 2200+\dfrac{y}{100} \times 2400=5440 \;\; ・・・ \;\; ➁ \\
\end{array} \right. \)
➁を整理すると,
\( 11x+12y=2720 \) ・・・ ➁’
➀ \( \times 11 \) すると,
\( 11x+11y=2640 \) ・・・ ➀’
➁’\( – \)➀’
\( y=80 \)
➀に代入すると,
\( x+80=240 \)
\( x=160 \)
よって,
さつまいもの重さが \( 160 \; g \)
にんじんの重さが \( 80 \; g \)
大問3
鹿児島県は南北に約 600kmと広範囲におよんでいることから,気候は北と南で大きく異なります。県内各地域の様々な気温データをもとに作成した表や図について,次の1~4の問いに答えなさい。
1 表1は \( 2023 \) 年の名瀬 (奄美市) の月ごとの最低気温 \( (^\circ C) \) を表したものです。

名瀬 (奄美市)の月ごとの最低気温の中央値を求めなさい。ただし,小数第2位を四捨五入することとします。
【解説】
月ごとの最低気温を低い方から順番に並べ替えると,次のようになります。
\( 5.8 \hspace{5pt} 9.5 \hspace{5pt} 9.8 \hspace{5pt} 10.5 \hspace{5pt} 12.4 \hspace{5pt} 12.6 \hspace{5pt} 14.3 \hspace{5pt} 16.5 \hspace{5pt} 19.9 \hspace{5pt} 23.9 \hspace{5pt} 24.3 \hspace{5pt} 24.9 \)
全部で12個のデータを扱っているので,中央値になるのは5番目と6番目の値の平均値になります。
よって,中央値は,\( \dfrac{12.6+14.3}{2}=13.45 \)
小数第2位を四捨五入すると,\( 13.5 \; ^\circ C \)
2 表2は,\( 2002 \) 年と \( 2022 \) 年の鹿児島市の \( 8 \) 月の日ごとの最高気温のデータを整理した度数分布表です。この度数分布表をもとに \( 2002 \) 年のデータと \( 2022 \) 年のデータのそれぞれを階級の幅を変えたものを含めてヒストグラムに表したものとして誤っているものを,下のア~カの中から2つ選び,記号で答えなさい。

【解説】
ウ ・・・ 度数分布表から,\( 2002 \) 年の \( 27 \; ^\circ C \) 以上 \( 29 \; ^\circ C \) 未満,\( 29 \; ^\circ C \) 以上 \( 31 \; ^\circ C \) 未満,
\( 29 \; ^\circ C \) 以上 \( 33 \; ^\circ C \) 未満の各階級の度数の合計は \( 1+5+10=16 \)(日)ですが,
ヒストグラムでは \( 15 \) 日になっています。
オ ・・・ 度数分布表から,\( 2022 \) 年の \( 27 \; ^\circ C \) 以上 \( 29 \; ^\circ C \) 未満,\( 29 \; ^\circ C \) 以上 \( 31 \; ^\circ C \) 未満の
各階級の度数は,どちらも \( 0 \)(日)ですが,ヒストグラムでは \( 3 \) 日になっています。
3 図1は溝辺 (霧島市) の \( 1998 \) 年から \( 2022 \) 年までの \( 25 \) 年間の \( 9 \) 月と \( 10 \) 月の日ごとの午前 \( 0 \) 時の気温を整理し,度数分布表をもとに各階級の相対度数を度数折れ線で表したものです。また,コオロギの鳴き声の回数から気温を推測する方法があり,【手順】にしたがって求められます。たとえば,コオロギが \( 15 \) 秒間に鳴いた回数の平均が \( 19 \) 回のとき,計算式は \( (19+8) \times 5 \div 9=15 \) となり,気温は \( 15^\circ C \) と推測できます。次の(1),(2)の問いに答えなさい。

【手順】
① コオロギが鳴く回数を \( 15 \) 秒間数える。
② ①を数回繰り返して,その平均値を出す。
③ ②の値に \( 8 \) をたす。
④ ③の値に \( 5 \) をかけて \( 9 \) でわる。
(公益財団法人 日本科学協会 科学実験データベースによる)
(1) コオロギが \( 15 \) 秒間に鳴いた回数の平均が \( 28 \) 回であったとするとき,
【手順】によって求められる気温を求めなさい。
【解答】
\( 20 \; ^\circ C \)
【解説】
\( (28+8) \times 5 \div 9=20 \; (^\circ C) \)
(2) 午前 \( 0 \) 時に,(1)で求めた気温が溝辺で計測される確率が高いのは,\( 9 \) 月と \( 10 \) 月のどちらであると図1から判断できますか。\( 9 \) 月と \( 10 \) 月のどちらかを選び,そのように判断した理由を,図1をもとに説明しなさい。
【解答】
\( 9 \) 月
図1から,\( 9 \) 月の方が相対度数の値が大きいため。
【解説】
相対度数は,その階級の度数が全体(全階級の度数の合計)に対して占めている割合を表しています。
\( 9 \) 月は \( 30 \) 日まで,\( 10 \) 月は \( 31 \) 日まであり,調査対象となる日数が異なるため,
単純に度数だけを使って比較するのは適切ではありません。
相対度数を使って比較することで平等に比較することができます。
4 図2は,鹿児島県内6つの地点における気象台観測データをもとに,\( 2022 \) 年の \( 1 \) 月から \( 12 \) 月までの月ごとの最低気温を箱ひげ図で表したものです。なお,観測地点は北から南の順に上から並んでいます。

図2から読み取れることとして,次の①~④は, 「正しい」,「正しくない」,「図2からはわからない」 のどれですか。最も適当なものを下のア~ウの中からそれぞれ1つ選び,記号で答えなさい。
① 範囲が最も大きいのは大口で,四分位範囲が最も小さいのは与論島である。
ア 正しい イ 正しくない ウ 図2からはわからない
【解説】

【範囲(およその値で計算)】
大口 ・・・ \( 19-(-7)=\underline{26} \; (^\circ C) \) 鹿児島 ・・・ \( 24.2-0.2=22 \; (^\circ C) \),
志布志 ・・・ \( 21.8-(-2.2)=24 \; (^\circ C) \) 指宿 ・・・ \( 23-(-1)=24 \; (^\circ C) \),
屋久島 ・・・ \( 23.8-5.8=18 \; (^\circ C) \) 与論島 ・・・ \( 25.5-10.5=15 \; (^\circ C) \)
で,もっとも大きいのは,大口
【四分位範囲(およその値で計算)】
大口 ・・・ \( 13.5-(-4.2)=17.7 \; (^\circ C) \) 鹿児島 ・・・ \( 18-2.5=15.5 \; (^\circ C) \),
志布志 ・・・ \( 15.8-(-0.2)=16 \; (^\circ C) \) 指宿 ・・・ \( 17-1.8=15.2 \; (^\circ C) \),
屋久島 ・・・ \( 19-7=12 \; (^\circ C) \) 与論島 ・・・ \( 20.8-11.8=\underline{9} \; (^\circ C) \)
で,もっとも小さいのは,与論島
➁ 6つの観測地点を比較したとき,南に行けば行くほど,第1四分位数,中央値,第3四分位数は,それぞれ大きくなっている。
ア 正しい イ 正しくない ウ 図2からはわからない
【解説】
第一四分位数の値は,鹿児島が \( 2.5 \; ^\circ C \),志布志が \( -0.2 \; ^\circ C \) で,
志布志の方が小さいが,南にあるので正しくない。
➂ 大口では,最低気温が \( 0 \; ^\circ C \) 未満だった月が4つある。
ア 正しい イ 正しくない ウ 図2からはわからない
【解説】
最低気温が低い方から順に
A B C D E F G H I J K L
とします。
大口の第1四分位数は \( -4.2 \; ^\circ C \) なので,
A,B,Cの値は \( -4.2 \; ^\circ C \) 未満であるとわかります。
また,第1四分位数の値はCとDの平均値になるので,
\( \dfrac{C+D}{2}=-4.2 \)
\( C+D=-8.4 \)
となります。
Cの値が最小値の \( -7 \; ^\circ C \) であると仮定すると,
\( C+D=-8.4 \)
\( -7+D=-8.4 \)
\( D=-1.4 \; (^\circ C) \)
なので,Dの値は \( -1.4 \; ^\circ C \) 未満であるとわかります。
ここまでで最低気温が \( 0 \; ^\circ C \) 未満だった月が「4つ以上」あることはわかりますが,
Eの値が \( -1.4 \; ^\circ C \) 以上 \( 2.2 \; ^\circ C \) 未満のどこにあるかが判断できないため,
最低気温が \( 0 \; ^\circ C \) 未満だった月が「4つ」であるかは図2からはわかりません。
➃ 最低気温が \( 2 \; ^\circ C \) 未満だった月が3つ以上あるのは,大口と志布志のみである。
ア 正しい イ 正しくない ウ 図2からはわからない
【解説】
全部で12か月分のデータを集計しているので,
第一四分位数の値は値の小さい方から3番目と4番目の値の平均値になります。
ここから,第一四分位数の値が \( 2 \; ^\circ C \) 未満であれば,
最低気温が \( 2 \; ^\circ C \) 未満だった月が3つ以上あるといえます。
最低気温が \( 2 \; ^\circ C \) 未満になっているのは,
大口,志布志と指宿もあてはまるので,正しくありません。
大問4
マオさんは,\( S \) 地点から \( G \) 地点までのコースで駅伝の練習をしています。また,マオさんが \( S \) 地点を出発したあとに,監督を乗せた伴走用の自動車が \( S \) 地点を出発します。さらにマオさんが \( P \) 地点を通過してしばらくしてからドローン(無人航空機) を飛ばし,マオさんの走っているようすを \( 30 \) 秒間撮影します。ドローンが \( P \) 地点の真上を出発してから \( x \) 秒間に進む距離を \( y \; m \) とおくと,\( 0≦x≦30 \) の範囲では \( y=\dfrac{1}{6}x^2 \) の関係があります。図1は自動車の先端が \( P \) 地点を通過するときの,マオさん,ドローンの位置関係を表しています。ただし,\( PQ \) 間は \( 900 \; m \) のまっすぐで平らな道路とし,ドローンは一定の高度を保ちながら 道路の真上をまっすぐ飛行するものとします。次の1~3の問いに答えなさい。

1 図2のア~エのうち,関数 \( y=\dfrac{1}{6}x^2 \) のグラフ上にある点はどれですか。図2のア~エから1つ選び,記号で答えなさい。

【解説】
ア ・・・ \( y=\dfrac{1}{6}x^2 \) に \( x=12 \) を代入すると,
\( y=\dfrac{1}{6} \times 12^2=24 \)
なので,あてはまりません。
イ ・・・ \( y=\dfrac{1}{6}x^2 \) に \( x=18 \) を代入すると,
\( y=\dfrac{1}{6} \times 18^2=54 \)
なので,あてはまります。
ウ ・・・ \( y=\dfrac{1}{6}x^2 \) に \( x=24 \) を代入すると,
\( y=\dfrac{1}{6} \times 12^2=96 \)
なので,あてはまりません。
エ ・・・ \( y=\dfrac{1}{6}x^2 \) に \( x=30 \) を代入すると,
\( y=\dfrac{1}{6} \times 30^2=150 \)
なので,あてはまりません。
2 ドローンを出発させて \( 10 \) 秒後から \( 20 \) 秒後までの間のドローンの平均の速さは秒速何 \( m \) か求めなさい。
【解説】
ドローンの平均の速さは,\( y=\dfrac{1}{6}x^2 \) における
\( x=10 \) から \( x=20 \) までの変化の割合として表れます。
\( x=10 \) のとき,\( y \) の値は,
\( y=\dfrac{1}{6} \times 10^2=\dfrac{50}{3} \)
\( x=20 \) のとき,\( y \) の値は,
\( y=\dfrac{1}{6} \times 20^2=\dfrac{200}{3} \)
なので,変化の割合は,
\( \dfrac{\dfrac{200}{3}-\dfrac{50}{3}}{20-10}=5 \)
よって,\( 10 \) 秒後から \( 20 \) 秒後までの間のドローンの平均の速さは秒速 \( 5 \; m \) になります。
3 図1のように,自動車の先端が \( P \) 地点を通過すると同時に,\( P \) 地点の真上からドローンを出発させました。このとき,マオさんは \( P \) 地点から \( 54 \; m \) 進んだところを秒速 \( 3 \; m \) の一定の速さで走っていました。次の(1),(2)の問いに答えなさい。
(1) ドローンがマオさんに追いつくのは,\( P \) 地点の真上を出発してから何秒後か求めなさい。ただし,ドローンが \( P \) 地点の真上を出発してから \( t \) 秒後のこととして,\( t \) についての方程式と計算過程も書きなさい。
【解答】
マオさんが走っている状態を表す式は,\( y=3x+54 \) となるので,
\( t \) 秒間に進む距離は \( (3t+54) \; m \)
ドローンが \( t \) 秒間に進む距離は \( \dfrac{1}{6}t^2 \; m \; (0≦t≦30) \)
ドローンがマオさんに追いつくとき,
\( 3t+54=\dfrac{1}{6}t^2 \)
\( 18t+324=t^2 \)
\( t^2-18t-324=0 \)
\( (t-9)^2-81-324=0 \)
\( (t-9)^2=405 \)
\( (t-9)=±9\sqrt{5} \)
\( t=9±9\sqrt{5} \)
\( 0≦t≦30 \) より,\( t=9+9\sqrt{5} \)
よって,ドローンがマオさんに追いつくのは,\( P \) 地点の真上を出発してから \( 9+9\sqrt{5} \) 秒後
(2) 自動車に乗っている監督が「自己ベスト更新のために,もう少しペースを上げようか。」とマオさんの後ろからアドバイスをしました。自動車は,\( PQ \) 間を秒速 \( 4.8 \; m \) の一定の速さで走行するものとし,マオさんが自動車に追いつかれた地点を \( R \) 地点とします。マオさんが \( R \) 地点からペースを上げて一定の速さで \( RQ \) 間を \( 180 \) 秒で走るためには,秒速何 \( m \) で走ればよいか求めなさい。
【解説】
自動車が走行している状態を表す式は \( y=4.8x \) となります。
自動車がマオさんに追いついたとき,走った距離は等しいので,
\( 4.8x=3x+54 \)
\( 1.8x=54 \)
\( x=30 \)
これを \( y=3x+54 \) に代入すると,
\( y=3 \times 30+54=144 \; (m) \)
となり,\( PR \) 間の距離は,\( 144 \; m \) です。
ここから,\( RQ \) 間の距離は,\( 900-144=756 \; (m) \) であり,
これを \( 180 \) 秒で走るので,このときの速さは,
\( \dfrac{756}{180}=\dfrac{21}{5}=4.2 \)
となり,秒速 \( 4.2 \; m \) になります。
大問5
ユウさんとレンさんは,授業の中でコンピュータソフトを使って,図形のもつ性質や関係について調べています。下の【会話】は,授業のある場面での会話です。次の1~3の問いに答えなさい。
【会話】
先生:それでは,鋭角三角形 \( ABC \) について考えてみましょう。この \( △ABC \) に図形や直線などを
加えてみてください。
ユウ:\( △ABC \) の外側に図形を付け加えてみようかな。
レン:三角形の外側に正方形を付け加えた図形を見たことがあったよね。今回は正三角形にしてみようよ。
先生:いいですね。それでは,作図してみましょうか。\( △ABC \) の各辺を一辺とする3つの正三角形
\( BAF,CBD,ACE \) を \( △ABC \) の外側に付け加えると,図1のようになりました。何か
気づいたことはありますか。

ユウ:図1の図形に3つの線分 \( AD,BE,CF \) をひくと1点で交わったよ。しかも,\( △ABC \) の
各頂点を動かしてみても、いつでも1点で交わるんだよね。図2のように,この点を \( G \) と
おいてみたよ。

レン:私は,図1の正三角形の各頂点を通る円をそれぞれかいてみたら,図3のように,3つの円も
1点で交わることがわかったよ。

ユウ:もしかしたら・・・・。ほら見て。レンさんがかいた3つの円を図2にかき加えると,図4の
ように,レンさんのみつけた交点が点 \( G \) と一致したよ。

レン:本当だ。しかも \( △ABC \) の各頂点を動かしてみても,私がみつけた交点と,点 \( G \) は一致したままだ。
先生:2人とも,面白い点を発見しましたね。この点 \( G \) の性質を探っていきましょう。
1 \( ∠CGD \) の大きさを求めなさい。
【解説】
会話の内容から,
4点 \( B,G,C,D \) は同一円周上の点です。
右の図のとおり,
\( ∠CBD,∠CGD \) は \( \stackrel{\huge\frown}{ CD } \) に対する円周角なので,
\( ∠CGD=∠CBD=60° \)
2 下は,授業の続きの場面です。 (a) ~ (e) に入る最も適当なものを,選択肢のア~シからそれぞれ1つずつ選び,記号で答えなさい。ただし, (c) には同じ記号が入るものとします。
先生:点 \( G \) に関して,次の式が成り立ちます。
\( AG+BG+CG=AD \) ・・・ ➀
では,この ➀ が成り立つことを示してみましょう。まずは図5を見てください。
図5の点 \( H \) は,\( △GHD \) が正三角形となるように半直線 \( GB \) 上にとった点です。
次の ➁ が成り立つことを証明しましょう。
\( △BHD≡△CGD \) ・・・ ➁

【 証明 】
\( △BHD \) と \( △CGD \) において
(a) は正三角形であるから,
\( BD=CD \) ・・・ ①
(b) は正三角形であるから,
\( HD=GD \) ・・・ ②
また, \( ∠BDH= \) (c) , \( ∠CDG= \) (c)
よって,\( ∠BDH=∠CDG \) ・・・③
①,②,③ より,
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいから,
\( △BHD≡△CGD \)
② が成り立つことにより,
\( AG+BG+CG=AG+BG+ \) (d)
\( =AG+ \) (e)
\( =AG+GD \)
\( =AD \)
となり,➀ が成り立つことを示せました。
【選択肢】
ア \( △GHD \) イ \( △ACE \) ウ \( △FBA \) エ \( △BDC \)
オ \( △BEA \; \) カ \( △CEB \) キ \( 60°-∠BDG \) ク \( 15°+∠GBC \)
ケ \( AC \; \) コ \( BH \) サ \( GE \; \) シ \( GH \)
【解答】
(a) ・・・ エ \( △BDC \)
(b) ・・・ ア \( △GHD \)
(c) ・・・ キ \( 60°-∠BDG \)
(d) ・・・ コ \( BH \)
(e) ・・・ シ \( GH \)
3 ユウさんとレンさんは,図6のような \( AG=4,BG=5,CG=3 \) となる \( △ABC \) をみつけました。このとき,次の(1)~(3)の問いに答えなさい。

(1) \( GD \) の長さを求めなさい。
【解説】
会話の中で \( AG+BG+CG=AG+GD \) であることがわかっています。
ここに,\( AG=4,BG=5,CG=3 \) を代入すると,
\( 4+5+3=4+GD \)
\( GD=8 \)
(2) \( CD \) の長さを求めなさい。ただし,求め方や計算過程も書きなさい。
【解答】
点 \( C \) から線分 \( GD \) に垂線をひき,
交点を \( I \) とすると,
1より,\( ∠CGD=60° \) なので,
\( △CGI \) は \( 30°,60°,90° \) の直角三角形であり,
\( GI=\dfrac{1}{2}CG=\dfrac{3}{2} \)
\( CI=\dfrac{\sqrt{3}}{2}CG=\dfrac{3\sqrt{3}}{2} \)
(1)より,\( GD=8 \) なので,
\( ID=GD-GI=\dfrac{13}{2} \)
\( △CDI \) において,三平方の定理より,
\( CD^2=\left( \dfrac{3\sqrt{3}}{2} \right)^2+\left( \dfrac{13}{2} \right)^2=49 \)
\( CD=7 \; (CD>0) \)
(3)\( △BDC \) の面積を \( S \),\( △ACE \) の面積を \( T \) とするとき,\( S:T \) を最も簡単な整数の比で表しなさい。
【解説】
\( △ACI \) において,\( AG=4,GI=\dfrac{3}{2} \) より,
\( AI=\dfrac{11}{2} \) なので,三平方の定理より,
\( AC^2=\left( \dfrac{3\sqrt{3}}{2} \right)^2+\left( \dfrac{11}{2} \right)^2=37 \)
\( AC=\sqrt{37} \; (CE>0) \)
\( △BDC \) と \( △ACE \) はどちらも正三角形なので,
相似であり,相似比は \( CD:AC=7:\sqrt{37} \)
相似な三角形の面積比は相似比の2乗の比と等しいので,
\( S:T=7^2:(\sqrt{37})^2=49:37 \)