長野県公立高校入試 令和7(2025)年度 解答&解説

大問1

(1) \( 5+(-4) \) を計算しなさい。

【解答】
\( 1 \)
【解説】
\( =5-4 \)
\( =1 \)

 

(2) \( 2x+3+2(3x+1) \) を計算しなさい。

【解答】
\( 8x+5 \)
【解説】
\( =2x+3+6x+2 \)
\( =8x+5 \)

 

(3) 連立方程式 \( \left\{ \begin{array}{} 3x+7y=8 \\ x+2y=2 \\ \end{array} \right. \) を解きなさい。

【解答】
\( x=-2,y=2 \)
【解説】
\( \left\{ \begin{array}{} 3x+7y=8 \;\; ・・・ \;\; ➀ \\ x+2y=2 \;\; ・・・ \;\; ➁ \\ \end{array} \right. \)
➁ \(  \times 3 \) すると,
 \( 3x+6y=6 \) ・・・ ➁’
➀ \( – \) ➁’すると,
 \( y=2 \)
➁ に代入すると,
 \( x+2 \times 2=2 \)
   \( x+4=2 \)
     \( x=-2 \)

 

(4) \( \sqrt{9-a} \) の値が自然数となるような自然数 \( a \) を,すべて求めなさい。

【解答】
\( a=5,8 \)
【解説】
\( \sqrt{n} \) の値が自然数となるのは,\( n=m^2 \)( \( m \) は自然数)と表せるときなので,
\( 9-a=m^2 \)( \( m \) は自然数)と表せるような自然数 \( a \) を求めればいいことになります。

\( \sqrt{9-a} \) の値が自然数になることから,\( \sqrt{ } \) の中の数は \( 0 \) より大きい数になるので,\( 0<9-a \)
( \( 0 \) は自然数ではないので,\( \sqrt{0}=0 \) より \( 9-a=0 \) にはなりません。)
また,\( a \) が自然数であることから,\( 9-a<9 \)
ここから,\( 9-a \) が取り得る値の範囲は \( 0<9-a<9 \) となります。

\( 0≦9-a<9 \) 中で \( 9-a=m^2 \)( \( m \) は自然数)の形で表せるのは,
 \( 9-a=1 \; (=1^2) \)
 \( 9-a=4 \; (=2^2) \)
の2通りなので,
 \( 9-a=1 \)となるときの \( a \) の値は,\( a=8 \)
 \( 9-a=4 \)となるときの \( a \) の値は,\( a=5 \)

 

(5) 二次方程式 \( 2x^2+3x-1=0 \) を解きなさい。

【解答】
\( x=\dfrac{-3±\sqrt{17}}{4} \)
【解説】
解の公式より,
 \( x=\dfrac{-3±\sqrt{3^2-4 \times 2 \times (-1)}}{2 \times 2} \)
  \( =\dfrac{-3±\sqrt{17}}{4} \)

 

(6) 正の整数 \( a \) を \( 7 \) で割ったときの商を \( b \),余りを \( c \) とする。このとき,\( a,b,c \) の関係を表した等式として正しいものを,次の から1つ選び,記号を書きなさい。

    [  \( \dfrac{a}{7}=b+c \)    \( a=7b+c \)    \( 7a=b+c \)    \( \dfrac{a+c}{7}=b \)  〕

【解答】
 \( a=7b+c \)
【解説】
わり算の結果は,「割られる数 \( = \) 割る数 \( \times \) 商 \( + \) 余り」で表すことができるので,
 \( a=7 \times b+c \)
 \( a=7b+c \)

 

(7) 関数 \( y=-3x^2 \) について,\( x \) の変域が \( -2≦x≦1 \) のとき,\( y \) の変域を求めなさい。

【解答】
\( -12≦y≦0 \)
【解説】

\( y=ax^2 \; (a<0) \) において,\( x \) の変域が \( 0 \) を含むとき,
\( y \) の値は最大値をとり,\( y=0 \) になります。
また,\( x \) の絶対値が最も大きいとき,\( y \) の値は最小値をとります。
\( -2≦x≦1 \) において,
\( x \) の絶対値が最も大きいのは \( x=-2 \) のときなので,
\( x=-2 \) のときの \( y \) の値は,
 \( y=-3 \times (-2)^2-12 \)
よって,\( y \) の変域は \( -12≦y≦0 \)

 

(8) \( y \) は \( x \) に反比例し,\( x=2 \) のとき \( y=-2 \) である。この \( x \) と \( y \) の関係を表すグラフは,の形で表されるか,次の から1つ選び,記号を書きなさい。

【解答】

【解説】
のグラフのうち,反比例を表しているグラフは です。
この中で,座標 \( (x,y)=(2,-2) \) を通っているのは になります。

 

(9) 図1において、 点 \( A,B,C \) は 円 \( O \) の円周上の点である。このとき,\( ∠x \) の大きさを求めなさい。

【解答】
\( ∠x=50° \)

【解説】

\( ∠BAC=40° \) は \( \stackrel{\huge\frown}{ BC } \) に対する円周角,
\( ∠BOC \) は \( \stackrel{\huge\frown}{ BC } \) に対する中心角なので,
 \( ∠BOC=2∠BAC=80° \)

線分 \( OB,OC \) は円 \( O \) の半径であることから,\( △OBC \) は二等辺三角形なので,
 \( ∠x=\dfrac{180°-∠BOC}{2}=50° \)

 

(10) 図2のように、直線 \( ℓ \) 上に2点 \( O,P \) がある。点 \( O \) を回転の中心として,点 \( P \) を時計まわりに \( 30° \) だけ回転移動させた点 \( Q \) を,定規とコンパスを使って作図しなさい。ただし,点 \( Q \) を表す文字 \( Q \) も書き,作図に用いた線は消さないこと。

【解答】

手順1 2点 \( O,P \) を中心に線分 \( OP \) を
    半径とする円弧を描く
    (交点を \( A \) とします)
手順2 2点 \( O,A \) を通る直線を描く
手順3 2点 \( A,P \) を中心に円弧を描く
    (交点を \( B \) とします)
手順4 2点 \( O,B \) を通る直線を描く

手順1の円弧 \( AP \) と手順4の直線の交点が求める点 \( Q \) になります。

【解説】
点 \( Q \) は,「点 \( O \) を回転の中心として,点 \( P \) を時計まわりに \( 30° \) だけ回転移動させた点」なので,
線分 \( OP \) を半径とする円 \( O \) の円周上の点であることがわかります。

また,\( 30° \) という角は,\( 60° \) の半分の大きさなので,
\( 60° \) の角の二等分線を描くことで \( 30° \) の角を作図できます。
\( 60° \) の角は正三角形を描くことで作図できます。

以上から,線分 \( OP \) を1辺とする正三角形を描き,
その内角の二等分線を作図することで点 \( Q \) を作図できます。

 

(11) 2つのさいころを同時に投げるとき,出る目の数の積が \( 12 \) になる確率を求めなさい。ただし,どの目の出方も同様に確からしいものとする。

【解答】
\( \dfrac{1}{9} \)
【解説】

2つのさいころをA,Bとして,2つのさいころの出る目の組み合わせとその積を表に書き出し,
積が \( 12 \) になるところに をつけると,
右のようになります。

全ての組み合わせは \( 36 \) 通り,
積が \( 12 \) になる組み合わせは \( 4 \) 通りなので,
求める確率は \( \dfrac{4}{36}=\dfrac{1}{9} \)

 

(12) ある中学校では,年に3回,地域でのボランティア活動が行われている。表は,1年生全員の,ボランティア活動に参加した回数の調査結果をまとめたものであるが,一部が消えてしまった。回数が3回の生徒数を求めなさい。

【解答】
\( 12 \) 人
【解説】

度数分布表では,すべての階級の相対度数の合計は
必ず \( 1 \) になります。
3回の階級の相対度数を \( x \) とすると,
 \( 0,15+0,40+0,25+x=1 \)
             \( x=0,20 \)

また,ある階級の相対度数は
 ある階級の相対度数 \( = \) その階級の度数 \( \div \) すべての階級の度数の合計
で求められます。
1年生全員の生徒数を \( y \) 人とし,1回の階級に注目すると,
 \( \dfrac{24}{y}=0,40 \)
  \( y=\dfrac{24}{0,40}=60 \)(人)

3回の階級の生徒数を \( z \) 人とすると,
 \( \dfrac{z}{60}=0,20 \)
  \( z=12 \)(人)

 

大問2

 花さんと優さんは,2人で生徒会企画の「紙飛行機チャレンジ」に出場しようと考えている。2人は,自作の紙飛行機A,Bのうち,どちらを使うか検討するため,それぞれ \( 25 \) 回飛ばし,飛距離を測定した。表は,A,Bそれぞれの測定結果について,まとめたものである。また,図1は,A,Bそれぞれの測定結果について,箱ひげ図に表したものである。

(1) 表の  あ  に当てはまる数を書きなさい。

【解答】
\( 340 \)
【解説】
範囲は
 範囲 \( = \) 最大値 \( – \) 最小値
で求められるので,
Bの最小値を \( x \; cm \) とすると,
 \( 800-x=460 \)
     \( x=340 \; (cm) \)

 

(2) 花さんは,表と図1からわかることを次の文にまとめた。 い  う  に当てはまる言葉の組み合わせとして最も適切なものを,下の から1つ選び,記号を書きなさい。

四分位範囲は,Aの方がBより  い 。このことから,散らばりの程度は,Aの方がBより
 う  といえる。

    い  ・・・ 大きい    う  ・・・ 大きい
    い  ・・・ 大きい    う  ・・・ 小さい
    い  ・・・ 小さい    う  ・・・ 大きい
    い  ・・・ 小さい    う  ・・・ 小さい

【解答】
  い  ・・・ 小さい    う  ・・・ 小さい
【解説】

四分位範囲の大きさは,箱ひげ図の箱の部分の
長さが長い(高さが高い)ほど大きくなります。

箱ひげ図から,Aの方がBより箱の部分の高さは低いので,四分位範囲は小さいと判断できます。

また,四分位範囲の中(箱の中)には全体の約50%の個数の値が含まれます。

つまり,Aの方がBより小さい箱の中に13個の値を含んでいるので,それぞれの値の散らばりの程度も小さいといえます。

 

(3) 優さんは,表と図1から,Bを「紙飛行機チャレンジ」に使おうと考え,その理由を次のようにまとめた。優さんがまとめたことが正しくなるように, え  お  に当てはまる最も適切なものを,下の ア~オ から1つずつ選び,記号を書きなさい。

〔優さんがまとめたこと〕
Bの中央値とAの第3四分位数をくらべると, え  の方が小さい。Bの中央値である \( 683 \; cm  \) を基準にすると,それ以上飛んだ回数が,Bは \( 13 \) 回以上あり,Aは最大でも  お  回である。このことから,Bの方が飛距離が長い傾向にあるので,Bを使うとよいと考える。

〔  Bの中央値    Aの第3四分位数    \( 5 \)     \( 6 \)     \( 7 \) 〕

【解答】
 え  ・・・  Aの第3四分位数
 お  ・・・  \( 6 \)
【解説】
2つの紙飛行機は,どちらも \( 25 \) 回ずつ飛距離を測定したので,
中央値になるのは,大きい(小さい)方から \( 13 \) 番目の値になります。

第3四分位数は,大きい方から \( 6 \) 番目と \( 7 \) 番目の値の平均値になります。
このとき,\( 7 \) 番目の値は,第3四分位数の値以下になっています。
Aの箱ひげ図では,第3四分位数は,\( 683 \; cm \) より小さい値なので,
大きい方から \( 7 \) 番目の値は \( 683 \; cm \) より小さい値であることがわかります。
つまり,\( 683 \; cm  \) 以上の値になる可能性があるのは,大きい方から \( 6 \) 番目の値までになります。

2つの数m,n(m≦n)とその平均値Aとの関係
2つの数 \( m,n \; (m≦n) \) の平均値を \( A \) とするときの
\( m \) と \( A \) との関係を考えてみます。

● \( m=n \) の場合
2つの数 \( m,n \; (m≦n) \) の平均値 \( A \) は,
 \( A=\dfrac{m+n}{2} \)
と表すことができるので,
\( m=n \) より,\( n \) を \( m \) におきかえると。
 \( A=\dfrac{m+n}{2} \)
  \( =\dfrac{m+m}{2} \)
  \( =m \)
より,\( A=m \) になります。

● \( m<n \) の場合
\( m<n \) より,\( n=m+a \; (a>0) \) とし,
\( n \) を \( m+a \) におきかえると。
 \( A=\dfrac{m+n}{2} \)
  \( =\dfrac{m+(m+a)}{2} \)
  \( =\dfrac{2m+a}{2} \)
  \( =m+\dfrac{a}{2} \)
であり,\( a>0 \) より,\( m+\dfrac{a}{2}>m \) なので,
\( A>m \) になります。

以上より,2つの数 \( m,n \; (m≦n) \) の平均値を \( A \) とするとき,
\( A≧m \) になります。

 

 海さんは,\( 1122 \) のように千の位と百の位が同じ数で,十の位と一の位が同じ数の4けたの正の整数について,どのような性質があるか考えた。海さんは,いくつかの数について調べたことから,次のように予想した。

[海さんの予想]
\( 1122=11 \times 102,5533 = \)  か  \(  \times  \)  き  であるので,\( 1122,5533 \) は \( 11 \times  \) 整数になっている。このことから,千の位と百の位が同じ数で,十の位と一の位が同じ数の4けたの正の整数は,いつも \( 11 \) の倍数になる。

(1) 海さんの予想が成り立つように, か  き  に当てはまる最も適切な数を書きなさい。

【解答】
 か  ・・・ \( 11 \)
 き  ・・・ \( 503 \)

 

(2) 下線部①が正しいことは,文字式を使って,\( 11 \times  \) 整数の形に表すことで次のように説明できる。\( \boxed{      } \) に続きを書き,正しい説明を完成させなさい。

4けたの正の整数の千の位と百の位の数を \( a \),十の位と一の位の数を \( b \) とすると,この数は,\( 1000a+100a+10b+b \) と表される。
この式をまとめると,
 \( \boxed{ 1000a+100a+10b+b                                            \\=  \\  \\ } \)
したがって,千の位と百の位が同じ数で,十の位と一の位が同じ数の4けたの正の整数は,
\( 11 \) の倍数である。
【解答】
 \( 1000a+100a+10b+b \)
\( =1100a+11b \)
\( =11(100a+b) \)
\( a,b \) はどちらも整数なので,\( 100a+b \) も整数であり,
\( 11(100a+b) \) は, \( 11 \) の倍数である。

 

 図2のように,立方体Pと正四角錐Qがある。P,Qともにすべての辺の長さは \( 12 \; cm  \) である。陸さんと緑さんは,PとQの体積をくらべたとき,どのようなことがいえるか,会話をしている。


会話文
陸:Qの体積は,Pの体積の \( \dfrac{1}{3} \) だね。
緑:Qの体積は,Pの体積の \( \dfrac{1}{3} \) より小さいのではないかな。なぜな
  ら,Qの高さは, \( 12 \; cm \) より  く  からだよ。Qにおいて,
  底面と交わる4つの辺が、底面に  け  ではないからね。
陸:そうか。だから,Qの体積は,Pの体積の \( \dfrac{1}{3} \) より小さいんだね。


(1) 下線部 ②が正しくなるように, く  け  に当てはまる適切な言葉を,それぞれ書きなさい。

【解答】
 か  ・・・ 低い
 き  ・・・ 垂直
【解説】
立方体の体積は,底面積 \(  \times  \) 高さ
四角すいの体積は,底面積 \( \times \) 高さ \( \times \dfrac{1}{3} \)
で求めることができます。
PとQの底面はどちらも1辺 \( 12 \; cm \) の正方形で面積は等しいので,
Qの高さがPと等しい \( 12 \; cm \) のとき,Qの体積は,Pの体積の \( \dfrac{1}{3} \) になります。

正四角錐Qの各頂点に名前を付けて,\( O-ABCD \) とします。
正四角錐Qの断面 \( △OAC \) について考えると,\( OA=12 \; cm \) であり,
点 \( A \) から垂直に伸ばした \( 12 \; cm \) の線分を \( O’A \) とするとき,
線分 \( OA \) は線分 \( O’A \) を点 \( A \) を中心に回転移動させたものになっています。
Qの高さを \( h \) とするとき,\( h<12 \) になるので,
Qの体積は,Pの体積の \( \dfrac{1}{3} \) より小さくなります。

 

(2) 体積がPの体積の \( \dfrac{1}{3} \) と等しい正四角錐Rをつくる。Rの底面が1辺 \( 12 \; cm  \) の正方形であるとき,ほかの1辺の長さを求めなさい。

【解答】
\( 6\sqrt{6} \; cm \)
【解説】
正四角錐Rを \( O-EFGH \),底面の対角線の交点を \( I \) とすると,
線分 \( OI \) が高さであり,\( OI=12 \; cm \) になります。
また,断面 \( △OEG \) について考えると,
\( EG \) は1辺 \( 12 \; cm  \) の正方形の対角線なので,\( EG=12\sqrt{2} \; cm \)
正方形の対角線は中点で交わるので,\( EI=6\sqrt{2} \; cm \)
になっています。

\( △OEG \) において,三平方の定理より,
 \( OE^2=(6\sqrt{2})^2+12^2=216 \)
  \( OE=6\sqrt{6} \; (cm) \)

 

大問3

 晴さんは,水筒に入れたお湯の温度が,時間にともなってどのように変化していくのか興味をもち,調べた。水筒にお湯を入れてから \( x \) 時間後のお湯の温度を \( y \; ^\circ  C \) として,\( x \) と \( y \) の関係を表にまとめた。表で,対応する \( x \) と \( y \) の値の組を座標とする点をとると,図1のようになった。

晴さんは,図1から,次のように考えた。

[晴さんの考え1]
図1の5つの点が,ほぼ  あ  上に並んでいるので,\( y \) は \( x \) の一次関数とみることができる。

(1) 晴さんの考えが正しくなるように, あ  に当てはまる適切な言葉を書きなさい。

【解答】
 あ  ・・・ 一直線
【解説】
表から,\( x \) の値が \( 1 \) 増えるごとに \( y \) の値はおよそ \( 4 \) ずつ減っているので,
図1の5つの点は,ほぼ一直線上に並んでいるといえます。

   

 

晴さんは,\( 4 \) 時間を超えてもお湯の温度が同じように変化を続けると考え,水筒にお湯を入れてから \( 6 \) 時間後のお湯の温度を次のように求めた。

[晴さんの考え2]
一次関数のグラフが2点 \( (0,90),(4,74) \) を通るとすると,傾きは  い  となる。
また,この2点を通る一次関数の式は  う  となる。この式を用いて \( 6 \) 時間後のお湯の温度を求めると, え  \( ^\circ C \) になると推測できる。

(2) [晴さんの考え2]が正しくなるように, い  え  には当てはまる適切な数を, う  には当てはまる適切な式を,それぞれ書きなさい。

【解答】
 い  ・・・ \( -4 \)
 う  ・・・ \( y=-4x+90 \)
 え  ・・・ \( 66 \)
【解説】
 い  ・・・ 傾き \( =\dfrac{74-90}{4-0}=-4 \)

 う  ・・・ 傾きは \( -4 \) で,切片の値は \( 90 \) なので,
      求める直線の式は \( y=-4x+90 \)

 え  ・・・ \( y=-4x+90 \) に \( x=6 \) を代入すると,
       \( y=-4 \times 6+90=66 \)

 

(3) 晴さんは,朝,水筒に入れたお湯が,\( 5 \) 時間後の昼食時に,飲み頃だと感じる \( 50.0 \; ^\circ  C \) になるようにしたいと考えた。朝,水筒に入れるときのお湯の温度を何 \( ^\circ C \) にすればよいかを,グラフ,式を用いて求める方法は,それぞれ次のように説明できる。  お    か   に続きを書き,正しい説明を完成させなさい。ただし,お湯の温度は,[晴さんの考え2]と同じ割合で下がるものとし,実際にお湯の温度を求める必要はない。

[グラフを用いて求める方法]
図1に点 \( (5,50) \) をとり,この点を通る
傾き  い  の一次関数のグラフをかく。
       お       

[式を用いて求める方法]
一次関数の式を \( y=ax+b \) とする。
\( a= \)  い  を代入する。
       か       

【解答・解説】
       お       
この直線と \( y \) 軸の交点の \( y \) 座標の値を求める。

       か       
\( x=5,y=50 \) を代入したときの \( b \) の値を求める。

 

 図2のように,関数 \( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) のグラフ上に \( x \) 座標が \( 4 \) である点 \( A \) をとる。\( x \) 軸上に点 \( P \) をとり,点 \( P \) を通り \( y \) 軸に平行な直線を ℓ とし, ℓ と直線 \( OA \) の交点を \( Q \),ℓ と関数 \( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) のグラフの交点を \( R \) とする。ただし,原点 \( O \) から点 \( (1,0) \) までの距離,および原点 \( O \) から点 \( ( 0, 1) \) までの距離はそれぞれ \( 1 \; cm  \) とする。

(1) 点 \( P \) の \( x \) の値が変化するにつれて,点 \( Q,R \) の \( y \) の値がどのように変化するかについて,次のようにまとめた。  き   に当てはまる最も適切なものを,下のから1つ選び,記号を書きなさい。

点 \( P \) について、\( x \) の値が \( 2 \) 倍,\( 3 \) 倍,\( 4 \) 倍,・・・ となるとき,
点 \( Q \) の \( y \) の値は, \( 2 \) 倍,\( 3 \) 倍,\( 4 \) 倍,・・・ となり,
点 \( R \) の \( y \) の値は,  き   となる。

   \( \dfrac{1}{2} \) 倍,\( \dfrac{1}{3} \) 倍,\( \dfrac{1}{4} \) 倍、・・・
   \( 2 \) 倍,\( 3 \) 倍,\( 4 \) 倍,・・・
   \( 2 \) 倍,\( 4 \) 倍,\( 6 \) 倍,・・・
   \( 4 \) 倍,\( 9 \) 倍,\( 16 \) 倍,・・・

【解答】
 \( 4 \) 倍,\( 9 \) 倍,\( 16 \) 倍,・・・
【解説】
点 \( R \) は \( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) 上の点なので,
点 \( R \) の \( x \) 座標の値を変えたときの \( y \) 座標の値を表すと,
 \( x=s \) のとき,\( y=\dfrac{1}{2}s^2 \)
 \( x=2s \) のとき,\( y=\dfrac{1}{2} \times (2s)^2=4 \times \dfrac{1}{2}s^2 \)
 \( x=3s \) のとき,\( y=\dfrac{1}{2} \times (3s)^2=9 \times \dfrac{1}{2}s^2 \)
 \( x=4s \) のとき,\( y=\dfrac{1}{2} \times (4s)^2=16 \times \dfrac{1}{2}s^2 \)
となるので,\( y \) 座標の値は,\( 4 \) 倍,\( 9 \) 倍,\( 16 \) 倍 になっています。

 

(2) 点 \( P \) の \( x \) 座標が \( 6 \) のとき,\( QR \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( QR=6 \; cm \)
【解説】

点 \( A \) は \( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) 上の点で, \( x \) 座標の値が \( 4 \)
なので,\( y \) 座標の値は,
 \( y=\dfrac{1}{2} \times 4^2=8 \)
であり,点 \( A \) の座標は \( A(4,8) \)
ここから,直線 \( OA \) の式は \( y=2x \)

点 \( Q \) は \( y=2x \) 上の点で,\( x \) 座標の値が \( 6 \)
なので,\( y \) 座標の値は,
 \( y=2 \times 6=12 \)
であり,点 \( Q \) の座標は \( Q(6,12) \)

点 \( R \) は \( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) 上の点で,\( x \) 座標の値が \( 6 \)
なので,\( y \) 座標の値は,
 \( y=\dfrac{1}{2} \times 6^2=18 \)
であり,点 \( R \) の座標は \( R(6,18) \)

以上より,\( QR \) の長さは \( 18-12=6 \; (cm) \)

 

(3) 点 \( P \) の \( x \) 座標が正の数で,\( PQ=QR \) のとき,点 \( P \) の \( x \) 座標を求めなさい。

【解答】
\( 8 \)
【解説】

点 \( P \) の \( x \) 座標を \( s \) とすると,
点 \( Q \) の \( y \) 座標は \( 2s \),
点 \( R \) の \( y \) 座標は \( \dfrac{1}{2}s^2 \)
と表すことができるので,
 \( PQ=2s \)
 \( QR=\dfrac{1}{2}s^2-2s \)
と表すことができます。

以上より,
    \( PQ=QR \)
     \( 2s=\dfrac{1}{2}s^2-2s \)
 \( \dfrac{1}{2}s^2-4s=0 \)
  \( s^2-8s=0 \)
  \( s(s-8)=0 \)
     \( s=0,8 \)
\( s \) は正の数なので,あてはまるのは \( s=8 \)
よって,求める点 \( P \) の \( x \) 座標は \( 8 \) になります。

 

(4) 2点 \( A,P \) を通る直線の傾きが \( \dfrac{1}{2} \) となるとき,点 \( R \) の座標を求めなさい。

【解答】
\( R(-12,72) \)
【解説】
2点 \( A,P \) を通る直線の傾きが \( \dfrac{1}{2} \) となるとき,
点 \( P \) は,点 \( A \) を通り,傾き \( \dfrac{1}{2} \) の直線と \( x \) 軸の交点になります。
点 \( P \) の \( x \) 座標を \( t \) とすると,
点 \( A \) は,点 \( P \) から \( x \) 方向に \( 4-t \),\( y \) 方向に \( 8 \) 移動した点なので,
 \( \dfrac{8}{4-t}=\dfrac{1}{2} \)
  \( 4-t=16 \)
    \( t=-12 \)

点 \( P \) と点 \( R \) の \( x \) 座標は等しいので,
\( x \) 座標の値が \( -12 \) のときの点 \( R \) の \( y \) 座標は,
 \( y=\dfrac{1}{2} \times (-12)^2=72 \)

よって,求める点 \( R \) の座標は,\( R(-12,72) \) になります。

 

大問4

 夏さんは,図1のように幅 \( 4 \; cm  \) のリボンを重ね,リボンが重なった部分に着目した。
図2は,数学の作図ソフトを使い,リボンを長方形,長方形として表したものである。このとき,2つの長方形が重なる部分の図形を,四角形 \( ABCD \) とする。ただし,リボンの幅を長方形の短い辺として,辺の長さを \( 4 \; cm  \) で固定する。また,リボンの長さを長方形の長い辺として,辺の長さは自由に変えられるものとする。

(1) 夏さんは、図2の四角形 \( ABCD \) は平行四辺形になると予想し,この予想が成り立つことを,次のように説明した。説明が正しくなるように,\( \boxed{\phantom{    }} \) に当てはまる適切な言葉を書きなさい。

[説明]
は長方形だから,四角形 \( ABCD \) で、「平行四辺形になるための条件」である
「\( \boxed{\phantom{    }} \) がそれぞれ平行であるとき」がいえる。
したがって,四角形 \( ABCD \) は平行四辺形である。
【解答】
2組の向かい合う辺

 

(2) 図3は,図2において,\( ∠ABC=45° \) としたものである。
① \( ∠BAD \) の大きさを求めなさい。

【解答】
\( ∠BAD=135° \)
【解説】
平行四辺形の隣り合う角の和は \( 180° \) になので,
 \( ∠BAD=180°-∠ABC=135° \)

【別解】
平行四辺形の向かい合う辺は平行なので,\( AD//BC \) です。
平行な直線の錯角は等しいので,
\( ∠BAD \) の外角は \( ∠ABC \) と等しく,
\( 45° \) になっています。
よって,\( ∠BAD=180°-45°=135° \)

 

➁ 四角形 \( ABCD \) の面積を求めなさい。

【解答】
\( 16\sqrt{2} \; cm^2 \)
【解説】
四角形 \( ABCD \) の底辺を \( BC \) とすると,高さはリボンの幅 \( 4 \; cm \) になります。

点 \( C \) から線分 \( AB \) に垂線をひき,
交点を \( M \) とすると,
\( △MBC \) は,\( BM=CM=4 \; cm \) の直角二等辺三角形になっているので,
 \( BC=\sqrt{2}CM=4\sqrt{2} \; (cm) \)

よって,四角形 \( ABCD \) の面積は,
 \( 4\sqrt{2} \times 4=16\sqrt{2} \; (cm^2) \)

 

 夏さんは,さらに幅 \( 3 \; cm  \) のリボンを重ねた場合について考えることにした。
図4は,図2において,幅 \( 3 \; cm  \) のリボンを長方形として表し,加えたものである。このとき,と重なる部分の四角形 \( AEFG \) が長方形になるようにし,直線 \( AE \) と直線 \( CD \) の交点を \( P \) とする。ただし,の短い辺を \( 3 \; cm  \) で固定し,の長い辺の長さは自由に変えられるものとする。

(1) \( △ABE \) ∽ \( △PCE \) を証明しなさい。

【解答】

\( △ABE \) と \( △PCE \) において,
対頂角は等しいので,\( ∠AEB=∠PEC \) ・・・ ➀
長方形の向かい合う辺は平行なので,
\( AB//PC \) であり,
錯角は等しいので,\( ∠ABE=∠PCE \) ・・・ ➁
➀➁より,2組の角がそれぞれ等しいので,
 \( △ABE \) ∽ \( △PCE \)

 

(2) 夏さんは,\( △ABE≡△PCE \) となるのはどのようなときか調べた。図5は、図4において, イ  を,点 \( A \) を回転の中心として,\( △ABE≡△PCE \) となるように回転させたものである。

① \( ∠BAE \) の大きさを求めなさい。

【解答】
\( ∠BAE=30° \)

【解説】

補助線 \( AC \) をひくと,
\( △ABE \) と \( △ACE \) において,
長方形の内角は \( 90° \) なので,
 \( ∠AEB=∠AEC=90° \) ・・・ ➀
\( △ABE≡△PCE \) より,
 \( BE=CE \) ・・・ ➁
また,\( AE \) は共通 ・・・ ➂
➀➁➂より,
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので,
 \( △ABE≡△ACE \)
対応する辺は等しいので,\( AB=AC \) ・・・ ➃

点 \( B \) から線分 \( CP \) に垂線をひき,
交点を \( H \) とすると,
\( △ABE \) と \( △BCH \) において,
長方形ア,イのリボンの幅を表しているので,
 \( AE=BH=4 \; cm \) ・・・ ➄
 \( ∠AEB=∠BHC=90° \) ・・・ ⑥
三角形の内角の和は \( 180° \) なので,
 \( ∠BAE=90°-∠ABE \) ・・・ ⑦
\( ∠ABH=90° \) でもあるので,
 \( ∠CBH=90°-∠ABE \) ・・・ ⑧
⑦⑧より,
 \( ∠BAE=∠CBH \) ・・・ ➈
➄⑥➈より,
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので,
 \( △ABE≡△BCH \)
対応する辺は等しいので,\( AB=BC \) ・・・ ➉

➃➉より,\( △ABC \) は正三角形なので,
\( △ABE≡△ACE \) より \( ∠BAE=\dfrac{1}{2}∠BAC=30° \)

 

② \( PD \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( PD=\dfrac{16\sqrt{3}}{3} \; cm \)
【解説】

\( △PDA \) において,
\( △ABE≡△PCE \) より,
 \( ∠CPE=∠BAE=30° \)
長方形 \( AEFG \) の内角なので,
 \( ∠PAD=90° \)
以上より,\( △PDA \) は
\( 30°,60°,90° \) の直角三角形になっています。

\( △ABE≡△PCE \) より,
\( AE≡PE=4 \; cm \) であり,\( PA=8 \; cm \) なので,
 \( PD=\dfrac{2}{\sqrt{3}}PA=\dfrac{16\sqrt{3}}{3} \; (cm) \)

 

(3) 図6は,図4において,長方形を,点 \( A \) を回転の中心として,点 \( C \) と点 \( F \) が重なるように回転させたものである。このとき,\( BE:EC \) を求め,最も簡単な整数の比で表しなさい。ただし,点 \( F \) を省いて表している。

【解答】
\( BE:EC=7:18 \)

 

 

【解説】
\( EC \) は長方形のリボンの幅 \( 3 \; cm \) を表しているので,
\( BE \) の長さがわかれば,\( BE:EC \) を求めることができます。
\( BE=x \; cm \) とすると,\( BC=x+3 \; cm \) と表すことができるので,
(2)➀より,\( △ABE≡△BCH \; (AB=BC) \) であることに注目すると,
\( AB \) の長さを \( x \) を使って表すことができれば,
\( AB=BC \) より,\( x \) の値を求めることができます。

(2)➀より,\( △ABE≡△BCH \) なので,
\( AB=BC \) になっています。
\( △ABE \) において,\( BE=x \; cm \) とすると,
三平方の定理より,
 \( AB^2=x^2+4^2 \)
また,\( BC=x+3 \; cm \) と表すことができるので,
 \( BC^2=(x+3)^2 \)
\( AB=BC \) より,\( AB^2=BC^2 \) なので,
   \( AB^2=BC^2 \)
 \( x^2+4^2=(x+3)^2 \)
 \( x^2+16=x^2+6x+9 \)
    \( 6x=7 \)
    \( x=\dfrac{7}{6} \; (cm) \)

よって,
 \( BE:EC=x:3 \)
      \( =\dfrac{7}{6}:3 \)
      \( =7:18 \)

  注)平行四辺形 \( ABCD \) の周辺のみ抜粋