岡山県公立高校入試 令和6(2024)年度 解答&解説

大問1

(1) \( 5+(-12) \)

【解答】
\( -7 \)
【解説】
\( =5-12 \)
\( =-7 \)

 

(2) \( 7-8 \times (-2) \)

【解答】
\( 23 \)
【解説】
\( =7+16 \)
\( =23 \)

 

(3) \( \dfrac{2}{3}ab \div (-4b) \times 9a \)

【解答】
\( -\dfrac{3}{2}a^2 \)
【解説】
\( =\dfrac{2ab \times 9a}{3 \times (-4b)} \)
\( =-\dfrac{3}{2}a^2 \)

 

(4) \( (\sqrt{3}-\sqrt{5})^2 \)

【解答】
\( 8-2\sqrt{15} \)
【解説】
\( =(\sqrt{3})^2-2 \times \sqrt{3} \times \sqrt{5}+(\sqrt{5})^2 \)
\( =3-2\sqrt{15}+5 \)
\( =8-2\sqrt{15} \)

 

(5) 連立方程式 \( \left\{ \begin{array}{}
x+5y=11 \\
3x+2y=-6 \\
\end{array} \right.  \) を解きなさい。

【解答】
\( x=-4,y=3 \)
【解説】
\( x+5y=11 \) ・・・ ➀
\( 3x+2y=-6 \) ・・・ ➁
➀を整理すると
 \( x=11-5y \)
➁に代入すると,
 \( 3(11-5y)+2y=-6 \)
  \( 33-15y+2y=-6 \)
        \( 13y=39 \)
         \( y=3 \)
➀に代入すると,
 \( x+5 \times 3=11 \)
   \( x+15=11 \)
      \( x=-4 \)

 

(6) 方程式 \( x(x+2)=48 \) を解きなさい。

【解答】
\( x=6,-8 \)
【解説】
    \( x^2+2x=48 \)
 \( x^2+2x-48=0 \)
\( (x-6)(x+8)=0 \)
       \( x=6,-8 \)

 

(7) 図のように,関数 \( y=ax^2 \) のグラフと関数 \( y=x-5 \) のグラフが2点 \( A,B \) で交わっています。点 \( A \) の \( x \) 座標が \( -2 \) であるとき,定数 \( a \) の値を求めなさい。ただし,原点を \( O \) とします。

【解答】
\( a=-\dfrac{7}{4} \)

【解説】

点 \( A \) は \( y=x-5 \) 上の点で,
\( x \) 座標が \( -2 \) なので,
\( y \) 座標は,
 \( y=-2-5=-7 \)
点 \( A \) は \( y=ax^2 \) 上の点でもあるので,
 \( -7=a \times (-2)^2 \)
  \( 4a=-7 \)
  \( a=-\dfrac{7}{4} \)

 

 

(8) 3枚の10円硬貨を同時に投げるとき,1枚は表で,2枚は裏となる確率を求めなさい。ただし,表と裏の出方は同様に確からしいものとします。

【解答】
\( \dfrac{3}{8} \)
【解説】
3枚の10円硬貨にA,B,Cと名前をつけ,表と裏の組み合わせを樹形図に書き出し,
1枚だけ表になる組み合わせのところに をつけてみます。
1枚だけ表になる組み合わせは3通り,すべての組み合わせは8通りなので,
求める確率は,\( \dfrac{3}{8} \)

 

(9) 図のような,\( AB=4 \; cm,BC=3 \; cm \) ,\( ∠ABC=90° \) の \( △ABC \) があります。\( △ABC \) を直線 \( AB \) を軸として1回転させてできる立体の体積を \( V \; cm^3 \) とし,\( △ABC \) を直線 \( BC \) を軸として1回転させてできる立体の体積を \( W \; cm^3 \) とするとき,体積の比 \( V:W \) を最も簡単な整数の比で表しなさい。

【解答】
\( V:W=3:4 \)
【解説】

直線 \( AB \) を軸として1回転させてできる立体は,
底面の半径が \( 3 \; cm \),高さ \( 4 \; cm \) の円すいなので,
体積は,
 \( V=(\pi{} \times 3^2) \times 4 \times \dfrac{1}{3}=12\pi{} \; (cm^3) \)

直線 \( BC \) を軸として1回転させてできる立体は,
底面の半径が \( 4 \; cm \),高さ \( 3 \; cm \) の円すいなので,
体積は,
 \( W=(\pi{} \times 4^2) \times 3 \times \dfrac{1}{3}=16\pi{} \; (cm^3) \)

よって,\( V:W=12:16=3:4 \)

 

(10) 図のように,平行四辺形 \( ABCD \) の紙を対角線 \( BD \) で折ったとき,点 \( C \) が移動した点を \( E \) とします。このとき,4点 \( A,B,D,E \) は一つの円周上にありますか。また,そのように判断した理由も答えなさい。

【解答】
4点 \( A,B,D,E \) は一つの円周上にある

【理由】
平行四辺形の向かい合う角は等しいので,
 \( ∠BAD=∠BCD \) ・・・ ➀
折り返す前後の角は等しいので,
 \( ∠BED=∠BCD \) ・・・ ➁
➀➁より,\( ∠BAD=∠BED \)
4点 \( A,B,D,E \) は一つの円周上にあると
仮定すると,\( ∠BAD=∠BED \) より,
\( ∠BAD,∠BED \) はどちらも \( \stackrel{\huge\frown}{ BD } \) の円周角になっているので,
4点 \( A,B,D,E \) は一つの円周上にある。

 

大問2

太郎さんと花子さんは,通っている中学校で標本調査を行いました。(1)~(3)に答えなさい。

(1) 次の     には,それぞれ全数調査,標本調査のいずれかが入ります。標本調査が入るのは,ア~エのうちではどれですか。当てはまるものをすべて答えなさい。

    ア 中学校の健康診断は,生徒一人一人の健康状態を知る必要があるため,    で行われる。
    イ 食品を出荷する前の品質検査は,検査に使った食品は商品として売ることができないため,
          で行われる。
    ウ テレビの視聴率調査は,少ない時間や労力,費用で,目的にあう程度に正確な結果が
      得られるため,    で行われる。
    エ 日本に住んでいるすべての人が調査対象となっている国勢調査は,国内の人口や世帯の
      実態を明らかにするため,    で行われる。

【解答】
イ,ウ

 

(2) 太郎さんは,全校生徒 \( 300 \) 人について,数学の勉強が好きかどうかの調査をするために,全校生徒 \( 300 \) 人を母集団として,\( 50 \) 人を無作為に抽出する標本調査を行いました。①,② に答えなさい。

① 標本の選び方に関して述べたX,Y,Zの文について,内容の正誤を表したものとして最も適当なのは,ア~カのうちではどれですか。一つ答えなさい。
   X 全校生徒に通し番号をつけ,乱数表を使って \( 50 \) 人を選ぶ。
   Y 1年生 \( 98 \) 人全員に通し番号をつけ,くじ引きで \( 50 \) 人を選ぶ。
   Z 全校生徒にアンケート用紙を配布し,回答をくれた順に \( 50 \) 人を選ぶ。

   ア Xのみ正しい。      イ Yのみ正しい。
   ウ Zのみ正しい。      エ XとYのみ正しい。
   オ XとZのみ正しい。    カ YとZのみ正しい。

【解答】

【解説】
標本の選び方で注意が必要なのは,「無作為(ランダム・無条件)に」抽出しなければならないということです。

Yは,母集団が全校生徒なのに,1年生からだけ標本を選んでいるので正しくありません。
Zは,「回答が早かった人」という条件がついているので正しくありません。

 

➁ 調査した \( 50 \) 人のうち,数学の勉強が好きと答えた人は \( 28 \) 人でした。このとき,全校生徒 \( 300 \) 人のうち数学の勉強が好きな人はおよそ何人と推定されるかを答えなさい。ただし,式も書きなさい。

【解答】
全校生徒 \( 300 \) 人のうち数学の勉強が好きな人数を \( x \) 人とすると,
 \( 300:x=50:28 \)
   \( 50x=300 \times 28 \)
    \( x=168 \)
よって,数学の勉強が好きな人はおよそ\( 168 \) 人
【解説】
母集団に含まれる調査対象の割合(比率)と標本に含まれる調査対象の割合(比率)は等しくなります。

 

(3) 花子さんは,3年生 \( 107 \) 人に対して,平日1日あたりの数学の学習時間を調べ,標本調査から母集団の平均値を推定しようとしています。

【手順】
 1.\( 107 \) 個のデータから,標本の大きさを \( 10 \) として無作為に抽出し,それらの平均値を求める。
 2.手順1を \( 20 \) 回行い,得られた \( 20 \) 個のデータについて,その分布をヒストグラムと箱ひげ図に
    表す。
 3.標本の大きさを \( 20,30 \) に変えて,手順1,2を行う。

ヒストグラムと箱ひげ図から読みとれることを次のように整理したとき, (あ)  (い)  に当てはまることばの組み合わせとして最も適当なのは,ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。

標本の大きさが  (あ)  方が,標本の平均値の範囲や四分位範囲が  (い)  傾向にあり,母集団の平均値を推定しやすくなる。

 ア (あ) 大きい   (い) 大きくなる
 イ (あ) 大きい   (い) 小さくなる
 ウ (あ) 小さい   (い) 大きくなる
 エ (あ) 小さい   (い) 小さくなる

【解答】

【解説】
標本調査では,標本の大きさが大きくなるほど得られるデータの精度が上がっていきます。
これは,例えば極端に大きい値や小さい値(はずれ値)を選んでしまったとき,
そのデータが平均値に与える影響が大きくなるからです。

 

大問3

太郎さんと花子さんは,カレンダーを見て気づいたことを話し合っています。(1)~(4)に答えなさい。

太郎:あれっ?カレンダーで \( 6 \) の倍数の日の前の日と次の日は素数になっているね。
花子:よく見て。そうなっていない日もあるよ。
太郎:見落としていたよ。でも,\( 6 \) 日以降で前の日と次の日がどちらも素数の場合,それらにはさまれた
   日は \( 6 \) の倍数になっているね。
花子:確かにそうだね。いつでも,そうなっているのかな?
太郎:確かめようよ。まず,【\( 2 \) より大きい素数は  (あ)  だから,前の日と次の日がどちらも素数の
   場合,それらにはさまれた日は  (い)  になる】ね。
花子:それから,連続する三つの自然数には,\( 3 \) の倍数が含まれているよね。\( 3 \) より大きい素数は
   \( 3 \) の倍数でないから,\( 6 \) 日以降で前の日と次の日がどちらも素数の場合,それらにはさまれた日は
   \( 3 \) の倍数になるね。
太郎:なるほど。\( 6 \) 日以降で前の日と次の日がどちらも素数の場合,それらにはさまれた日は \( 2 \) の倍数で
   あって,\( 3 \) の倍数でもあるから,\( 6 \) の倍数になるね。

(1) 次のことがらは正しくありません。反例を書きなさい。

\( 6 \) 以上 \( 31 \) 以下の自然数 \( m \) が \( 6 \) の倍数ならば,\( m-1 \) と \( m+1 \) はどちらも素数である。

【解答】
\( m=24 \)
【解説】
\( m=24 \) のとき,\( m-1=23,m+1=25 \) であり,
\( 25 \) は \( 5 \) で割り切れるので,素数ではありません。

 

(2) 【   】のことがらを次のように整理したとき, (あ)  (い)  に当てはまることばの組み合わせとして最も適当なのは,ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。

\( 2 \) より大きい素数は  (あ)  だから,\( 6 \) 以上の自然数n について,\( n-1 \) と \( n+1 \) がどちらも素数の場合,\( n \) は  (い)  になる。
     ア (あ) 偶数  (い) 偶数     イ (あ) 偶数  (い) 奇数
     ウ (あ) 奇数  (い) 偶数     エ (あ) 奇数  (い) 奇数

【解答】

【解説】
素数とは,1とその数自身だけで割り切れる自然数のことであり,
\( 2 \) より大きい偶数は,すべて \( 2 \) で割り切れるので素数にはなりません。
つまり,\( 2 \) より大きい素数は,すべて奇数になります。

すべての自然数は,奇数→偶数→奇数→偶数→ ・・・ と繰り返すので,
\( n-1 \) と \( n+1 \) がどちらも素数(奇数)の場合,
その間の数 \( n \) は必ず偶数になります。

 

(3) 連続する三つの自然数 \( a,a+1,a+2 \) について,\( a \) を \( 3 \) で割ったときの商を \( b \),余りを \( 1 \) とします。 ① ,②に答えなさい。

① \( a,b \) の関係を正しく表しているのは,ア~エのうちではどれですか。当てはまるものをすべて答えなさい。
   ア \( a+1=3b \)    イ \( a-3b=1 \)
   ウ \( a<3b+1 \)    エ \( a>3b \)

【解答】
イ,エ
【解説】
割られる数,割る数,商,余りの間の関係は,
 割られる数 \( = \) 割る数 \(  \times  \) 商 \( + \) 余り
になっています。

割られる数は \( a \),割る数は \( 3 \) なので,
 \( a=3b+1 \)
 \( a-3b=1 \)
となります。

また,\( a=3b+1>3b \) なので,\( a>3b \) も成り立ちます。

 

② \( a+2 \) を \( 3 \) で割ったときの余りを求めなさい。

【解答】
\( 0 \)
【解説】
➀より,\( a-3b=1 \) なので,両辺に \( 2 \) を足すと,
 \( (a+2)-3b=1+2 \)
 \( (a+2)-3b-3=0 \)
 \( (a+2)-3(b+1)=0 \)
 \( a+2=3(b+1) \)
となり,余りは \( 0 \) になります。

【別解】
\( a \) を \( 3 \) で割ったときの余りが \( 1 \) なので,
\( a+1 \) を \( 3 \) で割ったときの余りは \( 2 \),
\( a+2 \) を \( 3 \) で割ったときの余りは \( 3 \)
になります。

ただし,余りは必ず割る数より小さくなるので,
\( 3 \) で割ったときの余りは,必ず \( 0,1,2 \) のいずれかになります。
余りの \( 3 \) は \( 3 \) で割りきれるため,
商が \( 1 \) 大きくなって \( b+1 \)になり,余りは \( 0 \) になります。

 

(4) \( 31 \) より大きい2桁の自然数のうち,その自然数より \( 1 \) 小さい数と \( 1 \) 大きい数がどちらも素数であるものを一つ答えなさい。

【解答】
\( 42 \)
【解説】
\( 31 \) より大きい2桁の素数をいくつか小さい順に並べ,
となりあう2つの素数の差が \( 2 \) になっているところを探せば,
その間の数が求める数になります。

\( 31 \) より大きい2桁の素数は、小さい方から順に
 \( 31,37,41,43,47,53, \) ・・・
となるので,となりあう2つの素数の差が \( 2 \) になっているのは,
\( 41 \) と \( 43 \) なので,その間の数は \( 42 \) になります。

 

大問4

太郎さんは,看護師等が使う「ナースウォッチ」とよばれる脈拍測定機能付きの時計について調べました。(1)~(3)に答えなさい。


<太郎さんが調べたこと>
ナースウォッチは,関数の関係を利用して,1分間の脈拍をより短い時間で測定することができる時計です。

ナースウォッチには,文字盤の内側に数字があり,その数字を読み取ることで脈拍の測定ができます。

[ナースウォッチを使った脈拍の測り方]
1.秒針が文字盤の \( 6 \),もしくは,\( 12 \) を指したところから脈拍を
  \( 15 \) 回数える。
2.脈拍が \( 15 \) 回を数えたときに,秒針が指した文字盤の内側の
  数字が1分間の脈拍となる。

図は,秒針が文字盤の \( 12 \) を指したところから脈拍が \( 15 \) 回を数えたときの秒針の位置を表しています。この図では,秒針が文字盤の \( 2 \),内側の数字は \( 90 \) を指しているので,脈拍が \( 15 \) 回を数えるまでにかかった時間は \( 10 \) 秒,1分間の脈拍は \( 90 \) 回と測定します。

一般成人の1分間の脈拍は,安静時 \( 60~100 \) 回が正常の目安です。

また,ナースウォッチには,脈拍を \( 20 \) 回数えて測定すあるものもあり,脈拍を \( 15 \) 回数えて測定するものとは文字盤の内側の数字が異なります。


(1) \( y \) が \( x \) の関数であるものは,ア~エのうちではどれですか。当てはまるものをすべて答えなさい。

    ア 毎分 \( x \; m \) の速さで 10km の道のりを走るときにかかる時間 \( y \) 分
    イ 周の長さが \( x \; cm \) の長方形の面積 \( y \; cm^2 \)
    ウ \( 1500 \) 円を出して,1個 \( x \) 円の品物を \( 10 \) 個買ったときのおつり \( y \) 円
    エ 半径が \( x \; cm \) の円の面積 \( y \; cm^2 \)

【解答】
ア,ウ,エ
【解説】
「\( y \) が \( x \) の関数である」というのは,
「\( x \) の値を1つ決めると,\( y \) の値も1つに決まる」関係のことです。

ア ・・・  \( y=\dfrac{10000}{x} \) で表すことができるので,\( x \) の値を1つ決めると,\( y \) の値も1つに決まります。
ウ ・・・  \( y=1500-10x \) で表すことができるので,\( x \) の値を1つ決めると,\( y \) の値も1つに決まり
    ます。
エ ・・・  \( y=\pi{}x^2 \) で表すことができるので,\( x \) の値を1つ決めると,\( y \) の値も1つに決まります。

【反例】
イ ・・・  周の長さ \( x=20 \; cm \) の長方形の例として,縦 \( 3 \; cm \),横 \( 7 \; cm \) の長方形と
    縦 \( 4 \; cm \),横 \( 6 \; cm \) の長方形を考えると,
     縦 \( 3 \; cm \),横 \( 7 \; cm \) の長方形の面積は,\( y=3 \times 7=21 \; (cm^2) \)
     縦 \( 4 \; cm \),横 \( 6 \; cm \) の長方形の面積は,\( y=4 \times 6=24 \; (cm^2) \)
    となり,\( y \) の値は複数存在します。
    つまり,\( y \) が \( x \) の関数であるとはいえません。

 

(2) 脈拍が \( 15 \) 回を数えるまでにかかった時間を \( x \) 秒,1分間の脈拍を \( y \) 回とします。①,②に答えなさい。

① \( x \) と \( y \) の関係を表したグラフとして最も適当なのは,ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。ただし,原点を \( O \) とします。

【解答】

【解説】
\( x \) と \( y \) の関係を表す式は,
 \( 15:x=y:60 \)
   \( xy=900 \)
    \( y=\dfrac{900}{x} \)
となり,反比例の関係になっています。
反比例を表すグラフになっているのは「ウ」になります。

 

② 次の     に適当な数を書きなさい。

\( x \) の変域が     \( ≦x≦15 \) のとき,\( y \) の変域は \( 60≦y≦100 \) である。

【解答】
\( 9 \)
【解説】

反比例の関係の場合,
\( x \) の値が大きくなるほど \( y \) の値は小さく,
\( x \) の値が小さくなるほど \( y \) の値は大きく
なるので,
\( x \) の値が最小のとき,\( y \) の値は最大になります。

➀より,この関係を表す式は \( y=\dfrac{900}{x} \) なので,
 \( 100=\dfrac{900}{x} \)
  \( x=9 \)

よって,\( x \) の変域は,\( 9≦x≦15 \) になります。

 

(3) 脈拍を \( 20 \) 回数えて測定するナースウォッチについて,文字盤の \( 3 \) の内側にある数字を答えなさい。ただし,脈拍の測り方は次のとおりとします。

1.秒針が文字盤の \( 6 \),もしくは,\( 12 \) を指したところから脈拍を \( 20 \) 回数える。
2.脈拍が \( 20 \) 回を数えたときに,秒針が指した文字盤の内側の数字が1分間の脈拍となる。

【解答】
\( 80 \)
【解説】
問題の図から,文字盤の \( 3 \) のところを使うのは,
文字盤の \( 12 \) を指したところから脈拍を数え始めるときなので,
脈拍が \( 20 \) 回を数えるまでにかかる時間が \( 15 \) 秒ということになります。
ここから,1分間の脈拍を \( y \) 回とすると,
 \( 20:15=y:60 \)
   \( 15y=1200 \)
    \( y=80 \)(回)
になります。

 

大問5

太郎さんと花子さんは,次の【問題】を考えています。(1)~(4)に答えなさい。

【問題】
右の図のように,平行な2直線 \( \large{ℓ},m \) と点 \( A \) がある。二つの頂点 \( B,C \) がそれぞれ直線 \( l,m \) 上にあるような正三角形 \( ABC \) を作図しなさい。

花子:先生から条件の一つを外して考えてみたらと言われたよ。「頂点 \( C \) が直線 \( m \) 上にある」という
   条件を外して考えてみようよ。
太郎:そうだね。一つの頂点が直線 \( \large{ℓ} \) 上にある正三角形 \( ADE \) や正三角形 \( AFG \) をかいたよ。
花子:私は,\( _{(\mathbf{あ})} \)【\( \color{red}{30°} \) の角の作図を使って, 二つの頂点が直線 \( \color{red}{\large{ℓ}} \) 上にある正三角形 \( \color{red}{AHI} \) をかいた】よ。
太郎:あれっ?3点 \( E,I,G \) は一直線上にありそうだね。
花子:\( _{(\mathbf{い})} \)【\( \color{red}{△AHD} \) \( \color{red}{△AIE} \) は合同】,\( △AFH \) と \( △AGI \) も合同だから,\( ∠AIE \) と
   \( _{(\mathbf{う})} \)【\( \color{red}{∠AIG} \) の大きさが決まる】ね。このことから,3点 \( E,I,G \) は一直線上にあるといえるね。
太郎:この直線と直線 \( m \) の交点を \( C \) として,線分 \( AC \) を1辺とする正三角形をかくと,直線 \( \large{ℓ} \) 上に
   頂点がある正三角形がかけるね。この頂点が \( B \) だね。

(1) 【 (あ) 】について,点 \( A \) から直線 \( \large{ℓ} \) へ下ろした垂線 \( h \) を,点 \( A \) を中心として時計回りに \( 30° \) だけ回転移動させた直線を \( n \) とします。この直線 \( n \) を定規とコンパスを使って作図しなさい。作図に使った線は残しておきなさい。

【解答】

直線 \( \large{ℓ} \) と垂線 \( h \) の交点を \( P \) とします。
手順1 2点 \( A,P \) を中心に \( AP \) を半径とする
    円弧を描く。
    (交点を \( Q \) とします。)
手順2 2点 \( P,Q \) を中心に円弧を描く。
    (交点を \( R \) とします。)
手順3 2点 \( A,R \) を通る直線を描く。

手順3の直線が直線 \( n \) になります。

【解説】

\( 30° \) は \( 60° \) の半分であることに注目します。
線分 \( AP \) を1辺とする正三角形 \( APQ \) を考えると,\( ∠PAQ=60° \) となります。
正三角形は3辺の長さが等しいので,
2点 \( A,P \) を中心に半径 \( AP \) の円弧を描くと,
\( ∠PAQ=60° \) となる角を作図できます。

後は,\( ∠PAQ \) の二等分線を作図すれば,\( 30° \) の角を作図することができます。

 

(2) 【 (い) 】について,\( △AHD≡△AIE \) を証明しなさい。

【解答】

\( △AHD \) と \( △AIE \) において,
\( △AHI \) は正三角形なので,
 \( AH=AI \) ・・・ ➀
\( △ADE \) は正三角形なので,
 \( AD=AE \) ・・・ ➁
\( △AHI \) は正三角形なので,
 \( ∠HAD=60°-∠DAI \) ・・・ ➂
\( △ADE \) は正三角形なので,
 \( ∠IAE=60°-∠DAI \) ・・・ ➃
➂➃より,\( ∠HAD=∠IAE \) ・・・ ➄
➀➁➄より,
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので,
 \( △AHD≡△AIE \)

 

(3) 【 (う) 】について,\( ∠AIG \) の大きさを求めなさい。

【解答】
\( ∠AIG=120° \)
【解説】
\( △AHI \) は正三角形なので,\( ∠AHI=60° \) であり,
 \( ∠AHF=180°-60°=120° \)
\( △AFH≡△AGI \) なので,
 \( ∠AIG=∠AHF=120° \)


 

(4) この【問題】において,点 \( A \) と直線 \( \large{ℓ} \) との距離が \( 6 \; cm \),点 \( A \) と直線 \( m \) との距離が \( 9 \; cm \) のとき,正三角形 \( ABC \) の1辺の長さを求めなさい。

【解答】
\( 2\sqrt{21} \; cm \)
【解説】
点 \( A \) から直線 \( \large{ℓ} \) に垂線をひき,交点を \( J \) とすると,
\( △ABJ \) は直角三角形になっていることに注目します。

点 \( A \) から直線 \( \large{ℓ},m \) に垂線をひき,
交点を \( J,K \) とすると,
\( △AHJ \) は \( 30°,60°,90° \) の直角三角形なので,
 \( HJ=\dfrac{AJ}{\sqrt{3}}=2\sqrt{3} \; (cm) \)
 \( AH=2HJ=4\sqrt{3} \; (cm) \)

点 \( I \) から直線 \( m \) に垂線をひき,
交点を \( L \) とすると,
\( \large{ℓ}//m \) より,錯角は等しいので,
 \( ∠ICL=∠CIH=60° \)
2組の角の大きさが等しいので,
 \( △AHJ \) ∽ \( △ICL \)

\( \large{ℓ}//m \) より,\( IL=JK=3 \; cm \) なので,
 \( AH:IC=AJ:IL \)
 \( 4\sqrt{3}:IC=6:3 \)
    \( IC=2\sqrt{3} \; (cm) \)

(2)と同様の考え方から,
\( △ABH≡△ACI \) なので,
 \( BH=CI=2\sqrt{3} \; cm \)
\( △ABJ \) において,三平方の定理より
 \( AB^2=AJ^2+(BH+HJ)^2 \)
    \( =6^2+(2\sqrt{3}+2\sqrt{3})^2=84 \)
  \( AB=2\sqrt{21} \; (cm) \) (\( AB>0 \) より)