大阪府公立高校入試 令和6(2024)年度(C問題) 解答&解説

大問1

(1) \( \dfrac{2x-3y}{4}+\dfrac{x+4y}{6} \) を計算しなさい。

【解答】
\( \dfrac{8x-y}{12} \)
【解説】
\( =\dfrac{3(2x-3y)}{12}+\dfrac{2(x+4y)}{12} \)
\( =\dfrac{3(2x-3y)+2(x+4y)}{12} \)
\( =\dfrac{6x-9y+2x+8y}{12} \)
\( =\dfrac{8x-y}{12} \)

 

(2) \( (1+\sqrt{6})^2-\dfrac{\sqrt{8}+10\sqrt{3}}{\sqrt{2}} \) を解きなさい。

【解答】
\( 5-3\sqrt{6} \)
【解説】
\( =7+2\sqrt{6}-\dfrac{4+10\sqrt{6}}{2} \)
\( =7+2\sqrt{6}-(2+5\sqrt{6}) \)
\( =7+2\sqrt{6}-2-5\sqrt{6} \)
\( =5-3\sqrt{6} \)

 

(3) 二次方程式 \( (x-7)^2-4(x-7)=0 \) を解きなさい。

【解答】
\( x=7,11 \)
【解説】
\( x-7=A \) とすると,
        \( A^2-4A=0 \)
       \( A(A-4)=0 \)
 \( (x-7)\{(x-7)-4\}=0 \)
    \( (x-7)(x-11)=0 \)
           \( x=7,11 \)

 

(4) \( a、b \) を定数とする。関数 \( y=-\dfrac{1}{4}x^2 \) について,\( x \) の変域が \( -6≦x≦a \) のときの \( y \) の変域が \( -16≦y≦b \) であるとき,\( a、b \) の値をそれぞれ求めなさい。

【解答】
\( a=8,b=0 \)
【解説】
関数 \( y=mx^2 \) (\( m \) は定数,\( m<0 \) ) において,
\( x \) の変域が \( 0 \) を含むとき,\( y \) は最大値をとり,
\( x \) の絶対値が最大のとき,\( y \) は最小値をとります。

\( y=-\dfrac{1}{4}x^2 \) について,
\( y \) が最小値 \( -16 \) であるときの \( x \) の値は,
 \( -16=-\dfrac{1}{4}x^2 \)
  \( x^2=64 \)
   \( x=8 \) (\( -6≦x≦a \) より)
となるので,\( a=8 \)

このとき,\( x \) の変域は \( -6≦x≦8 \) であり,
\( 0 \) を含んでいるので,\( y \) は最大値は \( 0 \) になります。
よって,\( b=0 \)

 

(5) \( x \) を有理数とする。 \( \dfrac{35}{12}x \) と \( \dfrac{21}{20}x \) の値がともに自然数となる最も小さい \( x \) の値を求めなさい。

【解答】
\( x=\dfrac{60}{7} \)
【解説】
\( \dfrac{35}{12}x \) が自然数になるとき,\( x \) は12の倍数(\( x>0 \)),
\( \dfrac{21}{20}x \) が自然数になるとき,\( x \) は20の倍数(\( x>0 \))
であり,どちらも満たすのは,\( x \) が12と20の公倍数のときです。

12と20の最小公倍数 \( 60 \) をかけると,
 \( \dfrac{35}{12} \times 60=35 \times 5=7 \times 5^2 \)
 \( \dfrac{21}{20} \times 60=21 \times 3=7 \times 3^2 \)
となり,両方とも \( 7 \) で割っても自然数になります。

よって,あてはまる \( x \) の値は,\( x=\dfrac{60}{7} \) になります。

 

(6) 二つの箱A,Bがある。箱Aには奇数の書いてある3枚のカード \( \boxed{1},\boxed{3},\boxed{5} \) が入っており,箱Bには偶数の書いてある3枚のカード \( \boxed{4},\boxed{6},\boxed{8} \) が入っている。A,Bそれぞれの箱から同時にカードを1枚ずつ取り出し,箱Aの中に残っている2枚のカードに書いてある数の和を \( a \),箱Bの中に残っている2枚のカードに書いてある数の和を \( b \),箱Aから取り出したカードに書いてある数と箱Bから取り出したカードに書いてある数との和を \( c \) とする。このとき,\( a<c<b \) である確率はいくらですか。A,Bそれぞれの箱において,どのカードが取り出されることも同様に確からしいものとして答えなさい。

【解答】
\( \dfrac{5}{9} \)
【解説】
取り出したカードの組み合わせとその時の \( a,c,b \) の値を樹形図にして書き出してみます。
\( a<c<b \) になる組み合わせは \( 5 \) 通り,すべての組み合わせは \( 9 \) 通りなので,
求める確率は \( \dfrac{5}{9} \)

 

(7) \( a \) を十の位の数が \( 0 \) でない3けたの自然数とし,\( b \) を \( a \) の百の位の数と十の位の数とを入れかえてできる3けたの自然数とする。ただし,\( b \) の一の位の数は \( a \) の一の位の数と同じとする。次の二つの条件を同時に満たす \( a \) の値をすべて求めなさい。

・ \( \sqrt{\dfrac{a-b}{2}} \) の値は自然数である。
・ \( a \) の百の位の数と十の位の数と一の位の数との和は \( 20 \) である。

【解答】
\( 839,947 \)
【解説】
\( a \) の百の位の数を \( p \),十の位の数を \( q \),一の位の数を \( r \) とすると,
 \( a=100p+10q+r,b=100q+10p+r \)
と表すことができます。

このとき,
 \( a-b=(100p+10q+r)-(100q+10p+r) \)
    \( =90p-90q \)
    \( =90(p-q) \)
なので,
 \( \sqrt{\dfrac{a-b}{2}}=\sqrt{\dfrac{90(p-q)}{2}} \)
      \( =\sqrt{45(p-q)} \)
      \( =3\sqrt{5(p-q)} \)
と表すことができ,
\( \sqrt{\dfrac{a-b}{2}} \) の値が自然数になるのは,\( \sqrt{5(p-q)} \) が自然数のときです。

\( \sqrt{5(p-q)} \) が自然数になるのは,
 \( p-q=5 \times 1^2,5 \times 2^2,・・・ \)
の場合で,
\( 0≦p≦9,1≦q≦9 \) より,\( -9≦p-q≦9 \) なので,
あてはまるのは \( p-q=5 \times 1^2=5 \) のときです。

また,2つ目の条件から,\( p+q+r=20 \) であり,\( 0≦r≦9 \) なので,
\( 11≦p+q≦20 \) になります。

\( p-q=5 \;\; (0≦p≦9,1≦q≦9) \) を満たす \( p,q \) の組み合わせは
 \( (p,q)=(9,4),(8,3),(7,2),(6,1) \)
であり,この中で,\( 11≦p+q≦20 \) を満たす組み合わせは,
 \( (p,q)=(9,4),(8,3) \)

\( (p,q)=(9,4) \) のとき,
 \( 9+4+r=20 \)
     \( r=7 \)
であり,\( a \) の値は,\( 947 \)

\( (p,q)=(8,3) \) のとき,
 \( 8+3+r=20 \)
     \( r=9 \)
であり,\( a \) の値は,\( 839 \)

よって,あてはまる \( a \) の値は,\( 839,947 \)

 

(8) \( a, b \) を正の定数とする。右の図において,\( m \) は関数 \( y=ax^2 \) のグラフを表し,\( n \) は関数 \( y=\dfrac{b}{x} \) のグラフを表す。\( A \) は \( n \) 上の点であり,その \( x \) 座標は \( 1 \) である。\( B \) は \( m \) 上の点であり,その \( x \) 座標は \( -3 \) である。ℓは,2点 \( A,B \) を通る直線である。\( C \) は,\( B \) を通り \( y \) 軸に平行な直線と \( x \) 軸との交点である。\( D \) は,\( A \) を通り \( y \) 軸に平行な直線と直線 \( BO \) との交点である。\( C \) と \( D \) とを結ぶ。ℓの傾きは \( -\dfrac{1}{2} \) であり,四角形 \( ABCD \) の面積は \( 17 \; cm^2 \) である。\( a, b \) の値をそれぞれ求めなさい。答えを求める過程がわかるように,途中の式を含めた求め方も説明すること。ただし,原点 \( O \) から点 \( (1,0) \) までの距離,原点 \( O \) から点 \( (0,1) \) までの距離はそれぞれ \( 1 \; cm \) であるとする。

【解答・解説】

点 \( A,B,C \) の座標は,
\( A(1,b),B(-3,9a),C(-3,0) \)
と表すことができ,
直線 \( BO \) の式は,\( y=-3ax \) と表すことができる。
点 \( D \) は \( y=-3ax \) 上の点で,\( x \) 座標は \( 1 \) なので,
\( y \) 座標は
 \( y=-3a \times 1 =-3a \)
であり,点 \( D \) の座標は,\( D(1,-3a) \) と表すことができる。

このとき,四角形 \( ABCD \) は
上底 \( AD=b+3a \),下底 \( BC=9a \),高さ \( 4 \)
の台形で,面積は \( 17 \; cm^2 \) なので,
 \( \{(b+3a)+9a\} \times 4 \times \dfrac{1}{2}=17 \)
         \( 2(12a+b)=17 \)
       \( 24a+2b-17=0 \) ・・・ ➀

また,直接 \( AB \) の傾きは \( -\dfrac{1}{2} \) なので,
 \( \dfrac{b-9a}{1-(-3)}=-\dfrac{1}{2} \)
   \( b-9a=-2 \)
      \( b=9a-2 \) ・・・ ②

➀に代入すると,
 \( 24a+2(9a-2)-17=0 \)
          \( 42a=21 \)
            \( a=\dfrac{1}{2} \)
②に代入すると,
 \( b=9 \times \dfrac{1}{2}-2=\dfrac{5}{2} \)

 

大問2

図Ⅰ,図Ⅱにおいて,\( △ABC \) は \( ∠BAC=90° \) の直角三角形であり,\( BC=4 \; cm,AB<AC \) である。点 \( O \) は,3点 \( A,B,C \) を通る円の中心である。このとき,\( O \) は辺 \( BC \) の中点である。\( △OAD \) は \( OA=OD \) の二等辺三角形であり,\( D \) は円 \( O \) の周上にあって直線 \( BC \) について \( A \) と反対側にある。半周より短い弧 \( \stackrel{\huge\frown}{ AB },\stackrel{\huge\frown}{ BD } \) について,\( \stackrel{\huge\frown}{ AB }=2\stackrel{\huge\frown}{ BD } \) である。\( E \) は,辺 \( AD \) と線分 \( BO \) との交点である。\( B \) と \( D \) とを結ぶ。
円周率を \(  \) として,次の問いに答えなさい。

(1) 図Ⅰにおいて,

 中心角の大きさが \( 180° \) より小さいおうぎ形 \( ODC \) について,中心角 \( ∠DOC \) の大きさを \( a° \) とするとき,おうぎ形 \( ODC \) の面積を \( a \) を用いて表しなさい。

【解答】
おうぎ形 \( ODC=\dfrac{\pi{}a}{90} \; cm^2 \)
【解説】
おうぎ形の面積は中心角の大きさに比例します。
直径 \( BC=4 \; cm \) より,半径 \( OC=2 \; cm \) なので,
 おうぎ形 \( ODC= \pi{}  \times 2^2 \times \dfrac{a}{360} \)
         \( = \dfrac{\pi{}a}{90} \; (cm^2) \)

 \( △BDO \) ∽ \( △AEC \) であることを証明しなさい。

【解答】

\( △BDO \) と \( △AEC \) において,
\( \stackrel{\huge\frown}{ CD } \) に対する円周角なので,
 \( ∠DBO=∠EAC \) ・・・ ➀
中心角の大きさは弧の長さに比例するので,
\( \stackrel{\huge\frown}{ AB }=2\stackrel{\huge\frown}{ BD } \) より,
 \( ∠AOB=2∠BOD \) ・・・ ②
\( ∠AOB \) は \( \stackrel{\huge\frown}{ AB } \) に対する中心角,
\( ∠ACE \) は \( \stackrel{\huge\frown}{ AB } \) に対する円周角なので,
 \( ∠AOB=2∠ACE \) ・・・ ➂
②③より,\( ∠BOD=∠ACE \) ・・・ ➃
➀➃より,2組の角がそれぞれ等しいので,
 \( △BDO \) ∽ \( △AEC \)

 

(2) 図Ⅱにおいて,\( BE=1 \; cm \) である。\( F \) は,直線 \( DO \) と辺 \( AC \) との交点である。 \( B \) と \( F \) とを結ぶ。

 辺 \( AB \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( AB=\sqrt{7} \; cm \)

【解説】

1より \( △BDO \) ∽ \( △AEC \) であり,
\( △BDO \) は \( BO=DO=2 \; cm \) の二等辺三角形なので,
\( △AEC \) も二等辺三角形になります。
ここから,\( EC=BC-BE=3 \; cm \) より,
 \( AC=EC=3 \; cm \)

\( △ABC \) において,三平方の定理より,
 \( AB^2=BC^2-AC^2=4^2-3^2=7 \)
  \( AB=\sqrt{7} \; (cm) \)

 

 線分 \( BF \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( BF=\dfrac{2\sqrt{22}}{3} \; cm \)
【解説】

\( △ABC \) の底辺を線分 \( BC \),
\( △OAC \) の底辺を線分 \( OC \) とすると,
高さが共通なので,
 \( △ABC:△OAC=BC:OC=1:2 \)
であり,\( △OAC=\dfrac{1}{2}△ABC \)

また,\( △OAC \) ∽ \( △FOC \) であり,
相似比は \( AC:OC=3:2 \)
相似な三角形の面積比は
相似比の2乗の比と等しいので,
 \( △OAC:△FOC=3^2:2^2=9:4 \)
であり,
 \( △FOC=\dfrac{4}{9}△OAC=\dfrac{4}{9} \times \dfrac{1}{2}△ABC=\dfrac{2}{9}△ABC \)

点 \( F \) から線分 \( OC \) に垂線をひき,交点を \( G \) とすると,
\( △FOC \) の面積は,
 \( 2 \times FG \times \dfrac{1}{2}=FG \; (cm^2) \)
\( △ABC \) の面積は,
 \( 3 \times \sqrt{7} \times \dfrac{1}{2}=\dfrac{3\sqrt{7}}{2} \; (cm^2) \)
なので,
 \( △FOC=\dfrac{2}{9}△ABC \)
   \( FG=\dfrac{2}{9} \times \dfrac{3\sqrt{7}}{2}=\dfrac{\sqrt{7}}{3} \; (cm) \)

\( △FOC \) は \( FO=FC \) の二等辺三角形なので,点 \( G \) は 線分 \( OC \) の中点であり,
\( OG=1 \; cm \) なので,\( BG=OB+OG=3 \; cm \)

\( △FBG \) において,三平方の定理より,
 \( BF^2=FG^2+BG^2 \)
    \( =\left( \dfrac{\sqrt{7}}{3} \right)^2+3^2 \)
    \( =\dfrac{88}{9} \)
  \( BF=\dfrac{2\sqrt{22}}{3} \; (cm) \) (\( BF>0 \) より)

 

△OAC∽△FOCの証明

\( △OAC \) と \( △FOC \) において,
共通な角なので,
 \( ∠OCA=∠FCO \) ・・・ ➀
\( △BDO \) ∽ \( △AEC \) より,
 \( ∠BOD=∠FCO \) ・・・ ②
対頂角は等しいので,
 \( ∠BOD=∠FOC \) ・・・ ➂
②➂より
 \( ∠FCO=∠FOC \) ・・・ ➃
\( △OAC \) は \( OA=OC \) の二等辺三角形なので,
 \( ∠OAC=∠FCO \) ・・・ ➄
➃➄より,
 \( ∠OAC=∠FOC \) ・・・ ⑥
➀➅より2組の角がそれぞれ等しいので,
 \( △OAC \) ∽ \( △FOC \)

 

大問3

図Ⅰ,図Ⅱにおいて、立体 \( ABCD-EFGH \) は四角柱である。四角形 \( ABCD \) は \( AD//BC \) の台形であり,\( ∠ADC=∠DCB=90° \) である。\( AD=2 \; cm,DC=BC=4 \; cm \) である。四角形 \( EFGH= \) 四角形 \( ABCD \) である。四角形 \( HGCD,GFBC \) は1辺の長さが \( 4 \; cm \) の正方形であり,四角形 \( HEAD,EFBA \) は長方形である。
次の問いに答えなさい。

(1) 図Ⅰにおいて,\( E \) と \( C \),\( F \) と \( C \) とをそれぞれ結ぶ。\( I \) は,線分 \( EC \) 上の点である。\( J \) は,\( I \) を通り辺 \( EF \) に平行な直線と線分 \( FC \) との交点である。\( K \) は,\( J \) を通り辺 \( FB \) に平行な直線と辺 \( BC \) との交点である。

 \( △BCF \) を直線 \( FC \) を軸として1回転させてできる立体の体積は何 \( cm^3 \) ですか。
円周率を \( \pi{} \) として答えなさい。

【解答】
\( \dfrac{32\sqrt{2}}{3}\pi{} \; cm^3 \)

【解説】
点 \( B \) から辺 \( CF \) に垂線をひいた交点を \( M \) とすると,
\( △BCF \) を直線 \( FC \) を軸として1回転させてできる立体は,
下の図のような底面の半径が \( BM \),高さが \( CM(FM) \) の円すいを
2個くっつけた形になります。

\( △BCF \) は \( BC=BF=4 \; cm \) の
直角二等辺三角形なので,
 \( BM=CM=FM=\dfrac{1}{\sqrt{2}}BC=2\sqrt{2} \; (cm) \)
であり,
求める立体の体積は
 \( \pi{} \times (2\sqrt{2})^2 \times 2\sqrt{2} \times \dfrac{1}{3} \times 2=\dfrac{32\sqrt{2}}{3}\pi{} \; (cm^3) \)

 

 線分 \( EC \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( EC=6 \; cm \)
【解説】

四角形 \( HGCD \) は1辺の長さが \( 4 \; cm \) の正方形
なので,\( DH=4 \; cm \)
四角形 \( HEAD \) は長方形で,\( AD=2 \; cm \) なので,\( EH=AD=2 \; cm \)

補助線 \( DE \) をひくと,
\( △DEH \) において,三平方の定理より,
 \( DE^2=4^2+2^2=20  \)
\( △CDE \) において,三平方の定理より,
 \( EC^2=CD^2+DE^2  \)
    \( =4^2+20  \)
    \( =36  \)
  \( EC=6 \; (cm) \) (\( EC>0 \) より)

 

 \( EI=JK \) であるときの線分 \( EI \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( EI=\dfrac{12}{5} \; cm \)
【解説】

\( EF//IJ \) より,\( △CEF \) ∽ \( △CIJ \) であり,
\( EI=x \; cm \) とすると,\( CI=6-x \; cm \) なので,
相似比は  \( CE:CI=6:6-x \) になっています。
対応する辺の比は等しいので,
 \( CF:CJ=6:6-x \)

\( FB//JK \) より,\( △CFB \) ∽ \( △CJK \) であり,
相似比は,\( CF:CJ=6:6-x \) なので,
対応する辺の比は等しく,
 \( FB:JK=6:6-x \)
    \( 4:x=6:6-x \)
  \( 4(6-x)=6x \)
    \( 10x=24 \)
      \( x=\dfrac{12}{5} \; (cm) \)

 

(2) 図Ⅱにおいて,\( L,M \) はそれぞれ辺 \( HG,DC \) 上の点であり,\( HL=MC=1 \; cm \) である。\( L \) と \( M \) とを結ぶ。\( N \) は,\( L \) を通り辺 \( FG \) に平行な直線と辺 \( EF \) との交点である。\( O \) は,\( M \) を通り辺BCに平行な直線と辺 AB との交点である。このとき,\( NL//OM \) である。\( N \) と \( O \) とを結ぶ。

 線分 \( OM \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( OM=\dfrac{7}{2} \; cm \)

【解説】

点 \( A \) から 辺 \( BC \) に垂線をひき,交点を \( P \),
線分 \( OM \) との交点を \( Q \) とすると,
四角形 \( AQMD,APCD \) は長方形なので,
 \( QM=PC=AD=2 \; cm \)
 \( AP=DC=4 \; cm \)
であり,
 \( BP=BC-PC=2 \; (cm) \)
 \( AQ=DM=DC-MC=3 \; (cm) \)

\( OM//BC \) より,\( △AOQ \) ∽ \( △ABP \) なので,
 \( OQ:BP=AQ:AP \)
  \( OQ:2=3:4 \)
   \( 4OQ=6 \)
    \( OQ=\dfrac{3}{2} \; (cm) \)

よって,
 \( OM=OQ+QM=\dfrac{3}{2}+2=\dfrac{7}{2} \; (cm) \)

 

 立体 \( OBCM-NFGL \) の体積を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{83}{3} \; cm^3 \)
【解説】
このままでは計算しにくいので,計算しやすい形(三角柱など)になるよう分割して考えます。

線分 \( OM \) を通り,面 \( GFBC \) と平行な面で
立体 \( OBCM-NFGL \) を切断したときの
切断面を面 \( SROM \) とすると,
四角柱 \( OBCM-RFGS \) ができます。

さらに,立体 \( LN-SROM \) を点 \( N \) を通り,
面 \( SROM \) と垂直な面で切断したときの切断面を
面 \( NTU \) とすると,
四角すい \( N-TROU \) と三角柱 \( LSM-NTU \) ができます。

【四角柱 \( OBCM-RFGS \) の体積】
四角柱 \( OBCM-RFGS \) の体積を \( V_1 \) とすると,
\( OM=\dfrac{7}{2} \; cm,BC=4 \; cm,MC=1 \; cm \),
\( MS=DH=4 \; cm \) なので,
 \( V_1=\left( \dfrac{7}{2}+4 \right) \times 1 \times \dfrac{1}{2} \times 4=15 \; (cm^3) \)

【四角すい \( N-TROU \) の体積】
四角すい \( N-TROU \) の体積を \( V_2 \) とすると,
と同様の考え方から,\( NL=\dfrac{5}{2} \; cm \) なので,
 \( UM=NL=\dfrac{5}{2} \; cm \) ,
 \( OU=OM-UM=1 \; cm \),
\( SG=MC=1 \; cm \) なので,
 \( LS=HG-(HL+SG)=2 \; cm \)
 \( NT=LS=2 \; cm \)
ここから,
 \( V_2=4 \times 1 \times 2 \times  \dfrac{1}{3}=\dfrac{8}{3} \; (cm^3) \)

【三角柱 \( LSM-NTU \) の体積】
三角柱 \( LSM-NTU \) の体積を \( V_3 \) とすると,
 \( NL=\dfrac{5}{2} \; cm,MS=DH=4 \; cm \) ,
 \( LS=2 \; cm \)
ここから,
 \( V_3=4 \times 2 \times  \dfrac{1}{2} \times \dfrac{5}{2}=10 \; (cm^3) \)

以上より,立体 \( OBCM-NFGL \) の体積は,
 \( V_1+V_2+V_3=15+\dfrac{8}{3}+10=\dfrac{83}{3} \; (cm^3) \)