【文字式】規則的に並べられた数字を文字式で表す練習問題(基礎2)

問題

下の 表 のように,連続する自然数を1から順番に,次の 規則 にしたがって並べていく。

               

規則

  1. 1段目には,自然数1,2,3,4を \( A \) 列 → \( B \) 列 → \( C \) 列 → \( D \) 列の順に並べる。
  2. 2段目以降は,1つ前の段に並べた自然数に続く,連続する4つの自然数を次の順に並べる。

1つ前の段で最後に並べた自然数が

  • \( D \) 列にあるときは, \( D \) 列 → \( A \) 列 → \( B \) 列 → \( C \) 列の順
  • \( C \) 列にあるときは, \( C \) 列 → \( D \) 列 → \( A \) 列 → \( B \) 列の順
  • \( B \) 列にあるときは, \( B \) 列 → \( C \) 列 → \( D \) 列 → \( A \) 列の順
  • \( A \) 列にあるときは, \( A \) 列 → \( B \) 列 → \( C \) 列 → \( D \) 列の順

このとき,次の(1)~(3)の問いに答えなさい。

(1) 下の説明は,格段に並べた数について述べたものである。 (ア) (イ) にあてはまる式を書きなさい。

説明
各段の最大の数は4の倍数となっていることから,n段目の最大の数はnを用いて (ア) と表される。
したがって,n段目の最小の数はnを用いて (イ) と表される。

(2) m段目の最小の数と,n段目の2番目に大きい数の和が4の倍数となることを
    (m,n)を用いて説明しなさい。

(3) (m,n)を20未満の自然数とする。m段目の最小の数と,n段目の2番目に大きい数が
    ともに \( B \) 列にあるとき,この2数の和が12の倍数となる(m,n)の組み合わせは
    何個あるか求めなさい。

解説

小問1

各段の最大の数は4の倍数となっていることから,n段目の最大の数はnを用いて 4nと表される。
したがって,n段目の最小の数は,nを用いて 4n-3と表される。

n段目の最大の数を文字式で表す

規則より,各段には自然数を1から順番に
  1段目:1 ,2 ,3 ,4
  2段目:5 ,6 ,7 ,8
  3段目:9 ,10 ,11 ,12
と4つずつ並べるので,各段の最大の数は4の倍数になります。

4の倍数とは,
  4✕1 ,4✕2 ,4✕3 ・・・
と表すことができる数のことです。
よって,
"n段目の最大の数はnを用いて 4n と表される。”
n段目のすべての数を文字式で表す

また,各段の数字は連続しているので,
各段の最大の数4nを基準に考えると,
大きい方から順に
  4n ,4n-1 ,4n-2 ,4n-3
と表すことができます。

連続する数は最も小さい数または最も大きい数を基準にすると,文字式で表すことができます。
最も小さい数Mを基準にした場合
  M ,M+1 ,M+2 ,M+3 ・・・
最も大きい数Nを基準にした場合
  N ,N-1 ,N-2 ,N-3 ・・・
"したがって,n段目の最小の数はnを用いて 4n-3 と表される。”

小問2

m段目に並ぶ数は,小さい方から順番に

  4m-3 ,4m-2 ,4m-1 ,4m

なので,m段目の最小の数は,4m-3です。

また,n段目に並ぶ数は,小さい方から順番に

  4n-3 ,4n-2 ,4n-1 ,4n

なので,n段目の2番目に大きい数は,4n-1と表すことができます。

m段目の最小の数と,n段目の2番目に大きい数の和は,

(4m-3)+(4n-1)=4m-3+4n-1
             =4m+4n-3-1
             =4m+4n-4
             =4(m+n-1)
4の倍数であることを示すためには、
4 ✕ 整数Nの形を導く必要がありますので,
文字式を4でくくります。

(m,n)は自然数なので,m+n-1も自然数です。
よって,m段目の最小の数と,n段目の2番目に大きい数の和は,4の倍数となります。

m段目,n段目の問題は,
0段目,1.1段目や \(\cfrac{1}{2}\) 段目がありませんので,(m,n)はどちらも自然数であると言えます。
ここで,m+n-1が最小になるのは,
m=1,n=1の場合です。  m+n-1=1+1-1
       =1

となるので,m+n-1も自然数であるといえます。

小問3

前提条件
(m,n)は20未満の自然数なので,
1~19段目の範囲に限定されます。

"以下”と"未満”の違い
"20以下”は20を含みますが,
"20未満”は20を含みません。

1~19段目で最小の数が\( B \) 列にあるのは何段目?

最小の数が並ぶ列は1段目から順番に

  \( A \) 列  →  \( D \) 列  →  \( C \) 列  →  \( B \) 列  →  \( A \) 列 →  ・・・

の順に繰り返されます。

よって,19段目までで最小の数が \( B \) 列に並ぶのは,
4段目 ,8段目 ,12段目 ,16段目 になるので,
mの値は,

  m=4 ,m=8 ,m=12 ,m=16 ・・・ (ア)

のどれかになります。

1~19段目で2番目に大きい数が\( B \) 列にあるのは何段目?

2番目に大きい数が並ぶ列は1段目から順番に

  \( C \) 列  →  \( B \) 列  →  \( A \) 列\( D \) 列  →  \( C \) 列 →  ・・・

の順に繰り返されます。

よって,19段目までで最小の数が\( B \) 列に並ぶのは,
2段目 ,6段目 ,10段目 ,14段目,18段目 になるので,
mの値は,

  n=2 ,n=6 ,n=10 ,n=14 ,n=18  ・・・ (イ)

のどれかになります。

12の倍数を文字式で表す

まず,12の倍数がどのように表すことができるかを考えます。

12の倍数とは,整数Nを使って,12✕Nで表すことができる数のことです。

また、12は,4✕3でもあるので,

  12✕n=4✕3✕N
      =4✕3N

と表すこともできます。

 

12の倍数になるときのmとnの関係は?

前問(2)より,m段目の最小の数と,n段目の2番目に大きい数の和は,
4(m+n-1)と表されることがわかっています。

これと、12の倍数が4✕3Nと表されることから,

4(m+n-1)=4✕3N
   m+n-1=3N
     m+n=3N+1

となるので,
m段目の最小の数と,n段目の2番目に大きい数の和が,
12の倍数になるのは、m+nが3の倍数より1大きい数になるときです。

12の倍数になるときのmとnの組み合わせは?

(ア)(イ)より,

  m=4 ,m=8 ,m=12 ,m=16
  n=2 ,n=6,n=10 ,n=14 ,n=18

なので、

  m+n=4+2=6     ・・・ 3✕2
  m+n=4+6=10   ・・・ 3✕3+1
  m+n=4+10=14  ・・・ 3✕4+2
  m+n=4+14=18  ・・・ 3✕6
  m+n=4+18=22  ・・・ 3✕7+1
  m+n=8+2=10   ・・・ 3✕3+1
  m+n=8+6=14   ・・・ 3✕3+2
  m+n=8+10=18  ・・・ 3✕6
  m+n=8+14=22  ・・・ 3✕7+1
  m+n=8+18=26  ・・・ 3✕8+2
  m+n=12+2=14  ・・・ 3✕4+2
  m+n=12+6=18  ・・・ 3✕6
  m+n=12+10=22 ・・・ 3✕7+1
  m+n=12+14=26 ・・・ 3✕8+2
  m+n=12+18=30 ・・・ 3✕10
  m+n=16+2=18  ・・・ 3✕6
  m+n=16+6=22  ・・・ 3✕7+1
  m+n=16+10=26 ・・・ 3✕8+2
  m+n=16+14=30 ・・・ 3✕10
  m+n=16+18=34 ・・・ 3✕11+1

となるので,

 (m,n)=(4,6),(4,18),(8,2),(8,14) ,(12,10),
       (16,6),(16,18)

の 7個になります。