鹿児島県公立高校入試 令和5(2023)年度 解答&解説

大問1

1 次の (1)~(5) の問いに答えよ。
(1) \( 63 \div 9-2 \) を計算せよ。

【解答】
\( 5 \)
【解説】
\( =7-2 \)
\( =5 \)

 

(2) \( \left( \dfrac{1}{2}-\dfrac{1}{5} \right) \times \dfrac{1}{3} \) を計算せよ。

【解答】
\( \dfrac{1}{10} \)
【解説】
\( =\dfrac{3}{10} \times \dfrac{1}{3}  \)
\( =\dfrac{1}{10} \)

 

(3) \( (x+y)^2-x(x+2y) \) を計算せよ。

【解答】
\( y^2 \)
【解説】
\( =(x^2+2xy+y^2)-x^2-2xy \)
\( =y^2 \)

 

(4) 絶対値が \( 7 \) より小さい整数は全部で何個あるか求めよ。

【解答】
13個
【解説】
絶対値が \( 7 \) になる整数は \( -7 \) と \( 7 \) なので,
絶対値が \( 7 \) より小さい整数 \( n \) を不等号を使って表すと,\( -7<n<7 \) となります。
(絶対値が \( 7 \) より小さい なので,\( -7 \) と \( 7 \) は含まれません)

よって,あてはまるのは,\( -6 \) から \( 6 \) までの13個になります。

 

(5) 3つの数 \( 3\sqrt{2},2\sqrt{3},4 \) について,最も大きい数と最も小さい数の組み合わせとして正しいものを下のア~カの中から1つ選び,記号で答えよ。

【解答】

【解説】
\( \sqrt{} \) がついた数のうち,正の数の大小は,\( \sqrt{} \) の中の数の大小と同じになります。

\( 3\sqrt{2},2\sqrt{3},4 \) の大小については,\( 3\sqrt{2}=\sqrt{18},2\sqrt{3}=\sqrt{12},4=\sqrt{16} \) なので,
\( 2\sqrt{3}<4<3\sqrt{2} \) となります。
よって,答えは になります。

 

2 連立方程式 \( \left\{ \begin{array}{}
3x+y=8 \\
x-2y=5 \\ \end{array} \right. \) を解け。

【解答】
\( x=3,y=-1 \)
【解説】
\( 3x+y=8 \) ・・・ ➀
\( x-2y=5 \) ・・・ ➁
➀ \( \times 2+ \) ➁
 \( 7x=21 \)
  \( x=3 \)
➀ に代入すると
 \( 3 \times 3+y=8 \)
     \( y=-1 \)

 

3 10円硬貨が2枚,50円硬貨が1枚,100円硬貨が1枚ある。この4枚のうち,2枚を組み合わせてできる金額は何通りあるか求めよ。

【解答】
4通り
【解説】
10円が2枚 ・・・ 20円
10円と50円が1枚ずつ ・・・ 60円
10円と100円が1枚ずつ ・・・ 110円
50円と100円が1枚ずつ ・・・ 150円
で4通り

 

4  \( \dfrac{9}{11} \) を小数で表すとき,小数第20位を求めよ。

【解答】
\( 1 \)
【解説】
\( \dfrac{9}{11}=0.818181・・・ \) であり,小数第1位以降,8と1が繰り返されます。
つまり,奇数番目は8,偶数番目は1になっています。
小数第20位は偶数番目なので,1になります。

 

5 下の2つの表は,A中学校の生徒20人とB中学校の生徒25人の立ち幅跳びの記録を,相対度数で表したものである。このA中学校の生徒20人とB中学校の生徒25人を合わせた45人の記録について,\( 200 \; cm \) 以上 \( 220 \; cm \) 未満の階級の相対度数を求めよ。

【解答】
\( 0.40 \)
【解説】
【 度数 \( = \) 相対度数 \( \times \) データの総数 】で求められます。
ここから,A,B各中学校の\( 200 \; cm \) 以上 \( 220 \; cm \) 未満の階級の度数を求めると,
 A中学校 ・・・ \( 0.35 \times 20=7 \)(人)
 B中学校 ・・・ \( 0.44 \times 25=11 \)(人)
となり,両中学校の合計の度数は \( 18 \) 人になります。

【 相対度数 \( = \) 度数 \(  \div  \) データの総数 】で求められるので,
 \( 18  \div 45=0.40 \)

 

大問2

1 次は,先生と生徒の授業中の会話である。次の (1)~(3) の問いに答えよ。

先 生:円周を5等分している5つの点をそれぞれ結ぶと,図のように
    なります。図を見て何か気づいたことはありますか。
生徒A:先生,私は正五角形と星形の図形を見つけました。
先 生:正五角形と星形の図形を見つけたんですね。
    それでは,正五角形の内角の和は何度でしたか。
生徒A:正五角形の内角の和は     度です。
先 生:そうですね。
生徒B:先生,私は大きさや形の異なる二等辺三角形がたくさん
    あることに気づきました。
先 生:いろいろな図形がありますね。
    他の図形を見つけた人はいませんか。
生徒C:はい。ひし形や台形もあると思います。
先 生:たくさんの図形を見つけましたね。
    図形に注目すると,図の \( ∠x \) の大きさもいろいろな方法で
    求めることができそうですね。

(1)     にあてはまる数を書け。

【解答】
\( 540 \)
【解説】

右の図のように対角線をひくと,五角形は三角形を3つくっつけたものと考えることができます。
三角形の内角の和は \( 180° \) なので,五角形の内角の和は,
 \( 180° \times 3=540° \)

 

(2) 下線部 ➀ について,ひし形の定義を下のの中から1つ選び,記号で答えよ。
    4つの角がすべて等しい四角形
    4つの辺がすべて等しい四角形
    2組の対辺がそれぞれ平行である四角形
    対角線が垂直に交わる四角形

【解答】

 

(3) 下線部 ➁ について,\( ∠x \) の大きさを求めよ。

【解答】
\( 72° \)
【解説】

正五角形は,5つの内角がすべて等しく,内角の和は \( 540° \) なので,
1つの内角は,\( 540° \div 5=108° \)

また,正五角形は,すべての辺の長さが等しいので,
右の図の赤の三角形は二等辺三角形になっています。
ここから,底角は,\( \dfrac{180°-108°}{2}=36° \)

青の三角形は赤の三角形と合同になるので,底角は \( 36° \) になります。

ここで,\( ∠x \) は赤と青の三角形が重なっている
小さい三角形の外角になっているので,\( ∠x=36°+36°=72° \)

 

2 右の図のような長方形 \( ABCD \) がある。次の【条件】を
すべて満たす点 \( E \) を,定規とコンパスを用いて作図せよ。
ただし,点 \( E \) の位置を示す文字 \( E \) を書き入れ,作図に用
いた線も残しておくこと。

【条件】
・ 線分 \( BE \) と線分 \( CE \) の長さは等しい。
・ \( △BCE \) と長方形 \( ABCD \) の面積は等しい。
・ 線分 \( AE \) の長さは,線分 \( BE \) の長さより短い。

【解答・解説】

手順1 点 \( A,B \) を中心に円弧を描く。
    (交点を点 \( P,Q \) とします)
手順2 2点 \( P,Q \) を通る直線を描く。
    (線分 \( AD,BC \) との交点を点 \( R,S \) とします)
手順3 点 \( R \) を中心に線分 \( RS \) を半径とする円弧を描く。

手順3の円弧と手順2の直線の交点が求める点 \( E \) になります。

【解説】
条件を上から順に1,2,3とすると,
条件1より,点 \( E \) は線分 \( BC \) の垂直二等分線上にある点であるとわかります。

条件2より,線分 \( BC \) を固定して \( △BCE \) を等積変形し,
点 \( E \) が線分 \( AB \) の延長線上にある点を点 \( E’ \) とすると,
\( △BCE’ \) の面積は,\( BC \times BE’ \times \dfrac{1}{2} \)
長方形 \( ABCD \) の面積は,\( BC \times AB \)
と表すことができるので,
 \( BC \times BE’ \times \dfrac{1}{2}=BC \times AB \)
       \( BE’=2AB \)
となります。

条件3より,点 \( E \) は線分 \( BC \) よりも上側にあることがわかります。

 

3 底面が正方形で,高さが \( 3 \; cm \) の直方体がある。この直方体の表面積が \( 80 \; cm^2 \) であるとき,底面の正方形の一辺の長さを求めよ。ただし,底面の正方形の一辺の長さを \( x \; cm \) として,\( x \) についての方程式と計算過程も書くこと。

【解答】
この直方体の表面積は \( x^2 \times 2+3x \times 4=2x^2+12x \) と表すことができる。
表面積は \( 80 \; cm^2 \) なので,
    \( 2x^2+12x=80 \)
   \( x^2+6x-40=0 \)
 \( (x-4)(x+10)=0 \)
         \( x=4,-10 \)
\( x>0 \) より,あてはまるのは \( x=4 \)
よって,底面の正方形の一辺の長さは \( 4 \; cm \)
【解説】
この直方体を展開すると,下の図のようになります。

 

大問3

国勢調査(1950年~2020年)の結果をもとに表や図を作成した。次の1~3の問いに答えなさい。

1 は,鹿児島県の人口総数を表したものである。をもとに,横軸を年,縦軸を人口総数として,その推移を折れ線グラフに表したとき,折れ線グラフの形として最も適当なものを下のの中から1つ選び,記号で答えよ。

【解答】

【解説】
けた数が7けたありややこしいので,千の位で四捨五入して下4けたを省略して書き直してみます。
 例)1985年の場合 ・・・ 1819270 → 1820000 → 182
また,数値の上下変化を大まかに矢印で表してみます。
この矢印の形と最も近いのは になります。

 

2 図1は,2020年における都道府県別の人口に占める15歳未満の人口の割合を階級の幅を1%にして,ヒストグラムに表したものである。鹿児島県は約13.3%であった。次の (1),(2) の問いに答えよ。

(1) 鹿児島県が含まれる階級の階級値を求めよ。

【解答】
13.5%
【解説】
階級値とは,その階級の中央の値のことです。
鹿児島県が含まれる階級は13%以上14%未満なので,その中央の値は,13.5%になります。

 

(2) 2020年における都道府県別の人口に占める15歳未満の人口の割合を箱ひげ図に表したものとして,最も適当なものを下のの中から1つ選び,記号で答えよ。

【解答】

【解説】
都道府県の数は47なので,第一四分位数は,少ない方から12番目,中央値は,少ない方から24番目,
第三四分位数は,多い方から12番目の値になります。
図1のヒストグラムから,
第一四分位数が含まれる階級は11%以上12%未満,
第三四分位数が含まれる階級は12%以上13%未満なので,
これを満たしている箱ひげ図は になります。

 

3 1960年から2020年まで10年ごとの鹿児島県の市町村別の人口に占める割合について,図2は15歳未満の人口の割合を,図3は65歳以上の人口の割合を箱ひげ図に表したものである。
ただし,データについては,現在の43市町村のデータに組み替えたものである。

図2図3から読みとれることとして,次の ➀~➄ は,「正しい」,「正しくない」,「図2図3からはわからない」のどれか。最も適当なものを下のの中からそれぞれ1つ選び,記号で答えよ。
 ➀ 図2において,範囲が最も小さいのは1990年である。
 ➁ 図3において,1980年の第3四分位数は15%よりも大きい。
 ➂ 図2において,15%を超えている市町村の数は,2010年よりも2020年の方が多い。
 ➃ 図3において,2000年は30以上の市町村が25%を超えている。
 ➄ 図2の1990年の平均値よりも,図3の1990年の平均値の方が大きい。

    正しい      正しくない      図2図3からはわからない

【解答】
   ➁    ➂    ➃    ➄
【解説】
➀ 範囲は最大値 \( – \) 最小値 で求めることができます。
  1990年は約10%,2000年が約5%なので,正しくない。

  
➂ 2010年,2020年ともに第三四分位数は15%より小さくなっています。
  市町村数は43なので,第三四分位数が表すのは多い方から11番目の値になります。
  ここから,15%を超えている市町村の数が10未満であることはわかりますが,
  それ以上絞り込むことはできません。
  よって,図2からはわからないということになります。
➃ 第一四分位数が25%を超えていて,少ない方から11番目の値を表しているので,
  33以上の市町村が25%を超えています。
➄ 箱ひげ図だけでは平均値を求めることはできません。

 

大問4

右の図で,放物線は関数 \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) のグラフであり,点 \( O \) は原点である。点 \( A \) は放物線上の点で,その \( x \) 座標は \( 4 \) である。点 \( B \) は \( x \) 軸上を動く点で,その \( x \) 座標は負の数である。2点 \( A,B \) を通る直線と放物線との交点のうち,\( A \) と異なる点を \( C \) とする。次の1~3の問いに答えなさい。

1 点 \( A \) の \( y \) 座標を求めよ。

【解答】
\( y=4 \)
【解説】
\( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) に \( x=4 \) を代入すると,
\( y=\dfrac{1}{4} \times 4^2=4 \)

 

2 点 \( B \) の \( x \) 座標が小さくなると,それにともなって小さくなるものを下のの中からすべて選び,記号で答えよ。
 直線 \( AB \) の傾き     直線 \( AB \) の切片     点 \( C \) の \( x \) 座標     \( △OAC \) の面積

【解答】

【解説】
グラフに点 \( B \) の \( x \) 座標をより小さくした場合の直線 \( AB’ \) を書き加えます。
直線 \( AB \) の切片を \( D \) としています。

グラフから,
 直線 \( AB \) の傾き は小さくなっている
 直線 \( AB \) の切片 は大きくなっている
 点 \( C \) の \( x \) 座標 は小さくなっている
とわかります。
 \( △OAC \) の面積
   \( △OAC=△OAD+△OCD \),
   \( △OAC’=△OAD’+△OC’D’ \)
  となっています。
  ここで,
  \( △OAD<△OAD’,△OCD<△OC’D’ \)
  なので,\( △OAC<△OAC’ \) となります。

 

3 点 \( C \) の \( x \) 座標が \( -2 \) であるとき,次の (1),(2) の問いに答えよ。
(1) 点 \( B \) の座標を求めよ。ただし,求め方や計算過程も書くこと。

【解答】
\( B(-4,0) \)
【解説】

\( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) に \( x=-2 \) を代入すると,
 \( y=\dfrac{1}{4} \times 2^2=1 \)
よって,点 \( C \) の座標は,\( (-2,1) \)
直線 \( AC \) の傾きは,\( \dfrac{4-1}{4-(-2)}=\dfrac{1}{2} \)
直線 \( AC \) の式を \( y=\dfrac{1}{2}x+b \) とすると,
\( (-2,1) \) を通るので,
 \( 1=\dfrac{1}{2} \times (-2)+b \)
 \( b=2 \)
よって,直線 \( AC \) の式は,\( y=\dfrac{1}{2}x+2 \)

点 \( B \) は,\( y=\dfrac{1}{2}x+2 \) 上の点で, \( y \) 座標が \( 0 \) なので,
  \( 0=\dfrac{1}{2}x+2 \)
 \( \dfrac{1}{2}x=-2 \)
  \( x=-4 \)
以上より,点 \( B \) の座標は,\( (-4,0) \)

 

(2) 大小2個のさいころを同時に投げ,大きいさいころの出た目の数を \( a \),小さいさいころの出た目の数を \( b \) とするとき,座標が \( (a-2,b-1) \) である点を \( P \) とする。点 \( P \) が3点 \( O,A,B \) を頂点とする \( △OAB \) の辺上にある確率を求めよ。ただし,大小2個のさいころはともに,1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。

【解答】
\( \dfrac{2}{9} \)
【解説】
\( 1≦a≦6,1≦b≦6 \) なので,点\( P \) が取り得る座標の範囲は,\( -1≦a-2≦4,0≦b-1≦5 \) になります。
また,\( a,b \) は自然数なので,\( a-2,b-1 \) は整数になります。

\( -1≦a-2≦4,0≦b-1≦5 \) を満たす座標のうち,\( x \) 座標,\( y \) 座標がともに整数になるのは,
\( (a-2,b-1)=(-1,0),(0,0),(0,2),(1,1),(2,2),(2,3),(3,3),(4,4) \) の8個。
取り得る座標は全部で36個あるので,求める確率は,\( \dfrac{8}{36}=\dfrac{2}{9} \)
  

 

大問5

図1のような \( AB=6 \; cm,BC=3 \; cm \) である長方形 \( ABCD \) がある。

図2は,図1の長方形 \( ABCD \) を対角線 \( AC \) を折り目として折り返したとき,点 \( B \) の移った点を \( E \) とし,線分 \( AE \) と辺 \( DC \) の交点を \( F \) としたものである。

図3は,図2の折り返した部分をもとに戻し,長方形 \( ABCD \) を対角線 \( DB \) を折り目として折り返したとき,点 \( C \) の移った点を \( G \) とし,線分 \( DG \) と辺 \( AB \) の交点を \( H \) としたものである。

図4は,図3の折り返した部分をもとに戻し,線分 \( DH \) と対角線 \( AC \),線分 \( AF \) の交点をそれぞれ \( I,J \) としたものである。

次の1~4の問いに答えなさい。
1 長方形 \( ABCD \) の対角線 \( AC \) の長さを求めよ。

【解答】
\( 3\sqrt{5} \; cm \)
【解説】
三平方の定理より,
 \( AC^2=6^2+3^2=45 \)
  \( AC=3\sqrt{5} \; (cm) \) (\( AC>0 \)より)

 

2 図2において,\( △ACF \) が二等辺三角形であることを証明せよ。

【解答】

\( △ACF \) において,
長方形の向かい合う辺は平行なので,錯角は等しく,
 \( ∠FCA=∠BAC \) ・・・ ➀
折り返す前後の図形は合同なので,
 \( ∠FAC=∠BAC \) ・・・ ➁
➀➁より,\( ∠FCA=∠FAC \)
よって,底角が等しいので,\( △ACF \) は二等辺三角形である。

 

3 線分 \( DF \) の長さを求めよ。

【解答】
\( \dfrac{9}{4} \; cm \)
【解説】

\( DF=x \; cm \) とすると,
\( CF=6-x \; cm \) と表すことができます。
問2より,\( △ACF \) は \( AF=CF \) の二等辺三角形なので,
\( AF=CF=6-x \; cm \)

\( △ADF \) において,三平方の定理より,
 \( x^2+3^2=(6-x)^2 \)
  \( x^2+9=x^2-12x+36 \)
   \( 12x=27 \)
    \( x=\dfrac{9}{4} \; (cm) \)

 

4 \( △AIJ \) の面積を求めよ。

【解答】
\( \dfrac{135}{176} \; cm^2 \)
【解説】
\( △AIJ \) の面積をそのまま求めることはできなさそうなので,\( △ADH \) の面積と線分 \( HI,IJ,DJ \)  の比を使って求められないか考えます。
この問題では,\( AD//HF \) であることに気付くことができれば,\( △ADJ≡△FHJ \),\( △ADI \) ∽ \( △KHI \) であることを使って,線分 \( HI,IJ,DJ \) の比を求めることができます。
(線分 \( AC \) と線分 \( HF \) の交点を点 \( K \) としています。)

図2図3 は折り返し方を左右入れ替えただけなので,\( AH=DF \)
\( AH//DF,AH=DF \) より,四角形 \( AHFD \) は長方形になります。
このとき,線分 \( AF,DH \) は対角線になっているので,
\( △ADJ≡△FHJ \) となります。
よって,\( HJ:DJ=1:1 \) ・・・ ➀


注)図の上半分のみ記載しています

次に,線分 \( AC \) と線分 \( HF \) の交点を点 \( K \) とすると,
\( △AHK \) ∽ \( △ABC \) なので,
\( AH=DF=\dfrac{9}{4} \; cm,AB=6 \; cm,BC=3 \; cm \) より,
 \( HK:BC=AH:AB \)
   \( HK:3=\dfrac{9}{4}:6 \)
    \( 6HK=\dfrac{27}{4} \)
    \( HK=\dfrac{9}{8} \; (cm) \)

\( △KHI \) ∽ \( △ADI \) なので,
\( HK=\dfrac{9}{8} \; cm,AD=3 \; cm \) より,
 \( HI:DI=HK:AD=\dfrac{9}{8}:3=3:8 \) ・・・ ➁

注)図の上半分のみ記載しています

➀より,\( HJ:DJ=1:1=11:11 \)
➁より,\( HI:DI=3:8=6:16 \)
ここから,
 \( HI:IJ:DJ=HI:(DI-DJ):DJ \)
        \( =6:(16-11):11 \)
        \( =6:5:11 \)

よって,\( IJ:DH=5:22 \)


注)図の上半分のみ記載しています

\( △ADH \) と \( △AIJ \) は高さが等しいので,底辺の長さの比が面積比と等しくなります。
よって,
 \( △AIJ:△ADH=IJ:DH=5:22 \)
     \( 22△AIJ=5△ADH \)
       \( △AIJ=\dfrac{5}{22}△ADH \)

\( AD=3 \; cm,AH=\dfrac{9}{4} \; cm \) より,\( △ADH=3 \times \dfrac{9}{4} \times \dfrac{1}{2}=\dfrac{27}{8} \; (cm^2) \) なので,
 \( △AIJ=\dfrac{5}{22} \times \dfrac{27}{8}=\dfrac{135}{176} \; (cm^2) \)