大問1
問1 次の計算をしなさい。
(1) \( -2-(-4)+5 \)
【解説】
\( =-2+4+5 \)
\( =7 \)
(2) \( -\dfrac{2}{3} \times \left( -\dfrac{9}{4} \right) \)
【解説】
\( =\dfrac{2 \times 9}{3 \times 4} \)
\( =\dfrac{3}{2} \)
(3) \( 3\sqrt{3}-\sqrt{12} \)
【解説】
\( =3\sqrt{3}-2\sqrt{3} \)
\( =\sqrt{3} \)
(4) \( 3(2x-1)-(x-2) \)
【解説】
\( =6x-3-x+2 \)
\( =5x-1 \)
(5) \( -3xy \times 2x^3y^2 \div (-x^2y) \)
【解説】
\( =\dfrac{-3xy \times 2x^3y^2}{-x^2y} \)
\( =\dfrac{-6x^4y^3}{-x^2y} \)
\( =6x^2y^2 \)
問2 \( x^2-8x+7 \) を因数分解しなさい。
問3 二次方程式 \( 5x^2-x-1=0 \) を解きなさい。
【解答】
\( x=\dfrac{1±\sqrt{21}}{10} \)
【解説】
この二次方程式を \( ax^2+bx+c=0 \) と考えると,\( a=5,b=-1,c=-1 \) なので,
解の公式より,
\( x=\dfrac{-(-1)±\sqrt{(-1)^2-4 \times 5 \times (-1)}}{2 \times 5} \)
\( =\dfrac{1±\sqrt{1+20}}{10} \)
\( =\dfrac{1±\sqrt{21}}{10} \)
問4 次の数量の関係を不等式に表しなさい。
\( 1 \) 個 \( a \) 円の梨を \( 7 \) 個と \( 1 \) 箱 \( 4000 \) 円の長いもを \( b \) 箱買って代金を支払おうとしたところ,\( 15000 \) 円では足りなかった。
【解答】
\( 7a+4000b>15000 \)
【解説】
\( 1 \) 個 \( a \) 円の梨を \( 7 \) 個買うときの代金は \( 7a \) 円,
\( 1 \) 箱 \( 4000 \) 円の長いもを \( b \) 箱買うときの代金は \( 4000b \) 円
これらの合計は \( 7a+4000b \) 円と表すことができ,
代金は \( 15000 \) 円より高かったので,
求める不等式は,
\( 7a+4000b>15000 \)
問5 右の 図Ⅰ において,\( ∠x \) の大きさを求めなさい。
ただし,4点 \( A,B,C,D \) は円周上の点であり,点 \( M \) は直線 \( AC \) と直線 \( BD \) の交点,点 \( N \) は直線 \( AD \) と直線 \( BC \) の交点である。
【解説】
\( ∠CMD=80° \) は \( △BCM \) の外角なので,
\( ∠BCM=80°-20°=60° \)
\( ∠BCM \) は \( △ACN \) の外角なので,
\( ∠x=∠BCM-∠CAN \)
\( ∠CAN \) は \( \stackrel{\huge\frown}{ CD } \) に対する円周角なので,
\( ∠CAN=∠BCM=20° \)
よって,
\( ∠x=60°-20°=40° \)
問6 3枚の硬貨を同時に投げるとき,少なくとも1枚は表となる確率を求めなさい。
ただし,硬貨を投げるときの表,裏の出かたは,同様に確からしいものとする。
【解説】
「少なくとも1枚は表となる」ということは,
「1枚または2枚または3枚が表になる」
ということであり,
「3枚とも裏になる」1通りだけを除けばいい
ことになります。
3枚の硬貨の表裏の組み合わせを樹形図に表すと,
すべての組み合わせは8通りなので,
少なくとも1枚は表となる組み合わせは7通りです。
よって,求める確率は,\( \dfrac{7}{8} \)
問7 3つの数,\( 6,\sqrt{31},\dfrac{8}{\sqrt{2}} \) を,左から小さい順に並べなさい。
【解答】
\( \sqrt{31},\dfrac{8}{\sqrt{2}},6 \)
【解説】
\( 6=\sqrt{36} \)
\( \dfrac{8}{\sqrt{2}}=\dfrac{8 \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}}=\dfrac{8\sqrt{2}}{2}=4\sqrt{2}=\sqrt{32} \)
であり,\( \sqrt{\quad} \) の中の数字を小さい順に並べ替えればいいので,
\( \sqrt{31},\dfrac{8}{\sqrt{2}},6 \)
問8 次の 図Ⅱ のように,2本の棒で1個の部品を作り,この部品を横につなげてフェンスを作る。そして,棒の交わる部分と先端には飾りをつける。部品2個をつなげてフェンスを作った場合は飾りが8個,部品3個の場合は飾りが11個必要になる。ともこさんとたけおさんは,部品 \( n \) 個をつなげてフェンスを作ったとき,飾りが何個必要になるかを考えた。
このとき,次の(1),(2)に答えなさい。

(1) ともこさんは,必要な飾りの個数について,次のように考えた。
\( 2 \times (n+1)+n=3n+2 \) (個)
次の ともこさんのノート を参考にして,この式の \( 2 \times (n+1) \) は何を表しているか,説明しなさい。

【解説】
使う部品の数ごとの飾りの数を各段ごとに考えると,
【使う部品が1個のとき】
上の段,下の段 ・・・ 2個ずつ
中の段 ・・・ 1個
【使う部品が2個のとき】
上の段,下の段 ・・・ 3個ずつ
中の段 ・・・ 2個
【使う部品が3個のとき】
上の段,下の段 ・・・ 4個ずつ
中の段 ・・・ 3個
なので,使う部品が \( n \) 個のとき,必要な飾りの数は
上の段,下の段 ・・・ \( n+1 \) 個ずつ
中の段 ・・・ \( n \) 個
になります。
つまり,\( 2 \times (n+1) \) は上の段と下の段で使う飾りの総数ということになります。
(2) たけおさんは,必要な飾りの個数について,次のように考えた。
ア \( -2 \times ( \) イ \( )=3n+2 \) (個)
次の たけおさんのノート を参考にして,この式の ア , イ にあてはまる文字式をそれぞれ求めなさい。

【解答】
ア ・・・ \( 5n \)
イ ・・・ \( n-1 \)
【解説】
ノートの記載内容から,
部品1個あたりに使用する飾りは5個で,重複部分1か所につき1個ずつが減ることになります。
重複部分の数は,上の段と下の段だけにあり,
使う部品が1個のとき ・・・ 重複部分なし
使う部品が2個のとき ・・・ 上下1か所ずつ
使う部品が3個のとき ・・・ 上下2か所ずつ
なので,使う部品が \( n \) 個のとき,重複部分の数は,上下 \( n-1 \) か所ずつになります。
よって,必要な飾りの個数は,
\( 5n-2(n-1)=3n+2 \)(個)
になります。
問9 右の 図Ⅲ において,\( △ABC \) の辺 \( AB,AC \) の長さはそれぞれ \( a \; cm,b \; cm \) である。このとき,辺 \( BC \) 上に,\( BP:PC = a:b \) となる点 \( P \) を,作図しなさい。
ただし,作図に用いた線は明確にして,消さずに残しておき,作図した点Pには記号 \( P \) を書き入れなさい。
【解答】
手順1 点 \( A \) を中心に円弧を描く。
(辺 \( AB,AC \) との交点を点 \( D,E \) とします。)
手順2 2点 \( D,E \) を中心に円弧を描く。
(交点を点 \( F \) とします。)
手順3 2点 \( A,F \) を通る直線を描く。
手順3の直線と辺 \( BC \) の交点が
求める点 \( P \) になります。
【解説】
角の二等分線の性質により,\( ∠BAC \) の二等分線の二等分線をひくと,
\( BP:PC=AB:AC \) になります。
問10 右の図Ⅳのように,平行四辺形 \( ABCD \) において,辺 \( BC \) 上に \( DC=DE \) となる点 \( E \) をとる。このとき,\( △DBC≡△EAD \) であることを次のように証明した。証明の ア には適切な式を, イ には③が成り立つ適切な理由を書き,証明を完成させなさい。
(証明)
\( △DBC \) と \( △EAD \) で,
仮定より,\( DC=ED \) ・・・ ➀
平行四辺形の2組の向かい合う辺は,それぞれ等しいので,
ア ・・・ ②
イ
したがって,
\( ∠DCB=∠EDA \) ・・・ ③
①,②,③ より 2組の辺とその間の角が,それぞれ等しいので,
\( △DBC≡△EAD \)
(証明終)
【解答】
ア ・・・ \( BC=AD \)
イ ・・・ \( DC=DE \) より,\( △DCE \) は二等辺三角形であり,
底角は等しいので,\( ∠DCB=∠DEC \)
平行四辺形の2組の向かい合う辺は,それぞれ平行なので,\( BC//AD \)であり,
錯角は等しく,\( ∠EDA=∠DEC \)
大問2
せいらさんとよしえさんが住んでいる地域では,毎年,県外から多くの人が参加するマラソン大会が開催されている。次の会話は,2人が,大会公式ホームページで,昨年のマラソン大会の参加者一覧のデータを見ながら先生と話し合ったものである。また,あとの表は,会話の中でよしえさんがまとめた度数分布表である。
このとき,あとの各問いに答えなさい。
会話
せいらさん:この大会には,昨年はちょうど \( 4000 \) 人が参加していたんですね。参加者一覧には,記録や名前,
年齢などが記載されています。参加者の年齢はすべて \( 21 \) 歳以上 \( 61 \) 歳未満ですね。
先 生:昨年,私は \( 47 \) 歳で,中学校の同級生たちと一緒にこの大会に参加しましたよ。同年代の参加者
もたくさんいたように思います。
よしえさん:先生と同年代の参加者がどれくらいいたのかな。昨年のこの大会の参加者で,\( 46 \) 歳以上 \( 51 \) 歳
未満の人が何人くらい参加していたか,調べてみよう。
せいらさん:そうだね。 参加者のうち \( 150 \) 人を対象に,数学の時間に学習した標本調査をやってみよう。
よしえさん:それなら,この調査の対象となる母集団は( ① )で,標本は ( ② )だね。
せいらさん:\( 150 \) 人を適切に選ぶには,( ➂ ) べきだね。
(しばらくして)
よしえさん:抽出した \( 150 \) 人の年齢を度数分布表にまとめると表の
ようになったよ。
せいらさん:この表をもとにすると,この大会に参加した\( 46 \) 歳以上
\( 51 \) 歳未満の人数はおよそ( ④ )人と推定できるね。
問1 会話の ( ① ),( ② ) にあてはまる内容の組み合わせとして正しいものを, 次のア~エからひとつ選び, 記号で答えなさい。
ア ・・・ ①:\( 46 \) 歳以上 \( 51 \) 歳未満の参加者
②:抽出する \( 150 \) 人の参加者
イ ・・・ ①:\( 46 \) 歳以上 \( 51 \) 歳未満の参加者
②:すべての参加者
ウ ・・・ ①:すべての参加者
②:\( 46 \) 歳以上 \( 51 \) 歳未満の参加者
エ ・・・ ①: すべての参加者
②:抽出する \( 150 \) 人の参加者
【解説】
母集団 ・・・ 調査をしたい集団全体
標 本 ・・・ 母集団の中から調査のために選ばれた(抽出された)一部の集団
のことをいいます。
この問題では,
マラソン大会の参加者 \( 4000 \) 人から \( 150 \) 人を選んで(抽出して)年齢の分布を調査したので,
母集団は,すべての参加者(マラソン大会の参加者 \( 4000 \) 人)
標本は,抽出する \( 150 \) 人の参加者
になります。
問2 会話の ( ➂ ) にあてはまる内容として最も適切なものを,次のア~エからひとつ選び,記号で答えなさい。
ア すべての参加者を男女に分けて,無作為に男女各 \( 75 \) 人を選ぶ
イ すべての参加者を男女に分けて,年齢が散らばるように男女各 \( 75 \) 人を選ぶ
ウ すべての参加者から,無作為に \( 150 \) 人を選ぶ
エ すべての参加者から,年齢が散らばるように \( 150 \) 人を選ぶ
【解説】
標本の選び方は,無作為でなければなりません。
年齢が散らばるように調整するのは選ぶ人の意図が含まれるのでイとエは適切ではありません。
また,男女各 \( 75 \) 人を選ぶのは,男女の参加者の比率が \( 1:1 \) であれば問題ありませんが,
男女比が明らかになっていないため,アも適切ではありません。
問3 会話の ( ④ ) にあてはまる数を求めなさい。
【解説】
標本調査では,母集団の中における調査対象の割合(比率)と標本の中における調査対象の割合(比率)は等しいと考えられます。
この問題では,
マラソン大会の参加者 \( 4000 \) 人における \( 46 \) 歳以上 \( 51 \) 歳未満の人の比率と
抽出した \( 150 \) 人における \( 46 \) 歳以上 \( 51 \) 歳未満の人の比率
は等しいと考えられるので,
大会に参加した\( 46 \) 歳以上\( 51 \) 歳未満の人数を \( x \) 人とすると,
\( 4000:x=150:21 \)
\( 150x=4000 \times 21 \)
\( x=80 \times 7=560 \)(人)
問4 表をもとに,\( 31 \) 歳以上\( 36 \) 歳未満の階級までの累積相対度数を求めなさい。
【解説】
累積相対度数は,
「あてはまる階級すべての度数の合計 \( \div \) すべての階級の度数の合計」
で求めることができます。
よって,\( 31 \) 歳以上\( 36 \) 歳未満の階級までの累積相対度数は,
\( (6+12+24) \div 150=0.28 \)
問5 せいらさんは,抽出した \( 150 \) 人の年齢の四分位数を求めようとした。次の説明は,中央値 (第2四分位数)の求め方を記述したものである。説明の に適切な文を入れ,説明を完成させなさい。
説明
\( 150 \) 人の年齢を小さい順に並べ,
【解答】
小さい方から \( 75 \) 番目と \( 76 \) 番目の値の平均値を求める。
問6 せいらさんとよしえさんは,\( 21 \) 歳以上 \( 61 \) 歳未満の人が参加した別のスポーツ大会A~Dからそれぞれ \( 150 \) 人を抽出した。右の図は,抽出した \( 150 \) 人の年齢を大会ごとに箱ひげ図にまとめたものである。抽出したそれぞれの \( 150 \) 人について,図から読み取ることができる内容として正しいものを,次のア~オから2つ選び,記号で答えなさい。
ア 四分位範囲が一番大きいのは大会Aである
イ 平均年齢が一番高いのは大会Bである
ウ \( 40 \) 歳未満の参加者が一番多いのは大会Cである
エ 第1四分位数が一番小さいのは大会Dである
オ A~Dのすべての大会について, \( 50 \) 歳以上の参加者は \( 38 \) 人以上いる
【解説】
ア
四分位範囲の大きさは箱の長さ(高さ)で判断することができます。
箱の高さ最も高いのは,Aなので,正しい。
オ
全部で \( 150 \) 人のデータなので,第三四分位数は値の小さい方から \( 113 \) 番目(大きい方から \( 38 \) 番目)の値になります。
箱ひげ図からA~Dすべてにおいて第三四分位数の値は \( 50 \) 歳以上なので,\( 50 \) 歳以上の参加者は \( 38 \) 人以上いるといえます。
【正しくない理由】
イ
箱ひげ図だけでは平均値を求めることはできません。
ウ
全部で \( 150 \) 人のデータなので,第一四分位数は値の小さい方から \( 38 \) 番目の値になります。
大会Aの第一四分位数は \( 30 \) 歳なので,\( 40 \) 歳未満の参加者は \( 38 \) 人以上います。
大会B,C,Dの第一四分位数は \( 40 \) 歳より大きいので,\( 40 \) 歳未満の参加者は \( 37 \) 人以下になります。
よって,\( 40 \) 歳未満の参加者が最も多いのは大会Aになります。
エ
箱ひげ図から第一四分位数が最も小さいのは大会Aになります。
大問3
あきえさんは,研修旅行の班別行動で地域の歴史を調べるため,右の 行程表 に沿って史跡の探索に出かけた。
このとき,次の各問いに答えなさい。
問1 あきえさんの班は,ホテルを出発し,\( 1 \; km \) 離れたA駅に向かった。
このとき,次の(1),(2)に答えなさい。
(1) ホテルからA駅まで時速 \( 3 \; km \) の速さで歩くとすると,何分かかるか求めなさい。
【解説】
\( 1 \) 時間(\( 60 \) 分)で \( 3 \; km \) 歩くので,
\( 1 \; km \) 歩くのにかかる時間は,
\( 60 \times \dfrac{1}{3}=20 \)(分)
(2) あきえさんの班は,ホテルから最初は時速 \( 3 \; km \) の速さで歩き,途中から時速 \( 10 \; km \) の速さで走ったところ,ホテルを出発してから \( 15 \) 分後にA駅に到着した。
このとき,次の(ⅰ),(ⅱ)に答えなさい。
(ⅰ) 歩いた道のりを \( a \; km \) として,次のような方程式をつくった。次の にあてはまる式を,\( a \) を用いて表しなさい。
ただし,この問いの答えは,必ずしも約分や式を整理する必要はない。
\( =\dfrac{1}{4} \)
【解答】
\( \dfrac{a}{3}+\dfrac{1-a}{10} \)
【解説】
\( 15 \) 分 \( =\dfrac{1}{4} \) 時間であることから,この方程式は時間の関係を表しているとわかります。
\( a \; km \) の道のりを時速 \( 3 \; km \) の速さで歩くのにかかる時間は \( \dfrac{a}{3} \) 時間
走った道のりは \( 1-a \; km \) と表すことができるので,
これを時速 \( 10 \; km \) の速さで走るのにかかる時間は \( \dfrac{1-a}{10} \) 時間
これらの合計が \( \dfrac{1}{4} \) 時間なので,
\( \dfrac{a}{3}+\dfrac{1-a}{10}=\dfrac{1}{4} \)
(ⅱ) 歩いた時間を \( b \) 分として,次のような方程式をつくった。次の にあてはまる式を,\( b \) を用いて表しなさい。
ただし,この問いの答えは,必ずしも約分や式を整理する必要はない。
\( =1 \)
【解答】
\( \dfrac{3b}{60}+\dfrac{10(15-b)}{60} \)
【解説】
ホテルから駅までの距離が \( 1 \; km \) なので,この方程式は道のりの関係を表しているとわかります。
時速 \( 3 \; km \) の速さで \( b \) 分 \( =\dfrac{b}{60} \) 時間 歩いたときに進む道のりは \( \dfrac{3b}{60} \; km \)
走った時間は \( 15-b \) 分 \( =\dfrac{15-b}{60} \) 時間 と表すことができるので,
これを時速 \( 10 \; km \) の速さで走ったときに進む道のりは \( \dfrac{10(15-b)}{60} \; km \)
これらの合計が \( 1 \; km \) なので,
\( \dfrac{3b}{60}+\dfrac{10(15-b)}{60}=1 \)
問2 A駅からB駅を経由してC寺に行く道のりは \( 20 \; km \) あり,C寺からD城跡,E神社を経由してホテルに行く道のりも \( 20 \; km \) ある。なお,列車はバスよりも速く,列車のほうが1時間あたり \( 21 \; km \) 多く進むことが分かっている。また,行程表 のB駅以降に「徒歩」と書いてある区間を歩く速さは,すべて等しい。
このとき,次の(1),(2)に答えなさい。
(1) 歩く速さを時速 \( x \; km \) ,列車の速さを時速 \( y \; km \) として,行程表 をもとに次のような連立方程式をつくった。次の ア , イ にあてはまる式を,\( x,y \) を用いて表しなさい。
ただし,この問いの答えは,必ずしも約分や式を整理する必要はない。
ア \( =20 \)
イ \( =20 \)
【解答】
ア ・・・ \( \dfrac{y}{3}+\dfrac{x}{4} \)
イ ・・・ \( \dfrac{x}{6}+\dfrac{x}{3}+\dfrac{y-21}{2} \)
【解説】
A駅からC寺まで行く道のりとC寺からホテルまで戻ってくる道のりがどちらも \( 20 \; km \) なので,
行くときの道のりの関係と戻るときの道のりの関係がそれぞれの方程式に表されているとわかります。
【A駅からC寺まで】
A駅からB駅までは,時速 \( y \; km \) の速さで \( 20 \) 分 \( =\dfrac{1}{3} \) 時間 かかるので,道のりは \( \dfrac{y}{3} \; km \)
B駅からC寺までは,時速 \( x \; km \) の速さで \( 15 \) 分 \( =\dfrac{1}{4} \) 時間 かかるので,道のりは \( \dfrac{x}{4} \; km \)
これらの合計が \( 20 \; km \) なので,
\( \dfrac{y}{3}+\dfrac{x}{4}=20 \) ・・・ ➀
【C寺からホテルまで】
C寺からD城跡までは,時速 \( x \; km \) の速さで \( 10 \) 分 \( =\dfrac{1}{6} \) 時間かかるので,道のりは \( \dfrac{x}{6} \; km \)
D城跡からE神社までは,時速 \( x \; km \) の速さで \( 20 \) 分 \( =\dfrac{1}{3} \) 時間かかるので,道のりは \( \dfrac{x}{3} \; km \)
E神社からホテルまでは,バスで \( 30 \) 分 \( =\dfrac{1}{2} \) 時間かかっています。
列車のほうが1時間あたり \( 21 \; km \) 多く進むので,バスの速さは時速 \( y-21 \; km \) と表すことができます。
ここから,道のりは \( \dfrac{y-21}{2} \; km \)
これらの合計が \( 20 \; km \) なので,
\( \dfrac{x}{6}+\dfrac{x}{3}+\dfrac{y-21}{2}=20 \) ・・・ ➁
(2) 歩く速さと列車の速さは時速何 \( km \) か,それぞれ求めなさい。
【解答】
歩く速さ ・・・ \( 4 \; km \)
列車の速さ ・・・ \( 57 \; km \)
【解説】
\( \left\{ \begin{array}{}
\dfrac{y}{3}+\dfrac{x}{4}=20 \;\; ・・・ \;\; ・・・ ➀ \\
\dfrac{x}{6}+\dfrac{x}{3}+\dfrac{y-21}{2}=20 \;\; ・・・ \;\; ・・・ ➁ \\
\end{array} \right. \)
➀ \( \times 12 \)
\( 4y+3x=240 \) ・・・ ➀’
➁ \( \times 6 \)
\( x+2x+3(y-21)=120 \)
\( x+2x+3y-63=120 \)
\( 3x+3y=183 \) ・・・ ➁’
➀’\( – \)➁’
\( y=57 \)
➁’に代入すると,
\( 3x+3 \times 57=183 \)
\( 3x+171=183 \)
\( 3x=12 \)
\( x=4 \)
大問4
右の図Ⅰにおいて,放物線① は,関数 \( y=x^2 \),曲線② は関数 \( y=\dfrac{a}{x} \; (x>0) \) のグラフであり,放物線① と曲線② の交点 \( A \) の座標は \( (2,4) \) である。また,放物線① 上の2点 \( P,Q \) の \( x \) 座標はそれぞれ \( t,t-3 \) で,直線 \( x=t \) と曲線②の交点を \( R \) とする。ただし,\( t>0 \) とする。
このとき,次の各問いに答えなさい。
問1 \( a \) の値を求めなさい。
【解説】
\( y=\dfrac{a}{x} \) のグラフは,\( A(2,4) \) を通るので,
\( 4=\dfrac{a}{2} \)
\( a=8 \)
問2 \( t=1 \) のとき,直線 \( PQ \) の式を求めなさい。
【解説】
\( t=1 \) のとき,
点 \( P \) の \( x \) 座標は \( 1 \) なので,
\( y \) 座標は \( y=1^2=1 \)
点 \( P \) の \( x \) 座標は \( 1-3=-2 \) なので,
\( y \) 座標は \( y=(-2)^2=4 \)
直線 \( PQ \) は \( P(1,1),Q(-2,4) \) を通るので,
傾き \( =\dfrac{1-4}{1-(-2)}=-1 \)
直線 \( PQ \) の式を \( y=-x+b \) として,
\( x=1,y=1 \) を代入すると,
\( 1=-1+b \)
\( b=2 \)
よって,直線 \( PQ \) の式は \( y=-x+2 \)
問3 直線 \( PQ \) が \( x \) 軸と平行になるとき,\( t \) の値を求めなさい。また,このときの点 \( R \) の \( y \) 座標を求めなさい。
【解答】
\( t \) の値 ・・・ \( t=\dfrac{3}{2} \)
点 \( R \) の \( y \) 座標 ・・・ \( \dfrac{16}{3} \)
【解説】
【\( t \) の値】
直線 \( PQ \) が \( x \) 軸と平行になるのは,
2点 \( P,Q \) の \( y \) 座標が等しくなるときなので,
\( x=t \) のときの \( y \) 座標は,\( y=t^2 \)
\( x=t-3 \) のときの \( y \) 座標は,\( y=(t-3)^2 \)
であり,
\( t^2=(t-3)^2 \)
\( t^2=t^2-6t+9 \)
\( 6t=9 \)
\( t=\dfrac{3}{2} \)
【点 \( R \) の \( y \) 座標】
点 \( R \) は,\( y=\dfrac{8}{x} \) 上の点で,
\( x \) 座標は \( \dfrac{3}{2} \) なので,
\( y=\dfrac{8}{\dfrac{3}{2}} \)
\( =8 \div \dfrac{3}{2} \)
\( =8 \times \dfrac{2}{3} \)
\( =\dfrac{16}{3} \)
問4 \( t \) は \( 2 \) より大きい整数とする。
右の図Ⅱのように,直線 \( x=t \) と \( x \) 軸の交点を \( S \) とする。\( x \) 軸,放物線 ①,曲線 ②,直線 \( x=t \) で囲まれた部分 (色の付いた部分)の周上及び内部にある点で,\( x \) 座標と \( y \) 座標がともに整数である点の個数を \( n \) 個とする。
このとき,次の(1),(2)に答えなさい。
(1) \( t=4 \) のとき,\( n \) の値を求めなさい。
【解説】
右の図から
\( x=0 \) のとき,\( y=x^2 \) が \( y=0 \) を通るので,
\( y \) が整数になるのは,\( y=0 \) のとき
\( x=1 \) のとき,\( y=x^2 \) が \( y=1 \) を通るので,
\( y \) が整数になるのは,\( y=0,1 \) のとき
\( x=2 \) のとき,\( y=x^2 \) が \( y=4 \) を通るので,
\( y \) が整数になるのは,\( y=0,1,2,3,4 \) のとき
\( x=3 \) のとき,\( y=\dfrac{8}{x} \) が \( y=\dfrac{8}{3} \) を通っていて,
\( 2<\dfrac{8}{3}<3 \) なので,
\( y \) が整数になるのは,\( y=0,1,2 \) のとき
\( x=4 \) のとき,\( y=\dfrac{8}{x} \) が \( y=2 \) を通るので,
\( y \) が整数になるのは,\( y=0,1,2 \) のとき
以上より,あてはまる点の数の合計は,
\( n=1+2+5+3+3=14 \)(個)
(2) \( n=50 \) のとき,\( t \) の値を求めなさい。
【解説】
反比例 \( y=\dfrac{a}{x} \) のグラフが \( x \) 座標と \( y \) 座標がともに整数である点を通るのは,
\( x \) 座標の値が \( a \) の約数になるときです。
この問題では \( y=\dfrac{8}{x} \) なので,\( x \) 座標の値が \( 8 \) の約数になるとき,
つまり,\( x=1,2,4,8 \) のときです。
(1)より,\( t=4 \) のとき,\( n=14 \) なので,\( t>4 \) であることは明らかです。
\( t=8 \) の場合を考えると,
\( 5<x<8 \) のとき,\( y=\dfrac{8}{x} \) が
\( 1≦y<2 \) の範囲を通るので,
\( y \) が整数になるのは,\( y=0,1 \) のとき
なので,あてはまる点の数の合計は,
\( n=14+2 \times 4=22 \)(個)
ここから,\( t>8 \) であることがわかります。
\( t>8 \) の場合,
\( x>8 \) のとき,\( y=\dfrac{8}{x} \) は
\( 0<y<1 \) の範囲を通るので,
\( y \) が整数になるのは,\( y=0 \) のとき
注)反比例のグラフは \( x \) の値がどれだけ大きく
なっても \( x \) 軸と交わることはありません。
つまり,\( t \) の値が \( 1 \) 大きくなるごとに \( n \) の値も \( 1 \) ずつ大きくなります。
よって,\( n=50 \) となるためには,\( t=8 \) から,\( 50-22=28 \) 大きくなればいいので,
\( t=8+28=36 \)
大問5
右の図Ⅰにおいて,この立体は,1辺の長さが \( 10 \; cm \) の立方体である。また,辺 \( EF \) 上に点 \( P \) があり,線分 \( FP \) の長さを \( t \; cm \) とする。ただし,\( 0<t<10 \) とする。
このとき,次の各問いに答えなさい。
問1 直線 \( AB \) とねじれの位置にある直線を,次のア~オからすべて選び,記号で答えなさい。
ア 直線 \( DC \) イ 直線 \( CG \) ウ 直線 \( GH \)
エ 直線 \( BF \) オ 直線 \( FG \)
【解説】
ねじれの位置にある直線とは,
どこまでいっても交わらない直線のうち,平行ではないもの
のことをいいます。
ア 直線 \( DC \),ウ 直線 \( GH \)
直線 \( AB \) と平行なので,ねじれの位置ではありません。
エ 直線 \( BF \)
直線 \( AB \) と点 \( B \) で交わっているので,
ねじれの位置ではありません。
よって,残りの イ 直線 \( CG \) とオ 直線 \( FG \) が
ねじれの位置になります。
問2 \( t=5 \) のとき,三角錐 \( BFGP \) の体積を求めなさい。
【解答】
\( \dfrac{250}{3} \; cm^3 \)
【解説】
\( \left(5 \times 10 \times \dfrac{1}{2} \right) \times 10 \times \dfrac{1}{3}=\dfrac{250}{3} \; (cm^3) \)

問3 線分 \( DP \) の長さが \( 6\sqrt{6} \) となるとき,\( t \) の値を求めなさい。
【解説】
\( △DPH \) と \( △EPH \) に注目すると,
辺 \( HP \) を共有する直角三角形になっています。
ここから,三平方の定理より,
\( HP^2 \) を\( △EPH,△DPH \) の両方から表し,
方程式にすると,
\( (10-t)^2+10^2=(6\sqrt{6})^2-10^2 \)
\( t^2-20t+200=116 \)
\( t^2-20t+84=0 \)
\( (t-6)(t-14)=0 \)
\( t=6 \) (\( 0<t<10 \) より)
問4 \( t=2 \) のとき,ひもを点 \( D \) から立方体の表面にそって点 \( P \) までゆるまないようにかける。このひもの長さが最も短くなるときの長さを求めなさい。
【解答】
\( 2\sqrt{106} \; cm \)
【解説】
面 \( AEHD,EFGH \) に注目し,展開すると,ひもの長さが最も短くなるとき,2点 \( D,P \) を直線で
結んだ状態になります。
このとき,
\( △APD \) は
\( AD=10 \; cm,AP=18 \; cm \) の直角三角形なので,
三平方の定理より,
\( DP^2=10^2+18^2=424 \)
\( DP=2\sqrt{106} \; (cm) \)
ひもを通す方法は辺 \( GH \) を経由して通す方法もありますが,
この場合は,面 \( DHGC,HEFG \) に注目すると,
\( △DEP \) は
\( DE=20 \; cm,EP=8 \; cm \) の直角三角形なので,
三平方の定理より,
\( DP^2=20^2+8^2=464 \)
となり,最短ではなくなるので
問題の条件にあてはまりません。
問5 右の図Ⅱのように,点 \( A,C,P \) を通る平面で,この立方体を2つの立体に切り分ける。このとき,切り口である平面と辺 \( FG \) の交点を \( Q \) とし,切り分けた後の点 \( B \) を含む立体を \( X \) とする。
\( t=8 \) のとき,立体 \( X \) の体積を求めなさい。
【解答】
\( \dfrac{1220}{3} \; cm^3 \)
【解説】
立体の切り口の特徴として,平行な2面上にある線分は必ず平行になります。
(この問題の場合,線分 \( AC \) と \( PQ \) )
立体 \( X \) において,\( △ABC \) は
\( AB=BC=10 \; cm \) の直角二等辺三角形であり,
\( AC//PQ \) なので,\( △PFQ \) は
\( FP=FQ=8 \; cm \) の直角二等辺三角形になっています。
台形 \( ABFP \) と台形 \( CBFQ \) は合同なので,
線分 \( AP,BF,CQ \) を延長した交点を \( O \) とすると,
立体 \( X \) は,三角すい \( O-ABC \) から三角すい \( O-PFQ \) を取り除いたものになっています。
\( △OBC \) と \( △OFQ \) において,
\( OF=x \; cm \) とすると,\( BC//FQ \) より
\( △OBC \) ∽ \( △OFQ \) なので,
\( OB:OF=BC:FQ \)
\( (10+x):x=10:8 \)
\( 8(10+x)=10x \)
\( 2x=80 \)
\( x=40 \; (cm) \)
以上より,三角すい \( O-ABC \) の体積は,
\( \left( 10 \times 10 \times \dfrac{1}{2} \right) \times (10+40) \times \dfrac{1}{3}=\dfrac{2500}{3} \; (cm^3) \)
三角すい \( O-PFQ \) の体積は,
\( \left( 8 \times 8 \times \dfrac{1}{2} \right) \times 40 \times \dfrac{1}{3}=\dfrac{1280}{3} \; (cm^3) \)
なので,立体 \( X \) の体積は,
\( \dfrac{2500}{3}-\dfrac{1280}{3}=\dfrac{1220}{3} \; (cm^3) \)