千葉県公立高校入試 令和6(2024)年度 解答&解説

大問1

(1) 次のの計算をしなさい。

 \( -4+12 \div 2 \)

【解答】
\( 2 \)
【解説】
\( =-4+6 \)
\( =2 \)

 

 \( a^2b \div 3ab \times (-9a) \)

【解答】
\( -3a^2 \)
【解説】
\( =-\dfrac{a^2b \times 9a}{3ab} \)
\( =-3a^2 \)

 

 \( (\sqrt{7}+\sqrt{3})(\sqrt{7}-2\sqrt{3}) \)

【解答】
\( 1-\sqrt{21} \)
【解説】
\( =\sqrt{7}^2+\sqrt{7} \times \sqrt{3}+\sqrt{7} \times (-2\sqrt{3})+\sqrt{3} \times (-2\sqrt{3}) \)
\( =7+\sqrt{21}-2\sqrt{21}-6 \)
\( =1-\sqrt{21} \)

 

(2) ある数 \( x \) を2乗した数と,\( x \) を2倍した数との和は \( 5 \) である。
このとき,次のの問いに答えなさい。

 \( x \) についての方程式として最も適当なものを,次ののうちから1つ選び,符号で答えなさい。

   \( x^2+2x+5=0 \)
   \( x^2-2x+5=0 \)
   \( x^2+2x-5=0 \)
   \( x^2-2x-5=0 \)

【解答】
 \( x^2+2x-5=0 \)
【解説】
ある数 \( x \) を2乗した数は,\( x^2 \),\( x \) を2倍した数は,\( 2x \)
と表すことができ,その和が \( 5 \) なので,
   \( x^2+2x=5 \)
 \( x^2+2x-5=0 \)

 

 次の     にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。

ある数 \( x \) は     である。

【解答】
\( -1±\sqrt{6} \)
【解説】
\( x^2+2x-5=0 \) を解くと,解の公式より,
 \( x^2+2x-5=0 \)
  \( x=\dfrac{-2±\sqrt{2^2-4 \times 1 \times (-5)}}{2 \times 1} \)
  \( =\dfrac{-2±2\sqrt{6}}{2} \)
  \( =-1±\sqrt{6} \)

 

(3) 次のの問いに答えなさい。

 次ののうち,標本調査を行うことが最も適しているものを1つ選び,符号で答えなさい。

   国勢調査
   川の水質検査
   学校で行う生徒の歯科検診
   A中学校3年生の進路希望調査

【解答】
 川の水質検査
【解説】
標本調査は,全数調査を行うには時間や費用がかかりすぎるものに対して
対象の一部を標本として取り出して調査を行うものです。

 ・・・ 国勢調査は,国内に住むすべての人や世帯の構成や生活状況を調査するものです。
    正確さが重視されるので,時間や費用がかかりますが,全数調査する必要があります。

 ・・・ 川の水すべてを集めて水質検査をすることは不可能なので,一部を取り出して検査しています。

 ・・・ 虫歯の有無は生徒全員が調べるべきものなので,歯科検診は全員が受ける必要があります。

 ・・・ 進路希望調査は生徒の将来を左右するので,全数調査する必要があります。

 

 次の     にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。

袋の中に,同じ大きさの白い卓球の球だけがたくさん入っている。この白い球の個数を推定するために,色だけが違うオレンジ色の球 \( 30 \) 個をその袋に入れてよくかき混ぜ,そこから無作為に \( 10 \) 個の球を抽出したところ,オレンジ色の球が \( 3 \) 個含まれていた。
はじめに袋の中に入っていた白い球は,およそ     個と推定できる。

【解答】
\( 70 \)
【解説】
標本調査では,
母集団に含まれる調査対象の割合と標本に含まれる調査対象の割合は等しい
と考えられます。

袋の中の白い球の個数を \( x \) 個とすると,オレンジ色の球 \( 30 \) 個を追加したとき,
袋の中の球の総数は \( x+30 \) 個,オレンジ色の球は \( 30 \) 個,
抽出した(取り出した)球の総数は \( 10 \) 個,オレンジ色の球は \( 3 \) 個
なので,
 \( x+30:30=10:3 \)
  \( 3(x+30)=300 \)
   \( x+30=100 \)
      \( x=70 \)(個)

 

(4) 次のの問いに答えなさい。

 立方体の展開図として正しくないものを,次ののうちから1つ選び,符号で答えなさい。

【解答】

【解説】

の展開図は赤の面が重なるので
立方体になりません。


 

 次の     にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。

右の図のように,1辺が \( 3 \; cm \) の立方体がある。この立方体の表面に,頂点 \( A \) から頂点 \( H \) まで,辺 \( BF \) と辺 \( CG \) を通るようにひもをかける。ひもの長さが最も短くなるときのひもの長さは      \( cm \) である。

【解答】
\( 3\sqrt{10} \)

【解説】
図の立方体で側面にあたる面 \( AEFB,BFGC,DHGC,DHEA \) を辺 \( AE \) で切って展開すると,
ひもの長さが最も短くなるとき,展開図上で下の図のように2点 \( AH \) を直線で結んだ状態になります。
\( △AEH \) において,三平方の定理より,
 \( AH^2=AE^2+EH^2=90 \)
  \( AH=3\sqrt{10} \; (cm) \)

 

(5) 大小2つのさいころを同時に投げ,大きいさいころの出た目の数を \( a \),小さいさいころの出た目の数を \( b \) とし,\( (a,b) \) を座標とする点 \( P \) をとる。
例えば,右の図の点 \( P \) は,大きいさいころの出た目の数が \( 3 \),小さいさいころの出た目の数が \( 4 \) のときの座標 \( (3,4) \) を表したものである。
このとき,次の    にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。
ただし,原点 \( O \) から点 \( (1,0) \) までの距離及び原点 \( O \) から点 \( (0,1) \) までの距離をそれぞれ \( 1 \; cm \) とする。
また,さいころを投げるとき, \( 1 \) から \( 6 \) までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。

 点 \( P \) が直線 \( y=x \) 上の点となる確率は     である。

【解答】
\( \dfrac{1}{6} \)
【解説】

点 \( P \) が直線 \( y=x \) 上の点となるのは,
\( x \) 座標と \( y \) 座標の値が等しいときなので,
 \( (a,b)=(1,1),(2,2),(3,3), \)
      \( (4,4),(5,5),(6,6) \)
の \( 6 \) 通りです。

また,
大きいさいころの出た目の数は \( 1~6 \) の \( 6 \) 通り,
小さいさいころの出た目の数も \( 1~6 \) の \( 6 \) 通り,
なので,
すべての組み合わせは \( 6 \times 6=36 \) 通り

よって,求める確率は \( \dfrac{6}{36}=\dfrac{1}{6} \)

 

 線分 \( OP \) の長さが \( 4 \; cm \) 以下となる確率は     である。

【解答】
\( \dfrac{2}{9} \)
【解説】
線分 \( OP \) の長さが \( 4 \; cm \) となるのは,
点 \( P \) が原点 \( O \) を中心とし,半径 \( 4 \; cm \) の円周上にあるときなので,
線分 \( OP \) の長さが \( 4 \; cm \) 以下となるのは,
点 \( P \) がこの円の円周上または内部にあるときです。

この円は \( 1<x≦4 \) の範囲では,
\( x \) 座標と \( y \) 座標の値が
ともに自然数になる点を通らないので,
あてはまる組み合わせは円周上にはありません。

点 \( P \) がこの円の内部にあるのは,
 \( (a,b)=(1,1),(1,2),(1,3), \)
      \( (2,1),(2,2),(2,3), \)
      \( (3,1),(3,2) \)
の \( 8 \) 通りです。

すべての組み合わせは \( 36 \) 通りなので,
求める確率は \( \dfrac{8}{36}=\dfrac{2}{9} \)

 

(6) 右の図のように,4点 \( A,B,C,D \) が円 \( O \) の円周上にあり,弦 \( BA \) を延長した直線と弦 \( CD \) を延長した直線の交点を \( E \),線分 \( AC \) と線分 \( BD \) の交点を \( F \) とする。
\( ∠BEC =38°,∠BDC=63° \) であるとき,次の    にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。

 \( x \) で示した \( ∠BAC \) の大きさは     度である。

【解答】
\( 63 \)

【解説】

\( \stackrel{\huge\frown}{ BC } \) に対する円周角なので,
 \( ∠BAC=∠BDC=63° \)

 

 \( y \) で示した \( ∠BFC \) の大きさは     度である。

【解答】
\( 88 \)
【解説】

(1)より,\( ∠BAC=∠BDC=63° \) で,
\( ∠BAC \) は \( △ACE \) の外角なので,
 \( ∠DCF=∠BAC-∠CEA=25° \)
\( ∠BFC \) は \( △DCF \) の外角なので,
 \( ∠BFC=∠BDC+∠DCF=88° \)

 

(7) 右の図は,ある円錐の展開図の一部(側面の部分)であり,中心角が \( 90° \) のおうぎ形である。
この円錐の展開図の底面の部分である円が点 \( A \) を通るとき,次のの問いに答えなさい。

 次の     にあてはまるものを答えなさい。

側面の部分であるおうぎ形の半径は,底面の部分である円の半径の
    倍である。

【解答】
\( 4 \)

【解説】

円すいの展開図において,
側面のおうぎ形の弧の長さと底面の円周の長さは
等しくなります。

おうぎ形の半径を \( r_1 \),底面の円の半径を \( r_2 \),
おうぎ形の弧の長さ(底面の円の円周の長さ)をℓとすると,
おうぎ形の弧の長さは,ℓ \( =2\pi{} \times r_1 \times \dfrac{90°}{360°} \)
底面の円周の長さは,ℓ \( =2\pi{} \times r_2 \)
と表せるので,
 \( 2\pi{} \times r_1 \times \dfrac{90°}{360°}=2\pi{} \times r_2 \)
     \( \dfrac{1}{4}r_1=r_2 \)
      \( r_1=4r_2 \)

 

 底面の部分である円の中心 \( O \) を作図によって求めなさい。また,中心 \( O \) の位置を示す文字 \( O \) も書きなさい。
ただし,三角定規の角を利用して直線をひくことはしないものとし,作図に用いた線は消さずに残しておくこと。

【解答】
側面の側面のおうぎ形の中心にあたる点を \( O’ \) とします。

手順1 2点 \( O’,A \) を通る直線を描く。
手順2 2点 \( O’,A \) を中心に円弧を描く。
(交点を \( B,C \) とします。)
手順3 2点 \( B,C \) を通る直線を描く。
(直線 \( O’A \) との交点を \( D \) とします。)
手順4 2点 \( A,D \) を中心に円弧を描く。
(交点を \( E,F \) とします。)
手順5 2点 \( E,F \) を通る直線を描く。
(直線 \( O’A \) との交点を \( G \) とします。)
手順6 点 \( A \) を中心に線分 \( GA \) を半径とする円弧を描く。

手順6の円弧と直線 \( O’A \) との交点が
求める点 \( O \) になります。

【解答】
円すいの展開図において,側面のおうぎ形と底面の円は接点のみで接するので,
底面の部分である円が点 \( A \) を通ることから,点 \( A \) は側面のおうぎ形と底面の円の接点になります。

また,2つの円が接するとき,2つの円の中心を結んだ線分は必ず接点を通るので,
求める点 \( O \) は,直線 \( O’A \) 上の点になります。

さらに,(1)より,\( O’A=4OA \) なので,
線分 \( O’A \) の垂直二等分線 \( m \) を描くことで,
\( DA=2OA \) となる点 \( D \) を作図できます。
(点 \( D \) は直線 \( m \) と直線 \( O’A \) の交点)

次に,線分 \( DA \) の垂直二等分線 \( n \) を描くことで,
\( GA=OA \) となる点 \( G \) を作図できます。
(点 \( G \) は直線 \( n \) と直線 \( O’A \) の交点)

最後に,点 \( A \) を中心に線分 \( GA \) を半径とする
円弧を描くと,直線 \( O’A \) との交点が求める点 \( O \)
になります。

2つの円が接するとき,2つの円の中心を結んだ線分は必ず接点を通る?

2つの円の中心を \( O,O’ \),接点を \( P \) とすると,
円 \( O \) と円 \( O’ \) が接しているとき,
点 \( P \) を通る2つの円の接線 \( ℓ \) は共通になります。

接線 \( ℓ \) 上に点 \( Q \) をとると,
円と接線は接点において垂直に交わるので,
 \( ∠OPQ=∠O’PQ=90° \)
であり,
 \( ∠OPO’=∠OPQ+∠O’PQ=180° \)
なので,
3点 \( O,O’,P \) は一直線上の点です。

よって,2つの円が接するとき,2つの円の中心を結んだ線分は必ず接点を通るといえます。

 

大問2

右の図のように,関数 \( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) のグラフ上に \( x \) 座標が \( p \) である点 \( P \) があり,点 \( P \) を通り \( x \) 軸に平行な直線と関数 \( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) のグラフとの交点を \( Q \) とする。また,関数 \( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) のグラフ上に点 \( R \) を,\( y \) 軸上に点 \( S \) を,四角形 \( PRSQ \) が平行四辺形となるようにとる。
このとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。
ただし,\( p>0 \) とする。

(1) \( p=3 \) のとき,次の①の    ,②の     にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。

 点 \( P \) の \( y \) 座標は     である。

【解答】
\( \dfrac{9}{2} \)
【解説】
点 \( P \) は,\( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) 上の点で,\( x \) 座標が \( 3 \) なので,
 \( y=\dfrac{1}{2} \times 3^2=\dfrac{9}{2} \)

 

 2点 \( Q,R \) を通る直線の傾きは     で,切片は     である。

【解答】
傾き ・・・ \( \dfrac{3}{2} \)
切片 ・・・ \( 9 \)
【解説】

点 \( Q \) は,\( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) 上の点で,
点 \( P \) と \( y \) 座標が等しいので,
\( x \) 座標は \( -3 \) であり,\( Q \left(-3,\dfrac{9}{2} \right) \)

平行四辺形の向かい合う辺の長さは等しいので,
\( PQ=RS=6 \) であり,
点 \( R \) の \( x \) 座標は \( 6 \)
ここから,\( y \) 座標は,
 \( y=\dfrac{1}{2} \times 6^2=18 \)
であり,\( R(6,18) \)

2点 \( Q,R \) を通る直線の式を \( y=ax+b \) とすると,
傾き \( a=\dfrac{18-\dfrac{9}{2}}{6-(-3)}=\dfrac{3}{2} \)
\( y=\dfrac{3}{2}x+b \) に \( x=6,y=18 \) を代入すると,
 \( 18=\dfrac{3}{2} \times 6+b \)
  \( b=9 \)

 

(2) 直線 \( PQ \) と \( y \) 軸との交点を \( H \) とするとき,次の     にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。

\( SH=2PQ \) となるのは,\( p= \)     のとき
である。
【解答】
\( \dfrac{8}{3} \)

【解説】

点 \( P \) の \( x \) 座標が \( p \) のとき,
\( P,Q \) の座標は \( P \left( p,\dfrac{1}{2}p^2 \right),Q \left( -p,\dfrac{1}{2}p^2 \right) \)
と表すことができます。

このとき,\( PQ \) の長さは \( 2p \) と表せるので,
点 \( R \) の \( x \) 座標は \( 2p \) であり,
点 \( R \) の座標は \( R(2p,2p^2) \)
と表すことができます。

平行四辺形の向かい合う辺は平行なので,
点 \( S \) と点 \( R \) の \( y \) 座標は等しく,
\( S(0,2p^2) \) と表すことができ,
\( SH \) の長さは \( 2p^2-\dfrac{1}{2}p^2=\dfrac{3}{2}p^2 \)

よって,\( SH=2PQ \) となるとき,
    \( \dfrac{3}{2}p^2=2 \times 2p \)
    \( 3p^2=8p \)
 \( p(3p-8)=0 \)
      \( p=\dfrac{8}{3} \) (\( p>0 \) より)

 

大問3

右の図のように,\( ∠ABC=45° \) の鋭角三角形 \( ABC \) がある。点 \( B \) から辺 \( AC \) に垂線 \( BD \) を,点 \( C \) から辺 \( AB \) に垂線 \( CE \) をひき,線分 \( BD \) と線分 \( CE \) の交点を \( F \) とする。
このとき,次の(1)~(3)の問いに答えなさい。

(1) 次の  (a)  (b)  (c)  に入る最も適当なものを,選択肢のア~カのうちからそれぞれ1つずつ選び,符号で答えなさい。

\( ∠EBC= \)  (a)  \( =45° \) だから,\( △EBC \) は  (b)  である。よって,\( EB= \)  (c)  である。

  選択肢
   \( ∠BEC \)     \( ∠ECB \)     二等辺三角形     正三角形
    \( BC \)       \( EC \)

【解答】
 (a)  ・・・
 (b)  ・・・
 (c)  ・・・

 

(2) \( △EBF≡△ECA \) となることを証明しなさい。
ただし,(1)の     のことがらについては,用いてもかまわないものとする。

【解答】

\( △EBF \) と \( △ECA \) において,
仮定より,\( ∠BEF=∠CEA=90° \) ・・・ ➀
\( △EBC \) は直角二等辺三角形なので,
 \( EB=EC \) ・・・ ②
\( △ABD \) は直角三角形なので,
 \( ∠EBF=90°-∠EAC \) ・・・ ③
\( △ECA \) は直角三角形なので,
 \( ∠ECA=90°-∠EAC \) ・・・ ➃
③➃より,
 \( ∠EBF=∠ECA \) ・・・ ➄
➀➁➄より,
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので,
 \( △EBF≡△ECA \)

 

(3) 次の     にあてはまるものを答えなさい。

\( AD=9 \; cm,DC =6 \; cm \) であるとき,\( △EBF \) の面積は     \( cm^2 \) である。
【解答】
\( 45 \)
【解説】
\( ∠ABD=∠FCD,∠ADB=∠FDC=90° \) より,
2組の角がそれぞれ等しいので,\( △ABD \) ∽ \( △FCD \)

(2)より,\( △EBF≡△ECA \) なので,
 \( BF=CA=15 \; cm \)
\( DF=x \; cm \) とすると,
相似な三角形の対応する辺の比は等しいので,
    \( BD:CD=DA:DF \)
   \( (15+x):6=9:x \)
     \( x^2+15x=54 \)
  \( x^2+15x-54=0 \)
 \( (x-3)(x+18)=0 \)
        \( x=3 \; (cm) \) ( \( x>0 \) より)

\( △FCD \) において,三平方の定理より,
 \( CF^2=3^2+6^2=45 \)
  \( CF=3\sqrt{5} \; (cm) \)

\( ∠FBE=∠FCD,∠FEB=∠FDC=90° \)
より,2組の角がそれぞれ等しいので,
 \( △EBF \) ∽ \( △DCF \)
相似比は,
 \( FB:FC=15:3\sqrt{5}=\sqrt{5}:1 \)
相似な三角形の面積比は相似比の2乗の比と等しく,
 \( △EBF:△DCF=(\sqrt{5})^2:1^2=5:1 \)

よって,
 \( △EBF=5△DCF \)
     \( =5 \times \left(3 \times 6 \times \dfrac{1}{2} \right) \)
     \( =45 \; (cm^2) \)

 

大問4

次の会話文を読み,あとの(1)~(3)の問いに答えなさい。


会話文

教師T:今日はスクリーンに投影される影について,
    簡略化したもので考えましょう。
    図1のように,光源を点 \( O \),スクリーンを
    直線 \( ℓ \) とし,直線 \( ℓ \) と平行な線分 \( AB \)
    を,光源からの光を遮る物体として考え
    ます。
    物体の上端を点 \( A \),下端を点 \( B \) とし,
    光源からの光の道すじを表したものを,
    それぞれ半直線 \( OA,OB \) とします。
    また,この2つの半直線と直線 \( ℓ \) との
    交点を,それぞれ \( P,Q \) とします。

生徒X:線分 \( PQ \) がスクリーンに投影された影であると考えればよいのですね。

教師T:そのとおりです。また,点 \( O \) から線分 \( PQ \) に垂線をひき,線分 \( AB \) との交点を \( M \),
    線分 \( PQ \) との交点を \( N \) とします。ただし,ここでは必ず交点 \( M \) ができるように
    物体 \( AB \) があるものとします。
    では,\( OM=MN \) のとき,線分 \( PQ \) の長さは線分 \( AB \) の長さの何倍になりますか。

生徒X:\( △OAB \) と \( △OPQ \) は相似になるので, ア  倍です。

教師T:そうですね。この考え方を利用すると,物体 \( AB \) が平行移動したとしても,スクリーンに
    投影される影の長さ \( PQ \) を求めることができますね。
    では,線分 \( PQ \) の長さを線分 \( AB \) の長さの \( 4 \) 倍にしたいとき,線分 \( OM \) と線分 \( MN \)
    の長さの比をどのようにすればよいでしょうか。

生徒X:最も簡単な整数比で表すと, \( OM:MN= \)  イ  です。

教師T:そのとおりです。次に,光を遮る物体を,
    線分ではなく正方形としてみましょう。
    わかりやすくするために,座標平面上で
    考えてみます。
    図2のように,光源を表す点 \( O \) を原点,
    物体を表す正方形 \( EFGH \) の頂点の座標を
    それぞれ,\( E(4,1),F(4,-1) \),
    \( G(6,-1),H(6,1) \) とし,スクリーンを
    直線 \( x=10 \) とします。スクリーンに投影
    される影を線分 \( PQ \) とし,
    座標を \( P(10,p),Q(10,q) \) とします。
    ただし,\( p>q \) とします。

生徒X:点 \( P \) は直線 \( OE \) と直線 \( x=10 \) との交点だから,\( p= \)  ウ  になるということですね。

教師T:そうですね。では,光源を点 \( O \) から \( y \) 軸上の正の整数部分に動かしてみましょう。
    \( n \) を自然数とし,動かした後の光源を表す点の座標を \( O'(0,n) \) とします。
    点 \( P \) は直線 \( O’H \) と直線 \( x=10 \) との交点,点 \( Q \) は直線 \( O’F \) と直線 \( x=10 \) との
    交点になるので,点 \( P,Q \) の \( y \) 座標をそれぞれ求めることができますね。

生徒X:\( n \) を用いて表すと,\( p= \)  (a)  ,\( q= \)  (b)  となります。

教師T:正解です。この結果を利用すると,線分 \( PQ \) の長さが周期的に整数になることがわかりますね。


(1) 会話文中の  ア  , イ  , ウ  について,次のの問いに答えなさい。

1  ア  にあてはまるものを答えなさい。

【解答】
\( 2 \)
【解説】

 \( △OAM \) と \( △OPN \) において,
\( ∠AMO=∠PNO=90°,∠O \) 共通より,
2組の角がそれぞれ等しいので,
\( △OAM \) ∽ \( △OPN \)

\( OM=MN \) より,\( OM:ON=1:2 \) なので,
\( OA:OP=OM:ON=1:2 \)

\( △OAB \) ∽ \( △OPQ \) なので,
\( AB:PQ=OA:OP=1:2 \)

よって,線分 \( PQ \) の長さは線分 \( AB \) の長さの \( 2 \) 倍になります。

 

  イ  にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。

【解答】
\( 1:3 \)
【解説】

\( △OAB \) ∽ \( △OPQ \) より,
\( AB:PQ=1:4 \) のとき,
\( OM:ON=1:4 \) なので,
 \( OM:MN=OM:(ON-OM) \)
       \( =1:(4-1) \)
       \( =1:3 \)

 

  ウ  にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。

【解答】
\( \dfrac{5}{2} \)
【解説】
直線 \( OE \) の式は \( y=\dfrac{1}{4}x \) なので,
\( y=\dfrac{1}{4}x \) に \( x=10,y=p \) を代入すると,
 \( p=\dfrac{1}{4} \times 10=\dfrac{5}{2} \)

 

(2) 会話文中の  (a)  (b)  にあてはまる式をそれぞれ書きなさい。

【解答】
 (a)  ・・・ \( -\dfrac{2}{3}n+\dfrac{5}{3} \)
 (b)  ・・・ \( -\dfrac{3}{2}n-\dfrac{5}{2} \)
【解説】

 (a) 
直線 \( O’H \) の式を \( y=ax+n \) とすると,
 傾き \( a=\dfrac{1-n}{6-0}=\dfrac{1-n}{6} \)
なので,\( y=\dfrac{1-n}{6}x+n \)
\( x=10,y=p \) を代入すると,
 \( p=\dfrac{1-n}{6} \times 10+n \)
  \( =\dfrac{5(1-n)}{3}+n \)
  \( =-\dfrac{2}{3}n+\dfrac{5}{3} \)

 (b) 
直線 \( O’F \) の式を \( y=bx+n \) とすると,
 傾き \( b=\dfrac{-1-n}{4-0}=\dfrac{-1-n}{4} \)
なので,\( y=\dfrac{-1-n}{4}x+n \)
\( x=10,y=q \) を代入すると,
 \( q=\dfrac{-1-n}{4} \times 10+n \)
  \( =\dfrac{5(-1-n)}{2}+n \)
  \( =-\dfrac{3}{2}n-\dfrac{5}{2} \)

 

(3) 会話文中の下線部について,次の     にあてはまるものをそれぞれ答えなさい。

線分 \( PQ \) の長さが \( 100 \; cm  \) となるのは,\( n= \)     のときである。
ただし,原点 \( O \) から点 \( (1,0) \) までの距離及び原点 \( O \) から点 \( (0,1) \) までの距離をそれぞれ \( 1 \; cm  \) とする。
【解答】
\( 115 \)
【解説】
(2)より,線分 \( PQ \) の長さは,
 \( PQ=\left( -\dfrac{2}{3}n+\dfrac{5}{3} \right)-\left( -\dfrac{3}{2}n-\dfrac{5}{2} \right) \)
   \( =\dfrac{5}{6}n+\dfrac{25}{6} \; (cm) \)
と表せるので,
\( PQ=100 \; cm  \) となるとき,
 \( \dfrac{5}{6}n+\dfrac{25}{6}=100  \)
  \( 5n+25=600  \)
   \( n+5=120  \)
     \( n=115  \)