大問1
(1) \( 6 \div (-2) \) を計算しなさい。
(2) \( 3(2x+y)-(x-4y) \) を計算しなさい。
【解説】
\( =6x+3y-x+4y \)
\( =5x+7y \)
(3) \( 3\sqrt{5}+\sqrt{20} \) を計算しなさい。
【解説】
\( =3\sqrt{5}+2\sqrt{5} \)
\( =5\sqrt{5} \)
(4) 2次方程式 \( x^2+5x+3=0 \) を解きなさい。
【解答】
\( x=\dfrac{-5±\sqrt{13}}{2} \)
【解説】
解の公式より,
\( x=\dfrac{-5±\sqrt{5^2-4 \times 1 \times 3}}{2 \times 1} \)
\( =\dfrac{-5±\sqrt{25-12}}{2} \)
\( =\dfrac{-5±\sqrt{13}}{2} \)
(5) \( y \) は \( x \) に反比例し,\( x=-6 \) のとき \( y=3 \) である。\( x=2 \) のときの \( y \) の値を求めなさい。
【解説】
反比例を表す式は \( y=\dfrac{a}{x} \) ( \( a \) は定数) になります。
\( x=-6,y=3 \) を代入すると,
\( 3=\dfrac{a}{-6} \)
\( a=-18 \)
よって,\( y=-\dfrac{18}{x} \) において,
\( x=2 \) のときの \( y \) の値は,
\( y=-\dfrac{18}{2}=-9 \)
(6) 絶対値が \( 2 \) 以下である整数すべての和を求めなさい。
【解説】

絶対値が \( 2 \) 以下である整数は,\( -2,-1,0,1,2 \) なので,
これらの和は,
\( (-2)+(-1)+0+1+2=0 \)
(7) 図1のように,底面の半径が \( 4 \; cm \),高さが \( 6 \; cm \) の円すいがある。この円すいの体積は何 \( cm^3 \) か,求めなさい。ただし,円周率は \( \pi{} \) とする。
【解答】
\( 32\pi{} \; cm^3 \)
【解説】
\( (\pi{} \times 4^2) \times 6 \times \dfrac{1}{3}=32\pi{} \; (cm^3) \)
(8) 図2で,\( ℓ//m \) のとき,\( ∠x \) の大きさは何度か,求めなさい。
【解説】
\( ∠x=60°-20°=40° \)

大問2
2つの駐輪場A,Bがあり,表1は自転車1台を駐輪場Aに駐輪する場合の料金の設定の一部を,表2は自転車1台を駐輪場Bに駐輪する場合の料金の設定を表したものである。図は自転車1台を駐輪場Aに駐輪する場合について,駐輪時間 \( x \) 分と料金 \( y \) 円の関係をグラフに表したものである。ただし,駐輪時間は連続する時間とする。
あとの問いに答えなさい。

(1) 自転車1台を駐輪場Aに \( 100 \) 分駐輪するときの料金は何円か,求めなさい。
【解説】
表1から,\( 60 \) 分を超えて \( 180 \) 分までは何分駐輪しても \( 240 \) 円になります。
(2) 自転車1台を駐輪場Bに駐輪する場合について,駐輪時間 \( x \) 分と料金 \( y \) 円の関係をグラフに表すと,そのグラフ上に2点 \( P(20,100),Q(40,120) \) がある。直線 \( PQ \) の式を求めなさい。
【解説】
直線 \( PQ \) の式を \( y=ax+b \) とすると,
\( a=\dfrac{120-100}{40-20}=1 \)
\( y=x+b \) に \( x=20,y=100 \) を代入すると,
\( 100=20+b \)
\( b=80 \)
よって,直線 \( PQ \) の式は \( y=x+80 \)
(3) 自転車1台を \( 180 \) 分までの時間で駐輪する。このとき,駐輪場Aに駐輪する場合の料金と,駐輪場Bに駐輪する場合の料金が等しくなるのは駐輪時間が何分のときか,適切なものを次のア~エから1つ選んで,その符号を書きなさい。
ア \( 120 \) 分を超えて \( 140 \) 分まで
イ \( 140 \) 分を超えて \( 160 \) 分まで
ウ \( 160 \) 分を超えて \( 180 \) 分まで
エ 料金が等しくなる時間はない
【解答】
イ \( 140 \) 分を超えて \( 160 \) 分まで
【解説】
駐輪場Bの料金は \( 100 → 120 → 140 \) 円と変化しており,すべて \( 20 \) の倍数になっています。
駐輪場Aの料金で \( 20 \) の倍数になるのは,\( 240 \) 円のときなので,
料金が等しくなるのは \( 240 \) 円のときであるとわかります。
駐輪場Bの料金は
\( x=20=20 \times 1 \) のとき \( y=100=100+20 \times 0 \)
\( x=40=20 \times 2 \) のとき \( y=120=100+20 \times 1 \)
\( x=60=20 \times 3 \) のとき \( y=140=100+20 \times 2 \)
・・・
と増えていくので,\( y=240=100+20 \times 7 \) になるのは,
\( x=20 \times 8=160 \) のときになります。
よって,料金が等しくなるのは \( 140 \) 分を超えて \( 160 \) 分までになります。
【参考】
駐輪場Bに駐輪する場合をグラフに書き加えると

(4) 自転車1台を \( 180 \) 分を超えて \( 300 \) 分までの時間で駐輪する。このとき,駐輪場Aに駐輪する場合の料金よりも,駐輪場Bに駐輪する場合の料金のほうが安くなる駐輪時間は最大で何分か,求めなさい。
【解説】
駐輪場Bの料金は \( 20 \) の倍数になることから,\( 330 \) 円になることはなく,
\( 320 \) 円のときが駐輪場Bに駐輪する場合の料金のほうが安くなる限界になります。
\( y=320=100+20 \times 11 \) になるのは,
\( x=20 \times 12=240 \) のときになります。
【参考】
グラフで考えると

大問3
(1) 数学の授業で,先生がAさんたち生徒に次の【問題】を出した。
【問題】
2つの奇数の積は,偶数になるか,奇数になるか考えなさい。
また,2つの偶数の積,偶数と奇数の積についても考えなさい。
Aさんは,【問題】について,次のように考えた。 ⅰ にあてはまる \( 1 \) 以外の自然数, ⅱ にあてはまる式をそれぞれ求めなさい。また, ⅲ , ⅳ , ⅴ にあてはまる語句の組み合わせとして適切なものを,あとのア~クから1つ選んで,その符号を書きなさい。
まず,2つの奇数の積について考える。
\( m,n \) を整数とすると,2つの奇数は \( 2m+1,2n+1 \) と表される。
この2つの奇数の積は,\( (2m+1)(2n+1) \) と表すことができ,変形すると,
\( (2m+1)(2n+1)=4mn+2m+2n+1 \)
\( = \) ⅰ \( ( \) ⅱ \( )+1 \)
ⅱ は整数だから, ⅰ \( ( \) ⅱ \( ) \) は ⅲ である。
したがって,2つの奇数の積は ⅳ である。
同じようにして考えると,2つの偶数の積, 偶数と奇数の積はどちらも ⅴ である。
ア ⅲ 偶数 ⅳ 偶数 ⅴ 偶数
イ ⅲ 偶数 ⅳ 偶数 ⅴ 奇数
ウ ⅲ 偶数 ⅳ 奇数 ⅴ 偶数
エ ⅲ 偶数 ⅳ 奇数 ⅴ 奇数
オ ⅲ 奇数 ⅳ 偶数 ⅴ 偶数
カ ⅲ 奇数 ⅳ 偶数 ⅴ 奇数
キ ⅲ 奇数 ⅳ 奇数 ⅴ 偶数
ク ⅲ 奇数 ⅳ 奇数 ⅴ 奇数
【解答】
ⅰ ・・・ \( 2 \)
ⅱ ・・・ \( 2mn+m+n \)
ウ ⅲ 偶数 ⅳ 奇数 ⅴ 偶数
(2) 大小2つのさいころを同時に1回投げ,大きいさいころの出た目の数を \( a \),小さいさいころの出た目の数を \( b \) とする。次の確率を求めなさい。
ただし,さいころの \( 1 \) から \( 6 \) までのどの目が出ることも同様に確からしいとする。
1 \( ab \) の値が奇数となる確率を求めなさい。
【解説】
(1)より,2つの自然数の積が奇数になるのは「奇数 \( \times \) 奇数」の場合だけです。
つまり,\( a=1,3,5 \) かつ \( b=1,3,5 \) の場合なので,
あてはまる組み合わせは \( 3 \times 3=9 \)(通り)です。
すべての組み合わせは \( 6 \times 6=36 \)(通り)なので,
求める確率は \( \dfrac{9}{36}=\dfrac{1}{4} \)
2 \( ab+3b \) の値が偶数となる確率を求めなさい。
【解説】
\( ab+3b=(a+3)b \) であり,この値が奇数になるのは,\( a+3 \) と \( b \) がともに奇数のときです。
\( 3 \) が奇数であることから,
\( a+3 \) が奇数になるのは,\( a \) が偶数のとき(注)です。
つまり,\( ab+3b \) の値が奇数になるのは,
\( a=2,4,6 \) かつ \( b=1,3,5 \) の場合であり,
あてはまる組み合わせは \( 3 \times 3=9 \)(通り)です。
すべての組み合わせは \( 6 \times 6=36 \)(通り)なので,
その確率は \( \dfrac{9}{36}=\dfrac{1}{4} \) です。
【注:2つの整数の和】
偶数 \( + \) 偶数 \( = \) 偶数
偶数 \( + \) 奇数 \( = \) 奇数
奇数 \( + \) 偶数 \( = \) 奇数
奇数 \( + \) 奇数 \( = \) 偶数
よって,\( ab+3b \) の値が偶数となる確率は,
\( 1-\dfrac{1}{4}=\dfrac{3}{4} \)
3 \( a^2-5ab+6b^2 \) の値が \( 3 \) 以上の奇数となる確率を求めなさい。
【解説】
\( a^2-5ab+6b^2=(a-2b)(a-3b) \) であり,
\( (a-2b)(a-3b) \) が奇数になるのは,\( a-2b \) と \( a-3b \) がともに奇数のときです。
【\( a-2b \) が奇数になる条件】
\( 2b \) は偶数になることから,
\( a-2b \) が奇数になるのは,\( a \) が奇数のとき(注)です。
【\( a-3b \) が奇数になる条件】
\( a \) が奇数になることから,
\( a-3b \) が奇数になるのは,\( 3b \) が偶数のときです。
\( 3 \) が奇数であることから,
\( 3b \) が偶数になるのは,\( b \) が偶数のときです。
【注:2つの整数の差】
偶数 \( – \) 偶数 \( = \) 偶数
偶数 \( – \) 奇数 \( = \) 奇数
奇数 \( – \) 偶数 \( = \) 奇数
奇数 \( – \) 奇数 \( = \) 偶数
ここまでより,\( (a-2b)(a-3b) \) が奇数になるのは,
\( a=1,3,5 \) かつ \( b=2,4,6 \) の場合になります。
ここから,すべての組み合わせについて \( (a-2b)(a-3b) \) の値を求めると,
\( (a,b)=(1,2) \) のとき,
\( (a-2b)(a-3b)=(-3) \times (-5)=15 \)
\( (a,b)=(1,4) \) のとき,
\( (a-2b)(a-3b)=(-7) \times (-11)=77 \)
\( (a,b)=(1,6) \) のとき,
\( (a-2b)(a-3b)=(-11) \times (-17)=187 \)
\( (a,b)=(3,2) \) のとき,
\( (a-2b)(a-3b)=(-1) \times (-3)=3 \)
\( (a,b)=(3,4) \) のとき,
\( (a-2b)(a-3b)=(-5) \times (-9)=45 \)
\( (a,b)=(3,6) \) のとき,
\( (a-2b)(a-3b)=(-9) \times (-15)=135 \)
\( (a,b)=(5,2) \) のとき,
\( (a-2b)(a-3b)=1 \times (-1)=-1 \) → \( 3 \) 未満
\( (a,b)=(5,4) \) のとき,
\( (a-2b)(a-3b)=(-3) \times (-7)=21 \)
\( (a,b)=(5,6) \) のとき,
\( (a-2b)(a-3b)=(-7) \times (-13)=91 \)
となり,\( 3 \) 以上になる組み合わせは \( 8 \) 通りです。
すべての組み合わせは \( 6 \times 6=36 \)(通り)なので,
その確率は \( \dfrac{8}{36}=\dfrac{2}{9} \) です。
大問4
図のように,関数 \( y=ax^2 \) のグラフ上に2点 \( A,B \) があり,点 \( A \) の座標は \( (-2,1) \),点 \( B \) の \( x \) 座標は \( 4 \) である。また,\( y \) 軸上に \( y \) 座標が \( 1 \) より大きい点 \( C \) をとる。
次の問いに答えなさい。

(1) \( a \) の値を求めなさい。
【解答】
\( a=\dfrac{1}{4} \)
【解説】
\( y=ax^2 \) は \( A(-2,1) \) を通っているので,
\( 1=a \times (-2)^2 \)
\( 4a=1 \)
\( a=\dfrac{1}{4} \)
(2) 次の ア , イ にあてはまる数をそれぞれ求めなさい。
関数 \( y=ax^2 \) について,\( x \) の変域が \( -2≦x≦4 \) のとき,\( y \) の変域は, ア \( ≦y≦ \) イ である。
【解答】
ア ・・・ \( 0 \)
イ ・・・ \( 4 \)
【解説】
関数 \( y=ax^2 \) ( \( a>0,a \) は定数) において,
\( x \) の変域が \( 0 \) を含むとき,\( y \) の最小値は \( 0 \) になります。
また,\( x \) の絶対値が最も大きくなるとき,\( y \) は最大値をとります。
関数 \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) について,
\( x \) の変域が \( -2≦x≦4 \) のとき,\( x \) の変域は \( 0 \) を含んでいるので,
\( y \) の最小値は \( 0 \) になります。
\( x \) の絶対値が最も大きいのは \( x=4 \) のときなので,
このときの \( y \) の値は,
\( y=\dfrac{1}{4} \times 4^2=4 \)
であり,最大値は \( 4 \) になります。
よって,\( y \) の変域は,\( 0≦y≦4 \) になります。
(3) 直線 \( AB \) の式を求めなさい。
【解答】
\( y=\dfrac{1}{2}x+2 \)
【解説】
直線 \( AB \) の式を \( y=mx+n \) とすると,
\( A(-2,1),B(4,4) \) を通るので,
\( m=\dfrac{4-1}{4-(-2)}=\dfrac{1}{2} \)
\( y=\dfrac{1}{2}x+n \) に \( x=4,y=4 \) を代入すると,
\( 4=\dfrac{1}{2} \times 4+n \)
\( 4=2+n \)
\( n=2 \)
よって,直線 \( AB \) の式は \( y=\dfrac{1}{2}x+2 \)
(4) 線分 \( AB,AC \) をとなり合う辺とする平行四辺形 \( ABDC \) をつくると,点 \( D \) は関数 \( y=ax^2 \) のグラフ上の点となる。
1 点 \( D \) の座標を求めなさい。
【解説】
平行四辺形 \( ABDC \) は,線分 \( AB,AC \) がとなり合う辺なので,
線分 \( AD,BC \) が対角線になります。
平行四辺形の対角線はそれぞれの中点で交わるので,
線分 \( AD,BC \) の交点を \( M \) とすると,点 \( M \) は,線分 \( BC \) の中点になります。
点 \( B \) の \( x \) 座標は \( 4 \),点 \( C \) の \( x \) 座標は \( 0 \) なので,
点 \( M \) の \( x \) 座標は \( \dfrac{0+4}{2}=2 \)
点 \( M \) は,線分 \( AD \) の中点でもあるので,
点 \( D \) の \( x \) 座標を \( t \) とすると,点 \( A \) の \( x \) 座標が \( -2 \) であることから,
\( \dfrac{-2+t}{2}=2 \)
\( -2+t=4 \)
\( t=6 \)
となり,点 \( D \) の \( x \) 座標は \( 6 \) になります。
点 \( D \) は \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) 上の点なので,\( x=6 \) を代入すると,
\( y=\dfrac{1}{4} \times 6^2=9 \)
よって,点 \( D \) の座標は \( D(6,9) \) になります。

2 直線 \( y=2x+8 \) 上に点 \( E \) をとる。\( △ABE \) の面積が平行四辺形 \( ABDC \) の面積と等しくなるとき,点 \( E \) の座標を求めなさい。ただし,点 \( E \) の \( x \) 座標は正の数とする。
【解答】
\( E \left( \dfrac{4}{3},\dfrac{32}{3} \right) \)
【解説】
【方針】
平行四辺形は,対角線によって二等分されることから,平行四辺形 \( ABDC=2△ABC \) であり,
\( △ABE \) の面積が平行四辺形 \( ABDC \) の面積と等しくなるとき,\( △ABE=2△ABC \) になります。
\( y \) 軸上に \( △ABE’=2△ABC \) になるような点 \( E’ \) をとると,
\( △ABE=△ABE’ \) で,辺 \( AB \) は共通なので,
点 \( E,E’ \) はどちらも直線 \( AB \) と平行な直線上の点になっています。
よって,点 \( E \) は点 \( E’ \) を通り直線 \( AB \) と平行な直線と直線 \( y=2x+8 \) の交点になります。
点 \( M \) は線分 \( AD \) の中点なので,\( A(-2,1),D(6,9) \) より,
点 \( M \) の \( y \) 座標は,\( \dfrac{1+9}{2}=5 \) になります。
点 \( M \) は線分 \( BC \) の中点でもあるので,\( B(4,4) \) より,
点 \( C \) の \( y \) 座標は,\( 6 \) になります。
ここから,点 \( C \) の座標は,\( C(0,6) \) になります。
直線 \( AB \) と \( y \) 軸の交点を \( F \) とすると,
直線 \( AB \) の式は \( y=\dfrac{1}{2}x+2 \) なので,点 \( F \) の座標は \( F(0,2) \) になります。
\( y \) 軸上に \( △ABE’=2△ABC \) になるような点 \( E’ \) をとると,
\( CE’=CF=4 \) となる(注)ので,点 \( E’ \) の座標は \( E’(0,10) \) になります。
このとき,点 \( E’ \) を通り直線 \( AB \) と平行な直線の式は \( y=\dfrac{1}{2}x+10 \) であり,
点 \( E \) もこの直線上の点なので,
\( \dfrac{1}{2}x+10=2x+8 \)
\( x+20=4x+16 \)
\( 3x=4 \)
\( x=\dfrac{4}{3} \)
\( y=2x+8 \) に代入すると,
\( y=2 \times \dfrac{4}{3}+8=\dfrac{32}{3} \)
△ABE’=2△ABC になるとき CF=CE’になる理由
\( △ABC=△AFC+△BFC,△ABE’=△AFE’+△BFE’ \) と考えると,
\( △AFC \) と \( △AFE’ \) は高さが共通なので,底辺\( CF \) と \( E’F \) の比が面積比と等しくなります。
つまり,\( CF:E’F=1:2 \) になるとき,\( △AFC:△AFE’=1:2 \) より,
\( △AFE’=2△AFC \) になります。
\( △BFC \) と \( △BFE’ \) についても同様で,
\( CF:E’F=1:2 \) になるとき,\( △BFC:△BFE’=1:2 \) より,
\( △BFE’=2△BFC \) になります。
ここから,
\( △ABE’=△AFE’+△BFE’ \)
\( =2△AFC+2△BFC \)
\( =2(△AFC+△BFC) \)
\( =2△ABC \)
となるので,
\( △ABE’=2△ABC \) になるとき,\( CF:E’F=1:2 \) つまり,\( CF=CE’ \) になります。

大問5
図1のように,\( ∠ACB=90°,AB=4 \; cm,AC=3 \; cm \) の直角三角形 \( ABC \) があり,辺 \( AB \) 上に \( BD=1 \; cm \) となる点 \( D \) をとる。2点 \( A,D \) を通り,辺 \( BC \) に点 \( E \) で接する円 \( O \) がある。
次の問いに答えなさい。
(1) 線分 \( BE \) の長さを次のように求めた。 ⅰ , ⅱ , ⅲ にあてはまる最も適切なものを,あとのア〜キからそれぞれ1つ選んで,その符号を書きなさい。また, ⅳ にあてはまる数を求めなさい。
図2のように,
直線 \( EO \) と円 \( O \) との交点のうち,
点 \( E \) と異なる点を \( F \) とし,
まず,\( △ABE \) ∽ \( △EBD \) であることを証明する。
\( △ABE \) と \( △EBD \) において
共通な角だから,
\( ∠ABE = ∠EBD \) ・・・ ➀
弧 \( DE \) に対する円周角は等しいから,
\( ∠DAE=∠ \) ⅰ ・・・ ➁
\( △DEF \) は,辺 \( EF \) を斜辺とする直角三角形であるから,
\( ∠ \) ⅰ \( +∠DEF=90° \) ・・・ ➂
また,\( OE⊥BC \) であるから,
\( ∠DEF+∠ \) ⅱ \( =90° \) ・・・ ④
③,④より,
\( ∠ \) ⅰ \( =∠ \) ⅱ ・・・ ➄
②,⑤より,
\( ∠BAE =∠ \) ⅱ ・・・ ⑥
①,⑥より,2組の角がそれぞれ等しいから,
\( △ABE \) ∽ \( △EBD \)
したがって,\( AB:EB= \) ⅲ
このことから,\( BE= \) ⅳ \( cm \)
ア \( ADE \) イ \( AEF \) ウ \( BED \) エ \( DFE \)
オ \( BD:BE \) カ \( BE:BD \) キ \( BE:DE \)
【解答】
ⅰ ・・・ エ \( DFE \)
ⅱ ・・・ ウ \( BED \)
ⅲ ・・・ カ \( BE:BD \)
ⅳ ・・・ \( 2 \)

\( AB:EB=BE:BD \)
\( 4:EB=BE:1 \)
\( BE^2=4 \)
\( BE=2 \; (cm) \) ( \( BE>0 \) より)
(2) 線分 \( CE \) の長さは何 \( cm \) か,求めなさい。
【解答】
\( CE=\sqrt{7}-2 \; cm \)
【解説】
\( △ABC \) において,三平方の定理より,
\( BC^2=4^2-3^2=7 \)
\( BC=\sqrt{7} \; (cm) \)
(1)より,\( BE=2 \; cm \) なので,
\( CE=BC-BE=\sqrt{7}-2 \; (cm) \)
(3) 円 \( O \) の半径の長さは何 \( cm \) か,求めなさい。
【解答】
\( \dfrac{10-2\sqrt{7}}{3} \; cm \)
【解説】
円 \( O \) の半径の長さを \( r \; cm \) とし,
補助線 \( OA \) をひくと, \( OA=r \; cm \)
中心 \( O \) から線分 \( AC \) に垂線をひき,
交点を \( F \) とすると,
\( OF=CE=\sqrt{7}-2 \; cm \)
\( AC=3 \; cm,FC=OE=r \; cm \) なので,
\( AF=3-r \; cm \)
\( △OAF \) において,三平方の定理より,
\( OA^2=OF^2+AF^2 \)
\( r^2=(\sqrt{7}-2)^2+(3-r)^2 \)
\( r^2=(11-4\sqrt{7})+(r^2-6r+9) \)
\( r^2=r^2-6r+20-4\sqrt{7} \)
\( 6r=20-4\sqrt{7} \)
\( r=\dfrac{10-2\sqrt{7}}{3} \; (cm) \)
大問6
ゆうきさん,りょうさん,まことさんの3人は,兵庫県内のいくつかの市町における2022年1月から2022年12月までの,月ごとの降水日数(雨が降った日数)を調べた。
次の問いに答えなさい。ただし,1日の降水量が \( 1 \; mm \) 以上であった日を雨が降った日,\( 1 \; mm \) 未満であった日を雨が降らなかった日とする。
(1) 表1は西宮市の月ごとの降水日数のデータである。このデータの中央値(メジアン)は何日か,求めなさい。

【解説】
表1の「降水日数(日)」を少ない順に並べ替えると,
\( 2,2,4,5,7,7,8,9,10,10,11,14 \)
全部で12か月分のデータを集計しているので,中央値(メジアン)になるのは,
値の小さい方から6番目と7番目の値の平均値になります。
よって,中央値(メジアン)は,\( \dfrac{7+8}{2}=7.5 \)(日)
(2) 図は,豊岡市,三田市,洲本市について,それぞれの市の月ごとの降水日数のデータを,ゆうきさんが箱ひげ図に表したものである。

1 りょうさんは,図から次のように考えた。りょうさんの考えの下線部 \( a,b \) は,それぞれ図から読みとれることとして正しいといえるか,最も適切なものを,あとのア~ウからそれぞれ1つ選んで,その符号を書きなさい。
りょうさんの考え
\( _a \) 三田市の範囲と洲本市の範囲は等しいが,\( _b \) 平均値は三田市より洲本市のほうが大きい。
ア 正しい
イ 正しくない
ウ 図からはわからない
【解答】
下線部 \( a \) ・・・ ア 正しい
下線部 \( b \) ・・・ ウ 図からはわからない
【解説】
下線部 \( a \) ・・・ 範囲は「最大値 \( – \) 最小値」で求めることができます。
三田市と洲本市は最大値と最小値がどちらも等しいので,範囲も等しくなります。
下線部 \( b \) ・・・ 箱ひげ図のデータだけでは平均値を求めることはできません。
2 まことさんは,調べた市町について,それぞれの市町の月ごとの降水日数のデータを度数分布表にまとめることにした。表2はその一部,豊岡市についての度数分布表である。表2の \( \boxed{\phantom{ }ⅰ\phantom{ }} \) にあてはまる数を,図から読みとり求めなさい。ただし,小数第2位までの小数で表すこと。
【解説】
累積相対度数は,「その階級の累積度数 \( \div \) すべての階級の度数の合計」で求めることができるので,
「\( 12 \) 日以上 \( 16 \) 日未満の階級の累積度数」,
つまり,「降水日数が \( 16 \) 日未満の月が何か月あったか」がわかれば,累積相対度数を求められます。
豊岡市の箱ひげ図から,第三四分位数が \( 15.5 \) 日になっていることに注目すると,
全部で12か月分のデータを集計しているので,第三四分位数になるのは,
値の小さい方から9番目と10番目の値の平均値になります。
9番目の値を \( x \) 日,10番目の値を \( y \) 日とすると,
\( \dfrac{x+y}{2}=15.5 \)
\( x+y=31 \)
になります。
\( x,y \) はともに整数で,\( x≦y \) であることから,
\( y=15 \) のときは \( x+y=31 \) を満たさないので,\( y≧16 \) であるとわかります。
\( y=16 \) のとき,\( x=15 \) なので,\( x≦15 \) であるとわかります。
ここから,降水日数が \( 16 \) 日未満の月は9か月あったことがわかります。
よって,\( 12 \) 日以上 \( 16 \) 日未満の階級の累積度数は,
\( 9 \div 12=0.75 \)
(3) 3人は降水確率について興味をもち,さらに調べると「ブライアスコア」という値について知った。
<ブライアスコア>
降水確率の精度を評価する値の1つであり,表3のような表を用いて,あとの(ⅰ)~(ⅳ)の手順で求める。

(ⅰ) それぞれの日の「予報(降水確率)」の欄には,降水確率を記入する。
(ⅱ) それぞれの日の「降水の有無」の欄には,実際にその日に雨が降った場合は \( 1 \),
雨が降らなかった場合は \( 0 \) を記入する。
(ⅲ) それぞれの日について,(ⅰ),(ⅱ)で記入した数の差の2乗の値を求める。
(ⅳ) (ⅲ)で求めた値の \( n \) 日間分の平均値が \( n \) 日間のブライアスコアとなる。
例1:表3の1月1日と1月2日の2日間のブライアスコアは,
\( \{ (0.2-0)^2+(0.6-1)^2 \} \div 2=0.1 \)
例2:表3の5日間のブライアスコアは,
\( \{ (0.2-0)^2+(0.6-1)^2+(0-0)^2+ (0.1-1)^2+ (1-1)^2 \} \div 5=0.202 \)
ある年の2月1日から9日の降水について調べると,表4のようであり,2月7日から9日の「降水の有無」はわからなかった。また,2月1日から3日までの3日間のブライアスコアと,2月4日から6日までの3日間のブライアスコアは等しかった。ただし,\( 0≦x<0.5,0≦y≦1 \) とする。

1 \( y \) を \( x \) の式で表しなさい。
【解説】
2月1日から3日までの3日間のブライアスコアは,
\( \{ (x-0)^2+(y-0)^2+(0.5-0)^2 \} \div 3=(x^2+y^2+0.25) \div 3 \)
2月4日から6日までの3日間のブライアスコアは,
\( \{ (x-1)^2+(y-1)^2+(0.5-1)^2 \} \div 3=\{ (x-1)^2+(y-1)^2+0.25 \} \div 3 \)
と表すことができ,これらが等しいので,
\( (x^2+y^2+0.25) \div 3=\{ (x-1)^2+(y-1)^2+0.25 \} \div 3 \)
\( x^2+y^2+0.25=(x^2-2x+1)+(y^2-2y+1)+0.25 \)
\( 0=-2x-2y+2 \)
\( 2y=-2x+2 \)
\( y=-x+1 \)
2 2月1日から9日の降水について,さらに次のことがわかった。
・ 2月7日から9日の3日のうち,2日は雨が降り,1日は雨が降らなかった。
・ 2月7日から9日までの3日間のブライアスコアは,2月1日から6日までの6日間の
ブライアスコアより,\( \dfrac{2}{15} \) だけ小さかった。
このとき,\( x \) の値を求めなさい。また,2月7日から9日の3日のうち,雨が降った日の組み合わせとして適切なものを,次のア~ウから1つ選んで,その符号を書きなさい。
ア 2月7日と8日 イ 2月7日と9日 ウ 2月8日と9日
【解答】
\( x=0.3 \)
組み合わせ ・・・ ウ 2月8日と9日
【解説】
表1の \( y \) を \( -x+1 \) におきかえて,2月1日から6日までの6日間のブライアスコアを
\( x \) を使った式で表すと,
\( \{ (x-0)^2+(-x+1-0)^2+(0.5-0)^2+(x-1)^2+(-x+1-1)^2+(0.5-1)^2 \} \div 6 \)
\( =\{ x^2+(-x+1)^2+0.25+(x-1)^2+x^2+0.25 \} \div 6 \)
\( =\{ 2x^2+2(-x+1)^2+0.50 \} \div 6 \)
\( =\{ x^2+(-x+1)^2+0.25 \} \div 3 \)
\( =\{ x^2+(x-1)^2+0.25 \} \div 3 \)
同様に,ア~ウの3通りについて,
2月7日から9日までの3日間のブライアスコアを \( x \) を使った式で表し,
ブライアスコアの関係を方程式として解くと,
【ア 2月7日と8日の場合】
2月7日から9日までの3日間のブライアスコアは
\( \{ (x-1)^2+(-x+1-1)^2+(0.5-0)^2 \} \div 3=\{ (x-1)^2+x^2+0.25 \} \div 3 \)
と表すことができます。
ここから,ブライアスコアの関係を方程式として解くと,
\( \{ x^2+(x-1)^2+0.25 \} \div 3-\dfrac{2}{15}=\{ (x-1)^2+x^2+0.25 \} \div 3 \)
\( -\dfrac{2}{15}=0 \)
となるので不適
【イ 2月7日と9日の場合】
2月7日から9日までの3日間のブライアスコアは
\( \{ (x-1)^2+(-x+1-0)^2+(0.5-1)^2 \} \div 3=\{ (x-1)^2+(-x+1)^2+0.25 \} \div 3 \)
\( =\{ 2(x-1)^2+0.25 \} \div 3 \)
と表すことができます。
ここから,ブライアスコアの関係を方程式として解くと,
\( \{ x^2+(x-1)^2+0.25 \} \div 3-\dfrac{2}{15}=\{ 2(x-1)^2+0.25 \} \div 3 \)
\( \{ x^2+(x-1)^2+0.25 \}-\dfrac{2}{5}=2(x-1)^2+0.25 \)
\( x^2-(x-1)^2=\dfrac{2}{5} \)
\( x^2-(x^2-2x+1)=\dfrac{2}{5} \)
\( 2x-1=\dfrac{2}{5} \)
\( 2x=\dfrac{7}{5} \)
\( x=\dfrac{7}{10}=0.7 \)
となり,\( 0≦x<0.5 \) を満たさないので不適
【ウ 2月8日と9日の場合】
2月7日から9日までの3日間のブライアスコアは
\( \{ (x-0)^2+(-x+1-1)^2+(0.5-1)^2 \} \div 3=(x^2+x^2+0.25) \div 3 \)
\( =(2x^2+0.25) \div 3 \)
と表せるので,方程式として解くと,
\( \{ x^2+(x-1)^2+0.25 \} \div 3-\dfrac{2}{15}=(2x^2+0.25) \div 3 \)
\( \{ x^2+(x-1)^2+0.25 \}-\dfrac{2}{5}=2x^2+0.25 \)
\( x^2+(x^2-2x+1)+0.25-\dfrac{2}{5}=2x^2+0.25 \)
\( 2x^2-2x+1+0.25-\dfrac{2}{5}=2x^2+0.25 \)
\( -2x+\dfrac{3}{5}=0 \)
\( 2x=\dfrac{3}{5} \)
\( x=\dfrac{3}{10}=0.3 \)
となり,\( 0≦x<0.5 \) を満たしています。
よって,雨が降った日の組み合わせは,ウ 2月8日と9日になります。