新潟県公立高校入試 令和5(2023)年度 解答&解説

大問1

次の(1)~(8)の問いに答えなさい。

(1) \( 7-(-3)-3 \) を計算しなさい。

【解答】
\( =7+3-3 \)
\( =7 \)

 

(2) \( 2(3a-2b)-4(2a-3b) \) を計算しなさい。

【解答】
\( =6a-4b-8a+12b \)
\( =-2a+8b \)

 

(3) \( (-6ab)^2÷4ab^2 \) を計算しなさい。

【解答】
\( =\dfrac{36a^2b^2}{4ab^2} \)
\( =9a \)

 

(4) 連立方程式 \( \left\{
\begin{array}{}
x+3y=21 \\
2x-y=7
\end{array}
\right. \) を解きなさい。

【解答】
\( x+3y=21 \) ・・・ ①
\( 2x-y=7 \) ・・・ ➁
➁\( \times 3 \)
 \( 6x-3y=21 \) ・・・ ➁’
①\( + \)➁’
 \( 7x=42 \)
  \( x=6 \)
➁に代入
 \( 12-y=7 \)
    \( y=5 \)

 

(5) \( \sqrt{45}-\sqrt{5}+\dfrac{10}{\sqrt{5}} \) を計算しなさい。

【解答】
\( =3\sqrt{5}-\sqrt{5}+\dfrac{10 \times \sqrt{5}}{\sqrt{5} \times \sqrt{5}} \)
\( =3\sqrt{5}-\sqrt{5}+2\sqrt{5} \)
\( =4\sqrt{5} \)

 

(6) 130人の生徒が1人 \( a \) 円ずつ出して、1つ \( b \) 円の花束を5つと、1本150円のボールペンを5本買って代金を払うと,おつりがあった。このとき,数量の関係を不等式で表しなさい。

【解答】
集まったお金の合計 →  \( 130a \)
1つ \( b \) 円の花束を5つの代金 →  \( 5b \)
よって,
\( 130a > 5b+150 \times 5 \)
\( 130a > 5b+750 \)

 

(7) 右の図のように,円 \( O \) の周上に円周を9等分する
9つの点 \( A,B,C,D,E,F,G,H,I \) がある。
線分 \( AD \) と線分 \( BF \) の交点を \( J \) とするとき,
\( ∠x \) の大きさを答えなさい。

【解答】
\( ∠x=180°-(∠ADB+∠DBF) \) として求めます。
\( A \) ~ \( I \) の各点から中心 \( O \) に補助線を引くと,\( A \) ~ \( I \) は円周を9等分した点なので,
それぞれのおうぎ形の中心角は, \( 360° \div 9=40° \) になります。
弧 \( AB \) の中心角 \( ∠AOB=40° \) なので,円周角 \( ∠ADB=20° \)
弧 \( DF \) の中心角 \( ∠DOF=80° \) なので,円周角 \( ∠DBF=40° \)
よって,
\( ∠x=180°-(∠ADB+∠DBF) \)
  \( =180°-(20°+40°)=120° \)

 

(8) 右の図は,ある家庭で購入した卵40個の重さを1個ずつはかり,ヒストグラムに表したものである。このヒストグラムに対応する箱ひげ図として正しいものを,次のから1つ選び,その符号を書きなさい。ただし,階級は52g以上54g未満のように,2gごとの区間に区切っている。

【解答】
データの総数は40個なので,
第一四分位数 → 軽い方から10個目と11個目の平均値
中央値 → 軽い方から20個目と21個目の平均値
第三四分位数 → 軽い方から30個目と31個目の平均値
ヒストグラムから,第一四分位数が含まれる階級は,56g以上58g未満
中央値と第三四分位数が含まれる階級は,58g以上60g未満なので,
あてはまるのは,

 

大問2

次の(1)~(3)の問いに答えなさい。

(1) 1から6までの目のついた1つのさいころを2回投げるとき,1回目に出る目の数を \( a \) ,2回目に出る目の数を \( b \) とする。このとき, \( \dfrac{24}{a+b} \) が整数になる確率を求めなさい。

【解答】

24の約数は, \( 1,2,3,4,6,8,12,24 \) です。
\( a,b \) それぞれの値に対して\( a+b \) がいくつになるかを表に書いて,
24の約数であるマスに○をつけます。
すべての場合の数が36マス,○がついたマスは17マスなので,
求める確率は,\( \dfrac{17}{36} \)

 

(2) 右の図のように,\( AD/\!/BC \) の台形 \( ABCD \) があり,\( ∠BCD=∠BDC \) である。対角線 \( BD \) 上に,\( ∠DBA=∠BCE \) となる点 \( E \) をとるとき,\( AB=EC \) であることを証明しなさい。

【解答】

\( △ABD \) と \( △ECB \) において,
\( ∠BCD=∠BDC \) より,\( △BCD \) は二等辺三角形で,
\( BD=BC\) ・・・ ①
仮定より,\( ∠DBA=∠BCE \) ・・・ ➁
\( AD/\!/BC \)より,錯角は等しいので,\( ∠ADB=∠EBC \) ・・・ ➂
①②③より,1組の辺の長さとその両端の角の大きさが等しいので,
\( △ABD≡△ECB \)
よって,対応する辺の長さは等しいので,\( AB=EC \)

 

(3) 右の図のように,平行な2直線 \( l,m \) と点 \( A \) がある。点 \( A \) を通り,2直線 \( l,m \) の両方に接する円の中心を,定規とコンパスを用いて,作図によってすべて求め,それらの点にをつけなさい。ただし,作図に使った線は消さないで残しておくこと。

【解答】
求める円の中心は,直線 \( l,m \) と点 \( A \) までの距離が等しい場所なので,
直線 \( l,m \) と平行でちょうど真ん中にある直線上にあります。
点 \( A \) をはさんで両側にあることに注意しましょう。

手順1 点 \( A \) を中心に,直線 \( l \) と交わるような弧を描く。
    (交点を点 \( B,C \) とします)
手順2 点 \( B,C \) を中心に,弧を描く。
    (交点を点 \( D \) とします)
手順3 点 \( A,D \) を通る直線を描く。
    (直線 \( l,m \) との交点を点 \( E,F \) とします)
手順4 点 \( E,F \) を中心に,弧を描く。
    (交点を点 \( G,H \) とします)
手順5 点 \( G,H \) を通る直線を描く。
手順6 点 \( A \) を中心に,手順5の直線と交わるような弧を描く。

 

大問3

右の図1のように, \( OA=12 cm,OC=6cm \) の長方形 \( OABC \) があり,2つの頂点 \( O,A \) は直線 \( l \) 上にある。点 \( P \) は,頂点 \( O \) を出発し,每秒 \( 2 \: cm \) の速さで,図2,3のように直線 \( l \) 上を頂点 \( A \) まで移動する。また,線分 \( OP \) の延長上に, \( OP=PQ \) となる点 \( Q \) をとり,直線 \( l \) について長方形 \( OABC \) と同じ側に,正方形 \( PQRS \) をつくる。
点 \( P \) が頂点 \( O \) を出発してから,\(x\) 秒後の長方形 \( OABC \) と正方形 \( PQRS \) の重なっている部分の面積を \( y \: cm^2 \) とするとき,次の(1)~(4)の問いに答えなさい。ただし,点 \( P \) が 頂点 \( O,A \) にあるときは,\( y=0 \) とする。

(1) \( x=2 \) のとき,\( y \) の値を答えなさい。

【解答】

\( x=2 \) のとき,\( OP=4 \: cm \) なので,
正方形 \( PQRS \) は,1辺 \( 4 \: cm \) 。
よって,\( y=4 \times 4=16 \)

 

(2) 次の①,②について,\( y \) を \( x \) の式で表しなさい。
① \( 0≦x≦3 \) のとき

【解答】

この範囲では,正方形 \( PQRS \) は長方形 \( OABC \) の内側でだんだん大きくなっていきます。
右の図は \( x=3 \) のときのもので,
\( OP=PQ=PS=6 \: cm \)となり,
長方形 \( OABC \) のちょうど半分になります。
よって,\( y=2x \times 2x=4x^2 \)

② \( 3≦x≦6 \) のとき

【解答】

この範囲では,点 \( Q \) は点 \( A \) より右側にあるので,正方形 \( PQRS \) の一部だけが長方形 \( OABC \) と重なります。
\(x\) 秒後,\( OP=2x \: cm \) なので,\( PA=12-2x \: cm \),
重なっている部分の高さは \( 6 \: cm \) で一定なので,
\( y=(12-2x) \times 6=-12x+72 \)

 

(3) \( 0≦x≦6 \) のとき,\( x \) と \( y \) の関係を表すグラフをかきなさい。

【解答】

(2) より,\( x \) と \( y \) の関係は,
\( 0≦x≦3 \) のとき \( y=4x^2 \)
\( 3≦x≦6 \) のとき \( y=-12x+72 \)
\( x=3 \) のとき,\( y \) 座標の値は
\( y=4 \times 3^2=36 \)
また,\( y \) 座標が \( 0 \) になるときの
\( y \) 座標の値は,
\( 0=-12x+72 \)
\( 12x=72 \)
\( x=6 \)

 

(4)  \( y=20 \) となる \( x \) の値をすべて求めなさい。

【解答】

\( y=20 \) となるのは,右のグラフで のところです。
\( 0≦x≦3 \) のとき
 \( 20=4x^2 \)
 \( x^2=5 \)
  \( x= \sqrt{5} \) ( \(x≧0 \) より )

\( 3≦x≦6 \) のとき
  \( 20=-12x+72 \)
 \( 12x=52 \)
  \( x= \dfrac{13}{3} \)

 

大問4

箱の中に、数字を書いた 10枚のカード, \( \fbox{0},\fbox{1},\fbox{2},\fbox{3},\fbox{4},\fbox{5},\fbox{6},\fbox{7},\fbox{8},\fbox{9} \) が入っている。これらのカードを使い、次の手順Ⅰ~Ⅲ に従って,下のような記録用紙に数を記入していく。このとき,あとの (1),(2) の問いに答えなさい。


手順
I 箱の中から1枚のカードを取り出して、そのカードに書かれている数字を,記録用紙の1番目の欄に記入し,カードを箱の中に戻す。

Ⅱ 箱の中からもう一度1枚のカードを取り出して,そのカードに書かれている数字を,記録用紙の2番目の欄に記入し,カードを箱の中に戻す。

Ⅲ 次に,記録用紙の \( (n-2) \) 番目の欄の数と \( (n-1) \) 番目の欄の数の和を求め,その一の位の数を \( n \) 番目の欄に記入する。ただし, \( n \) は3以上18以下の自然数とする。


 

(1) 次の文は,手順Ⅰ~Ⅲに従って,記録用紙に数を記入するときの例について述べたものである。このとき,文中の  ア  ウ  に当てはまる数を,それぞれ答えなさい。


例えば、手順Ⅰで2のカード,手順Ⅱで3のカードを取り出したときには,下のように,記録用紙の1番目の欄には2,2番目の欄には3を記入する。このとき,16番目の欄に記入する数は  ア ,17番目の欄に記入する数は  イ ,18番目の欄に記入する数は  ウ  となる。


【解答】
1番目から順番に書き出していくと,
2,3,5,8,3, 1,4,5,9,4, 3,7,0,7,7, 4,1,5
よって,16番目は4,17番目は1,18番目は5

 

(2) 手順 I,Ⅱで取り出したカードに書かれている数字と,手順Ⅲで記録用紙に記入する数に,どのような関係があるかを調べるために,次の表1,2を作った。
表1は,手順Ⅰで \( \fbox{0} \) ~ \( \fbox{9} \) のいずれか1枚のカードを取り出し,手順Ⅱで \( \fbox{5} \) のカードを取り出したときのそれぞれの場合について,1番目の欄の数を小さい順に並べ替えてまとめたものである。また,表2は,手順Ⅰで \( \fbox{0} \) ~ \( \fbox{9} \) のいずれか1枚のカードを取り出し,手順Ⅱで \( \fbox{6} \) のカードを取り出したときのそれぞれの場合について,1番目の欄の数を小さい順に並べ替えてまとめたものである。このとき,あとの①,②の問いに答えなさい。

① 手順Ⅱで \( \fbox{5} \) , \( \fbox{6} \) 以外のカードを取り出しても,17番目の欄の数は,1番目の欄の数に関係なく,2番目の欄の数によって決まる。このことを証明しなさい。

【解答】
1番目の欄の数を \( a \),2番目の欄の数を \( b \) とすると,
1番目から順に,各欄に入る数字は

\( a,b,a+b,a+2b,2a+3b, \)
\( 3a+5b,5a+8b,8a+13b,13a+21b,21a+34b, \)
\( 34a+55b,55a+89b,89a+144b,144a+233b,233a+377b, \)
\( 377a+610b,610a+987b, \) ・・・

の一の位の数字になるので,17番目の欄の数は,\( 610a+987b \) の一の位の数である。
\( 10a \) と \( 10b \) の一の位の数は必ず0になるので,
\( 610a+987b=61 \times 10a+98 \times 10b+7b \) より,
\( 610a+987b \) の一の位の数は,\( 7b \) の一の位の数と等しくなる。
よって,17番目の欄の数は,1番目の欄の数に関係なく,2番目の欄の数によって決まる。

 

② 手順Ⅰで \( \fbox{x} \) のカード,手順Ⅱで \( \fbox{4} \) のカードを取り出したとき,18番目の欄の数が1になった。このとき,\( x \) の値を求めなさい。

【解答】
➀より,18番目の欄の数は,\( 987a+1597b \) の一の位の数になります。
\( 987a+1597b=98 \times 10a+159 \times 10b+7(a+b) \) より,
\( 7a+7b \) の一の位の数と等しくなるので, \( a=x,b=4 \) を代入すると,\( 7x+28 \)

\( 7x+28 \) の一の位の数が1になるということは,
\( 7x \) の一の位は3なので,
あてはまるのは,\(7 \times 9=63 \) の場合のみです。
よって, \( x=9 \)

 

大問5

右の図のような立体 \( ABC-DEF \) があり,四角形 \( ABED \) は,\( BA=5 \: cm,BE=10 \: cm \) の長方形であり,\( △ABC \) と \( △DEF \) は正三角形である。また,辺 \( BE \) と辺 \( CF \) は平行であり, \( CF=5 \: cm \) である。点 \( C \) から辺 \( BE \) に引いた垂線と辺 \( BE \) との交点を \( P \) とするとき、次の (1)~(3) の問いに答えなさい。

(1) 線分 \( CP \) の長さを答えなさい。

【解答】

\( △ABC \) と \( △DEF \) はともに1辺 \( 5 \: cm \) の正三角形で,
面 \( BEFC \) は等脚台形なので,\( △BCP \) において三平方の定理より,
 \( CP^2=BC^2-BP^2 \)
    \( =5^2-\dfrac{5}{2}^2 \)
    \( =\dfrac{75}{4} \)
  \( CP=\dfrac{ \sqrt{75}}{2}=\dfrac{ 5\sqrt{3}}{2} \)

    

 

(2) 5点 \( C,A,B,E,D \) を結んでできる四角すいの体積を求めなさい。

【解答】
点 \( C \) から面 \( ABED \) に垂線をひき,交点を \( Q \) とすると,
\( △CPQ \) において三平方の定理より,
 \( CQ^2=CP^2-PQ^2 \)
    \( =(\dfrac{ 5\sqrt{3}}{2})^2-\dfrac{5}{2}^2 \)
    \( =\dfrac{50}{4} \)
  \( CQ=\dfrac{ \sqrt{50}}{2}=\dfrac{ 5\sqrt{2}}{2} \)
よって,求める四角すいの体積は,
 \( AB \times BE \times CQ \times \dfrac{1}{3} \)
 \( =5 \times 10 \times \dfrac{ 5\sqrt{2}}{2} \times \dfrac{1}{3} \)
 \( =\dfrac{125\sqrt{2}}{3} (cm^3) \)

 

(3) 4点 \( A,B,C,F \) を結んでできる三角すいの体積を求めなさい。

【解答】

右の図は,問題の図から求める三角すいだけを取り出したものです。
辺 \( AB \) の中点を \( R \) とし,面 \( CFR \) で切断すると,
求める三角すい= \(2\) 三角すい \( A-CFR \) になります。
よって,求める三角すいの体積は,
 \( △CFR \times AR \times \dfrac{1}{3} \times 2 \)
 \( =\left( 5 \times \dfrac{ 5\sqrt{2}}{2} \times \dfrac{1}{2} \right) \times \dfrac{5}{2} \times \dfrac{1}{3} \times 2 \)
 \( =\dfrac{125\sqrt{2}}{12} (cm^3) \)

【補足: \( △CFR \) の求め方】
辺 \( CF \) を通り面 \( ABED \) に垂直な面でこの立体を切ると,
切断面は右の図のようになります。
(2)で利用した点 \( Q \) は,この面上にあるので,
 \( △CFR=CF \times CQ \times \dfrac{1}{2} \)
      \( =5 \times \dfrac{ 5\sqrt{2}}{2} \times \dfrac{1}{2} \)