群馬県公立高校入試 令和5(2023)年度(前期) 解答&解説

大問1

(1) 次の➀~➅の計算をしなさい。

➀ \( -6+4 \)

【解答】
\( -2 \)

 

➁ \( 5 \times (-3)^2 \)

【解答】
\( 45 \)
【解説】
\( =5 \times 9 \)
\( =45 \)

 

➂ \( 2 \times (-2a) \)

【解答】
\( -4a \)

 

➃ \( 3x+4y-(x-y) \)

【解答】
\( 2x+5y \)
【解説】
\( =3x+4y-x+y \)
\( =2x+5y \)

 

➄ \( (12a-8b) \div 4 \)

【解答】
\( 3a-2b \)
【解説】
\( =\dfrac{12a-8b}{4} \)
\( =3a-2b \)

 

➅ \( \dfrac{9}{\sqrt{3}}+\sqrt{12} \)

【解答】
\( 5\sqrt{3} \)
【解説】
\( =\dfrac{9 \times \sqrt{3}}{\sqrt{3} \times \sqrt{3}}+2\sqrt{3} \)
\( =3\sqrt{3}+2\sqrt{3} \)
\( =5\sqrt{3} \)

 

(2) \( (x-1)(y+3) \) を展開しなさい。

【解答】
\( xy+3x-y-3 \)

 

(3) \( x^2-2x-15 \) を因数分解しなさい。

【解答】
\( (x+3)(x-5) \)

 

(4) 右の図のように,長方形 \( ABCD \) を合同な直角三角形 ア ~ ク に分ける。直角三角形 ア を,点 \( O \) を中心にして,反時計回りに \( 180° \) 回転移動させたとき,ちょうど重なる直角三角形を イ 〜 ク から1つ選び,記号で答えなさい。

【解答】

【解説】
直角三角形 ア を,点 \( O \) を中心にして,反時計回りに \( 180° \) 回転移動させるというのは,
この図全体を \( 180° \) 回転させてみても同じことになります。

下の図のように図全体を \( 180° \) 回転させると,直角三角形 ア はもとの状態で オ の位置になります。
よって,ちょうど重なる直角三角形は オ になります。

 

(5) \( y \) は \( x \) に反比例し,\( x=-4 \) のとき \( y=-3 \) である。\( y \) を \( x \) の式で表しなさい。

【解答】
\( y=\dfrac{12}{x} \)
【解説】
反比例の式を \( y=\dfrac{a}{x} \) とし,\( x=-4,y=-3 \) を代入すると,
 \( -3=\dfrac{a}{-4} \)
  \( a=12 \)
よって,求める式は,\( y=\dfrac{12}{x} \)

 

(6) 連立方程式 \( \left\{ \begin{array}{}
3x+2y=-1 \\
y=x-3 \\
\end{array} \right.  \) を解きなさい。

【解答】
\( x=1,y=-2 \)
【解説】
\( \left\{ \begin{array}{}
3x+2y=-1 \;\; ・・・ \;\; ① \\
y=x-3 \;\; ・・・ \;\; ➁ \\
\end{array} \right.  \)
➁を①に代入すると,
 \( 3x+2(x-3)=-1 \)
     \( 5x-6=-1 \)
        \( x=1 \)
➁に代入すると,
 \( y=1-3=-2 \)

 

(7) 右の図で,\( ∠x \) の大きさを求めなさい。

【解答】
\( ∠x=110° \)

【解説】

多角形において,すべての外角の和は必ず \( 360° \) になるので,
\( ∠x \) と隣接する部分の外角を \( ∠y \) とすると,
 \( 80°+80°+60°+70°+∠y=360° \)
          \( 290°+∠y=360° \)
              \( ∠y=70° \)

\( ∠x+∠y=180° \) なので,
 \( ∠x+70°=180° \)
     \( ∠x=110° \)

 

大問2

(1) 右の図の直線 \( y=ax+b \) における \( a \) と \( b \) について,正しく表しているものを,次のア~エから1つ選び,記号で答えなさい。

ア \( a+b>0,ab>0 \)     イ \( a+b>0,ab<0 \)
ウ \( a+b<0,ab>0 \)     エ \( a+b<0,ab<0 \)

【解答】

【解説】
図より,\( y=ax+b \) は右下がりの直線なので,傾き \( a<0 \)
また,切片も負の値なので,切片 \( b<0 \)
ここから,
\( a+b \) は,「負の数 \( + \) 負の数 \( = \) 負の数」なので,\( a+b<0 \)
\( ab \) は,「負の数 \( \times \) 負の数 \( = \) 正の数」なので,\( ab>0 \)
よって,あてはまるのは ウ

 

 

(2) 右の図のような \( ∠C=90° \) の直角三角形 \( ABC \) において, \( AB=4 \; cm,AC=3 \; cm \) である。この直角三角形 \( ABC \) を,直線 \( AC \) を回転の軸として1回転させてできる立体の体積を求めなさい。
ただし,円周率は \( \pi{} \) とする。

【解答】
\( 7\pi{} \; cm^3 \)

【解説】

\( △ABC \) において,三平方の定理より,
 \( BC^2=AB^2-AC^2 \)
    \( =4^2-3^2 \)
    \( =7 \)
  \( BC=\sqrt{7} \; (cm) \) (\( BC>0 \) より)
となるので,回転させてできた立体は
底面の半径 \( \sqrt{7} \; cm \),高さ \( 3 \; cm \) の円すいになります。

よって,求める体積は,
 \( (\pi{} \times \sqrt{7}^2) \times 3 \times \dfrac{1}{3}=7\pi{} \; (cm^3) \)

 

(3) 右の表は,A中学校の生徒 \( 80 \) 人とB中学校の生徒 \( 100 \) 人について通学時間を調べ,各階級の相対度数をまとめたものである。\( 20 \) 分以上 \( 25 \) 分未満の階級の生徒の人数は,どちらの中学校の方が何人多いか,答えなさい。

【解答】
B中学校の方が \( 3 \) 人多い

【解説】
ある階級の度数は,「データの総数 \( \times \) その階級の相対度数」で求めることができるので,
 A中学校 ・・・ \( 80 \times 0.15=12 \)(人)
 B中学校 ・・・ \( 100 \times 0.15=15 \)(人)
となり,B中学校の方が \( 3 \) 人多い。

 

(4) ある部活動で,タオルを \( 30 \) 枚注文することにした。A店とB店でタオル \( 1 \) 枚の定価は同じであったが,\( 30 \) 枚注文すると,A店では全てのタオルが \( 1 \) 枚当たり定価の \( 10% \) 引きになり,B店では注文したタオルのうちの \( 1 \) 枚分が無料になることが分かった。また,タオル \( 30 \) 枚の合計金額は,A店の方が \( 1200 \) 円安かった。このとき,タオル \( 1 \) 枚の定価を求めなさい。ただし,消費税は考えないものとする。
なお,解答用紙の (解) には,答えを求める過程を書くこと。

【解答】
タオル \( 1 \) 枚の定価を \( x \) 円とすると,
A店でタオル \( 30 \) 枚を注文するときの合計金額は \( \dfrac{90}{100}x \times 30 \) 円
B店でタオル \( 30 \) 枚を注文するときの合計金額は \( 29x \) 円
と表せるので,合計金額の関係を方程式にして解くと,
 \( 29x-\dfrac{90}{100}x \times 30=1200 \)
     \( 29x-27x=1200 \)
         \( 2x=1200 \)
          \( x=600 \)

よって,タオル \( 1 \) 枚の定価は \( 600 \) 円

 

大問3

右の図Ⅰのような,直方体の底面から直方体を切り取った階段状の浴槽に,お湯を一定の水量で入れ続ける。図Ⅱは,空の浴槽にお湯を入れ始めてから \( x \) 分後の水面の高さを \( y \; cm \) として,\( x \) と\( y \) の関係をグラフに表したものである。次の(1),(2)の問いに答えなさい。

(1) お湯を入れ始めてから \( 3 \) 分後の水面の高さを求めなさい。

【解答】
\( 12 \; cm \)
【解説】
グラフから,\( 5 \) 分間で水面の高さは \( 20 \; cm \) になっているので,
\( 1 \) 分間あたり,水面の高さは \( \dfrac{20}{5}=4 \; (cm) \) ずつ高くなります。
よって,\( 3 \) 分後の水面の高さは,\( 4 \times 3=12 \; (cm) \) になります。

 

(2) 水面の高さが \( 20 \; cm \) になった後,水面の上がる速さは,\( 20 \; cm \) までの \( \dfrac{3}{4} \) 倍に変わった。このとき,水面の高さが \( 44 \; cm \) になるのは, お湯を入れ始めてから何分後か,求めなさい。

【解答】
\( 13 \) 分後
【解説】

水面の高さ \( 20 \; cm \) までは,
\( 1 \) 分間あたり,水面の高さは \( 4 \; cm \) ずつ高くなるので,
\( 20 \; cm \) を過ぎてからは,
\( 1 \) 分間あたり,水面の高さは \( 4 \times \dfrac{3}{4}=3 \; (cm) \)
ずつ高くなります。

ここから,
水面の高さが \( 44-20=24 \; (cm) \) 高くなるのに
かかる時間は,\( \dfrac{24}{3}=8 \)(分)なので,
水面の高さが \( 20 \; cm \) になるまでの \( 5 \) 分と合わせて \( 13 \) 分になります。

 

大問4

右の図のように,線分 \( AB \) を直径とする円 \( O \) の円周上に \( BC=CA,∠BCA =90° \) となる点 \( C \) をとり,辺 \( BC \) を一辺とする正方形 \( BDEC \) を作る。また,線分 \( AD \) と線分 \( BC \) の交点を \( P \),線分 \( AD \) と円 \( O \) の交点を \( Q \) としたとき,次の(1)~(3)の問いに答えなさい。

(1) \( ∠AQC \) の大きさを求めなさい。

【解答】
\( 45° \)
【解説】

\( △ABC \) は直角二等辺三角形なので,\( ∠ABC=45° \)
弧\( AC \) の円周角なので,\( ∠AQC=∠ABC=45° \)

 

(2) 三角形 \( ABP \) と三角形 \( CQP \) が相似であることを証明しなさい。

【解答】

\( △ABP \) と \( △CQP \) において,
弧 \( AC \) の円周角なので,\( ∠ABP=∠CQP \) ・・・ ①
弧 \( BQ \) の円周角なので,\( ∠BAP=∠QCP \) ・・・ ➁
①➁より,2組の角がそれぞれ等しいので,
\( △ABP \) ∽ \( △CQP \)

 

(3) \( BD=2 \; cm \) のとき,\( CQ \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{2\sqrt{10}}{5} \; cm \)
【解説】

\( △ACP \) と \( △DBP \) において,
四角形 \( BDEC \) は正方形,\( △ABC \) は直角二等辺三角形なので,
 \( AC=BC=DB=2 \; cm \) ・・・ ①
 \( ∠ACP=∠DBP=90° \) ・・・ ➁
正方形の向かい合う辺は平行なので,\( BD//CE \) であり,\( BD//AC \)
錯角は等しいので,\( ∠CAP=∠BDP \) ・・・ ➂
①➁➂より,1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので,
\( △ACP≡△DBP \)

対応する辺の長さは等しいので,
点 \( P \) は線分 \( BC \) の中点であり,\( CP=BP=1 \; cm \)

\( △ACP \) において三平方の定理より,
 \( AP^2=2^2+1^2=5 \)
  \( AP=\sqrt{5} \; (cm) \) (\( AP>0 \) より)

(2)より,\( △ABP \) ∽ \( △CQP \) なので,\( AB:CQ=AP:CP \)

\( △ABC \) は \( AC=BC=2 \; cm \) の直角二等辺三角形なので,
 \( AB=\sqrt{2}AC=2\sqrt{2} \; (cm) \)

よって,
  \( AB:CQ=AP:CP \)
 \( 2\sqrt{2}:CQ=\sqrt{5}:1 \)
   \( \sqrt{5}CQ=2\sqrt{2} \)
     \( CQ=\dfrac{2\sqrt{2}}{\sqrt{5}}=\dfrac{2\sqrt{10}}{5} \; (cm) \)