宮城県公立高校入試 令和6(2024)年度 解答&解説

大問1

 \( 2-16 \) を計算しなさい。

【解答】
\( -14 \)

 

 \( \dfrac{7}{3}+\dfrac{2}{9} \times (-3) \) を計算しなさい。

【解答】
\( \dfrac{5}{3} \)
【解説】
\( =\dfrac{7}{3}-\dfrac{2}{3} \)
\( =\dfrac{5}{3} \)

 

 \( (6a^2b-4ab^2) \div 2ab \) を計算しなさい。

【解答】
\( 3a-2b \)
【解説】
\( =\dfrac{6a^2b}{2ab}-\dfrac{4ab^2}{2ab} \)
\( =3a-2b \)

 

 \( a=-5,b=\dfrac{1}{6} \) のとき,\( 2(a+7b)-8b \) の値を求めなさい。

【解答】
\( -9 \)
【解説】
与式 \( =2a+14b-8b=2a+6b \)
\( a=-5,b=\dfrac{1}{6} \) を代入すると,
 \( 2 \times (-5)+6 \times \dfrac{1}{6}=-10+1=-9 \)

 

 \( x^2-10x+21 \) を因数分解しなさい。

【解答】
\( (x-3)(x-7) \)

 

 \( y \) は \( x \) に反比例し,\( x=-2 \) のとき \( y=9 \) です。このとき,\( y \) を \( x \) の式で表しなさい。

【解答】
\( y=-\dfrac{18}{x} \)
【解説】
反比例を表す式は \( y=\dfrac{a}{x} \) なので,
\( x=-2,y=9 \) を代入すると,
 \( 9=\dfrac{a}{-2} \)
 \( a=-18 \)

よって,求める式は, \( y=-\dfrac{18}{x} \)

 

 3つの数 \( \sqrt{10},\dfrac{7}{\sqrt{7}},3 \) の大小を,不等号を使って表したものとして正しいものを,次のア~カから1つ選び,記号で答えなさい。

   ア  \( \sqrt{10}<\dfrac{7}{\sqrt{7}}<3 \)    イ  \( \sqrt{10}<3<\dfrac{7}{\sqrt{7}} \)
   ウ  \( \dfrac{7}{\sqrt{7}}<\sqrt{10}<3 \)    エ  \( \dfrac{7}{\sqrt{7}}<3<\sqrt{10} \)
   オ  \( 3<\sqrt{10}<\dfrac{7}{\sqrt{7}} \)    カ  \( 3<\dfrac{7}{\sqrt{7}}<\sqrt{10} \)

【解答】
エ  \( \dfrac{7}{\sqrt{7}}<3<\sqrt{10} \)
【解説】
\( \dfrac{7}{\sqrt{7}}=\dfrac{\sqrt{7} \times \sqrt{7}}{\sqrt{7}}=\sqrt{7} \) なので,
\( \sqrt{10},\sqrt{7},3 \) の大小を比べればいいことになります。

3つの数 \( a,b,c \) において,\( a<b<c \; (a,b,c>0) \) のとき,\( \sqrt{a}<\sqrt{b}<\sqrt{c} \) となります。

\( 3=\sqrt{9} \) より,\( \sqrt{7}<\sqrt{9}<\sqrt{10} \) なので,
3つの数の大小は,\( \dfrac{7}{\sqrt{7}}<3<\sqrt{10} \) となります。

 

 右の図のような,\( AB=6 \; cm,BC =4 \; cm \) の長方形 \( ABCD \) があります。辺 \( AD \) 上に \( ED =3 \; cm \) となる点 \( E \) をとり,辺 \( DC \) 上に \( DF=5 \; cm \) となる点 \( F \) をとります。また,点 \( E \) を通って辺 \( AD \) に垂直な直線と点 \( F \) を通って辺 \( DC \) に垂直な直線との交点を \( G \) とします。
2辺 \( AB,BC \) と4つの線分 \( CF,FG,GE,EA \) とで囲まれた図の斜線部分を,直線 \( DC \) を軸として1回転させてできる立体の体積を求めなさい。ただし,円周率を \( \pi{} \) とします。

【解答】
\( 51\pi{} \; cm^3 \)
【解説】
長方形の内角はすべて \( 90° \) なので,\( ∠ADC=90° \) です。
四角形 \( EGFD \) の内角のうち3つが \( 90° \) なので,残りの1つも \( 90° \) であり,
長方形とわかります。
斜線部分は,長方形 \( ABCD \) から長方形 \( EGFD \) を取り除いた形になっています。

長方形を1辺を軸に回転させると円柱になるので,
求める立体は,長方形 \( ABCD \) を回転させた円柱
から長方形 \( EGFD \) を回転させた円柱を
くりぬいた形になります。

長方形 \( ABCD \) を回転させた円柱は,
底面の半径が \( 4 \; cm \),高さが \( 6 \; cm \) なので,
体積は,
 \(  \pi{}  \times 4^2 \times 6=96\pi{} \; (cm^3) \)

長方形 \( EGFD \) を回転させた円柱は,
底面の半径が \( 3 \; cm \),高さが \( 5 \; cm \) なので,
体積は,
 \( \pi{} \times 3^2 \times 5=45\pi{} \; (cm^3) \)

よって,求める体積は,\( 96\pi{}-45\pi{}=51\pi{} \; (cm^3) \)

 

大問2

 \( 1 \) から \( 6 \) までの目が出るさいころが1つあります。
このさいころを2回投げて,1回目に出た目の数を \( a \),2回目に出た目の数を \( b \) とするとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。ただし,さいころは,どの目が出ることも同様に確からしいものとします。

(1) \( a+b=6 \) が成り立つ確率を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{5}{36} \)
【解説】

\( a \) と \( b \) の組み合わせとそのときの \( a+b \) の値を
表に書き出し,\( 6 \) になるところに ○ をつけてみます。
\( a+b=6 \) となる組み合わせは5通り,
すべての組み合わせは36通りなので,
求める確率は,\( \dfrac{5}{36} \)

 

(2) \( \dfrac{b+1}{a} \) の値が整数になる確率を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{7}{18} \)
【解説】

\( a \) と \( b \) の組み合わせとそのときの \( \dfrac{b+1}{a} \) の値を
表に書き出し,整数になるところに ○ をつけてみます。
整数となる組み合わせは14通り,
すべての組み合わせは36通りなので,
求める確率は,\( \dfrac{14}{36}=\dfrac{7}{18} \)

 

 線分 \( AB \) を直径とする円 \( O \) があります。右の図のように,円 \( O \) の周上に,\( ∠ABC=28° \) となる点 \( C \) をとり,点 \( C \) をふくまない方の \( \stackrel{\huge\frown}{ AB } \) 上に, \( ∠OCD=37° \) となる点 \( D \) をとります。また,線分 \( AB \) と線分 \( CD \) との交点を \( E \) とします。
次の(1),(2)の問いに答えなさい。

(1) \( ∠AEC \) の大きさを求めなさい。

【解答】
\( ∠AEC=93° \)
【解説】

線分 \(OB,OC\) は,ともに半径なので,
\( △OBC \) は二等辺三角形であり,
 \( ∠OCB=∠OBC=28° \)

また,\( ∠AEC \) は,\( △BCE \) の外角なので,
 \( ∠AEC=∠EBC+∠ECB \)
     \( =28°+(37°+28°) \)
     \( =93° \)

 

 

(2) \( AB=6 \; cm \) のとき,図の太い線で示している小さい方の \( \stackrel{\huge\frown}{ DB } \) の長さを求めなさい。ただし,円周率を \( \pi{} \) とします。

【解答】
\( \dfrac{13}{6}\pi{} \; cm \)
【解説】
弧の長さは中心角の大きさに比例するので,
中心角の大きさがわかれば,弧の長さを求めることができます。

\( ∠DCB=37°+28°=65° \) で,
\( ∠DCB \) は  \( \stackrel{\huge\frown}{ DB } \) に対する円周角,
\( ∠DOB \) は  \( \stackrel{\huge\frown}{ DB } \) に対する中心角なので,
 \( ∠BOD=2 \times 65°=130° \)

よって,\( \stackrel{\huge\frown}{ DB } \) の長さは,
 \( \pi{} \times 6 \times \dfrac{130°}{360°}=\dfrac{13}{6}\pi{} \; (cm) \)

 

 右の図のように,関数 \( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) のグラフと関数 \( y=ax^2 \) のグラフが,\( x \) 軸に平行な直線 \( l \) とそれぞれ2点で交わっています。関数 \( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) のグラフと直線 \( l \) との交点のうち,\( x \) 座標が正である点を \( A \),負である点 を \( B \) とし,関数 \( y=ax^2 \) のグラフと直線 \( l \) との交点のうち,\( x \) 座標が正である点を \( C \),負である点を \( D \) とします。ただし,\( a>\dfrac{1}{2} \) とします。
点 \( A \) の \( x \) 座標が \( 4 \) であるとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。

(1) 点 \( B \) の座標を求めなさい。

【解答】
\( B(-4,8) \)
【解説】
2点 \( A,B \) は,どちらも直線 \( l \) 上の点なので,\( y \) 座標の値は等しくなります。
また,\( y=mx^2 \) のグラフは,\( y \) 軸について対称な形であり,
\( y \) 座標の値が等しい2点の \( x \) 座標は絶対値が等しくなります。

点 \( A \) は,\( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) 上の点で,
\( x \) 座標は \( 4 \) なので,
 \( y=\dfrac{1}{2} \times 4^2=8 \)
よって,点 \( A \) の座標は,\( A(4,8) \)

点 \( B \) の座標は,点 \( A \) と \( y \) 座標の値が等しく,
\( x \) 座標の絶対値は等しいので,\( B(-4,8) \)

 

(2) \( DC=CA \) となるとき,\( a \) の値を求めなさい。

【解答】
\( a=\dfrac{9}{2} \)
【解説】
点 \( C \) は \( y=ax^2 \) 上の点なので,点 \( C \) の座標がわかれば, \( a \) の値を求められます。
2点 \( A,B,C,D \) は,すべて直線 \( l \) 上の点なので,\( y \) 座標の値は \( 8 \) です。
点 \( C \) の \( x \) 座標の値を \( t \) とすることで,\( DC=CA \) から点 \( C \) の座標が求められます。

点 \( C \) の \( x \) 座標の値を \( t \) とすると,
\( y=ax^2 \) は,\( y \) 軸について対称な形なので,
点 \( D \) の \( x \) 座標の値は \( -t \) と表せます。

このとき,\( DC=t-(-t)=2t,CA=4-t \) と表すことができるので,
 \( DC=CA \)
  \( 2t=4-t \)
   \( t=\dfrac{4}{3} \)

4点 \( A,B,C,D \) は,\( y \) 座標の値がすべて等しいことから,
点 \( C \) の座標は,\( C\left( \dfrac{4}{3},8 \right) \) となります。
点 \( C \) は \( y=ax^2 \) 上の点なので,
   \( 8=a \times \left( \dfrac{4}{3} \right)^2 \)
 \( \dfrac{16}{9}a=8 \)
   \( a=\dfrac{9}{2} \)

 

 平面上にマス目があり,その中の1つのマスに白い基石が \( 1 \) 個置いてあります。この状態から,黒い碁石と白い碁石を使って,次の【操作】をくり返し行います。

【操作】
碁石が置いてあるマスの,上,右上,右,右下,下,左下,左,左上でとなり合うすべてのマスのうち,まだ碁石が置かれていないマスに新たに碁石を置く。

奇数回目の【操作】では黒い碁石を,偶数回目の【操作】では白い碁石を新たに置くこととします。
次の図は,1つのマスに白い碁石が \( 1 \) 個置いてある状態から,1回目の【操作】で新たに碁石を置いたあとのようすと,2回目の【操作】で新たに碁石を置いたあとのようすを示したものです。
あとの(1),(2)の問いに答えなさい。

(1) 4回目の 【操作】 で,新たに置く碁石は,何個ですか。

【解答】
\( 32 \) 個
【解説】
1回目の 【操作】 で,置く碁石の数は,全部で \( 3 \times 3=9 \)(個)
2回目の 【操作】 で,置く碁石の数は,全部で \( 5 \times 5=25 \)(個)
3回目の 【操作】 で,置く碁石の数は,全部で \( 7 \times 7=49 \)(個)
4回目の 【操作】 で,置く碁石の数は,全部で \( 9 \times 9=81 \)(個)
よって,4回目の 【操作】 で,新たに置く碁石の数は,
 \( 81-49=32 \)(個)

 

(2) 何回目かの【操作】で,新たに置いた碁石は,\( 88 \) 個でした。
次の(ア),(イ)の問いに答えなさい。

(ア) この【操作】は,何回目の【操作】ですか。

【解答】
\( 11 \) 回目
【解説】
1回目の 【操作】 で,置く碁石の数は,全部で \( (2 \times 1+1) \times (2 \times 1+1)=9 \)(個)
2回目の 【操作】 で,置く碁石の数は,全部で \( (2 \times 2+1) \times (2 \times 2+1)=25 \)(個)
3回目の 【操作】 で,置く碁石の数は,全部で \( (2 \times 3+1) \times (2 \times 3+1)=49 \)(個)
4回目の 【操作】 で,置く碁石の数は,全部で \( (2 \times 4+1) \times (2 \times 4+1)=81 \)(個)
・・・

なので,
\( n-1 \) 回目の 【操作】 で,置く碁石の数は,全部で
 \( \{2(n-1)+1\} \times \{2(n-1)+1\}=(2n-1)^2 \)(個)
\( n \) 回目の 【操作】 で,置く碁石の数は,全部で
 \( (2n+1) \times (2n+1)=(2n+1)^2 \)(個)

\( n \) 回目の【操作】で,新たに置いた碁石が \( 88 \) 個であったとすると,
             \( (2n+1)^2-(2n-1)^2=88 \)
 \( \{ (2n+1)+(2n-1) \}\{ (2n+1)-(2n-1) \}=88 \)
                     \( 4n \times 2=88 \)
                        \( n=11 \)

 

(イ) このとき,黒い碁石は,平面上に全部で何個置いてありますか。

【解答】
\( 288 \) 個
【解説】
1回目の【操作】では黒の碁石,2回目の【操作】では白の碁石,3回目の【操作】では黒の碁石,
を置くので,奇数回目の操作で黒の碁石を置くことがわかります。

1回目の操作で置くすべての黒の碁石の数は
 \( 2 \times 4=8 \)(個)
3回目の操作で置くすべての黒の碁石の数は
 \( (2+6) \times 4=32 \)(個)
5回目の操作で置くすべての黒の碁石の数は
 \( (2+6+10) \times 4=72 \)(個)
となるので,
(   )の中に入る項の数が1個ずつ増え,
その項の値は \( 4 \) ずつ増えていることがわかります。

ここから,
11回目の操作で置くすべての黒の碁石の数は
\( (2+6+10+14+18+22) \times 4=288 \)(個)

 

大問3

洋平さんと明さんの学校では,毎年,\( 1200 \; m \) を走る長距離走大会が行われています。
次のの問いに答えなさい。

 数学の授業で,昨年度の長距離走大会の記録をもとにかかれた箱ひげ図から読みとれることについて,話し合いをすることになりました。図Ⅰは,昨年度のA組,B組,C組,D組に在籍していたそれぞれ \( 40 \) 人全員の,記録の分布のようすを箱ひげ図に表したものです。洋平さんと明さんは,図Ⅰを見ながら会話をしています。
あとの(1),(2)の問いに答えなさい。


洋平さん:数値が小さい方が速い記録ということになるから,4つの組の中で最も記録が速かった生徒が
     いるのは     組だね。ほかにわかることはないかな。

明さん:各組の人数は \( 40 \) 人だから,中央値に注目すると,【4つの組全体で少なくとも \( 80 \) 人は \( 340 \) 秒
    以内の記録だった】ことがわかるよ。

洋平さん:なるほど。昨年度の長距離走大会の記録について,箱ひげ図から,いろいろなことが読みとれるね。

明さん:今年度の長距離走大会の目標設定の参考になるね。


(1) 会話の     にあてはまる正しいものを,A,B,C,Dの中から1つ答えなさい。

【解答】

【解説】
最小値がもっとも小さい組を探せはいいので,C組になります。

 

(2) 明さんが,図Ⅰから会話の【   】のように判断した理由を,中央値という語句を用いて,根拠となる人数を示しながら,説明しなさい。

【解答】
A~Dすべての組で中央値が \( 340 \) 秒未満になっていることから,
A~Dすべての組に \( 340 \) 秒以内の記録の生徒が \( 20 \) 人以上いるとわかるため。
【解説】
各組の生徒数は \( 40 \) 人なので,中央値は記録の短い方から \( 20 \) 番目と \( 21 \) 番目の値の平均値になります。
つまり,中央値が \( 340 \) 秒未満ということは,\( 20 \) 番目の値も \( 340 \) 秒未満ということになります。

XとYの平均値をとるとき,少なくともどちらか一方の値は平均値以下になる
2つの値 \( X \) と \( Y \) の平均値を \( n \) とします。
このとき,\( n=\dfrac{X+Y}{2} \) より,\( X+Y=2n \) になります。

【\( X=n \) の場合】
\( X+Y=2n \) より,
 \( n+Y=2n \)
   \( Y=n \)
となり,
どちらか一方の値が平均値と同じ値の場合は,もう一方も平均値と同じ値になります。

【\( X=n-a \; (a>0) \) の場合】
\( X+Y=2n \) より,
 \( (n-a)+Y=2n \)
      \( Y=n+a \)
となり,
どちらか一方の値が平均値より小さい値の場合は,もう一方は平均値より大きい値になります。

【\( X=n+a \; (a>0) \) の場合】
\( X+Y=2n \) より,
 \( (n+a)+Y=2n \)
      \( Y=n-a \)
となり,
どちらか一方の値が平均値より大きい値の場合は,もう一方は平均値より小さい値になります。

以上より,
\( X=Y \) であれば,\( X \) と \( Y \) の値はどちらも平均値と等しくなります。
\( X≠Y \) であれば,小さい方の値は必ず平均値未満の値になります。

 

 図Ⅱのような,\( P \) 地点から \( Q \) 地点を通って \( R \) 地点まで1本のまっすぐな道路で結ばれたコースがあります。地点を基準とし,\( P \) 地点から \( Q \) 地点までの距離は \( 900 \; m \),\( P \) 地点から \( R \) 地点までの距離は \( 1200 \; m \) です。洋平さんと明さんは,長距離走大会に向けての練習として,このコースを使って,下の     の計画でそれぞれ走ることにしました。
あとの(1),(2)の問いに答えなさい。

【洋平さんの計画】
\( P \) 地点から \( R \) 地点に向かって止まることなく走る。
\( P \) 地点から \( Q \) 地点までは分速 \( 200 \; m \) の一定の速さで走り,\( Q \) 地点から \( R \) 地点までは分速 \( 300 \; m \) の一定の速さで走る。
【明さんの計画】
\( R \) 地点から \( P \) 地点に向かって止まることなく走る。
\( R \) 地点から \( P \) 地点まで分速 \( 250 \; m \) の一定の速さで走る。

(1) 洋平さんが計画どおりに走るとき,\( P \) 地点を出発してから \( R \) 地点に着くまでの,時間と \( P \) 地点から洋平さんまでの距離との関係を表すグラフを,下の図にかき入れなさい。

【解答】

【解説】
\( P \) 地点から \( Q \) 地点までの \( 900 \; m \) は,分速 \( 200 \; m \) の一定の速さで走るので,
かかる時間は \( \dfrac{900}{200}=\dfrac{9}{2} \)(分)
\( Q \) 地点から \( R \) 地点までの \( 1200-900=300 \; (m) \) は,分速 \( 300 \; m \) の一定の速さで走るので,
かかる時間は \( \dfrac{300}{300}=1 \)(分)
ここから,\( R \) 地点に到着するのは,スタートしてから \( \dfrac{9}{2}+1=\dfrac{11}{2} \) 分後です。

よって,原点と \( \left( \dfrac{9}{2},900 \right),\left( \dfrac{11}{2},1200 \right) \) を通る直線をかけばいいことになります。

 

(2) 洋平さんが \( P \) 地点を出発し,遅れて明さんが \( R \) 地点を出発しました。2人はそれぞれ計画どおりに走り,途中ですれちがって,洋平さんが \( R \) 地点に到着してから \( 30 \) 秒後に明さんが \( P \) 地点に到着しました。
次の(ア),(イ)の問いに答えなさい。

(ア) 2人がすれちがったのは,洋平さんが \( P \) 地点を出発してから何分何秒後ですか。
なお,図Ⅲを利用してもかまいません。

【解答】
\( 3 \) 分 \( 20 \) 秒後
【解説】
(1)で書いた図に明さんが走った状態を表す直線をかき足します。
洋平さんが \( R \) 地点に到着するのは出発から \( \dfrac{9}{2} \) 分後なので,
明さんが \( P \) 地点に到着するのは洋平さんが出発から \( 6 \) 分後になります。
このとき,切片の値は \( 1500 \) になるので,
この直線の式は,\( y=-250x+1500 \) になっています。

また,洋平さんが走った状態を表す直線の式は,\( y=200x \; \left( 0≦x≦\dfrac{9}{2} \right) \) になっています。
2人がすれちがった時間と場所はこの2直線の交点として表れ,
交点の座標は,2つの方程式を連立方程式として解いた解になります。

 \( \left\{ \begin{array}{}
y=-250x+1500 \\
y=200x \\
\end{array} \right.  \)
  \( 200x=-250x+1500 \)
  \( 450x=1500 \)
    \( x=\dfrac{10}{3} \)

となり,2人がすれちがったのは,洋平さんが出発してから \( \dfrac{10}{3}=3\dfrac{1}{3} \) 分後になります。
\( \dfrac{1}{3} \) 分 \( =60 \times \dfrac{1}{3}=20 \) 秒なので,
2人がすれちがったのは,\( 3 \) 分 \( 20 \) 秒後になります。


 

(イ) \( P \) 地点から明さんまでの距離が \( 300 \; m \) であるとき,\( P \) 地点から洋平さんまでの距離は何 \( m \) ですか。

【解答】
\( 990 \; m \)
【解説】
まず,\( P \) 地点から明さんまでの距離が \( 300 \; m \) になるのが,
洋平さんが出発してから何分後になるか求めます。

\( y=-250x+1500 \) に \( y=300 \) を代入すると,
  \( 300=-250x+1500 \)
 \( 250x=1200 \)
   \( x=\dfrac{24}{5} \)
なので,洋平さんが出発してから \( \dfrac{24}{5} \) 分後になります。

洋平さんが走った状態を表す直線のうち,\( \dfrac{9}{2}≦x≦6 \) の範囲を表す式を
\( y=300x+b \) とすると, \( \left( \dfrac{9}{2},900 \right) \) を通るので,
 \( 900=300 \times \dfrac{9}{2}+b \)
   \( b=-450 \)
であり,この直線の式は,\( y=300x-450 \)

ここに \( x=\dfrac{24}{5} \) を代入すると,
 \( y=300 \times \dfrac{24}{5}-450=990 \; (m) \)


 

大問4

図Ⅰのような,\( BC=10 \; cm,AC<BC \) である \( △ABC \) があります。2辺 \( AB,AC \) の中点をそれぞれ \( D,E \) とし,点 \( B \) と点 \( E \),点 \( D \) と点 \( E \) をそれぞれ結びます。また,点 \( A \) を通って線分 \( DE \) に平行な直線上に,\( AF=DE \) となる点 \( F \) を,直線 \( AC \) に対して点 \( D \) と反対側にとり,点 \( D \) と点 \( F \) を結びます。
次のの問いに答えなさい。

 線分 \( DE \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( 5 \; cm \)
【解説】
点 \( D,E \) は,2辺 \( AB,AC \) の中点なので,
中点連結定理より,\( DE=\dfrac{1}{2}BC=5 \; (cm) \)


 

 \( △ADF≡△DBE \) であることを証明しなさい。

【解答】

\( △ADF \) と \( △DBE \) において,
点 \( D \) は辺 \( AB \) の中点なので,
 \( AD=DB \) ・・・ ➀
仮定より,
 \( AF=DE \) ・・・ ➁
\( AF//DE \) より,同位角は等しいので,
 \( ∠FAD=∠EDB \) ・・・ ➂
➀➁➂より,
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので,
\( △ADF≡△DBE \)

 

 図Ⅱは,図Ⅰにおいて,点 \( C \) と点 \( F \) を結び,辺 \( BC \) 上に,点 \( G \) を \( ∠CGE=∠ACF \) となるようにとったものです。
\( AB=12 \; cm,AC=8 \; cm \) のとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。

(1) 線分 \( CG \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{32}{5} \; cm \)
【解説】

\( △ECG \) と \( △FAC \) において,
中点連結定理より,\( BC//DE \)
仮定より,\( AF//DE \)
ここから,\( BC//AF \)
錯角は等しいので,\( ∠ECG=∠FAC \) ・・・ ➀
仮定より,\( ∠CGE=∠ACF \) ・・・ ➁
➀➁より,2組の角がそれぞれ等しいので,
\( △ECG \) ∽ \( △FAC \)

\( EC=\dfrac{1}{2}AC=4 \; (cm) \)
\( AF=DE=\dfrac{1}{2}BC=5 \; (cm) \)
なので,
 \( CG:CA=EC:FA \)
  \( CG:8=4:5 \)
    \( CG=\dfrac{32}{5} \; (cm) \)

 

(2) 点 \( A \) と点 \( G \) を結びます。\( △AGE \) の面積を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{24\sqrt{7}}{5} \; cm^2 \)
【解説】
\( △ABC \) は,高さがわかれば面積を求められるので,
\( △AGE \) と \( △ABC \) の面積比から \( △AGE \) の面積を求めることにします。

【\( △AGE \) と \( △ABC \) の面積比】
\( △AGE \) の底辺を線分 \( AE \),
\( △CGE \) の底辺を線分 \( EC \)
と考えると,2つの三角形は高さが共通なので,
\( AE=EC \) より,\( △AGE=△CGE \) であり,
\( △AGE \) の面積を「8」とすると,
\( △CGE \) の面積も「8」になります。

\( △ABG \) の底辺を線分 \( BG \),
\( △ACG \) の底辺を線分 \( GC \)
と考えると2つの三角形は高さが共通なので,
 \( △ABG:△ACG=BG:GC \)
           \( =\dfrac{18}{5}:\dfrac{32}{5} \)
           \( =9:16 \)
になっています。

このとき,\( △ACG=△AGE+△CGE \) なので,\( △ACG \) の面積は「16」であり,
\( △ABG \) の面積は「9」になります。

また,\( △ABC=△ABG+△ACG \) なので,\( △ABC \) の面積は「25」になります。

よって,\( △AGE \) と \( △ABC \) の面積比は \( △AGE:△ABC=8:25 \)
つまり,
 \( △AGE=\dfrac{8}{25}△ABC \)
になります。

【\( △ABC \) の面積】
点 \( A \) から辺 \( BC \) に垂線をひき,
交点を \( H \) とします。
\( CH=x \; cm \) とすると,
\( BH=10-x \; cm \) と表せます。

\( △ABH \) と \( △ACH \) は,\( AH \) が共通なので,
三平方の定理より,
   \( AB^2-BH^2=AC^2-CH^2 \)
 \( 12^2-(10-x)^2=8^2-x^2 \)
 \( -x^2+20x+44=64-x^2 \)
        \( 20x=20 \)
         \( x=1 \; (cm) \)
ここから,
 \( AH^2=AC^2-CH^2 \)
    \( =8^2-1^2 \)
    \( =63 \)
  \( AH=3\sqrt{7} \; (cm) \) (\( AH>0 \) より)
よって,
 \( △ABC=10 \times 3\sqrt{7} \times \dfrac{1}{2}=15\sqrt{7} \; (cm^2) \)

以上より,
 \( △AGE=\dfrac{8}{25}△ABC=\dfrac{8}{25} \times 15\sqrt{7}=\dfrac{24\sqrt{7}}{5} \; (cm^2) \)