大問1
(1) 次の ➀~➄ の計算をしなさい。
➀ \( -5+8 \)
➁ \( 6-(-3)^2 \times 2 \)
【解説】
\( =6-9 \times 2 \)
\( =6-18 \)
\( =-12 \)
➂ \( \dfrac{x+5y}{8}+\dfrac{x-y}{2} \)
【解答】
\( \dfrac{5x+y}{8} \)
【解説】
\( =\dfrac{x+5y}{8}+\dfrac{4(x-y)}{8} \)
\( =\dfrac{5x+y}{8} \)
➃ \( (4x^2y+xy^3) \div xy \)
【解説】
\( =\dfrac{4x^2y}{xy}+\dfrac{xy^3}{xy} \)
\( =4x+y^2 \)
➄ \( \sqrt{6} \times \sqrt{2}+\dfrac{3}{\sqrt{3}} \)
【解説】
\( =\sqrt{6} \times \sqrt{2}+\sqrt{3} \)
\( =2\sqrt{3}+\sqrt{3} \)
\( =3\sqrt{3} \)
(2) 2次方程式 \( x^2-6x-16=0 \) を解きなさい。
【解説】
\( (x+2)(x-8)=0 \)
\( x=-2,8 \)
(3) \( \sqrt{6a} \) が \( 5 \) より大きく \( 7 \) より小さくなるような自然数 \( a \) の値をすべて求めなさい。
【解説】
\( 5<\sqrt{6a}<7 \) の各辺を2乗すると,
\( 25<6a<49 \)
\( \dfrac{25}{6}<a<\dfrac{49}{6} \)
\( 4\dfrac{1}{6}<a<8\dfrac{1}{6} \)
これにあてはまる \( a \) の値は, \( a=5,6,7,8 \)
(4) 関数 \( y=-x^2 \) について,\( x \) の変域が \( -2≦x≦a \) のとき,\( y \) の変域は \( -16≦y≦b \) である。
このとき,\( a,b \) の値をそれぞれ求めなさい。
【解説】
\( y=-x^2 \) において,\( y=-16 \) になるときの \( x \) の値は,
\( -16=-x^2 \)
\( x=±4 \)
\( -2≦x≦a \) より,あてはまるのは,\( x=4 \)
よって,\( a=4 \)
右の図において,\( y \) の値が最大になるのは,\( y=0 \) のとき
よって,\( b=0 \)
(5) 右の〔図〕のように,半径が \( 5 \; cm \),中心角が \( 144° \) のおうぎ形がある。
このおうぎ形の面積を求めなさい。
【解説】
\( \pi \times 5^2 \times \dfrac{144}{360} \)
\( =\pi \times 5^2 \times \dfrac{2}{5} \)
\( =10\pi \; (cm^2) \)
(6) 下の〔図〕のように,直線 \( l \) と2点 \( A,B \) がある。直線 \( l \) 上の点 \( A \) で接し,点 \( B \) を通る円の中心 \( O \) を,作図によって求めなさい。
ただし,作図には定規とコンパスを用い,作図に使った線は消さないこと。
【解答・解説】
・ 円の半径と接線は接点において垂直に交わる。
・ 円の中心から弦に対して垂線を引くと,弦を二等分する。
これらの2つの性質から,
「点 \( A \) を通り,直線 \( l \) と垂直な直線」と「線分 \( AB \) の垂直二等分線」の交点が点 \( O \) になります。
手順1 点 \( A \) を中心に円弧を描く
(直線 \( l \) との交点を点 \( C,D \) とします)
手順2 点 \( C,D \) を中心に円弧を描く
(交点を点 \( E \) とします)
手順3 2点 \( A,E \) を通る直線を描く
手順4 線分 \( AB \) を描く
手順5 2点 \( A,B \) を中心に円弧を描く
(交点を点 \( F,G \) とします)
手順6 2点 \( F,G \) を通る直線を描く
手順3と手順6の直線の交点が点 \( O \) になります。
大問2
下の〔図1〕のように,関数 \( y=ax^2 \) のグラフ上に2点 \( A,B \) があり,点 \( A \) の座標は \( (-4,4) \),点 \( B \) の \( x \) 座標は \( 2 \) である。
次の (1)~(3) の問いに答えなさい。
(1) \( a \) の値を求めなさい。
【解答】
\( a=\dfrac{1}{4} \)
【解説】
このグラフは点 \( A(-4,4) \) を通るので,
\( 4=a \times (-4)^2 \)
\( 16a=4 \)
\( a=\dfrac{1}{4} \)
(2) 直線 \( AB \) の式を求めなさい。
【解答】
\( y=-\dfrac{1}{2}x+2 \)
【解説】
点 \( B \) は \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) 上の点で,\( x \) 座標は \( 2 \) なので,
\( y=\dfrac{1}{4} \times 2^2=1 \)
直線 \( AB \) は2点 \( A(-4,4),B(2,1) \) を通るので,
傾きは,\( \dfrac{1-4}{2-(-4)}=-\dfrac{1}{2} \)
直線 \( AB \) の式を \( y=-\dfrac{1}{2}x+b \) とすると,\( (2,1) \) を通るので,
\( 1=-\dfrac{1}{2} \times 2+b \)
\( b=2 \)
よって,直線 \( AB \) の式は \( y=-\dfrac{1}{2}x+2 \)
(3) 下の〔図2〕のように,関数 \( y=ax^2 \) のグラフと直線 \( AB \) で囲まれた図形を \( D \) とする。この図形 \( D \) に含まれる点のうち,\( x \) 座標,\( y \) 座標がともに整数である点について考える。ただし,図形 \( D \) は関数 \( y=ax^2 \) のグラフ上および直線 \( AB \) 上の点もすべて含む。
次の1,2の問いに答えなさい。
➀ 図形 \( D \) に含まれる点のうち,\( x \) 座標が \( -2 \) で,\( y \) 座標が整数である点の個数を求めなさい。
【解説】
\( x \) 座標が \( -2 \) で,\( y \) 座標が整数である点は,すべて \( x=-2 \) の直線上にあります。
\( x=-2 \) と \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) の交点を点 \( P \),\( x=-2 \) と直線 \( AB \) の交点を点 \( Q \) とすると,
あてはまる点は線分 \( PQ \) 上にあります。
点 \( P \) の \( y \) 座標は,\( y=\dfrac{1}{4} \times (-2)^2=1 \) なので,
点 \( P \) の座標は,\( P(-2,1) \)
点 \( Q \) の \( y \) 座標は,\( y=-\dfrac{1}{2} \times (-2)+2=3 \) なので,
点 \( Q \) の座標は,\( Q(-2,3) \)
\( P(-2,1) \) と \( Q(-2,3) \) の間の点で,
\( y \) 座標が整数である点は \( (-2,2) \) だけなので,
あてはまる点の個数は3個になります。
➁ 直線 \( y=\dfrac{9}{2}x+b \) で,図形 \( D \) を2つの図形に分ける場合について考える。ただし,\( b \) は整数とする。このとき,分けた2つの図形それぞれに含まれる \( x \) 座標,\( y \) 座標がともに整数である点の個数が等しくなるような \( b \) の値を求めなさい。
ただし,直線 \( y=\dfrac{9}{2}x+b \) は,図形 \( D \) に含まれる \( x \) 座標,\( y \) 座標がともに整数である点を通らないものとする。
【解説】
まず,➀ と同様の方法で,図形 \( D \) に含まれる \( x \) 座標,\( y \) 座標がともに整数である点の個数を求めます。
\( x=-4 \) のとき ・・・ 点 \( A \) の1個
\( x=-3 \) のとき ・・・ \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) との交点の \( y \) 座標は \( \dfrac{9}{4} \),直線 \( AB \) との交点の \( y \) 座標は \( \dfrac{7}{2} \) なので,
あてはまる点は,\( (-3,3) \) の1個
\( x=-2 \) のとき ・・・ ➀ より,3個
\( x=-1 \) のとき ・・・ \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) との交点の \( y \) 座標は \( \dfrac{1}{4} \),直線 \( AB \) との交点の \( y \) 座標は \( \dfrac{5}{2} \) なので,
あてはまる点は,\( (-1,1),(-1,2) \) の2個
\( x=0 \) のとき ・・・ \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) との交点の \( y \) 座標は \( 0 \),直線 \( AB \) との交点の \( y \) 座標は \( 2 \) なので,
あてはまる点は,\( (0,0),(0,1),(0,2) \) の3個
\( x=1 \) のとき ・・・ \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) との交点の \( y \) 座標は \( \dfrac{1}{4} \),直線 \( AB \) との交点の \( y \) 座標は \( \dfrac{3}{2} \) なので,
あてはまる点は,\( (1,1) \) の1個
\( x=2 \) のとき ・・・ 点 \( B \) の1個
なので,すべての点の個数は12個
\( y=\dfrac{9}{2}x+b \) は,右上がりの直線なので,
この12個の点を同じ個数になるようにわけると,
\( (-1,1) \) と \( (-1,2) \) の間を通ることになります。
\( y=\dfrac{9}{2}x+b \) が \( (-1,1) \) を通るときの \( b \) の値は
\( 1=\dfrac{9}{2} \times (-1)+b \)
\( b=\dfrac{11}{2} \)
\( y=\dfrac{9}{2}x+b \) が \( (-1,2) \) を通るときの \( b \) の値は
\( 2=\dfrac{9}{2} \times (-1)+b \)
\( b=\dfrac{13}{2} \)
なので,\( \dfrac{11}{2}<b<\dfrac{13}{2} \) を満たす \( b \) の値のうち,整数になるのは,\( b=6 \)
大問3
(1) 右の〔図1〕のように,\( A,B,C,D,E \) のアルファベットが1つずつ書かれた5枚のカードが,上から \( A,B,C,D,E \) の順に重なっている。
大小2つのさいころを同時に投げ,出た目の数の和と同じ回数だけ,一番上のカードを1枚ずつ一番下に移動させる。
例えば,出た目の数の和が2のとき,最初に \( A \) のカードを一番下に移動させ,次に一番上になっている \( B \) のカードを一番下に移動させるため,\( C \) のカードが一番上になる。
ただし,大小2つのさいころのそれぞれについて,1から6までのどの目が出ることも,同様に確からしいものとする。
次の ➀,➁ の問いに答えなさい。
➀ 出た目の数の和が6のとき,6回カードを移動させた後,一番上になるカードのアルファベットを答えなさい。
【解説】
一番上になるカードのアルファベットを下の図のように表してみるとわかりやすくなります。
➁ 出た目の数の和と同じ回数だけカードを移動させた後,\( C \) のカードが一番上になる確率を求めなさい。
【解説】
\( C \) のカードが一番上になるのは,
2回カードを移動させたとき,7回カードを移動させたとき,12回カードを移動させたとき
の3通りなので,

出た目の数の和が2,7,12になるのは8通り,すべての場合の数は36通りなので,
求める確率は \( \dfrac{8}{36}=\dfrac{2}{9} \)
(2) ある中学校の1,2年生のバスケットボール部員40人が,9月にフリースローを1人あたり20本ずつ行った。その結果から,半年後の3月までに部員40人が,フリースローを1人あたり20本中15本以上成功することを目標に掲げた。3月になり部員40人が,フリースローを1人あたり20本ずつ行った。
下の〔図2〕は,この中学校のバスケットボール部員40人の9月と3月のフリースローが成功した本数のデータの分布のようすを箱ひげ図にまとめたものである。
次の ➀,➁ の問いに答えなさい。

➀ 〔図2〕の9月のデータの四分位範囲を求めなさい。
【解説】
四分位範囲は,第三四分位数 \( – \) 第一四分位数 で求めることができるので,
\( 14-8=6 \)(本)
➁ 太郎さんは,上の〔図2〕の箱ひげ図をもとに,9月に比べ3月は目標を達成した部員の割合が増えたと判断した。
次の〔説明〕は,太郎さんが,目標である15本以上成功した部員の割合が増えたと判断した理由を説明したものである。ア には適する数を,イには〔説明〕の続きを「中央値」の語句を用いて書きなさい。
〔説明〕
9月の第3四分位数は ア 本であるため,15本以上成功した部員の割合は25%以下である。
イ
ゆえに,9月に比べ3月は目標を達成した部員の割合が増えたと判断できる。
【解答】
ア ・・・ 14
イ ・・・ 3月の中央値は15本であるため,15本以上成功した部員の割合は50%以上である。
大問4
ある学校の吹奏楽部が,市民ホールのコンサート会場で,\( 14 \) 時 \( 30 \) 分から定期演奏会を行った。定期演奏会では,事前にチケットを購入した人のみがコンサート会場に入場することができた。コンサート会場の入り口には3つのゲートがあり,ゲートの前に並んだ人は,誘導係の指示でゲートを通過して入場した。
最初は1つのゲートから入場させていたが,ゲートの前に並んでいる人数が増えていったため,途中から誘導係が,通過できるゲートを増やして対応した。
吹奏楽部員の花子さんと太郎さんは,次回の定期演奏会で入場時の混雑をできるだけ解消するには,どうすればよいかを考えるために,当日の入場の様子を参考に,下の〔仮定〕を設定した。
〔仮定〕
1⃣ 定期演奏会の開始時刻は \( 14 \) 時 \( 30 \) 分とする。
2⃣ 入場開始時刻は \( 13 \) 時 \( 15 \) 分とする。ゲートの前には入場開始時点で45人が1列で並んでいる
ものとする。
3⃣ \( 13 \) 時 \( 15 \) 分から \( 14 \) 時 \( 15 \) 分までの \( 60 \) 分間は,ゲートの前に並んでいる人の列に新たに
加わる人数は,1分間あたり12人とする。それより後は,列に新たに人は並ばないものとする。
4⃣ \( 13 \) 時 \( 15 \) 分から \( 13 \) 時 \( 45 \) 分までの \( 30 \) 分間は,通過できるゲートを1つとし,\( 13 \) 時 \( 45 \) 分
からゲートの前に並ぶ全員の入場が完了するまでは,通過できるゲートを3つとする。
5⃣ 通過できるゲートが1つの場合でも3つの場合でも,いずれのゲートも通過する人数は1分間
あたり5人とする。
下の〔図1〕は \( 13 \) 時 \( 15 \) 分から \( 13 \) 時 \( 45 \) 分までの \( 30 \) 分間,〔図2〕は \( 13 \) 時 \( 45 \) 分からゲートの前に並ぶ 全員の入場が完了するまでの,ゲート付近の様子を模式的に表したものである。


下の会話は,花子さんと太郎さんと吹奏楽部の顧問の先生が,定期演奏会を振り返り,次回に向けて話しているときのものである。
会話を読んで,次の (1),(2) の問いに答えなさい。
太郎:この〔仮定〕のもとで,入場が完了する時刻をどう考えればよいですか。
花子:通過できるゲートが1つの場合と3つの場合に分けて考えてはどうですか。
太郎:\( 13 \) 時 \( 45 \) 分までは通過できるゲートが1つなので,\( 13 \) 時 \( 15 \) 分から \( 13 \) 時 \( 45 \) 分までの \( 30 \) 分間に
ゲートを通過する人数は ア 人です。\( 13 \) 時 \( 45 \) 分以降は通過できるゲートが3つになるので,
ゲートを通過する人数は1分間あたり15人になります。それによって,\( 13 \) 時 \( 45 \) 分以降,時間の
経過とともにゲートの前に並んでいる人数は減り,入場が完了します。
先生:そうですね。では,入場が完了するのは,何時何分ですか。
花子:まず,入場を開始してから完了するまでのゲートを通過する人数について考えます。
入場開始時刻の \( 13 \) 時 \( 45 \) 分には45人が並んでいて,\( 13 \) 時 \( 15 \) 分から \( 14 \) 時 \( 15 \) 分までの
\( 60 \) 分間は1分間あたり12人が並びます。だから,入場を開始してから完了するまでのゲートを通過
する人数は イ 人となります。
太郎:そうすると,通過できるゲートが3つになってから入場が完了するまでに,ゲートを通過する
人数は ウ 人と計算できます。
したがって,入場が完了する時刻は エ になります。
先生:その通りですね。
花子:ですが,次回の定期演奏会では,もう少し早く入場を完了させたいですね。
(1) 会話の中の ア ~ ウ には適する数を, エ には適する時刻を,それぞれ求めなさい。
【解答】
ア ・・・ \( 150 \)
イ ・・・ \( 765 \)
ウ ・・・ \( 615 \)
エ ・・・ \( 14 \) 時 \( 26 \) 分
(2) 次回の定期演奏会では,開演 \( 10 \) 分前の \( 14 \) 時 \( 20 \) 分ちょうどに入場を完了させたい。〔仮定〕の4の通過できるゲートを1つから3つにする時刻である \( 13 \) 時 \( 45 \) 分を,何時何分に変更すればよいか,求めなさい。
ただし,〔仮定〕の4の条件以外は変更しないものとする。
【解答】
\( 13 \) 時 \( 36 \) 分
【解説】
(1) より,入場が完了する時刻は \( 14 \) 時 \( 26 \) 分なので,入場完了までの時間を6分早める必要があります。
1つのゲートにつき,1分あたり5人が入場できるので,5人を1つのグループとして
□ の記号で書いてみると,下の図のようになります。
なお,わかりやすくするため,入場後もゲートを通過した状態をキープして整列しているものとします。
早まった6分間に入場するはずだった18グループの人は使用する
ゲートを3つにする時間を早めた部分で入場することになるので,この18グループを残りの2つのゲートのところに振り分けると,9分が必要になるとわかります。
今回,ゲートを3つにしたのは \( 13 \) 時 \( 45 \) 分なので,その9分前は \( 13 \) 時 \( 36 \) 分になります。
大問5
右の〔図1〕のように,底面の半径が \( 4 \; cm \),高さが \( 10 \; cm \) の円柱の形をした容器 \( X \) があり,容器 \( X \) を水平な台の上に置いた。
次の (1) ,(2) の問いに答えなさい。
ただし,容器 \( X \) の厚さは考えないものとする。
(1) 容器 \( X \) の体積を求めなさい。
【解答】
\( 160\pi \; cm^3 \)
【解説】
\( \pi \times 4^2 \times 10=160\pi \; (cm^3) \)
(2) 右の〔図2〕のように,容器 \( X \) の中に半径 \( 2 \; cm \) の鉄球を1個入れ,鉄球の上端と水面が同じ高さになるまで水を入れた。
このとき,半径 \( 2 \; cm \) の鉄球は容器 \( X \) の底面に接している。
次の ➀,➁ の問いに答えなさい。
➀ 容器 \( X \) に入れた水の体積を求めなさい。
【解答】
\( \dfrac{160}{3}\pi \; cm^3 \)
【解説】
鉄球の半径が \( 2 \; cm \) なので,水面までの高さは \( 4 \; cm \) になります。
このとき,水が入る部分全体の容積は,
\( \pi \times 4^2 \times 4=64\pi \; (cm^3) \)
鉄球の体積は,
\( \dfrac{4}{3} \times \pi \times 2^3=\dfrac{32}{3}\pi \; (cm^3) \)
なので,入れた水の体積は,
\( 64\pi-\dfrac{32}{3}\pi=\dfrac{160}{3}\pi \; (cm^3) \)
➁ 右の〔図3〕のように,〔図2〕の容器 \( X \) の中に,半径 \( 3 \; cm \) の鉄球を1個入れ,半径 \( 3 \; cm \) の鉄球の上端と水面が同じ高さになるまで水を追加した。2個の鉄球は,互いに接し,いずれも容器 \( X \) の側面に接している。
このとき,容器 \( X \) の底面から水面までの高さを求めなさい。
また,追加した水の体積を求めなさい。
【解答】
高さ ・・・ \( 9 \; cm \)
追加した水の体積 ・・・ \( 44\pi \; cm^3 \)
【解説】
〔図3〕の状態を正面から見ると右の図のようになります。
ここで,半径 \( 2 \; cm \) の鉄球の中心を \( O \),半径 \( 3 \; cm \) の鉄球の中心を \( O’ \) 2つの鉄球の接点を \( P \) とすると,2つの鉄球は円に見え,円の半径と接線は接点において垂直に交わるので,3点 \( O \),\( O’ \),\( P \) は一直線上に並びます。
半径 \( 2 \; cm \) の鉄球と容器の側面の接点を点 \( A \),
半径 \( 3 \; cm \) の鉄球と容器の側面の接点を点 \( B \),
線分 \( AO \) を延長した直線と容器の側面の交点を点 \( B’ \),
点 \( O’ \) から線分 \( AB’ \) にひいた垂線の交点を点 \( Q \)とすると,
\( BO’=3 \; cm,BO’//B’Q,BO’⊥O’Q,B’Q⊥O’Q \) より,
\( B’Q=3 \; cm \)
\( AB’=8 \; cm,AO=2 \; cm \) なので,
\( OQ=8-(2+3)=3 \; (cm) \)
\( △OO’Q \) において,三平方の定理より,
\( O’Q^2=5^2-3^2=16 \; (cm) \)
\( O’Q=4 \; (cm) \) (\( O’Q>0 \) より)
半径 \( 3 \; cm \) の鉄球の上端にあたる点を点 \( C \),
線分 \( O’Q \) を延長し,容器の底面との交点を点 \( D \) とすると,
\( DQ=2 \; cm,CO’=3 \; cm \) より,
\( CD=2+4+3=9 \; (cm) \)
容器 \( X \) のうち,底面からの高さが \( 9 \; cm \) の部分までの容積は,
\( \pi \times 4^2 \times 9=144\pi \; (cm^3) \)
半径 \( 2 \; cm \) の鉄球の体積は, ➀ より,\( \dfrac{32}{3}\pi \; (cm^3) \)
半径 \( 3 \; cm \) の鉄球の体積は,
\( \dfrac{4}{3} \times \pi \times 3^3=36\pi \; (cm^3) \)
なので,入った水の体積は,
\( 144\pi-\dfrac{32}{3}\pi-36\pi=\dfrac{292}{3}\pi \; (cm^3) \)
➀ の時点で \( \dfrac{160}{3}\pi \; cm^3 \) の水が入ってたので,追加した水の体積は,
\( \dfrac{292}{3}\pi-\dfrac{160}{3}\pi=44\pi \; (cm^3) \)
大問6
下の〔図1〕のように,正三角形 \( ABC \) がある。下の〔図2〕のように,辺 \( AB,AC \) 上に点 \( D,E \) をそれぞれとり,正三角形 \( ABC \) を線分 \( DE \) を折り目として折り返し,頂点 \( A \) が移った点を \( F \) とする。また,辺 \( BC \) と線分 \( DF,EF \) との交点をそれぞれ \( G,H \) とする。
次の (1),(2) の問いに答えなさい。

(1) \( △GFH \) ∽ \( △ECH \) であることを証明しなさい。
【解答】
\( △GFH \) と \( △ECH \) において,
折り返す前後の図形は合同なので,\( △ADE≡△FDE \)
対応する角の大きさは等しいので,\( ∠DAE=∠GFH \) ・・・ ➀
正三角形の内角はすべて等しいので,\( ∠DAE=∠ECH \) ・・・ ➁
➀➁より,\( ∠GFH=∠ECH \) ・・・ ③
対頂角は等しいので,\( ∠FHG=∠CHE \) ・・・ ④
③④より,2組の角がそれぞれ等しいので,
\( △GFH \) ∽ \( △ECH \)
(2) 正三角形 \( ABC \) の1辺の長さを \( 16 \; cm \) とし,\( CH=8 \; cm,EH=7 \; cm,HF=4 \; cm \) とする。
次の➀,➁の問いに答えなさい。
➀ 線分 \( FG \) の長さを求めなさい。
【解答】
\( \dfrac{5}{2} \; cm \)
【解説】
折り返す前後の図形は合同なので,\( EA=EF=EH+HF=11 \; (cm) \)
\( CA=16 \; cm \) なので,\( CE=CA-EA=5 \; (cm) \)
(1) より,\( △GFH \) ∽ \( △ECH \) なので,
\( FG:CE=HF:CH \)
\( FG:5=4:8 \)
\( 8FG=20 \)
\( FG=\dfrac{5}{2} \; (cm) \)
➁ 線分 \( DB \) と線分 \( DF \) の長さの比 \( DB:DF \) を最も簡単な整数の比で表しなさい。
【解説】
(1) より,\( △GFH \) ∽ \( △ECH \) なので,
\( HG:EH=HF:CH \)
\( HG:7=4:8 \)
\( 8HG=28 \)
\( HG=\dfrac{7}{2} \; (cm) \)
ここから,\( BG=BC-CH-HG=\dfrac{9}{2} \; (cm) \)
(1) と同様の考え方で,\( △GFH \) ∽ \( △GBD \) なので,
\( HG:DG=FG:BG \)
\( \dfrac{7}{2}:DG=\dfrac{5}{2}:\dfrac{9}{2} \)
\( 7:2DG=5:9 \)
\( 10DG=63 \)
\( DG=\dfrac{63}{10} \; (cm) \)
\( HF:DB=FG:BG \)
\( 4:DB=\dfrac{5}{2}:\dfrac{9}{2} \)
\( 4:DB=5:9 \)
\( 5DB=36 \)
\( DB=\dfrac{36}{5} \; (cm) \)
以上より,
\( DB:DF=DB:(DG+FG) \)
\( =\dfrac{36}{5}:\left( \dfrac{63}{10}+\dfrac{5}{2} \right) \)
\( =\dfrac{36}{5}:\dfrac{44}{5} \)
\( =36:44 \)
\( =9:11 \)