沖縄県公立高校入試 令和6(2024)年度 解答&解説

大問1

(1) \( -8+3 \)

【解答】
\( -5 \)

 

(2) \( 9 \div \left( -\dfrac{3}{2} \right) \)

【解答】
\( -6 \)
【解説】
\( =9 \times \left( -\dfrac{2}{3} \right) \)
\( =-\dfrac{9 \times 2}{3} \)
\( =-6 \)

 

(3) \( 3+6 \div 2 \)

【解答】
\( 6 \)
【解説】
\( =3+3 \)
\( =6 \)

 

(4) \( \sqrt{3} \times 2\sqrt{6} \)

【解答】
\( 6\sqrt{2} \)
【解説】
\( =2\sqrt{18} \)
\( =2 \times 3\sqrt{2} \)
\( =6\sqrt{2} \)

【別解】
与式 \( =\sqrt{3} \times 2\sqrt{3} \times \sqrt{2} \)
  \( =6 \times \sqrt{2} \)
  \( =6\sqrt{2} \)

 

(5) \( (-2a)^2 \times 5a^3 \)

【解答】
\( 20a^5 \)
【解説】
\( =4a^2 \times 5a^3 \)
\( =20a^5 \)

 

(6) \( 5(2x-y)-2(3x-y) \)

【解答】
\( 4x-3y \)
【解説】
\( =10x-5y-6x+2y \)
\( =4x-3y \)

 

大問2

次の      に最も適する数や式を入れなさい。

(1) 一次方程式 \( 5x+3=4x-6 \) の解は,\( x= \)      である。

【解答】
\( x=-9 \)

 

(2) 連立方程式 \( \left\{ \begin{array}{} x+3y=-5 \\ 2x-y=4 \\ \end{array} \right.  \) の解は, \( x= \)     ,\( y= \)      である。

【解答】
\( x=1,y=-2 \)
【解説】
\( x+3y=-5 \) ・・・ ➀
\( 2x-y=4 \) ・・・ ➁
とすると,
➀ \(  \times 2- \) ➁
 \( 7y=-14 \)
  \( y=-2 \)
➀ に代入すると,
 \( x+3 \times (-2)=-5 \)
     \( x-6=-5 \)
       \( x=1 \)

 

(3) \( (x-3y)^2 \) を展開して整理すると,     である。

【解答】
\( x^2-6xy+9y^2 \)
【解説】
\( =x^2+2 \times x \times (-3y)+(-3y)^2 \)
\( =x^2-6xy+9y^2 \)

 

(4) \( x^2-25 \) を因数分解すると,     である。

【解答】
\( (x+5)(x-5) \)
【解説】
\( x^2 \) は \( x \) の2乗,\( 25 \) は \( 5 \) の2乗なので,
和と差の積の公式 \( (x+a)(x-a)=x^2-a^2 \) より,
\( a=5 \) のとき,\( (x+5)(x-5)=x^2-25 \) になります。

 

(5) 二次方程式 \( x^2-7x+1=0 \) の解は, \( x= \)      である。

【解答】
\( x=\dfrac{7±3\sqrt{5}}{2} \)
【解説】
この二次方程式を \( ax^2+bx+c=0 \) と考えると,\( a=1,b=-7,c=1 \) なので,
解の公式より,
 \( x=\dfrac{-(-7)±\sqrt{(-7)^2-4 \times 1 \times 1}}{2 \times 1} \)
  \( =\dfrac{7±\sqrt{45}}{2} \)
  \( =\dfrac{7±3\sqrt{5}}{2} \)

 

(6) \( \dfrac{5}{\sqrt{2}} \) の分母を有理化すると,     である。

【解答】
\( \dfrac{5\sqrt{2}}{2} \)
【解説】
\( =\dfrac{5 \times \sqrt{2}}{\sqrt{2} \times \sqrt{2}} \)
\( =\dfrac{5\sqrt{2}}{2} \)

 

(7) 右ののように円周上に4点 \( A,B,C,D \) があるとき, \( ∠x= \)     ° である。

【解答】
\( 65 \; (°) \)
【解説】
弦 \( AC \) と \( BD \) の交点を \( E \) とすると,
\( △ADE \) において,
 \( ∠ADE=180°-(90°+25°)=65° \)

\( ∠ADE \) と \( ∠ACB \) はどちらも弧 \( AB \) に対する円周角なので,
 \( ∠x=∠ADE=65° \)

 

 

(8) 下の表は,ある中学生 \( 100 \) 人の靴のサイズを調べた結果である。

最頻値は,     \( cm \) である。

【解答】
\( 23.5 \; (cm) \)
【解説】
最頻値とは度数が最も大きい(多い)階級の階級値なので,
この表で最も度数(人数)が多いのは \( 23.5 \; cm \) の \( 28人 \)

 

(9) ある養殖池にいるエビの総数を調べるために,網でエビを捕獲した。捕獲したエビは \( 30 \) 匹で,これらのエビすべてに印をつけてから養殖池に戻した。\( 10 \) 日後再び同じ網で捕獲するとエビが \( 28 \) 匹とれ,その中に印のついたエビが \( 6 \) 匹いた。この養殖池にいるエビの総数はおよそ      匹と推定される。

【解答】
\( 140 \)(匹)
【解説】
標本調査を行うとき,
「母集団の数と調査対象の総数の比率」と「標本に含まれる調査対象の数と標本の数の比率」
は等しくなると考えられます。

この問題では,
 母集団の数 ・・・ 養殖池にいるエビの総数( \( x \) 匹とします)
 調査対象の総数 ・・・ 印をつけたエビの総数( \( 30 \) 匹)
 標本の数 ・・・ \( 10 \) 日後に捕獲されたエビの数( \( 28 \) 匹)
 標本に含まれる調査対象の数 ・・・ \( 10 \) 日後に捕獲されたエビのうち,印のついたエビの数( \( 6 \) 匹)
なので,
 \( x:30=28:6 \)
   \( 6x=30 \times 28 \)
   \( x=5 \times 28=140 \)(匹)

 

大問3

下の図1は,札幌市,横浜市,那覇市について,2022年における,降水量が \( 1 \; mm \) 以上であった日の月ごとの日数をすべて調べ,箱ひげ図にまとめたものである。
このとき,次の各問いに答えなさい。

問1 那覇市の月ごとのデータについて,四分位範囲を求めなさい。

【解答】
\( 5 \) 日
【解説】
四分位範囲は「第三四分位数 \( – \) 第一四分位数」で求めることができます。

 

問2 図1から読み取れることとして正しいものを次のア~エのうちからすべて選び,記号で答えなさい。
    ア 1年間に降った降水量が最も多いのは札幌市である。
    イ 札幌市,横浜市,那覇市いずれも \( 9 \) 日以上の月が半数以上あった。
    ウ 那覇市は \( 10 \) 日以上 \( 14 \) 日未満の月が \( 3 \) か月以上あった。
    エ データの四分位範囲が最も小さいのは横浜市である。

【解答】
イ,ウ
【解説】
ア 横浜市は全体的に最も左にあるので,降水量が最も少ないと判断できます。
  札幌市と那覇市では,那覇市の方が箱の部分が右側にあるので,降水量が多いと判断できます。
  よって,降水量が最も多いのは那覇市であると判断できるので,正しくない

イ 3市とも中央値が \( 9 \) 日より大きいことから,少ない方から7番目(多い方から6番目)の月の
  記録は \( 9 \) 日より多かったことになります。
  よって,\( 9 \) 日以上の月が半数以上あったと判断できるので,正しい。

ウ 全部で12か月分のデータを集計しているので,左側のひげの部分,箱の左半分,右半分,
  右側のひげの部分にはそれぞれ3か月分のデータが含まれることになります。
  那覇市の第一四分位数は \( 11 \) 日,中央値は \( 13.5 \) 日であることから,
  \( 11 \) 日以上 \( 13.5 \) 日未満の月が3か月あったということなので,正しい。

エ 横浜市の四分位範囲は \( 12-6=6 \)(日)
  那覇市の四分位範囲は \( 16-11=5 \)(日)
  なので,正しくない。

 

問3 下ののデータは,宮古島市について,2022年における,降水量が \( 1 \; mm \) 以上であった日の月ごとの日数を小さい順に並べたものである。 宮古島市のデータを表した箱ひげ図を下の図2のア~エのうちから1つ選び,記号で答えなさい。

        宮古島市の降水量が \( 1 \; mm \) 以上であった日の月ごとの日数(日)
     \( \fbox{8  8  10  11  14  15  16  16  18  18  18  25} \)

【解答】

【解説】
表から,最小値は \( 8 \) 日,最小値は \( 25 \) 日なので,
最小値が \( 9 \) 日になっている「イ」,最大値が \( 24 \) 日になっている「エ」はあてはまりません。

データの数は全部で12個なので,第一四分位数は値の小さい方から3番目と4番目の値の平均値であり,
\( \dfrac{10+11}{2}=10.5 \)(日)
よって,第一四分位数が \( 10.5 \) 日になっている「ウ」が宮古島市のデータを表していることになります。

 

大問4

A,B,C,Dの4人がプレゼントを一つずつ持ちより,交換会を開く。プレゼントはすべて異なるものとし,A,B,C,Dの4人が用意したプレゼントをそれぞれa,b,c,dとする。交換の方法は,外見が同じギフト箱を4人分用意し,各箱にプレゼントを一つずつ入れたうえで,よく混ぜて4人に箱を一つずつ配り,4人は配られた箱の中のプレゼントを受け取る。交換の結果によっては自分が用意したプレゼントを受け取ることもある。
このとき,次の問いに答えなさい。
ただし,ギフト箱の配り方は,同様に確からしいものとする。

問1 プレゼントの受け取り方は全部で何通りあるか答えなさい。

【解答】
\( 24 \) 通り
【解説】
A,B,C,Dそれぞれが受け取るプレゼントの組み合わせを樹形図に書き出すと,
全部で \( 24 \) 通りになります。

 

問2 Aさんがaではないプレゼントを受け取る確率を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{3}{4} \)
【解説】
問1の \( 24 \) 通りの組み合わせのうち,Aさんがaではないプレゼントを受け取る組み合わせは
\( 18 \) 通りなので,求める確率は,\( \dfrac{18}{24}=\dfrac{3}{4} \)

 

問3 A,B,C,Dの4人全員が,自分で用意したプレゼントを受け取らない確率を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{3}{8} \)
【解説】
問1の \( 24 \) 通りの組み合わせのうち,A,B,C,Dの4人全員が,自分で用意したプレゼントを
受け取らない組み合わせは\( 9 \) 通りなので,求める確率は,\( \dfrac{9}{24}=\dfrac{3}{8} \)

 

大問5

翔子さんの学校では,卒業の記念に文集を作成することにした。A社とB社の文集作成にかかる代金を調べ,下のにまとめた。

代金は基本料金と製本料金と印刷料金の合計金額とする。
例えば,\( 60 \) 冊注文した場合,A社では \( 5000 +50 \times 60+30 \times 60=9800 \) であるため,代金は \( 9800 \) 円となり,B社では \( 10000+50 \times 60+30 \times 50=14500 \) であるため,代金は \( 14500 \) 円となる。
このとき,次の各問いに答えなさい。
ただし,消費税は考えないものとする。

問1 B社に \( 100 \) 冊注文するときの代金を求めなさい。

【解答】
\( 16500 \) 円
【解説】
\( 10000+50 \times 100+30 \times 50=16500 \)(円)

 

問2 A社に \( x \) 冊注文するときの代金を \( y \) 円とするとき,\( y \) を \( x \) の式で表しなさい。

【解答】
\( y=80x+5000 \)
【解説】
A社に \( x \) 冊注文するときの代金は,
 \( y=5000+50 \times x+30 \times x=80x+5000 \)(円)

 

問3 翔子さんはA社とB社の文集作成にかかる代金を比較するため,卒業文集を \( x \) 冊注文するときの代金を \( y \) 円として \( x \) と \( y \) の関係を下ののようにグラフで表した。このグラフから \( 150 \) 冊注文したときは,A社の方が安いが,\( 250 \) 冊注文したときは,B社の方が安くなることが分かった。何冊以上の卒業文集を注文した場合にB社の方が安くなるか,最も小さな整数で答えなさい。

【解答】
\( 217 \) 冊
【解説】
B社に \( x \) 冊( \( x≧50 \) )注文するときの代金は,
 \( y=10000+50 \times x+30 \times 50=50x+11500 \)(円)
と表すことができるので,
\( y=80x+5000 \) と \( y=50x+11500 \) の関係を不等式として解くと,
 \( 80x+5000>50x+11500 \)
     \( 30x>6500 \)
      \( x>\dfrac{650}{3}=216\dfrac{2}{3} \)
\( x \) は整数なので,もっとも小さい値は \( x=217 \)

 

大問6

図1のように自然数を1段に5個ずつ並べた表がある。この表で,図2のような図形で5つの数を囲む。例えば, 図1の場合,上の数は \( 2 \),左の数は \( 6 \),真ん中の数は \( 7 \),右の数は \( 8 \),下の数は \( 12 \)となる。
健人さんは,囲まれた5つの数について,次の規則に従って計算した。その結果がどんな値になるかを調べた。

【規則】 左の数と右の数の積から,上の数と下の数の積をひく。

健人さんは囲みの場所を変え,いくつか計算した結果,次のように予想した。


<健人さんの予想1>
規則に従って計算すると,
 \( 2,6,7,8,12 \) のとき,\( 6 \times 8-2 \times 12=48-24=24 \)
 \( 9,13,14,15,19 \) のとき,\( 13 \times 15-9 \times 19=195-171=24 \)
 \( 19,23,24,25,29 \) のとき, \( 23 \times 25-19 \times 29=575-551=24 \)
となるので,5つの数を図形で囲むとき,左の数と右の数の積から,上の数と下の数の積をひいた値は
いつでも \( 24 \) になる。


上記の<健人さんの予想1> が成り立つことは,次のように説明できる。


<説明>
上の数を \( n \) とすると,左の数は \( n+4 \),右の数は \( n+6 \),下の数は \( n+10 \) と表される。
よって,
 \( (n+4)(n+6)-n(n+10)=(n^2+10n+24)-(n^2+10n) \)
                \( =n^2+10n+24-n^2-10n \)
                \( =24 \)
となる。したがって,図2のような図形で囲まれた5つの数について,左の数と右の数の積から,
上の数と下の数の積をひいた値はいつでも \( 24 \) になる。


次に,健人さんは,図3のように1段に並べる自然数の個数を6個に変えて考えた。
このとき,次の各問いに答えなさい。

問1 健人さんは,図3においても図2のような図形で囲まれた5つの数について規則に従って計算した。囲みの場所を変え,いくつか計算した結果,次のように予想した。     にあてはまる最も適する値を答えなさい。

<健人さんの予想2>
囲みの場所を変えても左の数と右の数の積から,上の数と下の数の積をひいた値はいつでも      になる。
【解答】
\( 35 \)
【解説】
図3の5つの数字で考えると,
 \( 8,13,14,15,20 \) のとき,\( 13 \times 15-8 \times 20=195-160=35 \)

 

問2 <健人さんの予想2> が成り立つことを説明しなさい。

【解答】
上の数を \( n \) とすると,左の数は \( n+5 \),右の数は \( n+7 \),下の数は \( n+12 \) と表される。
よって,
 \( (n+5)(n+7)-n(n+12)=(n^2+12n+35)-(n^2+12n) \)
                \( =n^2+12n+35-n^2-12n \)
                \( =35 \)
となる。したがって,左の数と右の数の積から,上の数と下の数の積をひいた値はいつでも \( 35 \) になる。

 

大問7

右ののような \( △ABC \) がある。\( △ABC \) で辺 \( BC \) を底辺とみたときの高さを \( AP \) とするとき,点 \( P \) を定規とコンパスを使って作図しなさい。
ただし,点を示す記号 \( P \) をかき入れ,作図に用いた線は消さずに残しておくこと。

【解答】

手順1 点 \( A \) を中心に円弧を描く。
    (辺 \( BC \) との交点を点 \( D,E \) とします。)
手順2 2点 \( D,E \) を中心に円弧を描く。
    (交点を点 \( F \) とします。)
手順3 2点 \( A,F \) を通る直線を描く。

手順3の直線と辺 \( BC \) の交点が求める点 \( P \) になります。

 

大問8

右ののように,関数 \( y=ax^2 \) のグラフ上に2点 \( A,B \) がある。点 \( A \) の座標は \( (2,2) \) であり,点 \( B \) の \( x \) 座標は \( 4 \) である。
このとき,次の問いに答えなさい。

問1 \( a \) の値を求めなさい。

【解答】
\( a=\dfrac{1}{2} \)
【解説】
\( A(2,2) \) は,\( y=ax^2 \) 上の点なので,
 \( 2=a \times 2^2 \)
 \( a=\dfrac{1}{2} \)

 

問2 関数 \( y=ax^2 \) において,\( x \) の値が \( -2 \) から \( 4 \) まで増加するときの変化の割合を求めなさい。

【解答】
\( 1 \)
【解説】

問1より,この曲線の式は \( y=\dfrac{1}{2}x^2 \) であり,
\( x=-2 \) のときの \( y \) 座標の値は,
 \( y=\dfrac{1}{2} \times (-2)^2=2 \)
\( x=4 \) のときの \( y \) 座標の値は,
 \( y=\dfrac{1}{2} \times 4^2=8 \)
なので,
 変化の割合 \( =\dfrac{8-2}{4-(-2)}=1 \)

 

問3 関数 \( y=ax^2 \) のグラフ上に \( x \) 座標が \( -2 \) である点 \( C \) をとる。このとき,2点 \( B,C \) を通る直線の式を求めなさい。

【解答】
\( y=x+4 \)
【解説】

2点 \( B,C \) の \( x \) 座標はそれぞれ \( 4,-2 \) なので,
問1より,直線 \( BC \) の傾きは \( 1 \)

直線 \( BC \) の式を \( y=x+b \) とすると,
\( B(4,8) \) を通るので,
 \( 8=4+b \)
 \( b=4 \)

よって,直線 \( BC \) の式は,\( y=x+4 \)

 

問4 \( y \) 軸上に点 \( P \) をとり,線分 \( AP \) と線分 \( BP \) の長さの和 \( AP+BP \) が最も小さくなるとき,\( AP+BP \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( 6\sqrt{2} \)
【解説】

点 \( A \) を \( y \) 軸に対して対称移動した点を
点 \( A’ \) とすると,\( AP=A’P \) なので,
\( AP+BP=A’P+BP \) であり,
この値が最も小さくなるとき,
3点 \( A’,P,B \) は一直線上に並びます。
つまり,2点 \( A’,B \) 間の距離が
求める \( AP+BP \) の長さとなります。

\( A(2,2) \) より,\( A’(-2,2) \) なので,
\( D(4,2) \) とすると,
\( △A’DB \) は \( A’D=BD=6 \) の
直角二等辺三角形であり,\( AB=6\sqrt{2} \)

 

大問9

下ののように,点 \( P \) は線分 \( AB \) 上にある。\( PA=PQ,PB=PR,∠APQ=∠BPR=30° \) とする2つの二等辺三角形 \( △PAQ \) と \( △PBR \) を直線 \( AB \) に関して同じ側につくる。また,線分 \( AR \) と線分 \( BQ \) の交点を \( S \) とするとき,次の各問いに答えなさい。
  

問1 \( ∠QPR \) の大きさを求めなさい。

【解答】
\( ∠QPR=120° \)
【解説】
\( ∠QPR=180°-(30°+30°)=120° \)

 

問2 \( △PAR≡△PQB \) を証明しなさい。

【解答】
\( △PAR \) と \( △PQB \) において,
仮定より,\( PA=PQ \) ・・・ ➀
     \( PB=PR\) ・・・ ➁
\( ∠APR=∠QPR+30° \) ・・・ ➂
\( ∠QPB=∠QPR+30° \) ・・・ ➃
➂➃より,\( ∠APR=∠QPB \) ・・・ ➄
➀➁➄より,2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので,
 \( △PAR≡△PQB \)

 

問3 次のア~エのうちいつでも正しいものをすべて選び,記号で答えなさい。

    ア 4点 \( P,B,R,S \) はすべて一つの円周上にある。
    イ 4点 \( A,P,R,Q \) はすべて一つの円周上にある。
    ウ \( ∠ASP=75° \) である。
    エ \( ∠ARB=85° \) である。

【解答】
ア,ウ
【解説】
ア 「4点 \( P,B,R,S \) はすべて一つの円周上にある」とすると,
  問2より \( △PAR≡△PQB \) なので,\( ∠PRS=∠PBS \)
  ここから,この2つの角は,どちらも \( \stackrel{\huge\frown}{ PS } \) に対する円周角なので,
  仮定とした「4点 \( P,B,R,S \) はすべて一つの円周上にある」は正しいといえます。

イ 「4点 \( A,P,R,Q \) はすべて一つの円周上にある」とすると,
  問1より \( ∠QPR=120° \)
  \( △PAQ \) は頂角が \( 30° \) の二等辺三角形なので,\( ∠QAP=\dfrac{180°-30°}{2}=75° \)
  ここから, \( ∠QAR=∠QAP-RAP=75°-∠RAP<75° \)
  \( ∠QPR \) と \( ∠QAR \) は,どちらも \( \stackrel{\huge\frown}{ QR } \) に対する円周角のため,等しくなければならないので,
  矛盾しています。
  つまり,仮定とした「4点 \( A,P,R,Q \) はすべて一つの円周上にある」は正しくないといえます。

ウ \( △PAR≡△PQB \) より,\( ∠PAS=∠PQS \) なので,
  4点 \( A,P,S,Q \) はすべて一つの円周上の点になります。
  \( △PAQ \) は頂角が \( 30° \) の二等辺三角形なので,\( ∠AQP=\dfrac{180°-30°}{2}=75° \)
  \( \stackrel{\huge\frown}{ AP } \) に対する円周角なので,\( ∠ASP=∠AQP=75° \)

エ 「\( ∠ARB=85° \) である」がいつでも成り立つとすると,
  \( ∠PRB=75° \) なので,\( ∠ARP=85°-∠PRB=10° \) であり,
  \( PB’=PR’ \; (PB’<PB,PR’<PR) \) となるように \( B’,R’ \) をとるとき,
  \( ∠AR’P=10° \) になります。
  ここで,\( ∠AR’P \) は \( △ARR’ \) の外角なので,\( ∠RAR’=x \) とすると,
  \( ∠AR’P=(10+x)° \) となり,矛盾しています。
  よって,「\( ∠ARB=85° \) である」がいつでも正しいわけではありません。

 

大問10

図1のように,先端にライトのついた柱が地面に対して垂直に立っており,周辺を照らしている。ただし,ライトが照らす範囲の地面に高低差はなく,照らす範囲の形は円とする。この円の中心を \( P \) とし,柱の先端を \( Q \) とする。
光輝さんはこの柱を支柱として,図2のような大型のテントを設営することを考えている。ただし,テントの形はライトが照らす範囲の円を底面,柱の先端 \( Q \) を頂点とする円錐とし,この円錐の側面を布で覆ったテントを設営する。なお,地面には布を敷かない。
光輝さんはライトが照らす自分の影を利用して,柱の高さ \( PQ \) とテントを張るのに必要な布の面積を求めようとしている。

光輝さんの身長は \( 1.6 \; m \) であり,地面に対して垂直に,まっすぐ立つものとする。
光輝さんは図1のように,ライトが照らす範囲の円周上に影の先端がくるような地点 \( A \) に立った。このとき2地点 \( P,A \) 間の距離を測ると \( 3 \; m \) であった。また,影の先端を \( B \) として影の長さ \( AB \) を測ると \( 2 \; m \) であった。
このとき,次の各問いに答えなさい。
ただし,円周率は \( \pi{} \) とする。

問1 ライトが照らす範囲の円の円周の長さを求めなさい。

【解答】
\( 10\pi{} \; m \)
【解説】
図1より,ライトが照らす範囲の円の半径は \( BP=5 \; m \) なので,
この円の円周の長さは,
 \( 2\pi{} \times 5=10\pi{} \; (m) \)

 

問2 柱の高さ \( PQ \) を求めなさい。

【解答】
\( PQ=4 \; (m) \)
【解説】

光輝さんの頭のてっぺんを \( C \) として図1を書きなおすと,
右の図のようになり,\( △BAC \) ∽ \( △BPQ \) なので,
  \( BA:BP=AC:PQ \)
 \( 2:(2+3)=1.6:PQ \)
    \( 2PQ=8 \)
    \( PQ=4 \; (m) \)

 

問3 テントを張るのに必要な布の面積,すなわち円錐の側面積を求めなさい。

【解答】
\( 5\sqrt{41}\pi{} \; m^2 \)
【解説】
問1,問2より,テントの内部は底面の半径 \( 5 \; m \),高さ \( 4 \; m \) の円すいになるので,
テントの布は,円すいの母線の長さを半径とするおうぎ形になります。

【母線の長さ】
\( △BPQ \) において,三平方の定理より
 \( BQ^2=4^2+5^2=41 \)
  \( BQ=\sqrt{41} \; (m) \) ( \( BQ>0 \) より)

【おうぎ形の中心角の比】
おうぎ形の弧の長さは底面の円周と等しいので,
 \( 10\pi{} \; m \)
半径 \( \sqrt{41} \; m \) の円の円周の長さは
 \( 2\pi{} \times \sqrt{41}=2\sqrt{41}\pi{} \; (m) \)
ここから,中心角の比は \( \dfrac{10\pi{}}{2\sqrt{41}\pi{}}=\dfrac{5}{\sqrt{41}} \)

よって,円すいの側面積は,
 \( \pi{} \times (\sqrt{41})^2 \times \dfrac{5}{\sqrt{41}}=5\sqrt{41}\pi{} \; (m^2) \)

 

大問11

桜子さんは次の 規則 にしたがって,たくさんあるビー玉を整理している。ただし,\( n \) は \( 2 \) 以上の自然数とする。

規則
① まず,ビー玉を \( n \) 個ずつまとめて,それぞれ1つの袋に
  入れる。ただし,\( (n-1) \) 個以下のビー玉が余った場合は
  そのままにしておく。
② 次に,袋を \( n \) 個ずつまとめて,それぞれ1つの小箱に入れる。
  ただし,\( (n-1) \) 個以下の袋が余った場合はそのままに
  しておく。

規則 にしたがって,ビー玉を整理した結果を
右のような表にまとめる。

例えば \( n=3 \) のとき,\( 19 \) 個のビー玉を 規則 にしたがって整理した結果は,次のようになる。



① まず \( 19 \) 個のビー玉を \( 3 \) 個ずつまとめて,
  それぞれ1つの袋に入れる。
  袋が \( 6 \) 個できて,ビー玉は \( 1 \) 個余る。
② 次に \( 6 \) 個の袋を \( 3 \) 個ずつまとめて,
  それぞれ1つの小箱に入れる。
  小箱が \( 2 \) 個できて,袋は余らない。
  よって,整理した結果をまとめた表は右のように
  なる。


このとき,次の各問いに答えなさい。

問1 \( n=3 \) のとき,規則 にしたがって \( 13 \) 個のビー玉を整理した結果を右の表にまとめなさい。

【解答】

【解説】

 

問2 \( n=3 \) のとき,規則 にしたがっていくつかあるビー玉を整理した結果をまとめると,右の表1のようになった。もとのビー玉の総数を求めなさい。

【解答】
\( 23 \) 個
【解説】
\( n=3 \) のとき,袋 \( 1 \) 個に入っているビー玉は \( 3 \) 個,小箱 \( 1 \) 個に入っているビー玉は \( 9 \) 個なので,
もとのビー玉の総数は,
 \( 9 \times 2+3 \times 1+2=23 \)(個)

 

問3 桜子さんは \( n \) の値を \( 3 \) から別の値に変えて,規則 にしたがって \( 52 \) 個のビー玉を整理した。その結果を表にまとめると,右の表2のようになった。このときの \( n \) の値を求めなさい。

【解答】
\( n=6 \)
【解説】
\( n \) 個ずつまとめるとき,袋 \( 1 \) 個に入っているビー玉は \( n^2 \) 個,小箱 \( 1 \) 個に入っているビー玉は \( n \) 個
と表すことができ,表2のビー玉の総数は \( n^2 \times 1+n \times 2+4 \) と表すことができます。

ビー玉の総数を方程式として解くと,
 \( n^2 \times 1+n \times 2+4=52 \)
     \( n^2+2n-48=0 \)
    \( (n-6)(n+8)=0 \)
           \( n=6 \) (\( n>0 \) より)