京都府公立高校入試 令和6(2024)年度(前期) 解答&解説

大問1

(1) \( (-3)^3+4^2 \times \dfrac{9}{8} \) を計算せよ。

【解答】
\( -9 \)
【解説】
\( =-27+16 \times \dfrac{9}{8} \)
\( =-27+18 \)
\( =-9 \)

 

(2) \( 2x-6-\dfrac{x-7}{2} \) を計算せよ。

【解答】
\( \dfrac{3x-5}{2} \)
【解説】
\( =\dfrac{2(2x-6)-(x-7)}{2} \)
\( =\dfrac{4x-12-x+7}{2} \)
\( =\dfrac{3x-5}{2} \)

 

(3) \( \dfrac{2}{5}x^3y^3 \div (-2y) \div \left( -\dfrac{1}{25}xy^2 \right) \) を計算せよ。

【解答】
\( 5x^2 \)
【解説】
\( =\dfrac{2x^3y^3}{5} \times \left( -\dfrac{1}{2y} \right) \times \left( -\dfrac{25}{xy^2} \right) \)
\( =\dfrac{2x^3y^3 \times 25}{5 \times 2y \times xy^2} \)
\( =5x^2 \)

 

(4) 関数 \( y=\dfrac{16}{x} \) について,\( x \) の値が \( 2 \) から \( 4 \) まで増加するときの変化の割合を求めよ。

【解答】
\( -2 \)
【解説】

関数 \( y=\dfrac{16}{x} \) について,
\( x=2 \) のときの \( y \) の値は
 \( y=\dfrac{16}{2}=8 \)
\( x=4 \) のときの \( y \) の値は
 \( y=\dfrac{16}{4}=4 \)
なので,
 変化の割合 \( =\dfrac{4-8}{4-2}=-2 \)

 

(5) 等式 \( a- 6c =8b \) を \( c \) について解け。

【解答】
\( c=\dfrac{a-8b}{6} \)
【解説】
\( 6c=a-8b \)
 \( c=\dfrac{a-8b}{6} \)

 

(6) \( \sqrt{125} \) を小数で表したとき,整数部分の値を求めよ。

【解答】
\( 11 \)
【解説】
例として,\( 3.14 \) の整数部分は \( 3 \),小数部分は \( 0.14 \) になります。

\( \sqrt{100}=10,\sqrt{121}=11,\sqrt{144}=12 \) なので,
\( 11=\sqrt{121}<\sqrt{125}<\sqrt{144}=12 \) になります。
つまり,\( \sqrt{125}=11.??? \) と表されるので,
\( \sqrt{125} \) の整数部分の値は \( 11 \) になります。

 

(7) 2次方程式 \( 2x^2-18x+12=0 \) を解け。

【解答】
\( x=\dfrac{9±\sqrt{57}}{2} \)
【解説】
\( 2x^2-18x+12=0 \)
\( x^2-9x+6=0 \)
解の公式より
 \( x=\dfrac{-(-9)±\sqrt{(-9)^2-4 \times 1 \times 6}}{2 \times 1} \)
  \( =\dfrac{9±\sqrt{57}}{2} \)

 

(8) 右の図のような,半径が \( 4 \; cm \) の半球の表面積を求めよ。

【解答】
\( 48\pi{} \; cm^2 \)
【解説】
半球の曲面部分の面積は
 \( 4\pi{} \times 4^2 \times \dfrac{1}{2}=32\pi{} \; (cm^2) \)
半球の平面部分の面積は
 \( \pi{} \times 4^2=16\pi{} \; (cm^2) \)
よって, 求める半球の表面積は,
 \( 32\pi{}+16\pi{}=48\pi{} \; (cm^2) \)

 

(9) 右の表は,ある中学校の2年生 \( 25 \) 人の上体起こしの記録について,度数および累積相対度数をまとめたものである。 表中の \( \boxed{\phantom{ }X\phantom{ }} \) ~ \( \boxed{\phantom{ }Z\phantom{ }} \) に当てはまる数をそれぞれ求めよ。

【解答】
\( \boxed{\phantom{ }X\phantom{ }} \) ・・・ \( 0 \)
\( \boxed{\phantom{ }Y\phantom{ }} \) ・・・ \( 7 \)
\( \boxed{\phantom{ }Z\phantom{ }} \) ・・・ \( 0.88 \)

【解説】
ある階級の累積相対度数は,
その階級以下の階級の度数の合計 \(  \div  \) すべての階級の度数の合計
で求めることができます。

\( \boxed{\phantom{ }X\phantom{ }} \)
\( 10 \) 回以上 \( 13 \) 回未満の階級の累積相対度数は,\( 1 \div 25=0.04 \)
\( 10 \) 回以上 \( 13 \) 回未満の階級と \( 13 \) 回以上 \( 16 \) 回未満の階級の
度数の合計を \( 1+X \) とすると,
\( 13 \) 回以上 \( 16 \) 回未満の階級の累積度数は,\( (1+X) \div 25=0.04 \)
と表すことができるので,
  \( 1=1+X \)
 \( X=0 \)

\( \boxed{\phantom{ }Y\phantom{ }} \)
すべての階級の度数の合計を考えると,
 \( 1+0+2+4+3+5+Y+2+1=25 \)
                  \( Y=7 \)

\( \boxed{\phantom{ }Z\phantom{ }} \)
\( 28 \) 回以上 \( 31 \) 回未満の階級の度数の合計は
 \( 1+0+2+4+3+5+7=22 \)(人)
なので,累積相対度数は,
 \( Z=22 \div 25=0.88 \)

大問2

\( 100 \) 円硬貨と \( 50 \) 円硬貨がそれぞれ2枚ずつある。この4枚の硬貨を同時に投げる。
このとき,次の問い(1)・(2)に答えよ。ただし,それぞれの硬貨の表裏の出方は,同様に確からしいものとする。

(1) \( 100 \) 円硬貨が2枚とも表で,\( 50 \) 円硬貨が少なくとも1枚は表となる確率を求めよ。

【解答】
\( \dfrac{3}{16} \)
【解説】
\( 100 \) 円硬貨2枚に「100A」「100B」,\( 50 \) 円硬貨2枚に「50A」「50B」と名前をつけます。

「50A」「50B」の表裏の組み合わせは
 \(  ( \)50A,50B\( )=( \)\(  ) \),\(  ( \)\(  ) \),\(  ( \)\(  ) \),\(  ( \)\(  ) \)
の \( 4 \) 通りで,
少なくとも1枚は表となる組み合わせは,
 \(  ( \)50A,50B\( )=( \)\(  ) \),\(  ( \)\(  ) \),\(  ( \)\(  ) \)
の \( 3 \) 通りです。
つまり,\( 100 \) 円硬貨が2枚とも表で,\( 50 \) 円硬貨が少なくとも1枚は表となる組み合わせは
 \(  ( \)100A,100B,50A,50B\( )=( \)\(  ) \),\(  ( \)\(  ) \),\(  ( \)\(  ) \)
の3通りです。
すべての組み合わせは \( 2 \times 2 \times 2 \times 2=16 \) 通りなので,
求める確率は \( \dfrac{3}{16} \)

【別解】
4枚の硬貨の表裏の組み合わせを樹形図に書き出し,
\( 100 \) 円硬貨が2枚とも表で,\( 50 \) 円硬貨が1枚だけ表になる組み合わせと
\( 100 \) 円硬貨が2枚とも表で,\( 50 \) 円硬貨が2枚とも表になる組み合わせのところに をつけると,
がつく組み合わせは \( 3 \) 通り,すべての組み合わせは \( 2 \times 2 \times 2 \times 2=16 \) 通りなので,
求める確率は \( \dfrac{3}{16} \)

 

(2) 表が出た硬貨の合計金額が \( 100 \) 円以上 \( 250 \) 円未満になる確率を求めよ。

【解答】
\( \dfrac{5}{8} \)
【解説】
4枚の硬貨の合計金額は \( 0 \) 円以上 \( 300 \) 円以下の範囲にあります。
合計金額が「\( 100 \) 円以上 \( 250 \) 円未満」に含まれない,
つまり,「\( 0 \) 円以上 \( 100 \) 円未満または \( 250 \) 円以上」に場合を考えると,
合計金額が \( 0 \) 円,\( 50 \) 円,\( 250 \) 円,\( 300 \) 円になるときです。

【合計金額が \( 0 \) 円になる場合】
4枚の硬貨がすべて裏のとき \( 1 \) 通りだけです。

【合計金額が \( 50 \) 円になる場合】
4枚のうち \( 50 \) 円硬貨1枚だけが表になるときなので,
あてはまる組み合わせは。\(  ( \)\(  ) \),\(  ( \)\(  ) \) の \( 2 \) 通りです。

【合計金額が \( 250 \) 円になる場合】
4枚のうち \( 50 \) 円硬貨1枚だけが裏になるときなので,
あてはまる組み合わせは。\(  ( \)\(  ) \),\(  ( \)\(  ) \) の \( 2 \) 通りです。

【合計金額が \( 300 \) 円になる場合】
4枚の硬貨がすべて表のとき \( 1 \) 通りだけです。

以上より,合計金額が「\( 0 \) 円以上 \( 100 \) 円未満または \( 250 \) 円以上」になる組み合わせは,
合計 \( 1+2+2+1=6 \) 通りで,その確率は \( \dfrac{6}{16}=\dfrac{3}{8} \)

よって,合計金額が \( 100 \) 円以上 \( 250 \) 円未満になる確率は,
 \( 1-\dfrac{3}{8}=\dfrac{5}{8} \)

【別解】
4枚の硬貨の表裏の組み合わせとそれぞれの場合の合計金額を樹形図に書き出し,
合計金額が \( 100 \) 円以上 \( 250 \) 円未満になるところに をつけると,
がつく組み合わせは \( 10 \) 通り,すべての組み合わせは \( 16 \) 通りなので,
求める確率は \( \dfrac{10}{16}=\dfrac{5}{8} \)

 

大問3

右の図のように,関数 \( y=ax^2 \) のグラフ上に2点 \( A,B \) があり,2点 \( A,B \) の \( x \) 座標はそれぞれ \( -6,8 \) である。また,2点 \( O,A \) を通る直線の傾きは \( -\dfrac{3}{2} \) である。
このとき,次の問い(1)~(3)に答えよ。

(1) \( a \) の値を求めよ。

【解答】
\( a=\dfrac{1}{4} \)
【解説】
直線 \( OA \) の式は \( y=-\dfrac{3}{2}x \) であり,
点 \( A \) の \( x \) 座標は \( -6 \) なので,
\( y \) 座標は,
 \( y=-\dfrac{3}{2} \times (-6)=9 \)

\( y=ax^2 \) に \( x=-6,y=9 \) を代入すると,
  \( 9=a \times (-6)^2 \)
 \( 36a=9 \)
  \( a=\dfrac{1}{4} \)

 

(2) 2点 \( A,B \) を通る直線の式を求めよ。

【解答】
\( y=\dfrac{1}{2}x+12 \)
【解説】

点 \( B \) は \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) 上の点で,
\( x \) 座標は \( 8 \) なので,
\( y \) 座標は,
 \( y=\dfrac{1}{4} \times 8^2=16 \)

よって,求める直線の式を \( y=mx+n \) とすると,
\( A(-6,9),B(8,16) \) を通るので,
 \( m=\dfrac{16-9}{8-(-6)}=\dfrac{1}{2} \)
\( y=\dfrac{1}{2}x+n \) に \( x=8,y=16 \) を代入すると,
 \( 16=\dfrac{1}{2} \times 8+n \)
 \( 16=4+n \)
  \( n=12 \)

よって,求める直線の式は \( y=\dfrac{1}{2}x+12 \)

 

(3) 点 \( A \) を通り,傾きが \( -\dfrac{5}{6} \) である直線上に \( x \) 座標が正である点 \( C \) を,\( △AOB \) と \( △ACB \) の面積が等しくなるようにとるとき,点 \( C \) の座標を求めよ。

【解答】
\( C \left( 3,\dfrac{3}{2} \right) \)
【解説】
\( △AOB \) と \( △ACB \) は辺 \( AB \) が共通なので,
等積変形の考え方から,\( OC//AB \) となるとき,\( △AOB \) と \( △ACB \) の面積が等しくなります。
つまり,「点 \( O \) を通り,直線 \( AB \) と平行な直線」と「点 \( A \) を通り,傾きが \( -\dfrac{5}{6} \) である直線」の交点
が求める点 \( C \) になります。

(2)より,
直線 \( AB \) の式は \( y=\dfrac{1}{2}x+12 \) なので,
「点 \( O \) を通り,直線 \( AB \) と平行な直線」
の式は \( y=\dfrac{1}{2}x \) になります。

「点 \( A \) を通り,傾きが \( -\dfrac{5}{6} \) である直線」の式を \( y=-\dfrac{5}{6}x+b \) とすると,\( A(-6,9) \) を通るので,
 \( 9=-\dfrac{5}{6} \times (-6)+b \)
 \( 9=5+b \)
 \( b=4 \)
となり,この式は \( y=-\dfrac{5}{6}x+4 \) になります。

点 \( C \) は2本の直線 \( y=\dfrac{1}{2}x \) と \( y=-\dfrac{5}{6}x+4 \) の交点なので,
 \( \dfrac{1}{2}x=-\dfrac{5}{6}x+4 \)
  \( 3x=-5x+24 \)
  \( 8x=24 \)
  \( x=3 \)
\( y=\dfrac{1}{2}x \)  に代入すると,
 \( y=\dfrac{1}{2} \times 3=\dfrac{3}{2} \)

よって,点 \( C \) の座標は \( C \left( 3,\dfrac{3}{2} \right) \)

 

大問4

右の図のように,\( △ABC \) があり,\( AB=5 \; cm \),
\( BC=7 \; cm,∠ACB=45° \) である。点 \( A \) から辺 \( BC \) にひいた垂線と辺 \( BC \) との交点を \( D \) とすると,\( BD<CD \) であった。線分 \( AD \) 上に点 \( E \) を,\( AB=CE \) となるようにとる。また,辺 \( AC \) 上に点 \( A \) と異なる点 \( F \) を,\( AB=BF \) となるようにとり,線分 \( AD \) と線分 \( BF \) との交点を \( G \) とする。
このとき,次の問い(1)・(2)に答えよ。

(1) \( △ABD≡△CED \) であることを証明せよ。

【解答】

\( △ABD \) と \( △CED \) において,
仮定より \( AB=CE \) ・・・ ➀
\( AD⊥BC \) より
\( ∠ADB=∠CDE=90° \) ・・・ ②
\( ∠ACB=45°,∠ADC=90° \) より,
\( △ADC \) は直角二等辺三角形なので,
\( AD=CD \) ・・・ ➂
①②③より,
斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい直角三角形なので,
\( △ABD≡△CED \)

 

(2) 線分 \( BD \) の長さを求めよ。また,線分 \( EG \) の長さを求めよ。

【解答】
\( BD=3 \; cm \)
\( EG=\dfrac{3}{4} \; cm \)
【解説】

【線分 \( BD \) の長さ】
\( BD=x \; cm \) とすると,\( BC=7 \; cm \) より,
 \( CD=7-x \; cm \)
\( △ADC \) は直角二等辺三角形なので,
 \( AD=CD=7-x \; cm \)
\( △ABD \) において,三平方の定理より,
   \( BD^2+AD^2=AB^2 \)
  \( x^2+(7-x)^2=5^2 \)
 \( 2x^2-14x+24=0 \)
  \( x^2-7x+12=0 \)
  \( (x-3)(x-4)=0 \)
        \( x=3,4 \)
\( BD<CD \) より,\( 0<x<\dfrac{7}{2} \) なので,
あてはまるのは \( x=3 \; cm \)

 

【線分 \( EG \) の長さ】
\( △ABD \) と \( △BGD \) において,
\( △ABF \) は二等辺三角形なので,
 \( ∠BAF=∠BFA \) ・・・ ①
また,\( ∠BAF=∠BAD+45° \) ・・・ ➁
\( ∠BFA \) は \( △BCF \) の外角なので,
 \( ∠BFA=∠GBD+45° \) ・・・ ➂
①➁➂より,
 \( ∠BAD=∠GBD \) ・・・ ➃
 \( ∠BDG \) は共通 ・・・ ➄
➃➄より,2組の角がそれぞれ等しいので,
 \( △ABD \) ∽ \( △BGD \)

相似な三角形の対応する辺の比は等しいので,
 \( BD:GD=AD:BD \)
   \( 3:GD=4:3 \)
    \( 4GD=9 \)
    \( GD=\dfrac{9}{4} \; (cm) \)

(1)より \( △ABD≡△CED \) であり,
\( ED=BD=3 \; cm \) なので,
 \( EG=ED-GD \)
   \( =3-\dfrac{9}{4} \)
   \( =\dfrac{3}{4} \; (cm) \)

 

大問5

右のⅠ図のように,底面が台形で,側面がすべて長方形である四角柱 \( ABCD-EFGH \) の形をした透明な容器があり,\( AD//BC,AB=AD=CD=8 \; cm \),
\( BC=16 \; cm,AE=4 \; cm \)である。この容器を右のⅡ図のように,長方形 \( BCGF \) が底になるように水平な台の上に置き,容器の底から高さ \( 3\sqrt{3} \; cm \) のところまで水を入れる。
このとき,次の問い(1)~(3)に答えよ。ただし,容器から水はこぼれないものとし,容器の厚さは考えないものとする。

(1) この容器の, 長方形 \( BCGF \) を底面としたときの高さを求めよ。

【解答】
\( 4\sqrt{3} \; cm \)

【解説】

点 \( A \) から辺 \( BC \) に垂線をひき,
交点を \( P \) とすると,
四角形 \( ABCD \) は等脚台形なので,
 \( BP=\dfrac{16-8}{2}=4 \; (cm) \)

\( AB=8 \; cm,BP=4 \; cm,∠APB=90° \)
より,
\( △ABP \) は3辺の比が \(1:2:\sqrt{3} \) の直角三角形
なので,
 \( AP=\sqrt{3}BP=4\sqrt{3} \; (cm) \)

線分BPの求め方

点 \( A,D \) から辺 \( BC \) に垂線をひき,
交点を \( P,Q \) とすると,
\( △ABP \) と \( △DCQ \) において,
\( ∠APB=∠DQC \) ・・・ ①
仮定より \( AB=DC=8 \; cm \) ・・・ ➁
\( AD//BC,AP⊥BC,DQ⊥BC \) より,
\( AP=DQ \) ・・・ ➂
①➁➂より,
斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい直角三角形なので,
 \( △ABP≡△DCQ \)
対応する辺は等しいので,\( BP=CQ \)

\( AD//BC,AP⊥BC,DQ⊥BC \) より,
\( AD=PQ=8 \; cm \) なので,
 \( BP=\dfrac{BC-PQ}{2} \)
   \( =\dfrac{16-8}{2}=4 \; (cm) \)

【参考】
\( △ABP≡△DCQ \) より,対応する角も等しいので,\( ∠ABP=∠DCQ \) であり,
等脚台形の底角は等しくなります。
((3)の問題でこの性質を利用します。)

 

(2) 容器に入っている水の体積を求めよ。

【解答】
\( 156\sqrt{3} \; cm^3 \)
【解説】

水面と辺 \( AB,DC,HG,EF \) との接点を
それぞれ点 \( I,J,K,L \) とし,
立体 \( IJKL-BCGF \) を 面 \( IBCJ \) が
底面となるように向きを変えると,
台形 \( IBCJ \) を底面とする四角柱になります。

台形 \( ABCD \) において,
線分 \( AP \) と線分 \( IJ \) の交点を \( R \) とすると,
\( △ABP \) ∽ \( △AIR \) になっています。
対応する辺の比は等しいので,
 \( BP:IR=AP:AR \)
  \( 4:IR=4\sqrt{3}:\sqrt{3} \)
  \( 4\sqrt{3}IR=4\sqrt{3} \)
    \( IR=1 \; (cm) \)
であり,
 \( IJ=8+(1 \times 2)=10 \; (cm) \)

台形 \( IBCJ \) の面積は,
台形 \( IBCJ=(IJ+BC) \times RP \times \dfrac{1}{2} \)
      \( =(10+16) \times 3\sqrt{3} \times \dfrac{1}{2} \)
      \( =39\sqrt{3} \; (cm^2) \)

四角形 \( ABFE \) は長方形なので,\( BF=AE=4 \; cm \) であり,
立体 \( IJKL-BCGF \) の体積は
 立体 \( IJKL-BCGF= \)台形 \( IBCJ \times BF=39\sqrt{3} \times 4=156\sqrt{3} \; (cm^3) \)

 

(3) この容器を長方形 \( CDHG \) が底になるように水平な台の上に置いたとき,容器の底から水面までの高さは何 \( cm \) になるか求めよ。

【解答】
\( 5\sqrt{3} \; cm \)
【解説】

容器を長方形 \( CDHG \) が底になるように水平な台の上に置くと,右の図のようになります。
この向きで水の体積は計算しにくいので,水が入っていない部分の体積を計算することで高さを求めていきます。

この容器の容積は
 \( \left\{ (8+16) \times 4\sqrt{3} \times \dfrac{1}{2} \right\} \times 4=192\sqrt{3} \; (cm^3) \)
なので,水が入っていない部分の体積は,
 \( 192\sqrt{3}-156\sqrt{3}=36\sqrt{3} \; (cm^3) \)
になります。

(2)と同様に,水が入っていない部分を立体として考え,\( AE=4 \; cm \) を高さとすると,
底面の面積は
 \( 36\sqrt{3} \div 4=9\sqrt{3} \; (cm^2) \)
になります。

面 \( ABCD \) に注目すると,
(1)より,\( △ABP \) は3辺の比が \(1:2:\sqrt{3} \) の
直角三角形であり,等脚台形の底角は等しいので,
 \( ∠ABC=∠BCD=60° \) ・・・ ①
水面にあたる線分を \( MN \) とすると,
\( MN//CD \) なので,同位角は等しく,
 \( ∠BMN=∠BCD=60° \) ・・・ ➁
①②より,水面が辺 \( AB \) の間にあると仮定すると,\( △BMN \) は正三角形になります。

点 \( B \) から \( MN \) に垂線をひいた交点を \( S \) とし,
\( MN=x \; cm \) とすると,
\( BS=\dfrac{\sqrt{3}}{2}x \; cm \) と表せるので,
\( △BMN \) の面積を表す方程式は,
 \( x \times \dfrac{\sqrt{3}}{2}x \times \dfrac{1}{2}=9\sqrt{3} \)
      \( \sqrt{3}x^2=36\sqrt{3} \)
       \( x^2=36 \)
        \( x=6 \; (cm) \) (\( 0<x≦8 \) より)
注)\( A \) と \( N \) が一致するとき,\( △BMN \) は \( AB=8 \; cm \) を1辺とする正三角形になるため,\( 0<x≦8 \) になります。

このとき,\( BS=\dfrac{\sqrt{3}}{2} \times 6=3\sqrt{3} \; (cm) \) で,
容器全体の高さは \( \dfrac{\sqrt{3}}{2}BC=\dfrac{\sqrt{3}}{2} \times 16=8\sqrt{3} \; (cm) \) なので,
容器の底から水面までの高さは \( 8\sqrt{3}-3\sqrt{3}=5\sqrt{3} \; (cm) \)

 

大問6

右のⅠ図は,アルトリコーダーの一部を模式的に表したものであり,Ⅰ図中の点線の丸  (○)と実線の丸 (○)は,いずれも開いた状態のトーンホールを表している。それぞれのトーンホールは,吹き口に近い順にA,B,C,D とする。また,右のⅡ図は,アルトリコーダーでド,レ,ミ,ファ,ソの各音を吹いたときの,閉じた状態のトーンホールを黒く塗りつぶされた丸 (●) で表している。
アルトリコーダーで,ドをはじめの音として,1音ずつド,レ,ミ,ファ,ソの順にくり返し吹く。ただし,1音吹くごとに,吹いた後はすべてのトーンホールを開いた状態にするものとする。
はじめに吹いた音から順に,\( 1 \) 音目,\( 2 \) 音目,\( 3 \) 音目,・・・ とし,吹いた音およびそれぞれのトーンホールを\( 1 \) 音目から数えて閉じた回数を考える。
次の表は,\( 1 \) 音目から \( 7 \) 音目までについて,吹いた音およびそれぞれのトーンホールを \( 1 \) 音目から数えて閉じた回数をまとめたものである。

このとき,次の問い(1)~(3)に答えよ。

(1) \( 20 \) 音目を吹いたとき,吹いた音を,次の(ア)~(オ)から1つ選べ。 また,そのときのトーンホールCを \( 1 \) 音目から数えて閉じた回数を求めよ。

    (ア) ド   (イ) レ   (ウ) ミ   (エ) ファ   (オ) ソ

【解答】
\( 20 \) 音目 ・・・ (オ) ソ
ホールCを閉じた回数 ・・・ \( 16 \) 回
【解説】
Ⅱ図と表をくっつけた別表をかくと下のようになります。

【\( 20 \) 音目の音】
\( 1 \) 音目から順に,
 ファファ→ ・・・
と5音ずつ繰り返され,5の倍数のときの音が「ソ」になるので,
\( 20 \) 音目を吹いたときの音は「ソ」になります。

【ホールCを閉じた回数】
ホールCが開いている回数の方が少ないので,そちらに注目すると,
上の表から,ホールCが開いているのは「ミ」の音のときだけで,
 \( 3 \) 音目 → \( 8 \) 音目 → \( 13 \) 音目 → \( 18 \) 音目 → ・・・
と4回が開いていると判断できるので,
\( 20 \) 音目までに閉じた回数は \( 20-4=16 \)(回)になります。

 

(2) \( 113 \) 音目を吹いたとき,トーンホールAを \( 1 \) 音目から数えて閉じた回数と,トーンホールDを \( 1 \) 音目から数えて閉じた回数をそれぞれ求めよ。

【解答】
ホールAを閉じた回数 ・・・ \( 91 \) 回
ホールDを閉じた回数 ・・・ \( 23 \) 回
【解説】

【ホールAを閉じた回数】
ホールAが開いている回数の方が少ないので,そちらに注目すると,
上の表から,
 \( 5 \) 音目 → \( 10 \) 音目 → \( 15 \) 音目 → ・・・
と5の倍数(ソの音)のときだけ開いていると判断できます。

ド→レ→ミ→ファ→ソの5音を1セットと考えると,
\( 113=5 \times 22+3 \) 音目は \( 23 \) セット目の3番目の音になります。
\( 113 \) 以下の数で最も大きい5の倍数は \( 110=5 \times 22 \) なので,
ホールAが開いている(「ソ」の音を吹く)のは \( 22 \) 回であり,
\( 113 \) 音目までに閉じた回数は \( 113-22=91 \)(回)になります。

【ホールDを閉じた回数】
上の表から,
 \( 1 \) 音目 → \( 6 \) 音目 → \( 11 \) 音目 → ・・・
と各セットの最初(「ド」の音)のときだけ閉じていると判断できます。

ド→レ→ミ→ファ→ソの5音を1セットと考えると,
\( 113=5 \times 22+3 \) 音目は \( 23 \) セット目の3番目の音になります。
よって,
ホールDが閉じている(「ド」の音を吹く)のは \( 23 \) 回になります。

 

(3) \( n \) を自然数とする。\( (5n^2+5n-7) \) 音目を吹いたとき,トーンホールAを \( 1 \) 音目から数えて閉じた回数とトーンホールBを \( 1 \) 音目から数えて閉じた回数の差が \( 1258 \) 回であった。このときの \( n \) の値を求めよ。

【解答】
\( n=35 \)
【解説】
まず,\( (5n^2+5n-7) \) 音目が何の音になるかを考えます。
ド→レ→ミ→ファ→ソの5音を1セット,つまり,5の倍数に注目すると,
 \( 5n^2+5n-7=5n^2+5n-5-2 \)
        \( =5(n^2+n-1)-2 \)
と表すことができ,5の倍数番目の音(「ソ」の音)の2つ前
つまり,「ミ」の音になります。

次に,ホールAとホールBを閉じた回数とその差を表にすると下のようになります。

ここから,
 1セット目の「ミ」の音のとき,AとBの差は \( 0 \) 回
 2セット目の「ミ」の音のとき,AとBの差は \( 1 \) 回
 3セット目の「ミ」の音のとき,AとBの差は \( 2 \) 回
 ・・・
 1259セット目の「ミ」の音のとき,AとBの差は \( 1258 \) 回
になります。

1259セット目の「ミ」の音は,
\( 5 \times 1258+3=6293 \)(音目)または,\( 5 \times 1259-2=6293 \)(音目)
になるので,
   \( 5n^2+5n-7=6293 \)
 \( 5n^2+5n-6300=0 \)
  \( n^2+n-1260=0 \)
 \( (n-35)(n+36)=0 \)
         \( n=35 \) (\( n>0 \) より)