三重県公立高校入試 令和5(2023)年度(後期) 解答&解説

大問1

(1) \( 4-(-3) \) を計算しなさい。

【解答】
\( 7 \)
【解説】
\( =4+3 \)
\( =7 \)

 

(2) \( 6(2x-5y) \) を計算しなさい。

【解答】
\( 12x-30y \)

 

(3) \( \dfrac{5}{\sqrt{5}}+\sqrt{20} \) を計算しなさい。

【解答】
\( 3\sqrt{5} \)
【解説】
\( =\dfrac{5 \times \sqrt{5}}{\sqrt{5} \times \sqrt{5}}+2\sqrt{5} \)
\( =\sqrt{5}+2\sqrt{5} \)
\( =3\sqrt{5} \)

 

(4) \( x^2-5x+4 \) を因数分解しなさい。

【解答】
\( (x-1)(x-4) \)

 

(5) 二次方程式 \( 3x^2-7x+1=0 \) を解きなさい。

【解答】
\( \dfrac{7±\sqrt{37}}{6} \)
【解説】
\( ax^2+bx+c=0 \) と考えると,\( a=3,b=-7,c=1 \) となるので,
解の公式より,
\( x=\dfrac{-(-7)±\sqrt{(-7)^2-4 \times 3 \times 1}}{2 \times 3} \)
\( =\dfrac{7±\sqrt{37}}{6} \)

 

(6) \( \dfrac{\sqrt{40n}}{3} \) の値が整数となるような自然数 \( n \) のうち,もっとも小さい数を求めなさい。

【解答】
\( n=90 \)
【解説】
\( \dfrac{\sqrt{40n}}{3}=\sqrt{\dfrac{40n}{9}}=\sqrt{\dfrac{2^2 \times 10 \times n}{3^2}} \) なので,整数になるのは,
\( n=3^2 \times 10 \times m^2 \)(\( m \) は自然数)と表せるときです。
(詳細は下で解説しています)
よって,最小となるのは\( m=1 \) のときで,
 \( n=3^2 \times 10 \times 1^2=90 \)

なぜ,n=3^2×10×m^2 となるの?
\( \sqrt{A} \) が整数になるとき,\( A \) の値は必ず整数になります。
例 ・・・ \( 1=\sqrt{1} \; ,2=\sqrt{4} \; ,3=\sqrt{9} \; ,\) ・・・

ここから,\( \dfrac{2^2 \times 10 \times n}{3^2} \) が整数になるためには,分母の \( 3^2 \) を約分できる必要があるので,
\( n \) は,\( 9=3^2 \) の倍数である ・・・ ➀
ことがわかります。

また,\( (abc)^2=a^2 \times b^2 \times c^2 \) と表せることから,
\( \sqrt{A} \) が整数になるとき,\( A=a^2 \times b^2 \times c^2 \; ・・・ \) と表せます。
\( 2^2 \times 10 \times n \) のとき,\( 10 \) が1個足りないので,
\( n \) は,\( 10 \) の倍数でもある ・・・ ➁
とわかります。

➀➁より,\( n=3^2 \times 10 \) のとき,
 \( \sqrt{\dfrac{2^2 \times 10 \times n}{3^2}}=\sqrt{2^2 \times 10^2} \)
         \( =\sqrt{(2 \times 10)^2} \)
         \( =20 \)
となり,整数になります。

ここで,「\( \sqrt{A} \) が整数になる」という条件だけのとき,\( 20 \) より大きくなってもいいので,
\( n \) に \( \times m^2 \)(\( m \) は自然数)を追加することで
 \( \sqrt{\dfrac{2^2 \times 10 \times n}{3^2}}=20m \)
となります。

以上より,\( n=3^2 \times 10 \times m^2 \) と表すことができます。

 

(7) \( y \) は \( x \) に比例し,\( x=10 \) のとき,\( y=-2 \) である。このとき,\( y=\dfrac{2}{3} \) となる \( x \) の値を求めなさい。

【解答】
\( x=-\dfrac{10}{3} \)
【解説】
この関係を表す式を \( y=ax \) とし,\( x=10,y=-2 \) を代入すると,
 \( -2=a \times 10 \)
  \( a=-\dfrac{1}{5} \)
となり,この関係を表す式は, \( y=-\dfrac{1}{5}x \) となります。

よって,\( y=-\dfrac{1}{5}x \) に \( y=\dfrac{2}{3} \) を代入すると,
 \( \dfrac{2}{3}=-\dfrac{1}{5}x \)
  \( x=-\dfrac{10}{3} \)

 

(8) 次の図で,2直線 \( l,m \) が平行のとき,\( ∠x \) の大きさを求めなさい。

【解答】
\( 108° \)

【解説】

折れ曲がった部分を通り,2直線 \( l,m \) と平行な直線をひくと,
錯角は等しいので,右の図のように,それぞれの角を分けて求めることができます。

よって,\( ∠x=180°-72°=108° \)

 

(9) 右の図のような,点 \( A,B,C,D,E,F \) を頂点とする三角柱があるとき,直線 \( AB \) とねじれの位置にある直線はどれか,次のから適切なものをすべて選び,その記号を書きなさい。

. 直線 \( BC \)     . 直線 \( CA \)     . 直線 \( AD \)
. 直線 \( BE \)     . 直線 \( CF \)     . 直線 \( DE \)
. 直線 \( EF \)     . 直線 \( FD \)

 

【解答】

【解説】

ねじれの位置といえる条件は,
・ どこまで行っても直線 \( AB \) と交わらない
・ 直線 \( AB \) と平行ではない
の2つを両方満たすときです。

この三角柱でこれを満たすのは,直線 \( CF,EF,FD \) になります。

 

(10) 右の図は,P中学校の3年生 \( 25 \) 人が投げた紙飛行機の滞空時間について調べ,その度数分布表からヒストグラムをつくったものである。例えば,滞空時間が \( 2 \) 秒以上 \( 4 \) 秒未満の人は3人いたことがわかる。
このとき,紙飛行機の滞空時間について、最頻値を求めなさい。

【解答】
\( 5 \) 秒

【解説】
最頻値とは,度数が最も多い階級の階級値のことです。
ヒストグラムから,度数が最も多い階級は,\( 4 \) 秒以上 \( 6 \) 秒未満の階級です。
階級が幅を持っているとき,階級の幅の最大値と最小値の平均値が階級値になるので,
階級値は,\( \dfrac{4+6}{2}=5 \)(秒)

 

(11) 次の図で,直線 \( l \) と点 \( A \) で接する円のうち,中心が2点 \( B,C \) から等しい距離にある円を,定規とコンパスを用いて作図しなさい。
なお,作図に用いた線は消さずに残しておきなさい。

【解答】

手順1 点 \( A \) を中心に円弧を描く
(直線 \( l \) との交点を点 \( D,E \) とします。)
手順2 点 \( D,E \) を中心に円弧を描く
(交点を点 \( F \) とします。)
手順3 2点 \( A,F \) を通る直線を描く
手順4 点 \( B,C \) を中心に円弧を描く
(交点を点 \( G,H \) とします。)
手順5 2点 \( G,H \) を通る直線を描く
(手順3の直線との交点を点 \( O \) とします。)
手順6 点 \( O \) を中心に線分 \( OA \) を半径とする円を描く

手順6の円が求める円になります。

【解説】
円の半径と接線は接点において垂直に交わるので,
円の中心は,点 \( A \) を通り直線 \( l \) と垂直な直線上にあります。
また,2点 \( B,C \) から等しい距離にある点は線分 \( BC \) の垂直二等分線上の点になります。
よって,これら2本の直線の交点が求める円の中心になります。

 

大問2

ひびきさんは,A班8人,B班8人,C班10人が受けた,20点満点の数学のテスト結果について,図1のように箱ひげ図にまとめた。図2は,ひびきさんが図1の箱ひげ図をつくるのにもとにしたB班の数学のテスト結果のデータである。
このとき,あとの各問いに答えなさい。
ただし,得点は整数とする。

(1) A班の数学のテスト結果の第1四分位数を求めなさい。

【解答】
6点
【解説】

 

(2) B班の数学のテスト結果について,\( m,n \) の値をそれぞれ求めなさい。
   ただし,\( m<n \) とする。

【解答】
\( m=3,n=17 \)
【解説】
B班は8人がテストを受けたので,箱ひげ図から,
 最小値は3点
 第1四分位数は低い方から2番目と3番目の人の平均値で13点
 中央値は低い方から4番目と5番目の人の平均値で16点
 第3四分位数は低い方から6番目と7番目の人の平均値で17点
 最大値は19点
になっています。

次に,図2のデータを点数が低い方から順に並べ替えると

ここには,最小値の3点が含まれていないので,\( m=3 \) になります。

左から順に➀から番号をつけていくと,第1四分位数の13点と中央値の16点は満たしています。
また,最大値の19点を ➇ とすると,第3四分位数の17点を満たすためには,
➆の位置に17点を追加すればいいとわかります。

 

(3) C班の数学のテスト結果について,データの値を小さい順に並べると,小さい方から6番目のデータとしてありえる数をすべて答えなさい。

【解答】
6,7,8
【解説】
C班は10人がテストを受けたので,箱ひげ図から,
 最小値は3点
 第1四分位数は低い方から3番目の人の値で4点
 中央値は低い方から5番目と6番目の人の平均値で6点
 第3四分位数は低い方から8番目の人の値で14点
 最大値は16点
になっています。

5番目と6番目の人の平均値が6点ということは,5番目の人の点は6点以下です。
また,3番目の人の点は4点なので,5番目の人の点は4点,5点,6点のいずれかであるとわかります。
6番目の人の点を \( x \) 点とすると,
● 5番目の人の点が4点のとき
  \( \dfrac{4+x}{2}=6 \)
    \( x=8 \)(点)
● 5番目の人の点が5点のとき
  \( \dfrac{5+x}{2}=6 \)
    \( x=7 \)(点)
● 5番目の人の点が6点のとき
  \( \dfrac{6+x}{2}=6 \)
    \( x=6 \)(点)

よって,6番目のデータとしてありえる数は 6,7,8 になります。

 

(4) 図1,図2から読みとれることとして,次の ➀,➁ は,「正しい」,「正しくない」,「図1,図2からはわからない」のどれか,下のから最も適切なものをそれぞれ1つ選び,その記号を書きなさい。

➀ A班の数学のテスト結果の範囲と,B班の数学のテスト結果の範囲は同じである。

. 正しい    . 正しくない    . 図1,図2からはわからない〕

【解答】

【解説】
範囲は,最大値 \( – \) 最小値 で求めることができます。
A班の範囲 ・・・ \( 18-2=16 \)(点)
B班の範囲 ・・・ \( 19-3=16 \)(点)

 

➁ A班,B班,C班のすべてに14点の人がいる。

. 正しい    . 正しくない    . 図1,図2からはわからない〕

【解答】

【解説】
A班は第三四分位数は14点ですが,8人がテストを受けたので,
第3四分位数は低い方から6番目と7番目の人の平均値になります。
6番目と7番目の人の平均値が14点になるのは,
 ・ 6番目の人が13点,7番目の人が15点
 ・ 6番目の人も7番目の人も14点
の場合が考えられます。
よって,図1,図2からはわかりません。

ちなみに,
B班は図2から14点の人がいるとわかります。
C班は第3四分位数が14点であり,これは低い方から8番目の人の値になります。

 

大問3

ある陸上競技大会に小学生と中学生あわせて120人が参加した。そのうち,小学生の人数の35%と中学生の人数の20%が100m走に参加し,その人数は小学生と中学生あわせて30人だった。
このとき,あとの各問いに答えなさい。

(1) 次の      は,陸上競技大会に参加した小学生の人数と,中学生の人数を求めるために,連立方程式に表したものである。➀,➁ に,それぞれあてはまる適切なことがらを書き入れなさい。

陸上競技大会に参加した小学生の人数を \( x \) 人,中学生の人数を \( y \) 人とすると,
\( \left\{ \begin{array}{}
\quad ➀ \quad=120 \\
\quad ➁ \quad=30 \\
\end{array} \right.  \)
と表すことができる。
【解答】
➀ ・・・ \( x+y \)
➁ ・・・ \( \dfrac{35}{100}x+\dfrac{20}{100}y \)

 

(2) 陸上競技大会に参加した小学生の人数と,中学生の人数を,それぞれ求めなさい。

【解答】
小学生 ・・・ 40人
中学生 ・・・ 80人
【解説】
\( \left\{ \begin{array}{}
x+y=120 \;\; ・・・ \;\; ➀ \\
\dfrac{35}{100}x+\dfrac{20}{100}y=30 \;\; ・・・ \;\; ➁ \\
\end{array} \right.  \)
➁より,
 \( 7x+4y=600 \) ・・・ ➁’
➁’\( – \)➀\(  \times 4 \)
 \( 3x=120 \)
  \( x=40 \)
➀に代入すると,
 \( 40+y=80 \)
    \( y=80 \)

 

大問4

のぞみさんは,グーのカードを2枚,チョキのカードを1枚,パーのカードを1枚持っており,4枚すべてを自分の袋に入れる。けいたさんは,グーのカード,チョキのカード,パーのカードをそれぞれ10枚持っており,そのうちの何枚かを自分の袋に入れる。のぞみさんとけいたさんは,それぞれ自分の袋の中のカードをかき混ぜて,カードを1枚取り出し,じゃんけんのルールで勝負をしている。
このとき,あとの各問いに答えなさい。
ただし,あいこの場合は,引き分けとして, 勝負を終える。

(1) けいたさんが自分の袋の中に,グーのカードを1枚,チョキのカードを2枚,パーのカードを1枚入れる。このとき,けいたさんが勝つ確率を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{5}{16} \)
【解説】
のぞみさんとけいたさんが取り出したカードの組み合わせを樹形図として書き,
けいたさんが勝つところに をつけてみます。
けいたさんが勝つ組み合わせは5通り,すべての組み合わせは16通りなので,
確率は,\( \dfrac{5}{16} \)

 

(2) けいたさんが自分の袋の中に,グーのカードを1枚,チョキのカードを3枚,パーのカードを \( a \) 枚入れる。のぞみさんが勝つ確率と,けいたさんが勝つ確率が等しいとき,\( a \) の値を求めなさい。

【解答】
\( a=3 \)
【解説】
のぞみさんが勝つ確率と,けいたさんが勝つ確率が等しいということは,
のぞみさんが勝つ組み合わせの数とけいたさんが勝つ組み合わせの数が等しいということなので,
それぞれの組み合わせの数を考えます。

のぞみさんとけいたさんが取り出したカードの組み合わせを樹形図として書き,
けいたさんが勝つところに ,けいたさんが勝つところに をつけてみます。

けいたさんが袋の中に,グーとチョキのカードだけを入れたとすると,
のぞみさんが勝つ組み合わせは7通り,けいたさんが勝つ組み合わせは4通りで
のぞみさんが勝つ組み合わせが3通り多くなっています。

次に,けいたさんがパーのカードを1枚入れたとすると,
のぞみさんが勝つ組み合わせは1通り,けいたさんが勝つ組み合わせは2通り増えるので,
全体では,のぞみさんが勝つ組み合わせは8通り,けいたさんが勝つ組み合わせは6通りで
のぞみさんが勝つ組み合わせが2通り多くなります。

このように,けいたさんがパーのカードを1枚増やすごとに
のぞみさんとけいたさんの勝つ組み合わせの差が1通りずつ少なくなります。

よって,3通りの差がなくなるのは,パーのカードを3枚入れたときになります。

 

大問5

次の図のように,関数 \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) ・・・ ア のグラフと関数 \( y=ax+b \) ・・・ イ のグラフとの交点 \( A,B \) があり,点 \( A \) の \( x \) 座標が \( -6 \),点 \( B \) の \( x \) 座標が \( 2 \) である。アのグラフ上に \( x \) 座標が \( 4 \) となる点 \( C \) をとり,点 \( C \) を通り \( x \) 軸と平行な直線と \( y \) 軸との交点を \( D \) とする。3点 \( A,B,D \) を結び \( △ABD \) をつくる。
このとき,あとの各問いに答えなさい。

(1) 点 \( B \) の座標を求めなさい。

【解答】
\( B(2,1) \)
【解説】
点 \( B \) は \( y=\dfrac{1}{4}x^2 \) 上の点で,\( x=2 \) なので,代入すると,
 \( y=\dfrac{1}{4} \times 2^2=1 \)

 

(2) \( a,b \) の値をそれぞれ求めなさい。

【解答】
\( a=-1,b=3 \)
【解説】
(1) と同様に点 \( A \) の座標を求めると,\( A(-6,9) \) なので,
直線 イ は \( A(-6,9),B(2,1) \) を通ります。
よって,
 \( a=\dfrac{1-9}{2-(-6)}=-1 \)

\( y=-x+b \) に \( x=2,y=1 \) を代入すると,
 \( 1=-2+b \)
 \( b=3 \)

 

(3) \( △ABD \) の面積を求めなさい。
ただし,座標軸の1目もりを \( 1 \; cm \) とする。

【解答】
\( 4 \; cm^2 \)
【解説】

(1) と同様に点 \( C \) の座標を求めると,\( C(4,4) \) で,
2点 \( C,D \) の \( y \) 座標は等しいので,\( D(0,4) \) になります。

直線 イ  \( y=-x+3 \) と \( y \) 軸の交点を \( G \) とすると,
\( △ABD=△ADG+△BDG \) となるので,
 \( △ABD=△ADG+△BDG \)
     \( =\left( 1 \times 6 \times \dfrac{1}{2} \right)+\left( 1 \times 2 \times \dfrac{1}{2} \right) \)
     \( =3+1 \)
     \( =4 \; (cm^2) \)

 

(4) イのグラフ上に点 \( E \) をとり,\( △CDE \) をつくるとき,\( △CDE \) が \( CD=CE \) の二等辺三角形となるときの点 \( E \) の \( x \) 座標をすべて求めなさい。
なお,答えに \(  \sqrt{\quad} \) がふくまれるときは,\(  \sqrt{\quad} \) の中をできるだけ小さい自然数にしなさい。

【解答】
\( x=\dfrac{3+\sqrt{7}}{2},\dfrac{3-\sqrt{7}}{2} \)
【解説】

\( CD=CE \) となるときの点 \( E \) の \( x \) 座標を \( t \) とすると,
\( E(t,-t+3) \) と表すことができます。

点 \( C \) を通り \( y \) 軸と平行な直線と
点 \( E \) を通り \( x \) 軸と平行な直線の交点を \( F \) とすると,
 \( DF=4-(-t+3)=t+1 \),
 \( EF=4-t \),
 \( CE=CD=4 \)
となるので,
\( △DEF \) において,三平方の定理より,
     \( CE^2=DF^2+EF^2 \)
      \( 4^2=(t+1)^2+(4-t)^2 \)
      \( 16=2t^2-6t+17 \)
 \( 2t^2-6t+1=0 \)
       \( t=\dfrac{-(-6)±\sqrt{(-6)^2-4 \times 2 \times 1}}{2 \times 2} \)
        \( =\dfrac{3±\sqrt{7}}{2} \)

 

大問6

次の図のように,円 \( O \) の円周上に3点 \( A,B,C \) をとり,\( △ABC \) をつくる。\( ∠ABC \) の二等分線と線分 \( AC \),円 \( O \) との交点をそれぞれ \( D,E \) とし,線分 \( AE \) をひく。点 \( D \) を通り線分 \( AB \) と平行な直線と線分 \( AE,BC \) との交点をそれぞれ \( F,G \) とする。
このとき,あとの各問いに答えなさい。
ただし,点 \( E \) は点 \( B \) と異なる点とする。

(1) \( △ABD \) ∽ \( △DAF \) であることを証明しなさい。

【解答】

\( △ABD \) と \( △DAF \) において,
仮定より,\( ∠ABD=∠CBE \) ・・・ ➀
弧 \( CE \) に対する円周角なので,\( ∠DAF=∠CBE \) ・・・ ➁
➀➁より,\( ∠ABD=∠DAF \) ・・・ ➂
\( AB//DF \) より,錯角は等しいので,\( ∠BAD=∠ADF \) ・・・ ➃
➂➃より,2組の角がそれぞれ等しいので,
\( △ABD \) ∽ \( △DAF \)

 

(2) \( AD=6 \; cm,DF=3 \; cm,BC=10 \; cm \) のとき,次の各問いに答えなさい。

➀ 線分 \( AB \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( 12 \; cm \)
【解説】

(1) より,\( △ABD \) ∽ \( △DAF \) なので,
 \( AD:DF=AB:DA \)
    \( 6:3=AB:6 \)
    \( AB=12 \; (cm) \)

 

➁ 線分 \( DG \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{60}{11} \; cm \)
【解説】

線分 \( BD \) は \( ∠ABC \) の二等分線なので,
\( AB=12 \; cm,BC=10 \; cm \) より,
 \( AB:BC=AD:DC \)
  \( 12:10=6:DC \)
    \( DC=5 \; (cm) \)

\( AB//DG \) より,\( △DGC \) ∽ \( △ABC \) なので,
 \( DG:AB=CD:CA \)
  \( DG:12=5:(5+6) \)
    \( DG=\dfrac{60}{11} \; (cm) \)

角の二等分線で分割された線分の長さの比
線分 \( AD \) が \( ∠BAC \) の二等分線であるとき,\( a:b=c:d \) になります。
       

 

大問7

右の図のように,点 \( A \) を頂点,線分 \( BC \) を直径とする円を底面とした円すい \( P \) があり,母線 \( AB \) の中点を \( M \) とする。 \( AB=12 \; cm,BC=8 \; cm \) のとき,あとの各問いに答えなさい。
ただし,各問いにおいて,円周率は \( \pi{} \) とし,答えに \(  \sqrt{ \;\; } \) がふくまれるときは,\(  \sqrt{ \;\; } \) の中をできるだけ小さい自然数にしなさい。

(1) 円すい \( P \) の体積を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{128\sqrt{2}}{3}\pi{} \; cm^3 \)
【解説】

底面の円の中心を \( O \) とし,この円すいを正面から見ると,
右の図のように見えるので,
\( △ABO \) において,三平方の定理より,
 \( AO^2=12^2-4^2=128 \)
  \( AO=8\sqrt{2} \; (cm) \)(\( AO>0 \)より )

よって,
この円すいは底面が半径 \( 4 \; cm \) の円,高さが \( 8\sqrt{2} \; cm \) なので,
体積は,
 \( \pi{} \times 4^2 \times 8\sqrt{2} \times \dfrac{1}{3}=\dfrac{128\sqrt{2}}{3}\pi{} \; (cm^3) \)

 

(2) 円すい \( P \) の側面に,点 \( M \) から点 \( B \) まで,母線 \( AC \) を通って,ひもをゆるまないようにかける。かけたひもの長さが最も短くなるときのひもの長さを求めなさい。

【解答】
\( 6\sqrt{7} \; cm \)
【解説】

この円すいを母線 \( AB \) で切って展開すると,右の図のようになります。
おうぎ形の弧と底面の円周の長さは等しいので,おうぎ形の中心角は,
 \( 360° \times \dfrac{8 \times \pi{}}{2 \times 12 \times \pi{}}=360° \times \dfrac{8\pi{}}{24\pi{}} \)
           \( =120° \)

また,点 \( M \) から点 \( B \) までゆるまないようにひもをかけたとき,
赤線のようになります。

点 \( B \) から線分 \( AB \) の延長線上に垂線をひき,
交点を \( N \) とします。
おうぎ形の中心角が \( 120° \) であることから,
\( △ABN \) は \( 30°,60°,90° \) の直角三角形なので,
 \( AN=\dfrac{1}{2}AB=6 \; (cm) \),
 \( BN=\dfrac{\sqrt{3}}{2}AB=6\sqrt{3} \; (cm) \)

\( △BMN \) において,三平方の定理より,
 \( BM^2=(6+6)^2+(6\sqrt{3})^2=252 \)
  \( BM=6\sqrt{7} \; (cm) \)(\( BM>0 \)より )