三重県公立高校入試 令和5(2023)年度(前期) 解答&解説

大問1

(1) \( (-6)^2+24 \div (-3) \) を計算しなさい。

【解答】
\( 28 \)
【解説】
\( =36-8 \)
\( =28 \)

 

(2) \( 4(2x-1)-6x \) を計算しなさい。

【解答】
\( 2x-4 \)
【解説】
\( =8x-4-6x \)
\( =2x-4 \)

 

(3) \( 30ab \div \dfrac{6}{5}b \) を計算しなさい。

【解答】
\( 25a \)
【解説】
\( =30ab \times \dfrac{5}{6b} \)
\( =25a \)

 

(4) \( \sqrt{18}-\dfrac{4}{\sqrt{8}} \) を計算しなさい。

【解答】
\( 2\sqrt{2} \)
【解説】
\( =\sqrt{18}-\dfrac{4}{\sqrt{8}} \)
\( =3\sqrt{2}-\dfrac{4}{2\sqrt{2}} \)
\( =3\sqrt{2}-\dfrac{2}{\sqrt{2}} \)
\( =3\sqrt{2}-\dfrac{\sqrt{2} \times \sqrt{2}}{\sqrt{2}} \)
\( =3\sqrt{2}-\sqrt{2} \)
\( =2\sqrt{2} \)

 

(5) 二次方程式 \( (x-6)(x+3)=3(x-9) \) を解きなさい。

【解答】
\( x=3 \)
【解説】
\( x^2-3x-18=3(x-9) \)
 \( x^2-6x+9=0 \)
   \( (x-3)^2=0 \)
       \( x=3 \)

 

(6) \( x \) 個のみかんを,1人に5個ずつ \( y \) 人に配ると,みかんが足りなかった。この数量の関係を不等式に表しなさい。

【解答】
\( x<5y \)

 

(7) 関数 \( y=ax^2 \) で,\( x \) の値が \( 2 \) から \( 6 \) まで増加するとき,変化の割合が \( 4 \) である。このとき,\( a \) の値を求めなさい。

【解答】
\( a=\dfrac{1}{2} \)
【解説】
\( x=2 \) のとき,\( y=a \times 2^2=4a \)
\( x=6 \) のとき,\( y=a \times 6^2=36a \)
このとき,変化の割合は,
 \( \dfrac{36a-4a}{6-2}=4 \)
    \( 32a=16 \)
      \( a=\dfrac{1}{2} \)

 

(8) 半径 \( 5 \; cm \) の球の表面積を求めなさい。
    ただし,円周率は \( \pi{} \) とする。

【解答】
\( 100\pi{} \; cm^2 \)
【解説】
\( 4 \times \pi{} \times 5^2=100\pi{} \; (cm^2) \)

 

(9) 次の図のように,円 \( O \) の周上に4点 \( A,B,C,D \) がある。
\( ∠ABC=92°,∠BAC=37°,∠BCD=120° \) のとき,\( ∠x \) の大きさを求めなさい。

【解答】
\( 106° \)
【解説】

弧 \( BC \) に対する円周角なので,\( ∠BDC=∠BAC=37° \)

\( △BCD \) において,\( ∠CBD=180°-(120°+37°)=23° \)

\( ∠ABC=92° \) より,\( ∠ABD=92°-23°=69° \)

線分 \( AC \) と \( BD \) の交点を点 \( E \) とすると,
\( ∠x \) は \( △ABE \) の外角になるので,
 \( ∠x=37°+69°=106° \)

 

(10) 次の図で,線分 \( OX \) 上に点 \( A \) があり,2つの線分 \( OX,OY \) までの距離が等しく, \( ∠OPA=90° \) となる点 \( P \) を,定規とコンパスを用いて作図しなさい。
なお,作図に用いた線は消さずに残しておきなさい。

【解答】

手順1 点 \( O \) を中心に円弧を描く。
    (線分 \( OX,OY \) との交点を点 \( B,C \) とします。)
手順2 点 \( B,C \) を中心に円弧を描く。
    (交点を点 \( D \) とします。)
手順3 2点 \( O,D \) を通る直線を描く。
手順4 点 \( A \) を中心に円弧を描く。
    (直線 \( OD \) との交点を点 \( E,F \) とします。)
手順5 点 \( E,F \) を中心に円弧を描く。
    (交点を点 \( G \) とします。)
手順6 2点 \( A,G \) を通る直線を描く。

手順3と6の直線の交点が求める点 \( P \) になります。

【解説】

点 \( P \) から線分 \( OX,OY \) までの距離が等しいということは,
点 \( P \) から線分 \( OX,OY \) にひいた垂線 \( PQ,PR \) の長さが
等しいということです。
このとき,\( △OPQ,△OPR \) は,
斜辺と他の1辺が等しいので合同であり,
\( ∠POQ=∠POR \) になります。
よって,点 \( P \) は,\( ∠O \) の二等分線上にあります。

また,\( ∠OPA=90° \) より,点 \( P \) は,点 \( A \) から \( ∠O \) の二等分線にひいた垂線上にあります。

以上より,点 \( P \) は,\( ∠O \) の二等分線と点 \( A \) からこの二等分線にひいた垂線との交点になります。

 

大問2

右の表は,P中学校の1年生と2年生の通学時間を度数分布表に整理したものである。
このとき,あとの各問いに答えなさい。

(1) P中学校の1年生35人を,通学時間の中央値よりも通学時間が短い生徒はAチーム,それ以外の生徒はBチームに分ける。
通学時間が30分のたろうさんは,Aチーム,Bチームのどちらになるか,下の      の考え方で判断をした。
下の ➀,➁ にはあてはまる数を,➂ にはAかBのどちらかを書き入れなさい。

P中学校1年生35人の通学時間の中央値がふくまれる階級は, ➀  分以上  ➁  分未満なので,通学時間が30分のたろうさんは, ➂  チームになる。
【解答】
 ➀  ・・・ 20
 ➁  ・・・ 30
 ➂  ・・・ B
【解説】
35人のデータを集めたとき,中央値は時間が短い方から18番目の人の値になります。
「0分以上10分未満」の階級と「10分以上20分未満」の階級で合計17人いるので,
18番目の人は「20分以上30分未満」の階級にいるとわかります。

たろうさんの通学時間は30分で,「30分以上40分未満」の階級にいるので,
Bチームになります。

 

(2) P中学校1年生の「30分以上40分未満」の階級の相対度数と,P中学校2年生の「30分以上40分未満」の階級の相対度数が等しいとき,度数分布表の (ア) ,(イ) に,それぞれあてはまる適切な数を書き入れなさい。

【解答】
(ア)・・・ 6
(イ)・・・ 30
【解説】
相対度数は,「度数 \(  \div  \) 度数の総合計」で求めることができるので,
1年生の「30分以上40分未満」の階級の相対度数は,\( 7 \div 35=0.20 \)

度数は,「度数の総合計 \(  \times  \) 相対度数」で求めることができるので,
2年生全員の人数(イ)を \( x \) 人とすると,
2年生の「30分以上40分未満」の階級の度数(ア)は
\( x \times 0.20=0.2x \) と表すことができます。

ここから,
 \( 4+8+10+0.2x+2=x \)
          \( 0.8x=24 \)
            \( x=30 \)(人)

\( x=30 \) のとき,(ア)は,\( 0.2x=0.2 \times 30=6 \)(人)

 

大問3

次の図のように,点 \( A,B,C,D,E,F,G,H \) を頂点とした立方体と,文字 \( B,C,D,E,F,G,H \) を1つずつ書いた7枚のカードが入っている袋がある。
このとき,あとの各問いに答えなさい。

(1) この袋の中からカードを1枚取り出し,頂点 \( A \) と,取り出したカードに書かれた文字と同じ文字が示す頂点を結んで,線分をつくる。
このようにしてできる線分が,平面 \( ABCD \) 上にある確率を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{3}{7} \)

 

(2) この袋の中からカードを同時に2枚取り出し,頂点 \( A \) と,取り出した2枚のカードに書かれた文字と同じ文字が示す頂点の3点をそれぞれ結んで,三角形をつくる。
このようにしてできる三角形が,正三角形になる確率を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{1}{7} \)
【解説】
頂点 \( A \) からひける線分は,
立方体の辺 ・・・ 3本 \( (AB,AD,AE) \)
正方形の対角線 ・・・  3本 \( (AC,AF,AH) \)
立方体の対角線 ・・・  1本 \( (AG) \)
のどれかになりますが,\( AB,AD,AE \) の中からどれか2本をひいた場合,
残りの1本は必ず正方形の対角線になり,正三角形になりません。

例)\( AB,AD \) を選んだとき,残りの \( BD \) は正方形 \( ABCD \) の対角線になる。
   (残り2つの選び方でも同様)

よって,正三角形になるのは,\( △ACF,△ACH,△AFH \) の3つになります。

すべてのカードの組み合わせを樹形図で表すと,
正三角形になる組み合わせは \( (C,F),(C,H),(F,H) \) の3通り,
すべての組み合わせは21通りなので,
求める確率は,\( \dfrac{3}{21}=\dfrac{1}{7} \)

 

大問4

次の図のように,平行四辺形 \( ABCD \) があり,線分 \( AB \) の \( A \) 側の延長線上に \( AB=3AE \) となる点 \( E \) をとり,線分 \( EC,ED \) をそれぞれひき,線分 \( EC \) と線分 \( AD \) の交点を \( F \) とする。線分 \( CD \) 上に \( EA=CG \) となる点 \( G \) をとり,点 \( G \) を通り線分 \( AD \) と平行な直線と線分 \( EC \) との交点を \( H \) とし,線分 \( AH \) をひく。
このとき,あとの各問いに答えなさい。

(1)  \( △EAF≡△CGH \) であることを証明しなさい。

【解答】

\( △EAF \) と \( △CGH \) において,
平行四辺形の向かい合う辺は平行なので,錯角は等しく,
 \( ∠AEF=∠GCH \) ・・・ ➀
 \( ∠EAF=∠CDA \) ・・・ ➁
仮定より,\( AD//GH \) で,同位角は等しいので,
 \( ∠CGH=∠CDA \) ・・・ ➂
➁➂より,\( ∠EAF=∠CGH \) ・・・ ➃
仮定より,\( EA=CG \) ・・・ ➄
➀➃➄より,
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので,
 \( △EAF≡△CGH \)

 

(2) 線分 \( AD \) の長さを \( a \; cm \) とするとき,線分 \( HG \) の長さを \( a \) を使って表しなさい。

【解答】
\( \dfrac{a}{4} \; cm \)
【解説】

平行四辺形の向かい合う辺の長さは等しいので,
\( AB=3AE,△EAF≡△CGH \) より,
 \( CG:CD=AE:AB=1:3 \)

\( △CGH \) ∽ \( △CDF \) になっているので,
 \( HG:FD=CG:CD=1:3 \)

\( △EAF≡△CGH \) より,
 \( FA:FD=HG:FD=1:3 \)

よって,
 \( HG:AD=HG:(FA+FD) \)
 \( HG:AD=1:4 \)
   \( HG:a=1:4 \)
    \( HG=\dfrac{a}{4} \; (cm) \)

 

(3) \( △EFD \) と四角形 \( AHGD \) の面積の比を,最も簡単な整数の比で表しなさい。

【解答】
\( 3:10 \)
【解説】
四角形 \( AHGD \) を \( △AFH \) と四角形 \( GDFH \) に分けて,
\( △EAF \) または \( △CGH \) の面積と \( △EFD,△AFH \),四角形 \( GDFH \) それぞれの図形の面積との比を求めていきます。

【\( △EAF \) と \( △EFD \) の面積比】
 \( △EAF \) と \( △EFD \) は高さが共通で,
 \( FA:FD=1:3 \) なので,
  \( △EAF :△EFD=1:3 \)

【\( △EAF \) と \( △AFH \) の面積比】
\( △EAF \) ∽ \( △EBC \),\( AE:AB=1:3 \) より,
\( EF:FC=1:3 \)
\( EF=CH \) より,\( EF:FH=EF:(FC-CH)=1:2 \)

\( △EAF \) と \( △AFH \) は高さが共通なので,
\( △EAF :△AFH=EF:FH=1:2 \)

 

【\( △CGH \) と四角形 \( GDFH \) の面積比】
\( △CGH \) ∽ \( △CDF \),\( CG:CD=1:3 \) より,
相似な三角形の面積比は相似比の2乗の比なので,
 \( △CGH:△CDF=1^2:3^2=1:9 \)

 \( △CGH: \) 四角形 \( GDFH \)
   \( =△CGH:(△CDF-△CGH) \)
   \( =1:(9-1) \)
   \( =1:8 \)

以上より,\( △EAF \) と \( △CGH \) の面積を
\( △EAF=△CGH=1 \) と表すとき,
\( △EFD=3,△AFH=2 \),
四角形 \( GDFH=8 \) なので,
 \( △EFD: \) 四角形 \( AHGD \)
   \( =△EFD:(△AFH+ \) 四角形 \( GDFH) \)
   \( =3:(2+8) \)
   \( =3:10 \)

 

大問5

図1のような,点 \( A,B,C,D,E,F \) を頂点とし, \( BC=CA=4 \; cm,AD=6 \; cm,∠BCA=90° \) の三角柱があり,側面 \( BCFE \) を下向き,側面 \( ACFD \) を正面にして置く。図2は,図1の三角柱の投影図である。
このとき,あとの各問いに答えなさい。

(1) 三角柱の体積を求めなさい。

【解答】
\( 48 \; cm^3 \)
【解説】
\( \left( 4 \times 4 \times \dfrac{1}{2} \right) \times 6=48 \; (cm^3) \)

 

(2) 図2の投影図と,同じ投影図になることのある立体はどれか,次のから適切なものをすべて選び,その記号を書きなさい。

. 正三角柱    . 正四角柱    . 正五角柱    . 円柱 〕

【解答】

【解説】
正三角柱と正五角柱の立面図,平面図は次のとおり。

 

大問6

はなこさんは,A社で荷物を送ろうと考えている。
このとき,あとの各問いに答えなさい。

(1) はなこさんは,スポーツ大会のパンフレットを箱に入れてA社で送る。スポーツ大会のパンフレット \( 14 \) 部を箱 \( 1 \) 箱に入れたときの重さが \( 275 \; g \) ,スポーツ大会のパンフレット \( 31 \) 部を箱 \( 1 \) 箱に入れたときの重さが \( 530 \; g \) となるとき,スポーツ大会のパンフレット \( 1 \) 部の重さと,箱 \( 1 \) 箱の重さをそれぞれ求めなさい。
ただし,箱にはスポーツ大会のパンフレットを \( 50 \) 部まで入れることができることとする。

【解答】
スポーツ大会のパンフレット \( 1 \) 部の重さ ・・・ \( 15 \; g \)
箱 \( 1 \) 箱の重さ ・・・ \( 65 \; g \)
【解説】
パンフレット \( 1 \) 部の重さを \( x \; g \),箱 \( 1 \) 箱の重さを \( y \; g \) とすると,
\( \left\{ \begin{array}{}
14x+y=275 \;\; ・・・ \;\; ➀ \\
31x+y=530 \;\; ・・・ \;\; ➁ \\
\end{array} \right.  \)
➁ \( – \) ➀
 \( 17x=255 \)
  \( x=15 \)
➀に代入すると,
 \( 14 \times 15+y=275 \)
   \( 210+y=275 \)
      \( y=65 \)

 

(2) A社で荷物を \( 1 \) 個送るとき,荷物の重さによって料金が決まる。荷物の重さを \( x \; g \),料金を \( y \) 円とすると,\( y \) は \( x \) の関数であり,その関係は右のグラフのように表される。
はなこさんは,\( 1 \) 部 \( 4 \; g \) の地域フェスタのチラシを,\( 1 \) 枚 \( 16 \; g \) の封筒に入れてA社で送る。
このとき,次の各問いに答えなさい。
ただし,封筒にはチラシを \( 200 \) 部まで入れることができることとする。

➀ 地域フェスタのチラシ \( 30 \) 部を,封筒 \( 1 \) 枚に入れて送るときの料金を求めなさい。

【解答】
\( 210 \) 円
【解説】
チラシ \( 30 \) 部と封筒 \( 1 \) 枚の合計の重さは,
 \( 4 \times 30+16=136 \; (g) \)
なので,\( x=136 \) の直線をひくと,
グラフ中の料金を表す直線と交わるのは,\( y=210 \) のとき。

 

➁ 地域フェスタのチラシ \( 140 \) 部を,封筒 \( 1 \) 枚に入れて送るときの料金よりも,封筒 \( 2 \) 枚に入れて送るときの料金のほうが安くなることがある。地域フェスタのチラシ \( 140 \) 部を,封筒 \( 2 \) 枚に入れて送る料金が,最も安くなるときの料金を求めなさい。

【解答】
\( 530 \) 円
【解説】

チラシ \( 140 \) 部と封筒 \( 1 \) 枚の合計の重さは,
 \( 4 \times 140+16=576 \; (g) \)
なので,封筒 \( 1 \) 枚に入れて送るとき,
料金は \( 580 \) 円かかります。

チラシを \( 70 \) 部ずつにわけて,
封筒 \( 2 \) 枚に入れて送るとすると,
チラシ \( 70 \) 部と封筒 \( 1 \) 枚の合計の重さは,
 \( 4 \times 70+16=296 \; (g) \)
なので,料金は \( 390 \) 円かかります。
よって,チラシ \( 140 \) 部全部を送るには,
合計 \( 390 \times 2=780 \)(円)かかります。

グラフから,\( 390 \) 円の料金では
\( 500 \; g \) まで送ることができるので,
\( 1 \) 枚の封筒に \( 500 \; g \) までチラシを入れると,
もう \( 1 \) 枚の封筒の重さを軽くし,
料金を安くできます。

封筒 \( 1 \) 枚にチラシを入れて \( 500 \; g \) にするとき,
入れられるチラシを \( x \) 部とすると,
 \( 4x+16=500 \)
    \( 4x=484 \)
     \( x=121 \)(部)

残り \( 19 \) 部をもう \( 1 \) 枚の封筒に入れると,
合計の重さは,
 \( 4 \times 19+16=92 \; (g) \)
なので,料金は \( 140 \) 円かかります。

この場合,封筒 \( 2 \) 枚に入れて送る料金は
 \( 390+140=530 \)(円)
になります。

 

大問7

次の図のように,関数 \( y=\dfrac{1}{2}x+b \) ・・・ ア のグラフと,関数 \( y=-2x-2 \) ・・・ イ のグラフと,関数 \( y=x-2 \) ・・・ ウ のグラフがあり,アのグラフとイのグラフの交点を \( P \),イのグラフとウのグラフの交点を \( Q \),ウのグラフとアのグラフの交点を \( R \) とする。また,アのグラフと \( y \) 軸との交点を \( S \) とする。
このとき,あとの各問いに答えなさい。

(1) 点 \( P \) の \( x \) 座標が \( -2 \) のとき,次の各問いに答えなさい。
➀  \( b \) の値を求めなさい。

【解答】
\( b=3 \)
【解説】
点 \( P \) は \( y=-2x-2 \) 上の点で,\( x=-2 \) なので,
 \( y=-2 \times (-2)-2=2 \)

よって,\( y=\dfrac{1}{2}x+b \) に \( x=-2,y=2 \) を代入すると,
 \( 2=\dfrac{1}{2} \times (-2)+b \)
 \( b=3 \)

 

➁ 点 \( R \) の座標を求めなさい。

【解答】
\( R(10,8) \)
【解説】
2直線の交点の座標は,それぞれの直線の式を連立方程式として解いたときの解になるので,
\( \left\{ \begin{array}{}
y=\dfrac{1}{2}x+3 \;\; ・・・ \;\; ➀ \\
y=x-2 \;\; ・・・ \;\; ➁ \\
\end{array} \right.  \)
➀➁より,
 \( \dfrac{1}{2}x+3=x-2 \)
  \( x+6=2x-4 \)
    \( x=10 \)
➁に代入すると,
 \( y=10-2=8 \)

 

➂ 点 \( S \) を通り,\( △PQR \) の面積を2等分する直線の式を求めなさい。

【解答】
\( y=-\dfrac{1}{4}x+3 \)
【解説】

\( △PQR \) を \( y \) 軸でわけると,
\( △PQR=△PQS+△RQS \) と考えられます。
\( P(-2,2),Q(0,-2),R(10,8),S(0,3) \)
なので,
 \( △PQR=\left( 5 \times 2 \times \dfrac{1}{2} \right)+\left( 5 \times 10 \times \dfrac{1}{2} \right) \)
      \( =5+25 \)
      \( =30 \)

直線 \( QR \) と求める直線の交点を \( T \) とすると,
四角形 \( PQRS \) の面積は,
四角形 \( PQRS=\dfrac{1}{2}△PQR=15 \)
となるので,
 四角形 \( PQRS=△PQS+△TQS \)
       \( 15=5+△TQS \)
     \( △TQS=10 \)

点 \( T \) の \( x \) 座標を \( t \) とすると,
 \( △TQS=5 \times t \times \dfrac{1}{2} \)
    \( 10=\dfrac{5}{2}t \)
     \( t=4 \)

点 \( T \) は \( y=x-2 \) 上の点で,
\( x \) 座標の値は \( 4 \) なので,
 \( y=4-2=2 \)

求める直線は,\( S(0,3),T(4,2) \) を通るので,
 傾き \( =\dfrac{2-3}{4-0}=-\dfrac{1}{4} \)
求める直線は \( S(0,3) \) を通るので,切片は \( 3 \) であり,
 \( y=-\dfrac{1}{4}x+3 \)

 

(2) \( b>0 \) の範囲で,\( △SQR \) の面積が \( 11 \; cm^2 \) になるとき, \( b \) の値を求めなさい。
ただし,座標軸の1目もりを \( 1 \; cm \) とする。

【解答】
\( b=-2+\sqrt{11} \)
【解説】

2直線の交点の座標は,それぞれの直線の式を連立方程式として解いたときの解になるので,
\( \left\{ \begin{array}{}
y=\dfrac{1}{2}x+b \;\; ・・・ \;\; ➀ \\
y=x-2 \;\; ・・・ \;\; ➁ \\
\end{array} \right.  \)
これを解くと,\( x=2b+4 \) となり,
点 \( R \) の \( x \) 座標は \( 2b+4 \) と表せます。

線分 \( SQ \) の長さは,\( SQ=b+2 \) と表せるので,
 \( △SQR=(b+2) \times (2b+4) \times \dfrac{1}{2} \)
    \( 11=(b+2)^2 \)
  \( ±\sqrt{11}=b+2 \)
     \( b=-2±\sqrt{11} \)
\( b>0 \) より,あてはまるのは,\( b=-2+\sqrt{11} \)