茨城県公立高校入試 令和5(2023)年度 解答&解説

大問1

(1) 次の➀~④の計算をしなさい。

➀ \( 1-6 \)

【解答】
\( -5 \)

 

➁ \( 2(x+3y)-(5x-4y) \)

【解答】
\( -3x+10y \)
【解説】
\( =2x+6y-5x+4y \)
\( =-3x+10y \)

 

➂ \( 15a^2b \div 3ab^3 \times b^2 \)

【解答】
\( 5a \)
【解説】
\( =\dfrac{15a^2b \times b^2}{3ab^3} \)
\( =5a \)

 

➃ \( \dfrac{9}{\sqrt{3}}-\sqrt{12} \)

【解答】
\( \sqrt{3} \)
【解説】
\( =\dfrac{9 \times \sqrt{3}}{\sqrt{3} \times \sqrt{3}}-2\sqrt{3} \)
\( =3\sqrt{3}-2\sqrt{3} \)
\( =\sqrt{3} \)

 

(2) \( x^2-6x+9 \) を因数分解しなさい。

【解答】
\( (x-3)^2 \)

 

大問2

(1) 下のは、ある中学校の3年生25人が受けた国語、数学、英語のテストの得点のデータを箱ひげ図で表したものである。
    
このとき、これらの箱ひげ図から読み取れることとして正しく説明しているものを、次のの中から2つ選んで、その記号を書きなさい。

    3教科の中で国語の平均点が一番高い。
    3教科の合計点が60点以下の生徒はいない。
    13人以上の生徒が60点以上の教科はない。
    英語で80点以上の生徒は6人以上いる。

【解答】

【解説】
 箱ひげ図だけから平均点は判断できません。
 3教科の最小値のおよその合計は \( 30+20+21=71 \)(点)なので,
  3教科の合計点が60点以下の生徒はいません。
 全員で25人なので,中央値は得点の髙い方から13番目の人の得点になります。
  国語の中央値は60点を超えているので,得点の髙い方から13番目の人の得点は60点以上です。
 全員で25人なので,第三四分位数は得点の髙い方から6番目と7番目の人の平均値になります。
  英語の第三四分位数は80点なので,得点の髙い方から6番目の人の得点は80点以上とわかります。

 

(2) \( \dfrac{252}{n} \) の値が,ある自然数の2乗となるような,最も小さい自然数 \( n \) の値を求めなさい。

【解答】
\( n=7 \)
【解説】
ある自然数の2乗となるような数は,
素因数分解すると \( a^2 \times b^2 \times ・・・ \) と表すことができます。
\( 252 \) を素因数分解すると,\( 2^2 \times 3^2 \times 7 \) となるので,
\( n=7 \) のとき,\( \dfrac{252}{n}=\dfrac{2^2 \times 3^2 \times 7}{7}=2^2 \times 3^2 \) となります。

 

(3) \( x \) についての2次方程式 \( x^2+3ax+a^2-7=0 \) がある。
\( a=-1 \) のとき,この2次方程式を解きなさい。

【解答】
\( x=\dfrac{3±\sqrt{33}}{2} \)
【解説】
\( x^2+3ax+a^2-7=0 \) に \( a=-1 \) を代入すると,\( x^2-3x-6=0 \) なので,
 \( x^2-3x-6=0 \)
       \( x=\dfrac{-(-3)±\sqrt{(-3)^2-4 \times 1 \times (-6)}}{2 \times 1} \)
        \( =\dfrac{3±\sqrt{33}}{2} \)

 

(4) チョコレートが何個かと,それを入れるための箱が何個かある。1個の箱にチョコレートを30個ずつ入れたところ,すべての箱にチョコレートを入れてもチョコレートは22個余った。そこで,1個の箱にチョコレートを35個ずつ入れていったところ,最後の箱はチョコレートが32個になった。
このとき、箱の個数を求めなさい。

【解答】
\( 5 \) 個
【解説】
箱の個数を \( x \) 個として全部のチョコレートの個数を \( x \) を使って表すと,
1個の箱に30個ずつ入れたときは,\( 30x+22 \),
1個の箱に35個ずつ入れたときは,\( x-1 \) 個の箱には35個ずつ入り,残りの1箱には32個入ったので,\( 35(x-1)+32 \)
と表すことができます。

よって,
 \( 30x+22=35(x-1)+32 \)
 \( 30x+22=35x-3 \)
     \( 5x=25 \)
     \( x=5 \)

 

大問3

下の図1のように \( \fbox{1} \) から \( \fbox{7} \) までの番号の書かれた階段がある。地面の位置に太郎さん,\( \fbox{7} \) の段の位置に花子さんがいる。太郎さん,花子さんがそれぞれさいころを1回ずつ振り,自分が出した目の数だけ,太郎さんは \( \fbox{1} \; ,\fbox{2} \; ,\fbox{3} \),・・・ と階段を上り,花子さんは \( \fbox{6} \; ,\fbox{5} \; ,\fbox{4} \) ,・・・ と階段を下りる。例えば,太郎さんが2の目を出し,花子さんが1の目を出したときは,下の図2のようになる。 また,2段離れているとは,例えば,図3のような状態のこととする。

このとき、次の(1)~(3)の問いに答えなさい。
ただし、さいころは各面に1から6までの目が1つずつかかれており,どの目が出ることも同様に確からしいとする。

(1) 太郎さんと花子さんが同じ段にいる確率を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{1}{6} \)
【解説】
さいころの目は1から6までなので,2人とも行ける段は \( \fbox{1} \) から \( \fbox{6} \) までになります。
それぞれの段に行くときのさいころの目は1つに決まっている
(例:太郎さんが \( \fbox{3} \) の段に行くのはさいころの目が3のときだけ,
花子さんが \( \fbox{2} \) の段に行くのはさいころの目が5のときだけ)
ので,太郎さんがどこの段に行くか,花子さんがどこの段に行くかを考えていきます。
2人が同じ段にいるのは,\( \fbox{1} \) から \( \fbox{6} \) の段の場合で6通り,
すべての組み合わせは36通りなので,
求める確率は \( \dfrac{6}{36}=\dfrac{1}{6} \)

 

(2) 太郎さんと花子さんが2段離れている確率を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{2}{9} \)
【解説】
太郎さんと花子さんが2段離れているときどこにいることがありえるかというと,
  太郎さんが \( \fbox{1} \) の段,花子さんが \( \fbox{3} \) の段の場合,
  太郎さんが \( \fbox{2} \) の段,花子さんが \( \fbox{4} \) の段の場合,
  太郎さんが \( \fbox{3} \) の段,花子さんが \( \fbox{5} \) の段の場合,
  太郎さんが \( \fbox{3} \) の段,花子さんが \( \fbox{1} \) の段の場合,
  太郎さんが \( \fbox{4} \) の段,花子さんが \( \fbox{6} \) の段の場合,
  太郎さんが \( \fbox{4} \) の段,花子さんが \( \fbox{2} \) の段の場合,
  太郎さんが \( \fbox{5} \) の段,花子さんが \( \fbox{3} \) の段の場合,
  太郎さんが \( \fbox{6} \) の段,花子さんが \( \fbox{4} \) の段の場合,
であり,組み合わせは8通り,
すべての組み合わせは36通りなので,
求める確率は \( \dfrac{8}{36}=\dfrac{2}{9} \)

 

(3) 太郎さんと花子さんが3段以上離れている確率を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{1}{3} \)
【解説】
太郎さんと花子さんが3段以上離れているときどこにいることがありえるかというと,
  太郎さんが \( \fbox{1} \) の段,花子さんが \( \fbox{4} \; ,\fbox{5} \; ,\fbox{6} \) の段の場合で3通り
  太郎さんが \( \fbox{2} \) の段,花子さんが \( \fbox{5} \; ,\fbox{6} \) の段の場合で2通り
  太郎さんが \( \fbox{3} \) の段,花子さんが \( \fbox{6} \) の段の場合で1通り
  太郎さんが \( \fbox{4} \) の段,花子さんが \( \fbox{1} \) の段の場合で1通り
  太郎さんが \( \fbox{5} \) の段,花子さんが \( \fbox{1} \; ,\fbox{2} \) の段の場合で2通り
  太郎さんが \( \fbox{6} \) の段,花子さんが \( \fbox{1} \; ,\fbox{2} \; ,\fbox{3} \) の段の場合で3通り
であり,合計12通り,
すべての組み合わせは36通りなので,
求める確率は \( \dfrac{12}{36}=\dfrac{1}{3} \)

 

大問4

右の図1のように、タブレット端末の画面に長さが \( 14 \; cm \) の線分 \( AB \) を直径とする円 \( O \) が表示されている。さらに、円 \( O \) の円周上の2点 \( A,B \) と異なる点 \( C \),点 \( A \) における円 \( O \) の接線 \( l \),\( l \) 上の点 \( P \) が表示されている。 点 \( P \) は \( l \) 上を動かすことができ、太郎さんと花子さんは、点 \( P \) を動かしながら、図形の性質や関係について調べている。
このとき、次の(1),(2)の問いに答えなさい。

(1) 太郎さんは線分 \( OP \) と線分 \( BC \) が平行になるように点 \( P \) を動かした。

➀ 線分 \( AC \) と線分 \( OP \) の交点を \( D \) とし,\( BC=10 \; cm \) とするとき、線分 \( OD \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( 5 \; cm \)
【解説】

\( △AOD \) ∽ \( △ABC \),\( AO:AB=1:2 \) なので,
 \( OD:BC=AO:AB \)
  \( OD:10=1:2 \)
    \( OD=5 \; (cm) \)

 

➁ 太郎さんは,\( △ABC \) ∽ \( △POA \) であることに気づき、 次のように証明した。 ア  オ  をうめて、証明を完成させなさい。

〈 証明 〉
\( △ABC \) と \( △POA \) において,
   ア    だから, イ  \( =90° \) ・・・ ➀
直線 \( l \) は点 \( A \) における円 \( O \) の接線だから,\( ∠PAO=90° \) ・・・ ➁
➀,➁より, イ  \( =∠PAO \)  ・・・ ➂
平行線の同位角は等しいから, ウ  \( = \)  エ  ・・・ ➃
➂,➃より,   オ    がそれぞれ等しいので、
\( △ABC \) ∽ \( △POA \)

【解答】

 ア  ・・・ 直径 \( AB \) に対する円周角
 イ  ・・・ \( ∠ACB \)
 ウ  ・・・ \( ∠ABC \)
 エ  ・・・ \( ∠POA \)
 オ  ・・・ 2組の角

 

(2) 花子さんは,右の図2のように \( ∠AOP=60° \) となるように点 \( P \) を動かした。 線分 \( OP \) と円 \( O \) との交点を \( E \) とするとき,\( △APE \) の面積を求めなさい。

【解答】
\( \dfrac{49\sqrt{3}}{4} \; cm^2 \)
【解説】

\( ∠AOP=60°,∠PAO=90° \) より,
\( △OAP \) は,\( 30°,60°,90° \) の直角三角形なので,
 \( OP=2OA=14 \; (cm) \)
 \( AP=\sqrt{3}OA=7\sqrt{3} \; (cm) \)
よって,
 \( △OAP=AO \times AP \times \dfrac{1}{2} \)
     \( =7 \times 7\sqrt{3} \times \dfrac{1}{2} \)
     \( =\dfrac{49\sqrt{3}}{2} \; (cm^2) \)

また,円 \( O \) の半径なので,\( OA=OE=7 \; cm \) であり,
点 \( E \) は線分 \( OP \) の中点になっています。

\( △APE \) と \( △OAP \) において,線分 \( PE,OP \) を底辺と考えると,高さが共通になっています。
\( △APE \) と \( △OAP \) の面積比は底辺の長さの比と等しくなります。
よって,
 \( △APE:△OAP=PE:OP \)
  \( △APE:\dfrac{49\sqrt{3}}{2}=1:2 \)
       \( △APE=\dfrac{49\sqrt{3}}{4} \; (cm^2) \)

 

大問5

\( O(0,0),A(6,0),B(6,6) \) とするとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。

(1) 右の図1において,\( m \) は関数 \( y=ax^2 \; (a>0) \) のグラフを表し,\( C(2,2),D(4,4) \) とする。

➀ \( m \) が点 \( B \) を通るとき,\( a \) の値を求めなさい。

【解答】
\( a=\dfrac{1}{6} \)
【解説】
\( B(6,6) \) なので,\( y=ax^2 \) に \( x=6,y=6 \) を代入すると,
 \( 6=a \times 6^2 \)
 \( a=\dfrac{1}{6} \)

 

➁ 次の文章の  Ⅰ  Ⅲ  に当てはまる語句の組み合わせを,下のの中から1つ選んで,その記号を書きなさい。

\( m \) と線分 \( OB \) との交点のうち,点 \( O \) と異なる点を \( P \) とする。はじめ,点 \( P \) は点 \( D \) の位置にある。 ここで,\( a \) の値を大きくしていくと,点 \( P \) は  Ⅰ  の方に動き,小さくしていくと,
点 \( P \) は  Ⅱ  の方に動く。 また,\( a \) の値を \( \dfrac{1}{3} \) とすると,点 \( P \) は  Ⅲ  上にある。

  点 \( B \)     点 \( C \)     線分 \( OC \)
  点 \( B \)     点 \( C \)     線分 \( CD \)
  点 \( B \)     点 \( C \)     線分 \( DB \)
  点 \( C \)     点 \( B \)     線分 \( OC \)
  点 \( C \)     点 \( B \)     線分 \( CD \)
  点 \( C \)     点 \( B \)     線分 \( DB \)

【解答】

【解説】

\( m \) が点 \( D \) を通る場合の \( a \) の値は
 \( y=ax^2 \)
 \( 4=a \times 4^2 \)
 \( a=\dfrac{1}{4} \)

\( m \) が点 \( C \) を通る場合の \( a \) の値は
 \( y=ax^2 \)
 \( 2=a \times 2^2 \)
 \( a=\dfrac{1}{2} \)

なので,
\( a \) の値を大きくしていくと,点 \( P \) は\( C \) の方に動き,
\( a \) の値を大きくしていくと,点 \( P \) は\( B \) の方に動きます。

また,\( a=\dfrac{1}{2} \) のときは点 \( C \) を通り,\( a=\dfrac{1}{4} \) のときは点 \( D \) を通るので,
\( \dfrac{1}{2}>\dfrac{1}{3}>\dfrac{1}{4} \) より,
\( a=\dfrac{1}{3} \) のときは線分 \( CD \) 上にあります。

 

(2) 右の図2で,\( y=bx \) で表される直線 \( l \) と2点 \( A,B \) を除いた線分 \( AB \) が交わるとき,その交点を \( E \) とする。

このとき,次の [ 条件1 ] と [ 条件2 ] の両方を満たす点の個数が12個になるのは,\( b \) がどのような値のときか。\( b \) のとりうる値の範囲を,不等号を使った式で表しなさい。

[ 条件1 ] \( x \) 座標も \( y \) 座標も整数である。
[ 条件2 ] \( △OEB \) の辺上または内部にある。

【解答】
\( \dfrac{3}{5}<b≦\dfrac{2}{3} \)
【解説】
\( b \) の値が変わっても辺 \( OB \) は変わらないので,辺 \( OB \) 上の点(●)7個は必ずあてはまります。
つまり,辺 \( BE,OE \) 上の点と \( △OEB \) 内部の点の合計が5個になるような
\( b \) の値の範囲を求めればいいことになります。
なお,原点 \( O \) は辺 \( OB \) 上の点,点\( E \) は辺 \( OE \) 上の点として数えることにします。

例えば,\( b=\dfrac{1}{2} \) の場合を考えると,
 辺 \( BE \) 上の点 ● は2個,
 辺 \( OE \) 上の点 ● は3個,
 内部の点 ● は4個
で合計9個あります。
つまり,\( b \) は \( \dfrac{1}{2} \) より大きい値になることがわかります。
ちなみに,\( b=\dfrac{1}{2} \) の場合は,
感覚的に「もっと上にあるな」とわかる場合はやらなくても構いません。

次に,\( b=\dfrac{2}{3} \) の場合を考えると,
 辺 \( BE \) 上の点 は1個,
 辺 \( OE \) 上の点 ● は2個,
 内部の点 ● は2個
で合計5個となり,
求める範囲に \( b=\dfrac{2}{3} \) が含まれるとわかります。

ここから,\( b \) の値が \( \dfrac{2}{3} \) より少しだけ大きくなった場合を考えると,
 辺 \( BE \) 上の点 は1個,
 内部の点 ● は2個
で合計3個となり,
求める範囲に \( b>\dfrac{2}{3} \) は含まれないとわかります。

\( b \) の値が \( \dfrac{2}{3} \) より少しだけ小さくなった場合を考えると,
 辺 \( BE \) 上の点 は2個,
 内部の点 ● は3個
で,合計5個となり,
引き続き求める範囲に含まれているとわかります。

そこから \( b=\dfrac{3}{5} \) まで小さくした場合を考えると,
 辺 \( BE \) 上の点 は2個,
 辺 \( OE \) 上の点  は1個,
 内部の点 ● は3個
で合計6個となり,求める範囲に \( b=\dfrac{3}{5} \) は含まれないとわかります。

以上より,求める範囲は \( \dfrac{3}{5}<b≦\dfrac{2}{3} \) となります。

 

大問6

右の図のような,1辺が \( 6 \; cm \) の正四面体がある。辺 \( BC \) 上に \( BP:PC=2:1 \) となる点 \( P \),辺 \( CD \) 上に \( CQ:QD=2:1 \) となる点 \( Q \) をとる。
このとき、次の(1),(2)の問いに答えなさい。

(1) \( △CPQ \) はどんな三角形か。最も適切なものを、次のの中から1つ選んで,その記号を書きなさい。

 正三角形     二等辺三角形     直角三角形     直角二等辺三角形

【解答】

【解説】

正四面体の4つの面はすべて正三角形になので,
\( △BCD \) は正三角形であり,\( ∠BCD=60° \) ・・・ ➀
\( BC=CD=6 \; cm,BP:PC=CQ:QD=2:1 \) より,
 \( PC=\dfrac{1}{3}BC=2 \; (cm) \)
 \( CQ=\dfrac{2}{3}CD=4 \; (cm) \)
であり,\( PC:CQ=2:1 \) ・・・ ➁

➀➁より,
\( △CPQ \) は \( 30°,60°,90° \) の直角三角形になります。

 

(2) ➀ 線分 \( AQ \) の長さを求めなさい。

【解答】
\( 2\sqrt{7} \; cm \)
【解説】

\( △ACD \) において,点 \( A \) から線分 \( CD \) に垂線をひき,
交点を点 \( R \) とすると,\( △ACD \) は正三角形なので,
 \( RD=\dfrac{1}{2}CD=3 \; (cm) \)
\( △ARD \) は \( 30°,60°,90° \) の直角三角形なので,
 \( AR=\sqrt{3}RD=3\sqrt{3} \; (cm) \)
また,\( RD=3 \; cm,QD=2 \; cm \) より,
 \( RQ=RD-QD=1 \; (cm) \)

\( △ARQ \) において,三平方の定理より,
 \( AQ^2=AR^2+RQ^2 \)
    \( =(3\sqrt{3})^2+1^2 \)
    \( =28 \)
  \( AQ=2\sqrt{7} \; (cm) \)(\( AQ>0 \) より)

 

➁ 直線 \( AP \) を軸として,\( △APQ \) を1回転させてできる立体の体積を求めなさい。
ただし,円周率は \( \pi{} \) とする。

【解答】
\( \dfrac{50\sqrt{7}}{7}\pi{} \; cm^3 \)
【解説】
\( △ACP \) と \( △ADQ \) において,
\( AC=AD=6 \; cm,CP=DQ=2 \; cm,∠ACP=∠ADQ \) より,
\( △ACP≡△ADQ \) なので,\( AP=AQ=2\sqrt{7} \; cm \)
(1) より,
\( △CPQ \) は \( CQ=4 \; cm,CP=2 \; cm,∠PCQ=60° \) の直角三角形なので,
 \( PQ=\sqrt{3}CP=2\sqrt{3} \; (cm) \)
以上より,\( △APQ \) は,
3辺の長さが \( AP=AQ=2\sqrt{7} \; cm,PQ=2\sqrt{3} \; cm \) の二等辺三角形になります。

\( △APQ \) を辺 \( AP \) が垂直になるように描き,
点 \( Q \) から辺 \( AP \) に垂線をひいた交点を点 \( S \) とします。
線分 \( PS=x \; cm \) とすると,
\( △AQS \) と \( △PQS \) において,三平方の定理より
      \( AQ^2-AS^2=PQ^2-PS^2 \)
 \( (2\sqrt{7})^2-(2\sqrt{7}-x)^2=(2\sqrt{3})^2-x^2 \)
       \( 4\sqrt{7}x-x^2=12-x^2 \)
         \( 4\sqrt{7}x=12 \)
            \( x=\dfrac{3}{\sqrt{7}} \; (cm) \)

このとき,先の計算過程より,\( AQ^2-AS^2=4\sqrt{7}x-x^2 \) なので,
 \( QS^2=AQ^2-AS^2 \)
    \( =4\sqrt{7} \times \dfrac{3}{\sqrt{7}}- \left( \dfrac{3}{\sqrt{7}} \right)^2 \)
    \( =12-\dfrac{9}{7} \)
    \( =\dfrac{75}{7} \)

ここから,直線 \( AP \) を軸として,\( △APQ \) を1回転させてできる立体の体積を求めていきます。

回転させた立体は右の図のように円すいをくっつけた形になるので,
その立体の体積を \( V \) とすると,
 \( V=\left( \pi{} \times QS^2 \times AS \times \dfrac{1}{3} \right)+\left( \pi{} \times QS^2 \times PS \times \dfrac{1}{3} \right)  \)
  \( =\dfrac{\pi{}}{3} \times QS^2 \times (AS+PS) \)
  \( =\dfrac{\pi{}}{3} \times QS^2 \times AP \)
  \( =\dfrac{\pi{}}{3} \times \dfrac{75}{7} \times 2\sqrt{7} \)
  \( =\dfrac{50\sqrt{7}}{7}\pi{} \; (cm^3)  \)